
こんにちは、ハッサンです。
DUNU Kima2は、初代「Kima」の後継モデルにあたる、リスニングイヤホンです。
本機はFPS専用として作られたゲーミングイヤホンではありません。ただ、低域が過度に膨らみにくく、中高域の輪郭が見えやすいことに加え、左右の音のつながりも自然です。そのため、足音の存在、音種の違い、移動方向を読み取る用途では、音楽用イヤホンの中でも扱いやすい印象です。
音像を極端に細く固定する競技特化型ではありませんが、音楽とFPSを1本で両立したい人に良いと思います。
動画では音の可視化ツールを見ながら、FPS向けの評価を中心に解説しています。この記事では、音楽用途での印象や帯域ごとの評価もあわせて補足します。
今回のイヤホンはこちら。
2. 付属品(パッケージ内容)
| カテゴリ | 内容物 |
|---|---|
| イヤホンケース | 専用ハードキャリングケース |
| イヤーピース | DUNU S&Sチップ DUNU Candyチップ ベーシックシリコンチップ ※各S/M/Lサイズ |
| ケーブル | 単結晶銅+銀メッキ高純度銅 混合導体ケーブル |
| プラグ | Q-Lock Miniプラグ交換式システム (3.5mm / 4.4mm 両プラグ付属) |
| その他 | 清掃用メンテナンスブラシ、説明書 |
付属品はDUNUらしく充実しています。別途イヤーピースや交換ケーブルを買い足さなくても、イヤーピースや接続方法を試しやすい内容です。
Q-Lock Miniは便利ですが、固定式プラグより接続部分が少し長くなります。ポケット内で使う場合は、取り回しを確認した方がよいと思います。
3. 製品スペック
| 項目 | 仕様詳細 |
|---|---|
| 価格 | 17,980円 (Amazon 2026年7月16日時点) |
| ドライバー構成 | 10mm径 新開発デュアルチャンバー・ダイナミックドライバー × 1 |
| インピーダンス | 20Ω |
| 感度 | 108dB/mW(@1kHz) 125dB/Vrms(@1kHz) |
| 再生周波数帯域 | 5Hz 〜 40kHz |
| THD+N | < 0.3% (@1kHz) |
| コネクタ | 0.78mm 2Pin |
3.1. 駆動のしやすさ
インピーダンスは20Ω、感度は108dB/mWと、比較的音量を取りやすい仕様です。PCのマザーボード直挿しや、スマートフォン用の変換アダプター、小型ドングルDACでも十分な音量を確保しやすいと思います。
強力な据え置きアンプがなくても、本来のバランスは崩れにくいタイプです。良質なドングルDACを使うと、左右の分離や音の外側の見え方が少し整いやすくなります。
3.2. ビルドクオリティと装着感
筐体には金属シェルを採用し、表面はつや消しのサンドブラスト処理。指紋が付きにくく、価格帯を考えると質感は良い方だと思います。アシンメトリーなフェイスプレートは光の当たり方で表情が変わり、初代より装飾性のあるデザインになっています。
耳への収まりが良く、ノズル角度も自然です。マウスを大きく振る場面でもズレにくく、長時間のプレイでも使いやすい形状だと思います。ただし耳の形には個人差があるため、S&SとCandyの両方を試した方がよいと思います。
イヤホン属性プロファイル

帯域バランス
ニュートラル基調。低域に自然な下支えがあり、中高域の輪郭が少し見えやすいタイプ
低域・中域・高域の量は比較的よく揃っており、どこか一帯域だけを強く押し出すタイプではありません。2kHz台後半から5kHz付近が少し前へ出るため、全体はフラット寄りですが、輪郭だけ少し前に出やすいバランスです。
低域の量は強調型ではありませんが、重低音側まで大きく削れているわけでもありません。200Hz前後にはわずかな残り方があり、芯の密度も保たれやすいため、数値だけで見るより低域に重量と下支えを感じやすいと思います。重低音を強く鳴らすタイプではありませんが、スカスカに軽い低音でもありません。
