
こんにちは、ハッサンです。
今回は、SIVGA(シブガ)から発売されている有線イヤホン「SIVGA Que UTG」を紹介します。
音楽鑑賞向けのモデルですが、実際に音を確認してみるとFPSでも使いやすい要素が揃っています。いわゆる足音強調型ではなく、イヤホン自体の反応や空間表現で必要な音を拾いやすくするタイプです。
動画では、音の可視化ツールを使いながらFPSでの聞こえ方を中心に解説しています。この記事では、付属品や装着感、音楽用途も含めて紹介します。
付属品(パッケージ内容)
| カテゴリ | 内容物 |
|---|---|
| イヤホンケース | 本革製オリジナルケース |
| イヤーピース | シリコンイヤーピース (黒/白・各S/M/L 3サイズ)計2種 |
| ケーブル | 銀メッキ高純度無酸素銅(OFC) Litz構造 4芯ケーブル |
| プラグ | 交換式マルチプラグ (3.5mm シングル / 4.4mm バランス) |
| その他 | ユーザーマニュアル |
製品スペック
| 項目 | 仕様詳細 |
|---|---|
| 参考価格 | 15,980円 (Amazon 2026年8月4日時点) |
| ドライバー構成 | 10mm 特殊ガラス平面振動膜ダイナミック(1DD) |
| インピーダンス | 32Ω |
| 感度 | 103dB ±3dB |
| 再生周波数帯域 | 20Hz 〜 20kHz |
駆動のしやすさ
インピーダンス32Ω、感度103dBで、特別に鳴らしにくいイヤホンではありません。PC直差しや小型ドングルDACでも音量を確保しやすく、FPSでも無理に音量を上げなくても必要音を認識しやすい方向です。
ビルドクオリティと装着感
外装の質感
筐体には亜鉛合金を採用し、チタンカラーに近い滑らかな仕上げが施されています。フェイスプレートには天然木材を使っており、金属の堅牢さと木の落ち着いた質感を組み合わせたデザインです。この価格帯としては、外装も付属品もかなり頑張っていると思います。
FPS視点での装着感
金属筐体のため片側約10gと軽量モデルではありません。ただ、耳の形に沿う曲線と耳掛けケーブルによって重さが分散されやすく、装着中のズレも抑えやすい形状です。耳との相性はあるものの、金属筐体の重さは意外と気になりにくい形です。長時間のFPSでも使いやすい部類だと思います。
イヤホン属性プロファイル

帯域バランス
高域寄りの弱ドンシャリ
聞こえ方はやや高音寄りです。中高域から高域の輪郭が先に見えやすく、明るさと金属音の描き込みが第一印象を作ります。ただし、低域が薄く消えているわけではありません。量で押すタイプではないものの、沈み込みと適度な残り方があり、数値上の軽さより質量を感じやすい低音です。
色味はやや寒色寄り。クールで乾いた輪郭が中心ですが、中低域には少し柔らかさと温度感が残ります。寒色一辺倒というより、上側はソリッドで、下側には少し自然な厚みがあるという感じです。
音の形は弱ドンシャリ寄りです。足音だけを狙って持ち上げたような不自然な強調はなく、音楽ではボーカルと楽器を大きく分断しません。FPSでは中高域の輪郭と背景の隙間が手がかりになり、必要な音が自然に耳へ入りやすいタイプです。
音の硬さ
- 低域:締まりはあるものの、出だしには少し丸みがあり、硬い塊として叩きつけるタイプではない
- 中域:滑らかさを残しながら芯が見え、柔らかすぎず硬すぎない
- 高域:ソリッドで硬質寄り。金属音や細かな輪郭がカチッと見えやすい
全体ではややハード寄りです。高域の硬質さが第一印象を支配しやすい一方、低域と中域には丸みがあるため、全帯域が冷たく硬いわけではありません。高域の鋭さが少し粗く聞こえる場面もあります。硬質な音が苦手な方は、この部分だけ注意した方が良さそうです。
音の立ち上がり
