PS5の3DオーディオがFPSでどの程度使えるか考察してみました!

2021年1月23日

こんにちは、佐崎司です( ´∀`)

PS5の『3Dオーディオ』も『バーチャルサラウンド』の一種です。効果の度合い、細かな原理は違えど、基本的な音の特性は同様です。

そのため、バーチャルサラウンドについて考える事が『3Dオーディオ』の効果や意義を把握するためにも有効です。何となく「周囲も使っているから」といった理由で使用しがちなバーチャルサラウンドですが、実際にどのような効果が期待できるのか、改めて考えをまとめてみました。

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3Dオーディオとは

本記事で取り扱う『3Dオーディオ』という単語は、『SonyのPS5に搭載されているバーチャルサラウンド』を指します。広義で使われている『3Dオーディオ』とは別物であることにご注意ください。

PS5における『3Dオーディオ』は、『臨場感あるサウンドを味わう』ことを目的とした技術」となります。FPSをプレイされる方にとって、音響効果は『足音を聞き逃さないために使う手段のひとつ』と考える方もいると思います。ただ、それはあくまでイコライザも合わせて使用することで得られる効果だというのが一般的です。

イコライザが無く、PS5で3Dオーディオのみを用いてFPSをプレイする場合、バーチャルサラウンドにおけるFPS使用時に対する評価を改めて考える必要があります。もちろん、ゲームの種類等によっても音の鳴り方・特性が異なるため一概には言えませんが、以下に記述する大枠の評価から大きくぶれることは無いです。

一つの注意点として、『バーチャルサラウンドはFPS対人戦を快適にプレイする(足元を強調する)ための技術ではない』という点です。バーチャルサラウンドの本来の目的が『その場に居るかのような臨場感を与えるもの』と考えると、『遠くの足音が強調される』という効果があれば、むしろ臨場感に欠け不自然ともいえるでしょう。

しかし、使用する人によっては『バーチャルサラウンドで足音が聴こえやすくなった。定位が良くなった』と感じる方が多い事も事実です。

ここでポイントとなるのが『強調』という結果に対しての過程(どのような手法から『強調された』という結果が生まれたのか)です。ある事象に対して『強調』すると言っても複数の方法があります。例えば、小さな文字が羅列されている中で1文字だけが周りに比べて少し文字が大きく太文字であれば、強調されていると判断しやすいです。

ですが、周りのサイズに比べて一文字だけ逆に少し小さくなっていても赤色であれば、結果的に強調されていると言えるでしょう。強調というよりも『聞き分け』と表現した方が正しいかもしれませんね。バーチャルサラウンドが与える『強調』とは、そういった『聞き分け』に通じる類いのものであると私は思っています

蛇足ですが、そこから更に人工的に音を選別し、純粋な強弱という意味での『強調』を行うものがイコライザです。上記の例えでいえば、小さな赤色文字を更に太くしたり、逆に周りの文字の色を薄くすると、より赤色の文字が強調されますよね。

イコライザは音を根本からバランス変更できてしまうという点において、使い方次第ではバーチャルサラウンドと比較にならないぐらいに音全体の調和を乱してしまうことも理解して使用しましょう。

ApexLegends等のFPSにバーチャルサラウンドは有用か?

ここまでの前置きを踏まえて、PS5の3Dオーディオを含む『バーチャルサラウンド』がFPS(検証はApexLegends)でのプレイ(特に対人戦)において有用であるかについても考察していきます。今回の考察はDolby等の効果にも同様に当てはまります。

FPSの音調整について調べてみると、バーチャルサラウンドに対しては多数の見解があります。肯定的な意見と否定的な意見、それぞれが存在し、それぞれの方で『自分の考えが正解だ!』と主張をしている状況があります。少なくとも、両者の意見共に正しいと主張する『理由』が存在します。