形状としては、フラットから弱ドンシャリの範囲です。低域と高域を派手に持ち上げるのではなく、自然なつながりを残したまま、中高域の輪郭と低域の深さを少し足した音と考えると分かりやすいです。
FPSでは低域が足音を大きく覆いにくく、中高域の張り出しによって足音や銃声の輪郭を捉えやすい傾向です。音楽ではボーカルや楽器が自然に前へ出つつ、低域にも適度な重さが残ります。
音の硬さ:ソフト ↔ ハード
- 低域: 出だしには少し丸さがあり、硬く叩くより、弾力を伴って沈む方向
- 中域: 芯は密度がありますが、角を強調しすぎず自然な硬さ
- 高域: 4kHz〜6kHz付近は締まりやすく、輪郭はカチッと見えやすい。8kHz付近では細かな揺れがあり、音源によって少し粗さが混じる場合あり
全体としては、硬質一辺倒ではありません。高域の輪郭は締まっていますが、低域と中域に丸さがあり、硬さと滑らかさが同居したような音です。
音の立ち上がり:マイルド ↔ 鋭い
- 低域: 少し溜めと弾力があり、重さを伴って入る
- 中域: 標準的で、速さを強調しすぎない自然な立ち上がり
- 高域: 4kHz〜5kHz付近は速く、足音や子音の入口が見えやすい
全帯域が一様に鋭いわけではありませんが、中高域の入口が見えやすいため、実際に聴くと反応は良く感じやすいです。低域の丸さがあることで、速さだけを強調した乾いた音にはなりません。
実体感の強さ:繊細 ↔ 迫力
音の芯は密度が高く、鳴っている途中でスカスカになりにくいタイプです。低域の量そのものは過剰ではありませんが、沈み込みと下支えがあるため、測定値より音に重量を感じやすいと思います。
迫力だけで押すタイプではありませんが、近距離音やボーカルが細くなりすぎず、1DDらしいまとまりと厚みがあります。繊細さと実体感の中間から、やや実体感側に寄るバランスです。
音の抜け:響き ↔ ヌケ
- 低域: 深さと余韻を少し残しつつ、膨らみ続けにくい
- 中域: 自然な余韻を保ち、声や楽器が乾きすぎない
- 高域: 量で強く押し上げるタイプではないが、背景がこもりにくく、外側へ自然に抜けやすい
高域を派手に持ち上げた開放感ではありません。ただ、低域が膨らみにくく、中高域の輪郭と背景の整理がそろうため、聴感上は見通しの良さを感じやすいと思います。8kHz付近の細かな揺れにより、音源によっては少し粒の粗さが混じる可能性があります。
音場:狭い ↔ 広い
空間は横方向へ自然に広がりやすく、頭の中心へ詰まりすぎるタイプではありません。上下や前後を大きく誇張する音場ではないものの、左右のつながりが滑らかで、音が外側へ展開しやすい傾向です。
音像には適度な大きさがあり、細い点を広い空間へ並べるというより、自然な面を持った音を横方向へ配置するタイプ。音場の広さは標準よりやや広めですが、競技向けイヤホンにありがちな、極端な遠さや空洞感もありません。
声の聞き取りやすさ:調和 ↔ 際立ち
声の芯は自然に残り、中高域の張り出しによって子音や輪郭も見えやすいタイプです。ボーカルだけを強く押し出す調整ではありませんが、周囲に埋もれにくく、少し前に感じる場面があります。
男女ボーカルやゲーム内ボイス、Discordの音声は聞き取りやすい方向です。厚みと輪郭のバランスが良く、細く鋭い声になりにくい点も長時間使用では利点になりそうです。
耳への刺激:穏やか ↔ 刺激的
- 低域: 当たりは柔らかく、圧迫的な刺激は出にくい
- 中域: 声の芯は見えやすいが、強い張り付き感は少ない
- 高域: 輪郭は明瞭でも、サ行や金属音が鋭く刺さりにくい
- 刺さり:比較的出にくい
- サ行・歯擦音:耳に付きにくい方向
- 押し出し:中高域の輪郭は見えやすいが、攻撃的ではない