- 低域:量感を膨らませず、踏み込んだ後は比較的すばやく形がまとまる
- 中域:標準より少し速めで、声や楽器の入りがぼやけにくい
- 高域:反応が速く、接触音や金属音の入口がスッと立ちやすい
全体ではやや鋭い側だと思います。低域にわずかな丸みはありますが、音の前半が膨らみ続ける感じは少なく、DDらしい厚みを残しながら反応よくまとまります。FPSでは足音を強調して押し出すというより、鳴り始めの形が見えやすいため、音量を過度に上げなくても気づきやすい方向です。
実体感の強さ
芯の密度はしっかりしており、音が細く空洞になるタイプではありません。低域にも一定の沈み込みと質量があるため、以前の評価ほど繊細側へ強く寄せる必要はないでしょう。
一方で、芯や低域が長く膨らみ続けるわけではなく、音像は比較的引き締まっています。迫力だけで押すのではなく、必要な厚みを残しながら輪郭を見せるバランスです。音楽ではキックやベースの質量を感じつつ、FPSでは音像が太りすぎず、位置を追いやすい中間的な実体感です。
音の抜け
- 低域:一定の質量はあるが、長く居座りにくく、下側がこもりにくい
- 中域:滑らかさを残しながら見通しを保ち、声や楽器が背景へ沈みにくい
- 高域:明るさと伸びがあり、空間の外側へ抜ける感覚が強め
音の芯や低域の居残りは比較的少なく、背景は整理されやすい方向です。その一方で、シンバルやホール感のような空間的な残響は外側へ伸びやすく、単純な無響・早消え型ではありません。音同士を濁らせる余韻は抑えつつ、広がりとしての響きは残すタイプです。
音場
音場はやや広めです。左右だけでなく前後方向の差も感じやすく、音が手前だけに固まりません。ライブ音源ではステージの奥行きや外側への広がりが出やすく、FPSでは全体を俯瞰しながら音の位置関係を読む使い方に向きます。
ただし、定位像が針の先のように細く固定されるとは限りません。音像には少し面積があり、方向は分かりやすくても中心位置がわずかに広がって感じられる場面があります。広さ・奥行き・見通しが強みで、極細の点定位だけに特化した空間ではありません。
声の聞き取りやすさ
声は全体の主役として強く押し出されるタイプではありませんが、薄く埋もれる聞こえ方でもありません。中域の滑らかさと芯が残り、高域側の子音や息遣いも見えやすいため、ボーカルは自然な位置を保ちながら細かな表情を拾いやすい方向です。
声の中心だけが大きく前へ出るというより、芯・子音・周囲の空気をまとめて見せるタイプ。女性ボーカルや明るい録音では輪郭が少し際立ちやすく、音源によってはサ行が強く感じられる可能性があります。
耳への刺激
- 低域:刺激源になりにくく、量感も過剰ではない
- 中域:滑らかで、声の中心が強く張り出しすぎない
- 高域:明るく硬質。録音や音量によっては擦れ感やピーク感が出やすい
普段から常に刺さるタイプではありません。高域の伸びはありますが、余韻には少し丸みも残っています。ただ、硬質な輪郭と明るさを持つため、録音状態の悪い曲や高めの音量では刺激が目立つ場合があります。
総合的にはやや刺激的寄り。FPSでは細かな音が見えやすい強みになりますが、硬質な高域に敏感な人は長時間使用で疲れを感じる可能性があります。装着感そのものは良好でも、音の刺激とは分けて考えたほうがよいでしょう。
帯域評価
低域
タイプ:沈み込み寄りの自然型
量感を前面に押し出す低域ではありませんが、下まで沈む感覚と一定の質量があります。踏み込みは比較的タイトで、ゴリゴリと長くうねるより、ドンと出て形を整えるタイプです。出だしには少し丸みがあり、音楽ではバスドラムやウッドベースに自然な広がりが乗ります。FPSでは低域が足音帯域を強く覆いにくい一方、単音には必要な土台が残るため、軽薄には感じにくいでしょう。
中域
タイプ:滑らかな自然型
