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【オーディオテクニカ ATH-GL3 レビュー】これ一つで何でもイケる!コスパお化けのゲーミングヘッドセットです!

2021年11月22日

こんにちは、ハッサンです。

音響機器メーカー「audio-technica(オーディオテクニカ)」から新しいゲーミングヘッドセットが発売されました。和風チックな箱が海外受け良さそうな製品です。

音響機器メーカーが開発した製品なので、音は良いはずだと即購入しました。オーディオテクニカのゲーミング製品に対する本気度を探っていきたいと思います。

audio-technicaのモニターイヤホン「ATH-E70」の記事はこちら▼

audio-technica ATH-GL3について

audio-technicaは日本の音響機器メーカーです。皆さんも一度は聞いたことがあるくらいには有名なメーカーですよね。

ATH-GL3は2021年10月22日に発売された、密閉型のゲーミングヘッドセットです。以前発売された密閉型ゲーミングヘッドセット「ATH-G1」より価格を抑えたエントリーモデルっぽい位置付けの製品です。

同日に開放型ゲーミングヘッドセット「ATH-GDL3」も発売しています。

Point

• 音響機器メーカーのゲーミング製品

• 音質はaudio-technicaチックなゲーミングヘッドセット

• 約230gの超軽量

スペック

メーカーaudio-technica
価格11,880円
Amazon 2021年10月30日時点
型式密閉ダイナミック型
出力音圧レベル98dB/mW
再生周波数帯域10~35,000Hz
インピーダンス45Ω
マイク型式エレクトレットコンデンサー型
マイク指向特性ハイパーカーディオイド
マイク感度−43dB(0dB=1V/Pa, 1kHz)
マイク周波数帯域30~20,000Hz
重量約230g
約237g(着脱式マイクロホン含む)

開封

  1. ATH-GL3
  2. 1.2m着脱式コード(φ3.5mm金メッキステレオ4極ミニプラグ)
  3. 3.0m着脱式PC用コード(φ3.5mm金メッキステレオ3極ミニプラグ×2)
  4. 着脱式マイクロホン(ウインドスクリーン付き)
  5. 説明書、保証書など

▼イヤーパッドは外側がレザー、肌に触れる部分は布で出来ています。

▼左イヤーカップにマイクとケーブルの差し込み口があります。

▼マイクを差し込むとこんな感じです。

▼マイクミュートスイッチと音量調整ダイヤルが左イヤーカップにあります。

▼右イヤーカップはこんな感じです。

▼ヘッドバンドの高さ調整は一メモリずつ調整するタイプです。

▼頭頂部に触れるヘッドバンドはゴムのような素材です。取り外して洗うこともできます。

▼上から見るとこんな感じです。

使用した感想

軽さは正義です。230gだと長時間プレイでも疲れません

側圧はやや強いです。ただその分、頭頂部への圧迫感が減っている気がします。

気になるのはイヤーパッドが浅いことですね。耳が直接ドライバー付近に当たります。またヒンジ部分が回るとカコカコ鳴るのも少し気になります。このあたりの品質は価格相応かと思います。

いくつか気になる部分もありますが、軽さで補っている印象です。総合的には満足できる着け心地ですね。

マイク音質はまぁまぁ良いです。ボイチャする程度であれば何の問題もなく使える品質です。マイクミュートスイッチがケーブルではなく、イヤーカップにあるのは点数高いです。ケーブルにスイッチがあるとタッチノイズが発生しやすくなりますからね。

また音量調整ダイヤルもイヤーカップにあります。間違って触らないようにダイヤルが内側に配置されているのも好印象です。反面調整しにくいですが、私の場合は常に最大音量なので気にならないです。

音質や特徴について

今回のATH-GL3(密閉型)のを一言でいうならば「まさにaudio-technicaチックなゲーミングヘッドセット」です。

ATH-GL3を聴いた後に「さっきのゲーミングヘッドセットのメーカーはaudio-technicaだよ」と言われると「あぁ、なるほど……」と、なんか納得できるような、そんな音傾向です。

「そもそもaudio-technicaの製品はほとんど使ったことが無いのでイメージが湧かない」という方も多いと思いますので、もう少し詳しく説明をしていきます。

ATH-GL3(密閉型)の音質は『中高域をやや抑え気味で、やや重低音が強めな微ドンシャリ系』といったところです。

また中高域の音が少しサラサラめの印象を受けました。音の分離を良くするためのチューニングの影響だと思います。

それでいて、音質全体としては『やや低域強めのフラット系』の印象が強いです。中高域のサラサラめな音を感じつつも、全体的にはフラット系の滑らかな音質となっています。極端な音質の調整をせずに『純粋な音質で勝負している製品』であることが伺えます。