- 高域の粗さ:8kHz付近でわずかにザラつく場合あり
- 長時間使用:刺激が少なく、比較的使い続けやすい
帯域評価

低域
タイプ:自然型(沈み込みと適度な重量感)
低域の量は強調型ではありませんが、重低音側まで自然に伸び、ベースや爆発音に適度な深さがあります。200Hz前後の残り方と芯の密度によって、数値だけで見るより、しっかり重さを感じやすいです。
出だしには少し丸さと弾力がある一方、長く膨らみ続ける低域ではありません。音楽ではベースに厚みを与え、FPSでは足音帯域を過度に覆いにくいバランスです。強烈な重低音を求める人には物足りませんが、軽さと重さの中間にある、自然な低域という印象です。
中域
タイプ:自然型(密度感と明瞭さの両立)
中域は色付けが強くなく、ボーカルや楽器の位置を自然に把握しやすい印象です。芯の密度が高いため、声が薄くなりにくく、楽器も形を保ちやすいと思います。
1.25kHz〜1.6kHz付近にはわずかな揺れがありますが、全体の見通しを大きく崩すほどではありません。中高域の輪郭が少し前へ出ることで、ボーカルや足音の中心も見つけやすくなっています。
高域
タイプ:自然なエッジ型(鮮明だが刺激は控えめ)
2kHz台後半から5kHz付近にかけて輪郭が見えやすく、足音、子音、楽器のアタックを捉えやすい高域です。エネルギーがまとまりやすいため、粒立ちや位置の手がかりも確認しやすいと思います。
一方で、高域全体を強く持ち上げる派手な調整ではありません。明瞭感と抜けを保ちながら、サ行や金属音の刺さりを抑えた方向です。8kHz付近では細かな揺れがあり、音源によっては少しザラつく場合がありますが、全体としては滑らかさを優先した高域と言えます。
音質まとめ
Kima2は、低域・中域・高域のつながりが自然なフラット〜弱ドンシャリ基調です。低域は量で押すのではなく、沈み込みと芯の密度によって適度な重量感を作り、中域は自然な厚みと明瞭さを両立。高域は中高域の輪郭を見せながら、刺激を抑えています。
属性プロファイルで見た通り、音場は横方向へやや広がり、声や楽器も自然に前へ出やすいタイプです。硬さと滑らかさ、解像感と聴きやすさの中間を取った音作りで、分析的になりすぎない点がKima 2の特徴と思います。
弱点を挙げるなら、低域の量感や高域の派手さを強く求める人にはおとなしく感じやすいこと。8kHz付近の細かな揺れも、音源によってはわずかな粗さとして現れる可能性があります。
FPSでの聞こえ方
FPS総合評価
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 足音の存在感 | ★★★★☆ |
| 分離・音種判別 | ★★★★☆ |
| 定位感・方向感 | ★★★★☆ |
| 遠距離索敵 | ★★★★☆ |
| 距離感・奥行き | ★★★☆☆ |
DUNU Kima 2で特徴的なのは、足音の存在感と低域の被りにくさを両立しているところです。
低域を強く盛って足音を前へ押し出すタイプではありませんが、音の芯には適度な密度があります。近〜中距離の足音が細く消えにくく、小さめの音量でも「何か鳴った」「近くで動いている」と認識しやすい方向ですね。
一方で、低域は必要以上に膨らみません。爆発音や銃声が重なっても、足音帯域を大きく覆いにくくなっています。
中高域の入口も見えやすいため、足音や接触音への気づきやすさは良好。足音、銃声、環境音の違いも比較的判断しやすいです。
ただし、音像を針のような一点へ固定したり、遠距離の微音だけを強く浮かせたりする競技特化型ではありません。
Kima 2は、近距離だけに振り切ったイヤホンでも、遠距離だけを優先するイヤホンでもないです。
近〜中距離の存在感、音種判別、方向感、移動音の追いやすさをバランスよく使うタイプ。FPS向けにまとめると、自然な厚みのある足音を、低域の被りを抑えながら安定して読むイヤホンです。