中域は量で前へ押すタイプではありませんが、芯と密度が残り、声や楽器が薄く消えにくい方向です。表面はクリアで、内側には少し柔らかさがあるため、クールな全体像の中でも中域だけが冷たく痩せる感じは抑えられています。ボーカルは極端な近さではないものの、子音や息遣いまで見えやすく、女性ボーカルやピアノと合わせやすいでしょう。弱点は、高域の明るさが強い曲では、中域より上側の輪郭が先に耳へ入ることです。
高域
タイプ:ソリッドな描き込み型
高域はQue UTGの個性が最も出やすい帯域です。明るさと伸びがあり、金属音やシンバル、細かな残響を描き込みやすいタイプ。音の入口は速く、芯の居残りも抑えやすいため、細部が重なって濁るより、それぞれの輪郭が見えやすい方向です。一方で、録音や音量によっては硬さや擦れ感が前へ出るため、刺激に敏感な人には注意が必要です。
低域は量より沈み込みと質量を残した自然型、中域は滑らかさと芯を持つ自然型、高域はソリッドで描き込みを重視したタイプです。全体はやや高音寄り・やや寒色寄りですが、低域と中域の自然な厚みによって、細く乾き切った音にはなりません。
強みは、高域の輪郭、低域の収束、空間的な広がりが同時に成立しているところ。音楽では華やかさとライブ感、FPSでは音の混ざりにくさと奥行きの把握につながります。弱点は、硬質な高域が録音や音量によって刺激へ変わりやすい点です。
音質まとめ
Que UTGは、明るく硬質な高域と反応の良さを軸にした、明るめの弱ドンシャリ寄りのイヤホンです。低域は量で押すタイプではありませんが、沈み込みと一定の質量があり、中域にも滑らかさと芯が残っています。
高域は細かな音や残響を見つけやすい一方、録音や音量によっては硬さや擦れ感が目立つことがあります。音の中心は比較的早めに整理されますが、空間的な響きは外側へ伸びるため、見通しの良さと広がりを両立しています。
全体としては、クールで反応が速く、細かな音を拾いやすい方向です。この整理の良さと奥行きが、FPSでも強みになります。
FPSでの聞こえ方
FPS総合評価
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 足音の存在感 | ★★★★☆ |
| 分離・音種判別 | ★★★★☆ |
| 定位感・方向感 | ★★★★☆ |
| 遠距離索敵 | ★★★★☆ |
| 距離感・奥行き | ★★★★★ |
Que UTGで一番分かりやすいのは、足音を太く強調することではなく、音の入口と背景の隙間、奥行きを使って必要な音を見つけやすくするところです。
低域には一定の沈み込みと質量があります。そのため、近距離の足音が細く空洞になる感じは少なめです。一方で、低音が長く膨らみ続けるタイプではなく、音の中心も比較的早めに整理されます。
この引きの良さと、崩れにくい音の芯が組み合わさることで、銃声や効果音のあとに残っている足音も拾いやすくなっています。
高域は明るく、細かな接触音や輪郭も見えやすいです。音場には左右だけでなく前後の広がりもあり、近い音と遠い音が同じ平面に集まりにくいですね。
ただし、すべての音を細い点として切り分けるタイプではありません。音像には少し面積があり、空間的な響きも外側へ広がります。
Que UTGは、極端な競技特化型というより、近距離の実体感と遠距離の見つけやすさを両立した、上振れ競技寄りの万能型です。
足音の存在感:太さではなく、入口と芯で見せるタイプ
Que UTGの足音は、低音を増やして大きく押し出すタイプではありません。
それでも、低域には一定の沈み込みと質量があります。近距離の足音や着地音が軽くなりすぎず、必要な厚みは残ります。
強みは、足音が鳴った瞬間の入口が見えやすく、その後の芯も崩れにくいことです。
- 足音が入ってきた瞬間
- 接触音の硬さ