ただ、こう簡潔に説明してしまうと「よくあるゲーミング系の一つかな」と誤解してしまうと思います。

今回のATH-GL3(密閉型)が他メーカーのゲーミングヘッドセットとは決定的に異なる点があります。

それは『音質の根底にある傾向は、音楽鑑賞用途のものと同系統といえる』点です。本来は音楽鑑賞用やモニター系のヘッドホン・イヤホンが得意分野であるaudio-technicaらしい音質の製品といえます。

もちろん、ATH-GL3(密閉型)を実際に使ってみると『ゲーミングヘッドセット』らしい音質を強く感じることができます

過去のレビューで、主要なゲーミングヘッドセットの大半を試聴してきたつもりでした。

しかし、今回のような音質のゲーミングヘッドセットは過去に経験が無いです。大手オーディオメーカーらしい独自の方向性でゲーミングとしてチューニングがされている意欲作だと感じました。

ゲーミングらしい高品質な解像度と分離感

今回のATH-GL3(密閉型)が『ゲーミングヘッドセット』であることを一番実感させてくれる要素が『解像度と分離感の良さです。

チープな表現になってしまいますが、まさに「今まで聞こえなかった音が聞こえる!」を容易に体感可能なヘッドセットだと思います。

音質未調整の状態で使うと、最初の一瞬だけ「フラット気味で聴き分け難しいかも?」と感じます。しかし使っていると1分もしないうちに「分離が良い(いろんな音の聴き分けができる)」ことがわかります。

そのためFPSで足音をくっきり聴きたい!」というニーズも十分に満たしてくれています

特にGame-DACやMixAmpなどのアンプとの相性は大変良いです。音響機器が優秀であればあるほど、実力を発揮してくれるのもATH-GL3(密閉型)の特徴だと思います。

解像度と分離感が良いため、イコライザなどでの音質調整による特定音域の強調をする精度も高いです。

イコライザで音質を調整することで全体の音のクリアさが増し、各音の輪郭がよりくっきりすることで更に分離感も増します

また、低域を強めに調整することでクリアで質量のある重低音を出すことも可能です。安価なヘッドセットでありがちな雑な重低音ではなく、存在感の強くしっかりとリズムを刻む音質なため、重低音が好きな方にもおすすめができるヘッドセットだと感じました。

音楽鑑賞用途でも優秀!

ATH-GL3(密閉型)は、音楽鑑賞用途としてのポテンシャルが高いです。

音楽鑑賞用途でドンシャリ系の音質を好む方であれば、音楽鑑賞用途でも満足できるレベルのクオリティといえます。

特に音楽プレイヤーなどのイコライザを使用した時の音質は、音質の好みによっては「同価格帯の音楽鑑賞用のヘッドホンよりATH-GL3(密閉型)の方が良い」という人も十分いると思います。

ATH-GL3(密閉型)は、音質を未調整の状態では『ゲーミングヘッドセット』らしく、高域の出力をやや抑えて低域がやや強めといった音質です。

よくあるゲーミングヘッドセットでも音楽鑑賞に使用する際にはイコライザを使って高域を上げることが多いのですが、通常のゲーミングヘッドセットの場合はイコライザで高域の調整をしようとしても何かしらの限界(『純粋に高域が伸びない』『上げだすとすぐに音が割れる。シャリシャリな音になる』など……)が発生します。このような状況の度に「ゲーミングヘッドセットだし、こんなもんかなぁ……」という感想をもっていました。

ただ、今回のATH-GL3(密閉型)は違います。

イコライザ調整によって、中高域がゲーミング系らしからぬ音質で思いっきり綺麗に伸びますシャリシャリした感じでも無く、自然な透明感のある音質で中高域が伸びきってくれます。音楽鑑賞用のヘッドホンやイヤホンでも、ここまで綺麗に中高域が伸びてくれないものは結構あります。