足音の存在感:低音の量ではなく、芯と下支えで見せるタイプ
Kima 2の足音は、低音の圧で強く押し出すタイプではありません。
低域の量そのものは強くないですが、音の芯が鳴っている途中で痩せにくく、近距離の足音や接触音に適度な太さがあります。
そのため、小さめの音量でも、
- 何か鳴った
- 近くで動いている
- 足音がこちらへ近づいている
といった存在を認識しやすいです。
重低音側まで自然に伸びており、低域の出だしには少し丸さと弾力があります。数値だけを見ると軽めですが、実際には下側の支えが残るため、足音が薄く空洞になる感じは少なめですね。
一方で、低域が長く膨らみ続けるわけではありません。
爆発音や銃声の低い成分が足音の上へ大きくかぶさる感じは控えめ。足音の存在感を残しながら、背景を重くしすぎないバランスです。
Kima 2は、細い高域だけで足音を見せるイヤホンではありません。低音で強引に分かりやすくするタイプとも違います。
適度な芯と中高域の輪郭を組み合わせて、自然な大きさの足音として認識させるイヤホンです。
分離・音種判別:重なった後も芯と音色差を残すタイプ
| 分離項目 | 説明 | 評価 |
|---|---|---|
| 空間 | 音像が小さくまとまるか | ★★★☆☆ |
| 時間 | 前の音が早く消えるか | ★★★☆☆ |
| 帯域 | 足音・銃声・環境音が帯域で分かれるか | ★★★★☆ |
| 芯 | 重なった後も中心線が残るか | ★★★★☆ |
| 音量階層 | 大きい音の裏の小さい音が分かるか | ★★★★☆ |
Kima 2の分離・音種判別は、総合で星4です。
すべての音を細い点へ切り分けるタイプではありません。音像には自然な大きさがあり、低域や中域にも少し余韻が残ります。
そのため、空間と時間だけを見ると、競技特化型ほど音同士の隙間が大きく空くわけではないです。
ただ、音が重なった後も芯が残りやすく、低域の被りも少なめ。足音、銃声、環境音の音色差も比較的見えやすくなっています。
Kima 2は、音が重ならないように細く切るイヤホンというより、重なった後も芯と音色差を残して聞き分けるイヤホンですね。
空間の分離:余白はあるが、省スペース型ではない
空間分離は星3です。
Kima 2は横方向へやや広がりやすく、頭の中心へ音が詰まりすぎるタイプではありません。左右の位置関係には自然な余白があります。
ただし、音像そのものは極端に小さくありません。
近距離の足音や接触音には適度な面積と厚みがあり、細い点として配置されるというより、自然な大きさを持った音として並びます。
音数が少ない場面では、左右の位置関係を自然に把握しやすいです。一方、狭い範囲で多くの音が重なると、音像同士が少し接触しやすくなります。
音場の余白はありますが、複数の音を小さく縮めて並べる省スペース型ではありません。
時間の分離:短さよりも、自然なつながりを残す
時間の分離も星3です。
Kima 2は、前の音が一瞬で消える早消え型ではありません。低域と中域には自然な余韻があり、足音や銃声の芯も少し残ります。
そのため、前後の音を時間だけで完全に切り離すタイプではないです。
ただし、余韻が大きく戻ったり、長く膨らみ続けたりするわけでもありません。低域は深さと弾力を残しながら、一定のところでまとまりやすいです。
中高域の輪郭も見えやすく、背景全体がこもる感じは少なめ。
「ドンッと鳴って一瞬で消える」というより、音の形を少し残しながら、自然に次へつながる消え方です。
単発音が続く場面では問題なく聞き分けやすいと思います。一方、爆発音や銃声が連続する激しい混戦では、極端な早消え型ほど前後の隙間は空きません。
音の芯の分離:太さを残しながら中心線を追う
音の芯の分離は星4です。
Kima 2の芯には適度な密度があり、鳴っている途中でスカスカになりにくいです。
そのため、銃声や環境音が重なった後でも、
