【XP-Pen Star G640S レビュー】を2週間使って感じたメリットとデメリットについて

2020年9月13日

こんにちは、佐崎司です( ´∀`)

世間でも知名度が上がった(ような気がする)『Android利用可能な板タブ』についての内容です。

その中でも今回は、比較的有名なStarG640S』についてレビューします。今更感あるとか言わないように。

私の昔の記憶が確かなら、この『Star G640S』はある時期に「Androidのデバイスに対応した!」という触れ込みから、twitter等で知名度が一気に上がり人気になった(ような気がする)商品です。

「スマホに板タブ繋いで、筆圧を使った絵が描けるとかスゲェ!」という、これだけで判断すると只の神デバイスですが、実際には色々と問題があります。
スペックとか開封の儀みたいなのとか、付属品とか、そういうものはもう見飽きてる人が殆どだと思います(私は見飽きました)。なのでその辺の内容は省略です。

HUION Kamvas 13のレビュー記事はこちら▼

XP-PENのおすすめポイントとopenCanvas7について書いた記事はこちら▼

軽くて使いやすい板タブ「GAOMON S620」の紹介はこちら▼

スペック

メーカーXP-Pen
価格4,260円
(Amazon 2020年4月27日時点)
重量499g
寸法 幅 × 高さ16 x 0.9cm
画面サイズ6mm
読み取り範囲6 x 3.75 インチ
利き手対応両利き対応
ペンP05バッテリーフリーペン
筆圧感知8192レベル
DPI5080 LPI
レポートレート266 RPS
精度±0.1 インチ
読み取り可能高さ5-10mm
USBインターフェースUSB
プロセッサ数1
電圧5V
対応システム・OSWindows 7/8/8.1/10 (64ビット版を含む)、Mac OS X 10.10以降 Photoshop、SAI、Painter、Illustrator、Clip Studio、openCanvasなどの主要ソフトに対応

コスパが良い商品

先に『Star G640S』について、評価の結論だけ言えば性能も使い心地も悪くない」です。

値段を考えれば十分以上に満足です。もし絵を描く道具として気に入らなかった場合でも価格としては安いので、面白ガジェットを入手したと割り切れます。

あと、更に言えば、私が購入した時点(2020年1月15日)では、Amazonでの購入者を対象にPCで利用可能な「openCanvas 7」のシリアルコードプレゼントのキャンペーンも行っています。

PCを持っている人が初めてXP-PENの商品を購入する場合は「openCanvas 7も試すついでに……」程度の気軽な感覚でも購入可能です。

更に言うと同社の液タブ(Artist 15.6)等と利用しているペンが全く同じです。それでいて同社の液タブに比べて線のブレが全くありません
液タブと板タブでは、同じペンを使っていてもそもそも技術的に何か差があるんでしょうかね。

良い点

描画精度がかなり良い

XP-PENの液晶タブレットを利用したことがある方の場合「同メーカーのこの製品ではマトモな線が引けるのか?」という疑問が生まれるかと思います。

液タブでは安価製品でよくある「ジッター」と呼ばれる線のブレですが、板タブはそもそもの動作原理が異なるためか線のブレはありません。

え? 線がブレるって? その震えてる手を何とか頑張って震えないようにして下さい。

因みに、この板タブに付属しているペンは、XP-PENの「Artist 15.6」等に付属する、液タブで利用されているペンと同じものです。

ですが線自体は液タブよりも板タブの方がより綺麗に引けます

XP-PENの板タブの精度に慣れた後にXP-PENの液タブを使ったら、きっと描き心地の差に絶望すると思います。

精度だけは板タブが断然良いと思います

物理キー関連もアプリによっては多少使える

「Androidでは物理キーは使えない」と言われていますが、一応一部のアプリでは利用可能です。

  • LayerPaintHD
  • ibisPaint X
  • ArtFlow
  • MediBangPaint
  • Infinite Painter
  • Autodesk SketchBook

めぼしいアプリで動作確認した結果が上の表です。一見すると「layer paint HD」が、一番それっぽく板タブのボタンを使えます。「ペン」「消しゴム」「戻る」が使えれば、最低限絵を描く分には十分です。あと有名どころの「ibisPaint」は板ボタンがすべて利用不可の代わりに、ペンの物理ボタンに「ブラシ/消しゴム」と「取り消し」が割り当てられるのが優秀です。

上記の理由で多くの方が最終的に「layer paint HD」か「ibisPaint」に行きつきそうな気はします。「layer paint HD」はキャンバスを手軽に回転できない点を除けば、動作も軽く書き味も良くておススメ。

その他アプリも一長一短があるので、一度試してみるのはアリだと思います。

実際に落描きしてみる

動作環境:601HT(5.5inch)
使用アプリ:layer paint HD
使用板タブ:Star G640S

結局スマホで横置きで描いてます。だって、縦置きって猛烈に場所を取るし、縦置きで横に並べて描くとか個人的に無理!( ゚ω ゚)

適当描き描き( ゚∀゚)ヴァイ!