イコライザ調整した状態でしばらく音楽を聴いていると、『ゲーミング用途である』ということを忘れるレベルです。

唯一『音楽鑑賞に不向きかも』と感じる可能性があるとすれば『ATH-GL3(密閉型)特有の分離の良さ・解像度の高さ』です。

音楽鑑賞用途の場合、音がぼやけ過ぎているのも問題ですが、逆に音の分離が良すぎる場合にも聴き心地に支障が出てくる場合があります。

一例を挙げると、ATH-GL3(密閉型)で音楽鑑賞をした際は、音楽鑑賞用のヘッドホンで聴いたときに比べて、曲から感じる印象が異なる場合があります

そういった時は「普段と同じ曲を聴いているはずなのに、なんだか自然に取れるリズムが違うような、曲の雰囲気自体も違うような……」という感覚になります。

理由としては、ATH-GL3(密閉型)の音の分離の良さと高めの解像度のため、普段は『3和音+単音(和音:複数の音が合わさった音)』として捉えていたような音が、無意識でも『2和音+単音+単音』という感じに一部をより細かく聴き分けれてしまうことが原因となります。

認識する単音の種類が増えた分、曲から感じるリズム感がこれまでと異なって感じることになります。

上記のような音質から、音楽鑑賞時に裏メロを探りながら聴くタイプの方にとっては、『聴いていて楽しいタイプの音楽鑑賞用ヘッドホン』になるはずです。

半面、音楽を聴くときに『曲の音を一つの塊として捉える(和音中心での)聴き方』をする方の場合は、聴く曲によっては音の分離感から曲全体の調和が崩れたような、若干騒がしいような雰囲気を感じるかもしれません。そういった場合にはイコライザで調整することで緩和は可能です。

ただ、通常の音楽鑑賞用の高級なイヤホンの中でも多BA搭載機によっては分離感が高いものも存在するため、完全に好みの問題かなと思います。

ちなみに私は『音楽鑑賞時に裏メロを探りながら聴くタイプ』なので、今回のATH-GL3(密閉型)は『やや個性的な音楽鑑賞用ヘッドホン』という扱いで不満無く使用できるレベルだと感じました。

私がATH-GL3(密閉型)を音楽鑑賞用途として使用する場合、GameDacのイコライザ設定はこんな感じになります▼

32~125hzは重低音の好みによって上げ下げすれば良いと思います。これまであまり触れていなかったですが、ATH-GL3(密閉型)は重低音系の表現も優秀です。低域を上げていくとお腹に響くような重低音をしっかり出してくれますし、逆に下げていくと輪郭の細かく丁寧な低音を出すことも可能です。

また、上記画像は中高域を強めに上げている状態(私が中高域強めのドンシャリが好きなため)です。

「高域が強すぎる」「スッキリし過ぎている」と感じた場合には、1k辺りから上を全体的にやや下げ気味に調整すると良いでしょう。

音楽鑑賞用途としてのみ評価をしたとしても、コスパの高いヘッドホンとして扱えると思います。

リズムゲーム用途について

音楽鑑賞同様、リズムゲーム(音ゲー)用途としても問題無く使用できます

ただ、欲を言えばリズムゲームの際にもイコライザが使用できる環境で使いたいところです。

リズムゲーム用途で使用する場合の注意点は、イコライザでの音質調整で高域を上げ過ぎてしまうと打鍵音が少々耳に刺さりがちになる可能性がある点です。

上記の注意点は一般的なドンシャリ系のヘッドホンなどでも同様の事が言えるため、実際に試し聴きしながら微調整すると良いでしょう。

FPS用途について

実際にPS5のApexLegnedsでも使用感を確認してみました。

まずはPS5のコントローラーに直接挿し、3Dオーディオの機能をオフにして使ってみました。

最初に感じたフラットな印象の通り、ゲーム中での高音も耳に刺さらず、それでいてゲーム体験としての音も破綻させない自然な音質だと感じました。

低域が強め+フラット寄りという事で「細かな音が埋もれてしまうのでは?」とやや心配をしていましたが、実際に使ってみると杞憂だったと理解しました。

実際には、多少の銃声音や環境音が混ざった状態でも、他のヘッドホンに比べて足音を別の音として聞き取ることが可能でした。

3Dオーディオをオンにした場合についても「音が結構ぼやけそうかな?」と思っていましたが、想像していたよりは自然な音質になっていました。

ただ、より自然な聴こえ方を目指すのであれば『Sound Sound Blaster G3』などを利用してイコライザで音質調整をした方が良いと思います。完全なクリア系の音質に比べるとやや音響効果を強めに感じるかもしれません。