そのため、バーチャルサラウンドが有用であるかの判断は、最低でも以下を念頭に置くべきです。

バーチャルサラウンドが有用どうかの目安となる要素

• 定位を把握する方法・感覚の個人差

• 耳の聴こえ方の個人差

• 音で聴き分けたいシーンの質や種類

• 自分が操作するキャラクターの足音

• 相手が操作するキャラクターの足音

この現状を踏まえただけでも、『そもそもバーチャルサラウンドの使用有無について、どちらが最適かは個人差がある』と考える方が自然だと思います。

上記の要素を踏まえた上でバーチャルサラウンドのON/OFFそれぞれの特徴もまとめてみました。

まずはONの場合から。

バーチャルサラウンド効果ONの場合

POINT

• 相手の足音から、大まかな位置や方向を掴みやすい

• 相手の足音が自分の足音に埋もれにくい

• 前方定位と後方定位が判断しやすい

• 音の移動や音の変化が自然で違和感が少ない

自身の足音は鮮明、相手の遠くの足音はこもった感じに聞こえ聞き分けが容易になる、移動しながらの場合でも聞き取り分けがしやすいです。

まず、上記の『相手の足音から、大まかな位置や方向を掴みやすい』という点について説明します。

バーチャルサラウンド効果を使用すると『その場に居るかのような空間効果』が得られる特徴があります。これまでにも登場している『臨場感』というものです。

臨場感は仮想空間的な音場から生まれ、その恩恵として相手の大まかな位置や方向を足音から掴みやすくなります。

バーチャルサラウンドを用いない場合の足音は『単一の音』としてのシンプルな聴こえ方に対し、バーチャルサラウンドを用いた場合は空間に『足音が響く』ような表現になります

結果としてFPSで相手の位置(=定位)を自然に把握しやすい(個人差はある)事に繋がります。この説明だけでは大まか過ぎる為、以降の内容でも補足をしていきます。

相手の足音が自分の足音に埋もれにくい』事については、実際に試してみると解りやすいかもしれません。その理由は、『遠くの足音がバーチャルサラウンドの効果で強調されて聞こえる』点と『遠くの足音はこもって聞こえるため、自分の足音にかき消されにくい』ためです。

一例を挙げると、バトルロワイヤル系のFPSでゲーム序盤はマップを移動して武器やアイテム等を集めることが主になりますが、そういった状況において突然敵プレイヤーとエンカウントして倒されてしまうリスクの軽減になります。

FPSにおいて、周囲の銃声の次に索敵を阻害する大きな要素の1つは『自分の足音』です(ApexLegendsでBGMや会話音量を下げた状態で検証)。足音を立てないようにゆっくり移動する場合も「相手に足音を知られない為」という理由と同等に「自分の足音を下げて、相手の足音を聞き取りやすくする為」も含まれていると思います。

自分の足音は索敵の観点では非常に厄介です。

更に自身と敵の両方が武器集め等で高速で移動をしていると、数秒前までは足音が聞こえない範囲に居たような相手であっても一気に接近してしまう可能性があります。そういった状況で自分の足音と相手の足音混ざってしまい、『どの方向から聞こえているのか、そもそも足音が本当に聞こえていたのか?』の判断が出来なければ非常に危険な状況になります。

そんな時、バーチャルサラウンドを使用していると、相手との距離によって発生する音の差のお陰で、『自分の足音』と『敵の足音』の質が距離感により明確に差別化されます

また、バーチャルサラウンドの効果で音に残響が付き厚みが生まれる(結果的に足音が強調されたように感じる)ことも、相手の足音に気付きやすくなる理由です

次に『前方定位と後方定位が判断しやすい』点についても説明をします。

通常の2chステレオやバーチャルサラウンドは、一聴しただけではどちらも前方と後方の定位の区別が左右や距離の定位に比べて解りにくいです。理由は『結局音は2ヶ所から音が鳴っているだけ』な為だと思います。