レイヤー変えてなぞって……

なぞって……

適当に影っぽい感じで……

もうこれ完全にただのチラ裏の鉛筆落描きのノリですハイ(*‘ω‘ *)

適当に切り上げて終了( ゚ω ゚)

スマホでこれだけ適当なノリで鉛筆っぽく描けたら十分じゃね? と思えます。ましてやこの価格の板タブだけでこれだけ描けたら十分なレベルです。

Androidスマホ環境でこれ以上に絵を描きやすい環境を狙うと、もう後はGalaxy note系の機種購入しかないと思います。きっと最低数万円コース……。

お手軽落描きアイテムとしては十分良いです。旅先の暇つぶしのお供等にこの板タブ1枚カバンに入れても邪魔にはならないと思います。

と言いながらもダメな点もあります。

悪い点

Androidのデバイスの横向きに非対応

ただ、この内容については公式で注意喚起をしている通りの【仕様】です。そういう意味ではメーカー的には問題とはなりません。

また、公式の質問でのやり取りでもあるように「スマホの画面表示設定を縦向きに設定で固定すれば、スマホを横に向けても利用可能」です。

まぁ……そりゃあ、縦に表示を固定しているものを、物理的に横向きにするだけなら使用可能だわな……。

件の公式回答の文章を見たときは「ア、ハイ」となんとも微妙な感想しか生まれなかったのが本音ですが……。

でも、この「縦表示に固定して横にして利用可能」というのは、結構重要でもあります。

画像はタブレット(d-01J)ですが、こんな感じで使えば問題無く絵は描けます。実際に横に広い画面で描きたい時には横置きが便利です。

勿論、縦表示を横置きしているだけなので、あらゆる表示が横向きになっています。

ただ、だからといって「板タブで絵を描く」という事に特に問題はありません。

むしろアプリによっては横置きにすることで、左手で画面上のショートカットが使いやすくなる場合もあります。

ただここまで書いててなんですが、スマホの場合は画面サイズ的に縦のまま使用した方が使いやすいかもしれません。

【最重要】Android機に繋いだ際に「16:10の比率の解像度の機種でないと、描画時の縦横比がおかしくなる

……正直「Android対応!」を謳っているにしては致命的過ぎな問題……。とはいえ発売当時はそもそもAndroidに対応してなかった(筈な)ので、ファームウェアアップデートで対応させたようです。

よく、他レビューや公式の商品紹介で「Galaxyの機種ではカーソルが表示されない」などと意味不明な注意書きがあったりしますが、「いや、そもそもそういう問題どころでは無いのですが……?」というのが本音。

本当に問題なのは、「画面の比率」です

この板タブ(StarG640S)の作業エリアのサイズは公式情報で「6cm x 3.75cm」、つまり作業エリアの比率は「16:10」です。

通常、Windowsのパソコンに接続する場合はPCのディスプレイの比率が「16:10」以外であった場合は、この板タブを使う時には設定画面で比率を固定すれば問題無いです。

ただ、Androidの場合は上画像のような板タブの作業エリアの比率を変更するような手段がありません。そのため、Android側の画面比率が16:10以外の場合に、描画の処理にズレが生じます。

結果、板タブの作業エリア上では丸や正方形を描いていても、実際に描いた絵は上画像のように楕円や長方形になってしまいます。

これでは使い物になりません。何度も言いますが、カーソルが出ないどころの問題では無いのです

特に最近のAndroidスマートフォンは画面が縦長になりがちの為、特に注意が必要です。

因みにGalaxy系の代表的な解像度は18.5:9(S9,S9+)や19:9(S10,S10+)。

本当に、Galaxy系はカーソルが出る出ないとかいう以前に『そもそも正常に使えない(比率がおかしい)』状態です。

ですので、間違っても「ポインタのカーソルが出ないだけで使えるなら良いじゃん」などと思って購入はしないように。

Galaxy系の機種で使用しようなどという意味不明な事は絶対思わない方が良いです。

逆に、それほど新しくない機種の場合ほど、スマホの画面の解像度が16:10である場合が多いです。特に「ちょっと昔に買った、ちょっとショボいAndroidタブレット」とか、意外と板タブを繋いで活躍する可能性もあります。まぁ、言うてもAndroid 6以上じゃないと駄目だけどね!

あと念の為Android 4系の機種(302sh)で試しましたが、スマホの縦画面を無理やり板タブの横比率で動かそうとする挙動で動作しました。この挙動は、通常のAndroidに対応してない板タブや液タブの挙動と同一です。古すぎる機種でも全然使い物になりません。

更に余談ですが、他メーカーが同様に発売している「Androidスマホ対応」と謳って販売している板タブでは画面比率の問題は無さそうです、が!

他メーカーの板タブの場合もそれなりの問題があり、利用が少々面倒そうです。

その問題とは「スマホで板タブを使う場合、スマホ側は縦持ちのみ対応にも拘らず、板タブ側は横置きにしか対応していない」ということです。

……文章だけですと意味不明ですので、画像で説明。

要するに「板タブの作業エリアの1/3程度しか利用できない」ということです。大きな板タブを買えば問題解決できますが、無駄に場所を取りますし、それはあまりにも力技な気がします。

元からPCでもガッツリ板タブを使う人の場合ならアリかも? ですがね……

最後に

ということで好き勝手にレビューしましたが、「意外と結構使える面白ガジェット」としておススメです。値段もお手頃ですしね。家に眠っているスマホやタブレットがお絵描きツールに化けてくれる可能性もありますし、状況によっては「いっそ安いPCタブレットを買って繋いでも良いんじゃね?」という気もします。ともあれ、お値段以上に楽しめることは確かです

ぜひ一度試してみてはどうでしょうか?