MixAmpを使用した場合には、音質が向上したことがそのまま良い影響を与えてくれます。

コントローラー挿しよりクリアな音質を体感できました。また、MixAmpの機能であるイコライザの設定を併用することで、より音の輪郭を際立たせて遠くの距離の足音をより鮮明に聴こえるような調整が可能です。ゲーミングプレイを自然な感覚でしたい場合にはおススメといえます。

一方で、MixAmpのDolbyの機能を有効にした場合には、フラット寄りな音傾向の影響かお風呂場感がやや強めな印象です。

イコライザとの併用でお風呂場感を改善しつつ、定位感の豊かさを維持することが可能なため、やはり定位感を意識する場合は『アンプなどの音響効果+イコライザ』の組み合わせは良いと思います。

全体を通して感じたことは、今回のATH-GL3(密閉型)は基本スペックが平均的に高く、音の聴き分け+定位感を両立している良いゲーミングヘッドセットだという印象です。

広いマップ上での遠くの敵の足音、特定の限定範囲に居る敵の足音、純粋なゲーム体験としてのサウンド演出、どの点においても高品質で体感させてくれます。

可能な限りイコライザを推奨したい

音を聴き分けるという意味では、フラット(音質未調整)の状態でも十分に優秀なのですが、欲を言えばできるだけイコライザが使用可能な環境で使いたいところです。

『ATH-GL3(密閉型)+イコライザでの音質調整』のポテンシャルを一度体感してしまうと「このヘッドセットでイコライザを使用しないのはもったいない!」と感じてしまいます。

安価にイコライザを導入するのであれば、FPSの話題でも触れた『Sound Blaster G3』を使用すると良いです

パソコンが無くてもスマートフォンさえあればイコライザを自由に調整することが可能になります。

『Sound Blaster G3』を使う場合の注意点は、『Sound Blaster G3はGame-DACなどに比べて基本性能としての低域が強い』ことです。

そのため、上の方に挙げていたGameDACのイコライザ例と同等な音質を調整する場合には、『Sound Blaster G3』GameDACに比べて低域の調整をより低めに行うのがおすすめです。

とにかくコスパが良い!

ここまで色々と試用して感じたことは「コスパが優秀過ぎる!」という点です。特に、ここまででも幾度となく書いたように「イコライザ使用時のポテンシャルがメチャクチャ高い!」という点が際立っています。

イコライザ使用を前提とした場合、今回のATH-GL3(密閉型)は汎用性がぶっちぎりに良いです。汎用性といっても「なんでも無難にこなす」というよりは「汎用の筈なのに特化機種並み、それ以上にこなす」という有能っぷりを発揮してくれます。

最近「迷ったらもう全部コレで良いんじゃ無いかな?」という言葉を書く機会が増えてきた印象もありますが、今回のATH-GL3(密閉型)の場合は「迷うも何も、この価格帯で探すならもうコレで良い」というレベルです。例えば、個人的に所持している各種ヘッドホンやイヤホンがある日突然全て無くなってしまったとしても、ATH-GL3(密閉型)単体+GameDACで全用途(FPS、リズムゲーム、音楽鑑賞、動画鑑賞など全て)まとめて満足して生きていけると思います。(※個人の感想です)

気になる点について

全体的にaudio-technica色の出たハイクオリティな製品で全く隙が無い!

……と言いたいところなのですが、いくつか気になることもあります。

イヤーパッドが浅い、側圧がやや強い、密閉型にしては少々音が漏れ気味です。つまり音質面以外での不満があります。そこを解消してくれたら、マジで嬉しいところです。

最後に

今回レビューをしたATH-GL3(密閉型)は、価格からは予想できなかったポテンシャルを持つ製品でした。

audio-technicaからは過去にもゲーミングヘッドセットが発売されています。

過去発売分のゲーミング向けヘッドセットの情報を調べてみたところ、今回のATH-GL3(密閉型)と同様の傾向な(ゲーミング用途も音楽鑑賞用途としても適している)ようです。

他製品がある状況においても、ATH-GL3(密閉型)の性能とコストパフォーマンスの良さは「今後audio-technicaがゲーミングブランドとして、1つの派閥を形成するのではないか」と感じさせるほどです。

過去に発売しているヘッドセットも含めて、是非入手を検討してみてはいかがでしょうか?