- 音像の中心
- 前の音が引いたあとの小さな動き
こういった情報をまとめて掴みやすいです。
低音の量だけで存在感を作るイヤホンではないので、足音が常に大きく近く聞こえるわけではありません。ただ、無理に音量を上げなくても「何か鳴った」と気づきやすく、自然な距離のまま存在を拾いやすいタイプです。
足音の存在感は星4。初心者向けの強調型ではありませんが、入口と芯が見えやすいため、実戦では扱いやすいと思います。
分離・音種判別:時間・芯・音量階層で分けるタイプ
| 分離項目 | 説明 | 評価 |
|---|---|---|
| 空間 | 音像が小さくまとまるか | ★★★☆☆ |
| 時間 | 前の音が早く整理されるか | ★★★★☆ |
| 帯域 | 足音・銃声・環境音が帯域で分かれるか | ★★★☆☆ |
| 芯 | 重なった後も中心線が残るか | ★★★★☆ |
| 音量階層 | 大きい音の裏の小さい音が分かるか | ★★★★☆ |
Que UTGの分離は、総合では良い方です。
ただし、低域・中域・高域が完全に別々の色で分かれるようなイヤホンではありません。音楽用イヤホンらしく帯域のつながりは自然で、帯域だけを頼りに音種を判別する力は普通くらいです。
強いのは、前の音が長く居座りにくいこと、重なった後も音の中心が残りやすいこと、大きい音の奥にある小さい音が沈みにくいことです。
つまりQue UTGは、帯域差だけで分けるイヤホンではなく、時間・芯・距離の違いを使って分けるイヤホンです。
空間の分離:広いが、音像は極小ではない
空間分離は普通くらいです。
Que UTGの音場は広めで、左右だけではなく前後方向にも余裕があります。複数の音が狭い場所へ押し込まれる感じは少なく、空間の中へ自然に配置されます。
ただし、音像そのものが極端に小さいわけではありません。
音の中心はまとまりやすい一方、その周りには少し面積があり、空間的な響きも外側へ広がります。すべての音が細い点として完全に切り離されるタイプではないですね。
まとめると、空間は広く、音同士の間隔も取りやすい。ただし音像は極小ではない、というタイプです。
空間分離は星3。点の細さではなく、広い空間そのものが窮屈さを減らしています。
時間の分離:音の中心は整理され、響きは外側へ伸びる
時間の分離は良好です。
Que UTGは、低域や音の芯が必要以上に膨らみ続けにくく、鳴った後は比較的早めに形が整います。
爆発音や銃声のあとに濃い余韻の幕が残り続ける感じは少なく、次の足音や接触音へ意識を戻しやすいです。
ただし、完全に無響でドライなイヤホンではありません。
シンバルや部屋の反響のような空間的な響きは外側へ伸びます。ここがQue UTGの面白いところです。
音の中心は整理される一方、空間の響きは残る。
この消え方によって、音楽的な広がりを残しながら、FPSでは前後の音が重なりにくくなっています。
時間の分離は星4。短く切ることだけを狙ったイヤホンではありませんが、後続音を覆いにくい整理のされ方です。
音の芯の分離:必要な実体を残しながら中心を保つ
芯の分離も良い方です。
Que UTGは、音が重なった後も足音や声の中心が崩れにくく、それぞれの位置を追いやすいタイプです。
近距離の足音には一定の質量がありますが、芯が太く長く居座るわけではありません。
そのため、太い中心線を長く追わせるというより、崩れにくい芯を短めに見せる聞こえ方に近いです。
音数が増えても全部が一つの濃い塊になりにくく、それぞれの中心が残りやすい。これがQue UTGの分離を支えています。
芯の分離は星4。音像を極端に細くするのではなく、必要な実体感を残したまま中心を保ちやすい点が強みです。
帯域の分離:自然につながるため、帯域だけでは分けない
帯域の分離は普通くらいです。