- この中心が足音
- こちらは別の接触音
- これは銃声の残り
といった形で、音の中心線を探しやすい場面があります。
競技特化型のように、複数の音を非常に細い線として切り分けるわけではありません。ただ、音像に自然な太さがあるぶん、近〜中距離の足音を見失いにくいです。
Kima 2は、音を細くして隙間を作るのではなく、重なった後もそれぞれの中心をある程度保つことで聞き分けます。
音数が極端に増えると、自然な余韻と音像の大きさによって中心線同士が近づく場合があります。そのため星5ではなく、星4です。
帯域の分離:音色差を使って音種を判断しやすい
帯域の分離も星4です。
低域が過度に膨らみにくく、中高域の輪郭が少し前へ出るため、低域・中域・高域が一つの塊になりにくいです。
- 足音の中心
- 銃声の低い成分
- 金属音や装備音の高い成分
- 環境音の細かな成分
それぞれの音色差が残りやすく、床材の違いも判断材料にしやすいと思います。
低域の土台、中域の芯、中高域の輪郭に緩やかな役割分担があります。
ただし、帯域ごとに強い段差を作り、音種を完全に別の層へ分けるタイプではありません。1DDらしく全帯域が自然につながっているため、強い分離と音楽的なまとまりの中間にあります。
音量階層の分離:大きな音の裏も探しやすい
音量階層の分離は星4です。
これは、近くで大きく鳴っている音と、その奥にある小さい足音や環境音を分けて聞けるかという話です。
Kima 2は低域が大きく被りにくいため、銃声や爆発音の裏にある小さい音が完全に沈みにくいです。
中高域の入口も見えやすく、リロード音や細い接触音が背景から出てくる場面があります。音の芯もある程度残るため、小さい音が細く消えすぎない点も利点ですね。
ただし、背景を完全に無音へ近づける早消え型ではありません。大きな音の余韻が残っている場面では、小さい音が少し近い位置に感じられる場合があります。
遠距離の微音を大きな音の裏から強引に浮かせる星5タイプではありませんが、低域の被りにくさと芯の残り方によって、安定して小さい音を探しやすい方向です。
定位感・方向感:自然な音像の中心を読む
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 定位感 | ★★★★☆ |
| 方向感 | ★★★★☆ |
定位感と方向感は、どちらも星4です。
Kima 2は、音の芯が比較的安定しており、中高域の輪郭も見えやすいです。低域も大きく広がらないため、足音の位置が低音に引っ張られてぼやけにくくなっています。
ただし、音像を針のような一点へ固定するタイプではありません。
Kima 2の音像には、適度な大きさと自然な面があります。その面の中心を読んで、「このあたりから鳴っている」と判断する定位です。
近〜中距離では安定して使いやすく、左右や斜め方向の位置も把握しやすいと思います。
左右の音のつながりも滑らかです。敵が動いたときにも音像の中心を追いやすく、
- 右から左へ動いた
- 斜め前から横へ移動した
- 近づきながら方向を変えた
といった流れを把握しやすいですね。
細い点で方向を当てるイヤホンというより、自然に動く音像の中心を追って方向を読むイヤホンです。
上下や前後をイヤホンだけで即座に判断できるわけではありません。ゲーム側の音作りや、普段使っている手がかりも必要です。
距離感・遠距離音:遠くも拾えるが、遠距離特化ではない
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 遠距離の微音検出 | ★★★★☆ |
| 距離感 | ★★★☆☆ |
遠距離の微音検出は星4です。
低域の被りが少なく、中高域の輪郭も見えやすいため、遠くの足音や装備音を拾いやすい場面があります。
特に、環境音の隙間に入ってくるリロード音や、床を擦るような細い音は比較的見つけやすいです。