低域が大きく膨らまず、高域の輪郭も見えやすいため、全体としては混濁しにくいです。ただし、低域・中域・高域が明確な段差で分かれるわけではありません。
足音、銃声、環境音を帯域だけで瞬時に色分けするというより、次のような要素を組み合わせて判断します。
- 鳴り始めの硬さ
- 音の中心位置
- どの距離から聞こえたか
- 響きがどの方向へ広がったか
帯域の分離は星3ですが、時間・芯・音量階層が補うため、総合的な音種判別は星4まで上がります。
音量階層の分離:大きい音の後ろにある小さい音を拾いやすい
音量階層の分離も良い方です。
Que UTGは、低域や音の中心が長く残りにくく、背景に隙間ができやすいです。大きな銃声やスキル音が鳴ったあとでも、その後ろにある足音が完全に沈みにくくなっています。
高域の描き込みもあるため、小さな接触音や遠い足音の入口が見えやすい場面があります。
さらに、音場に前後方向の差があるので、大きい音と小さい音が同じ位置へ重なりにくいです。
ただし、細かな高域情報まで見えやすいため、音数が多いゲームでは最初は少し忙しく感じる可能性があります。
Que UTGは、大きい音を小さくするイヤホンではありません。大きい音の後ろに残った隙間から、小さい音を見つけやすいイヤホンです。
音量階層の分離は星4。混戦で細かな情報まで拾いたい人に向いています。
定位感・方向感:広い空間の中で中心と奥行きを読む
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 定位感 | ★★★★☆ |
| 方向感 | ★★★★☆ |
定位感と方向感は良好です。
音の芯が比較的崩れにくく、前の音も長く居座りにくいため、足音や接触音の中心を見つけやすくなっています。
低域が大きく膨らまないので、位置が下側の量感に引っ張られにくい点もプラスです。
ただし、競技特化イヤホンのように、すべての音を針の先へ固定するタイプではありません。音像には少し面積があり、外側には空間的な響きも残ります。
Que UTGの定位は、極細の点定位というより、広い空間の中で中心を安定して読む定位です。
方向感も同じで、左右だけではなく斜めや前後の手がかりを使いやすいです。
- 音の入口
- その後の芯
- 空間の奥行き
- 移動に伴う位置の変化
これらをまとめて方向を判断します。
極細の一点を頼りに角度を切る使い方だけなら、もっと音像が小さいイヤホンの方が合う場合があります。一方で、方向、距離、周囲との位置関係をまとめて読む使い方ではQue UTGの広さが強みになります。
距離感・遠距離音:自然な距離のまま見つけやすい
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 遠距離の微音検出 | ★★★★☆ |
| 距離感 | ★★★★★ |
遠距離の小さい音は比較的拾いやすいです。
高域の伸び、音の入口、背景整理が揃っているため、空間の奥に現れた足音や接触音が完全に沈みにくくなっています。
遠距離音だけを不自然に前へ持ち上げるタイプではありません。遠い音は遠いままですが、その距離を保った状態で存在を見つけやすいです。
そのため、遠距離の微音検出は星4。極端な遠距離特化ではないものの、複数タイトルで使いやすい高い水準です。
距離感はQue UTGの大きな強みです。
近い音、中距離の音、遠い音が同じ平面へ集まりにくく、前後方向の差が出やすくなっています。
距離は音量差だけではなく、次の情報から読めます。
- 音の大きさ
- 輪郭の細さ
- 響きの広がり
- 前後の位置
CODのように屋内外の反響差や奥行きが重要なゲームでは、特に長所が出やすいと思います。
Apexでも、実際に鳴っている音の距離差や移動方向を読む助けになります。ただし、ゲーム側で音そのものが再生されていない場面までは補えません。