ただし、遠距離の微音だけを高域で強く浮かせるタイプではありません。
音の芯や自然な厚みを残しているため、近〜中距離の音と遠距離音の両方をバランスよく扱います。
「遠距離音が常に最優先で前へ出る」というより、近くの音を軽くしすぎず、遠くの音も背景へ沈めにくいという方向です。
距離感は星3です。
横方向の広がりは感じやすく、近い音と遠い音の差もある程度出ます。音量差、輪郭の細さ、余韻の残り方をまとめて読むことで、大まかな距離は判断しやすいと思います。
ただし、奥行きを何層にも分けるレイヤー特化型ではありません。
距離の段階を細かく切り分けるというより、
- 音が近づいている
- 遠ざかっている
- 少し奥にいる
という変化を自然に読むタイプです。
移動音:太い線ではなく、自然な中心移動で追う
Kima 2の移動音は比較的追いやすいです。
足音の芯が細く消えにくく、左右の音のつながりも滑らか。敵が移動したときに、音像の中心が急に途切れたり、別の位置へ飛んだりしにくくなっています。
低域も強く被りにくいため、移動音が下側へ埋もれにくいです。中高域の輪郭が方向の手がかりになり、音の中心も途中で崩れにくいので、近〜中距離の動きは自然に追いやすいと思います。
ただし、低域〜中域の棚を何段にも分けて、移動音をレイヤーとして追うタイプではありません。
一歩ずつ細い点で追うというより、自然な大きさの音像が横へ移動する流れを読むタイプです。
Apexのように移動音の流れを見る場面では扱いやすい一方、奥行き方向の細かな段差までイヤホン側に強く出してほしい人には、少し自然すぎる可能性があります。
FPSイヤホン最終結論

| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 足音の存在感 | ★★★★☆ |
| 分離・音種判別 | ★★★★☆ |
| 定位感・方向感 | ★★★★☆ |
| 遠距離索敵 | ★★★★☆ |
| 距離感・奥行き | ★★★☆☆ |
DUNU Kima 2が向いているのは、近距離だけ、遠距離だけといった一つの性能へ振り切るのではなく、足音の存在感と見通しをバランスよく使いたい人です。
低域を強く前へ出すイヤホンではありませんが、音の芯には適度な密度があります。近〜中距離の足音が細くなりすぎず、小さめの音量でも敵の存在を認識しやすいです。
その一方で、低域が足音帯域を大きく覆いにくく、足音・銃声・環境音の違いも判断しやすくなっています。
遠距離の小さい音も平均より拾いやすいですが、遠距離だけへ振り切った特化型ではありません。近くの音を軽くしすぎず、遠くの音も背景へ沈めにくいバランスです。
定位は針のような一点固定ではなく、自然な大きさの音像の中心を読むタイプ。左右へ動く音のつながりも滑らかで、移動方向を追いやすいです。
Kima 2は、足音を細い高域だけで拾うイヤホンでも、低音の圧だけで存在を分かりやすくするイヤホンでもありません。
自然な厚みのある足音を、低域の被りを抑えながら安定して読むイヤホンです。
FPS初心者にも扱いにくすぎず、音を細かく聞ける人にも重すぎない。バランス型の中では安定認識寄りのイヤホンだと思います。
系統としては、Kima 2は自然な音を土台にしたバランス型です。
FPSイヤホン系統

これまでレビューしてきたFPSイヤホンとして近いのは、DUNU TITAN S2だと思います。
どちらも、足音だけを細く強調する競技特化型ではなく、音楽としての自然なつながりを残しながら、FPSでも使いやすいタイプです。
ただ、TITAN S2が少し軽快で素直な聞こえ方なのに対して、Kima 2は音の芯と実体感がもう少し強めです。
近〜中距離の足音が細くなりすぎず、存在を安定して掴みやすい方向ですね。
Sennheiser IE 200にも近い部分がありますが、IE 200の方が穏やかで、長時間使いやすい聞こえ方です。