距離感は星5。Que UTGをFPSで評価するうえで、最も分かりやすい強みの一つです。
移動音:太い線ではなく、連続する中心をつなげて追う
Que UTGの移動音は、足音の太い芯を一本の線として追うタイプではありません。
足音が右から左へ動くときに、連続する音の入口と中心、前後位置の変化をつなげて追う感覚です。
音の芯が崩れにくく、低域も長く居座りにくいため、移動途中の一歩一歩は比較的見えやすいです。空間に奥行きもあるので、横移動だけでなく前後移動の変化も判断しやすくなっています。
一方で、帯域の段差を使って移動音を層として追うタイプではありません。近距離の足音を太く残すわけでもないので、強い存在感だけで流れを掴みたい人には少し違うと思います。
Que UTGは、移動音を太い線で追うイヤホンではなく、連続する音の中心と位置変化をつなげて追うイヤホンです。
イヤホン系統
これまでレビューしてきたイヤホンの中で、Que UTGに近いのは、DUNU DK3001BDとSIMGOT EM6Lです。
ただし、どちらかと同じ音という意味ではありません。Que UTGがどの方向にいるイヤホンなのかを、これまでのレビュー機種との位置関係で整理します。
DUNU DK3001BDに近い部分

最も近いのは、DUNU DK3001BDだと思います。
どちらも、低域を大きく膨らませず、中高域の輪郭や背景の隙間から必要な音を拾うタイプです。足音の存在感だけで押すのではなく、音の引き、見通し、奥行き、遠距離の小さな音を使って判断しやすい点が共通しています。
一方で、DK3001BDの方が音像は細く、高域の描き込みと分離を前面に出した競技特化寄りです。
Que UTGは、DK3001BDより低域と中域に自然な厚みがあります。音像にも少し面積があり、空間的な余韻も残るため、音楽用途との両立はしやすいでしょう。
位置づけとしては、DK3001BDの競技的な見通しを、少し自然で扱いやすい方向へ寄せたタイプと考えると分かりやすいです。
SIMGOT EM6Lに近い部分

SIMGOT EM6Lとは、明るめの輪郭や、中高域の音が見えやすい部分が近いです。
どちらも、低音量だけで足音を押し出すのではなく、音の入口や輪郭から必要な情報を見つけやすいイヤホンです。
ただし、EM6Lは低域と高域のコントラストが分かりやすく、左右方向と輪郭で音を捉えやすい傾向があります。
Que UTGは、それよりも前後方向の奥行きと背景の整理を使うタイプです。音がどちらから来たかだけでなく、どのくらい離れているか、前の音の後ろに何が残っているかまで読みやすくなっています。
分かりやすいゲーム向けの輪郭を求めるならEM6L。自然な厚みと奥行きを残しながら、遠距離や混戦にも対応したいならQue UTGという違いです。
系統としての位置づけ
Que UTGは、DK3001BDほど競技特化に細くなく、EM6Lほどゲーム向けのコントラストを強く出しません。
高域の輪郭と背景整理は競技寄りですが、低域と中域には自然な質量があり、音場にも前後方向の広がりがあります。
系統としては、競技的な見通しを持ちながら、自然な厚みと空間表現を残した万能型という位置づけです。
FPSイヤホン最終結論
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 足音の存在感 | ★★★★☆ |
| 分離・音種判別 | ★★★★☆ |
| 定位感・方向感 | ★★★★☆ |
| 遠距離索敵 | ★★★★☆ |
| 距離感・奥行き | ★★★★★ |
SIVGA Que UTGは、足音を露骨に強調するのではなく、音の入口、引き、芯、奥行きで必要な情報を自然に拾うイヤホンです。