Kima 2は自然さを残しながら、中高域の入口と足音の輪郭を少し分かりやすくしています。
なので、一言で表すなら、
TITAN S2の自然なバランスに、足音の芯と実体感を少し加えたようなイヤホン
と考えると、分かりやすいと思います。
向いている人
- FPS初心者から中級者
- 小さめの音量でも足音の存在を捉えたい人
- 低音が強すぎるイヤホンでは足音が埋もれると感じる人
- 細すぎる競技特化型では足音を見失いやすい人
- 刺激の少ない音で長時間プレイしたい人
- VALORANTとApexの両方で使いやすいイヤホンを探している人
- 音楽とFPSを1本のイヤホンで両立したい人
Kima 2は、イヤホン側が足音を不自然に強調するタイプではありません。
ただ、足音の芯と適度な太さが残るため、無理に集中しなくても敵の存在を認識しやすいです。
競技特化型のような極端な上振れを狙うというより、毎回の聞こえ方を安定させたい人に向いています。
VALORANTのようなタクティカル系では、単発の足音、着地音、リロード音の入口を捉えやすいです。
Apexのようなバトロワ系では、近〜中距離の足音に存在感があり、左右へ動く音像も追いやすくなっています。
音楽用イヤホンとしての自然さを残しながら、FPSでも低域の被りを抑えたい人には合いやすいでしょう。
向いていない人
- 遠距離の微音だけを最優先で強く浮かせたい人
- 音像を針のような一点へ固定したい人
- 奥行きを細かなレイヤーとして読みたい人
- すべての余韻が短い早消え型を求める人
- 強烈な重低音や身体へ響く低音を求める人
- 刺激の強い高域を好む人
- FPS用途だけで競技性能へ振り切ったイヤホンを探している人
Kima 2は、遠距離音や分離だけに振り切ったイヤホンではありません。
音像には自然な大きさがあり、低域と中域にも適度な余韻があります。そのため、極端な混戦で音を細い点へ完全分離したい人には、少し自然すぎると感じる可能性があります。
高域の輪郭は見えますが、刺さりや派手さは抑えられています。強い刺激や、高域の情報量だけで聞く競技特化型を求める人には別方向のイヤホンが合うと思います。
音楽用途
自然なまとまりと見通しを両立した、使いやすい1DDイヤホン
Kima 2は、音楽用途では自然な音のつながりと、適度な厚みを楽しみやすいイヤホンです。
低域を強く押し出すタイプではありませんが、重低音側まで自然に伸びており、音の芯にも密度があります。軽くなりすぎず、かといって低域が中高域を覆う感じも少なめです。
中域は大きく引っ込まず、声や楽器の中心が自然に残ります。中高域の輪郭も少し見えやすいため、ボーカルやギター、ピアノの形を捉えやすいですね。
高域は明瞭感を保ちながら、耳に刺さるピークを強く出さない方向です。派手な煌びやかさより、長時間聴きやすい自然な明るさを重視した音だと思います。
音場は横方向へやや広がりやすく、左右のつながりも滑らか。音数の多い曲でも低域が過度に膨らみにくいため、全体の見通しを保ちやすいです。
強烈な重低音や刺激の強い高域を求める人には少しおとなしく感じる可能性がありますが、J-POP、ロック、ジャズ、アニソン、ゲーム音楽など、幅広いジャンルへ合わせやすいでしょう。
FPS専用品として買うというより、音楽鑑賞を自然に楽しみながら、FPSでも高い使いやすさを得たい人向けのイヤホンです。
FPSでのまとめ
DUNU Kima 2は、自然な厚みのある足音を、低域の被りを抑えながら安定して読むイヤホンです。
FPS初心者にも扱いやすく、音を細かく聞ける人にも重すぎない。音楽とFPSを1本で両立したい人にとって、かなり使いやすいイヤホンだと思います。


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