低域には一定の沈み込みと質量があり、近距離の足音が軽くなりすぎません。その一方で、低音や音の中心が長く居座りにくいため、次の音へ意識を戻しやすいです。
分離では、帯域の住み分けよりも時間、芯、音量階層が強みになります。大きい音のあとに残る小さな足音や、空間の奥にある接触音を見つけやすいですね。
定位は極細の点へ固定するタイプではありません。広い空間の中で中心、方向、前後の位置関係を読むタイプです。
一番の強みは距離感と奥行きです。近い音と遠い音が同じ平面に並びにくく、自然な距離を保ったまま位置関係を掴みやすくなっています。
カテゴリで言うと、Que UTGは上振れ競技寄りの万能型です。
競技専用の細い音へ振り切ったイヤホンではありません。近距離の実体感、音楽的な広がり、背景整理、遠距離の見つけやすさをまとめて持っています。
向いている人
- 足音強調より自然な聞こえ方を重視する人
- 音の入口や背景の隙間から情報を拾いたい人
- 前後方向の奥行きと距離感を重視する人
- 大きい音の後ろにある小さい音を聞きたい人
- VALORANT、OW2、COD、Apexなど複数タイトルで使いたい人
- FPSだけでなく音楽鑑賞にも使いたい人
- 明るく硬質な高域が苦手ではない人
Que UTGは、近距離だけではなく、中距離、遠距離まで幅広く対応したい人に向いています。
特に、足音の大きさだけで判断するのではなく、方向、距離、前後関係までまとめて読みたい人には合いやすいです。
VALORANTでは単発音の入口と前音の引き、OW2では背景整理と音量階層、CODでは奥行きや屋内外の反響差が活きやすいと思います。
Apexでも、実際に鳴っている小さい音や移動の変化を見つける助けになります。
向いていない人
- 足音をかなり太く、大きく、近く聞きたい人
- 低音の存在感だけで敵の位置を掴みたい人
- すべての音を極細の点へ固定したい人
- 帯域差だけで音種を瞬時に判断したい人
- 高域の硬さや擦れ感が苦手な人
- 大音量で長時間プレイする人
Que UTGは、低域を増やして足音の存在感を強く押し出すタイプではありません。
近距離の敵の存在をイヤホン側に強く助けてほしい場合は、もっと低域〜中域の芯が太いモデルの方が使いやすいでしょう。
音像にも少し面積があるため、極細の点定位だけを求める人には少し違います。
そして、一番注意したいのは高域です。
Que UTGは明るく硬質な高域を持っています。細かな接触音や金属音は見えやすい一方、録音状態や音量によっては擦れ感や刺激が強く出る場合があります。
音楽用途
明るい高域と自然な低域、広い空間を両立したオールラウンダー
Que UTGは、FPSだけに特化したイヤホンではありません。
音楽では、明るくソリッドな高域、低域の自然な質量、前後に広がる空間が特徴になります。
シンバルや金属音は細かく描きやすく、ライブ音源ではステージの前後感や外側への広がりを感じやすいです。
低音は量で押すタイプではありませんが、下まで沈む感覚と一定の質量があります。そのため、音が細く軽くなりすぎません。
ボーカルは極端に前へ出るタイプではないものの、中域の芯と滑らかさが残ります。子音や息遣いも見えやすく、女性ボーカル、ピアノ、アコースティック楽器、ライブ音源とは合わせやすいと思います。
一方で、硬質な高域が強く録音されている曲では刺激が目立つ可能性があります。ジャンルを大きく選ぶというより、録音と音量の影響を受けやすいタイプです。
FPSでのまとめ
SIVGA Que UTGは、足音を強調して聞かせるイヤホンではありません。
ただ、初心者後半から上級者まで使いやすい、上振れ競技寄りの万能型。硬質な高域が苦手でなければ、FPS向けイヤホンとして有力な候補だと思います。


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