実際、不意にヘッドセットを渡されて事前情報も無く足音を聴かされたとすると「前方か後方か」の定位の聞き分けはなかなか出来ないようです。

しかしゲームを続けていくうちに、2chからの出力される音だけでも「このゲーム上での後方向からの足音はこんな感じだ」と身に付き、結果として定位の理解が深まります。上記の際に重要な事は『表現方法として前方と後方の違いが明確に異なる』点です。バーチャルオーディオを用いることで、空間的な表現から音源の方向や距離による音の変化がより自然となり、音を区別しやすくなる効果が期待できます。

『バーチャルサラウンドに対応していたとして、対象のゲームが本当に5.1chや7.1chの音をバーチャルサラウンドに活用できているのか』という疑問を持ち始めるとキリがありませんので、その点は問題が無いという前提の元、実際試してみるのが良いでしょう。

『音の移動や音の変化が自然で違和感が少ない』点については、既にここまでで述べた内容に含まれています。

バーチャルオーディオの効果で『空間上での響き』を含んだ音は、とっさに聴こえた際にも見つけやすく、音の変化の把握にもなり、その結果として距離や方向が分かりやすくなります

例えば、真っ白な壁の部屋に入り、壁に真っ黒な点が1つだけあるとします。周囲が真っ白の為、大抵の場合は周囲をぐるりと見渡すと直ぐに黒い点を見つけることが出来るとおもいます。ただ、その点が5mm四方だった場合、素早く見つけようとすると思わず見逃してしまうかもしれません。例えばその5mm四方を真っ黒に塗りつぶすために使用したインクを薄めて、大きな丸に塗り替えたらどうでしょう?5mm四方だった点に比べ、きっと直ぐに見つける事ができます。

上記の例えがなんとも微妙な感じですが、バーチャルオーディオによる定位の解りやすさは、上記のような感覚だとおもいます。単に『音を強調する』ことではなく、自然な空間上に正しく存在感を与えてくれるようなものだと感じています。次に、『バーチャルサラウンドがOFFの場合』についても簡単におさらいしてみましょう

バーチャルサラウンド効果がOFFの場合

POINT

• ピンポイントでの位置情報として音が鳴る

• 純粋な2ch音質

• 相手の足音が鈍い音に埋もれにくい

• ゲーム本来の音を損ねない

まず『ピンポイントでの位置情報として音が鳴る』点です。

ここでは『ピンポイント』と表現していますが、あくまで「バーチャルサラウンド等の音響効果がなく、シンプルに音が鳴る」事を指しています。

相手の足音が鈍い音に埋もれにくい』点については、比較的感じやすいと思います。

バーチャルサラウンドを使用すると発生する音の広がりが無い分、音の輪郭がはっきりとし、結果として足音がゲーム上での他の重低音に埋もれにくくなります。『バーチャルサラウンドを使わない方が定位が解りやすい』という意見の方にとっての一番の理由になっている点でもあります。確かに「『ピンポイントでの位置情報として音が鳴る』のであれば、その方が定位が解りやすいんじゃない?」という考えはもっともです。ただ、問題があるとすれば「その音情報を常に正しく耳が聞き取れるか?」という点が挙げられます。『純粋な2ch音質』については言葉通りです。純粋な2chとしての音表現の為、相手の距離や位置に対してバーチャルサラウンドよりもゲーム的な音表現になります。結果としてバーチャルサラウンドよりも音表現がシンプルになります。『ゲーム本来の音を損ねない』点についても言葉通りですね。音響効果の影響が無い、ゲームとしての本来の音がそのまま出力されます。

バーチャルサラウンド特有のお風呂場感溢れる音を好ましく無いと考えている人も居るのではないでしょうか。昔は私もそのタイプだったので、非常に良くわかります。ただ、最近のバーチャルオーディオは昔に比べ品質が向上し一昔前ほどの違和感がありません。特にPS5の3Dオーディオの音は非常に自然です。

バーチャルサラウンドはFPSに優位に働くのか

最終的には『その人次第』という結論になります。

今回の内容はあくまで自論の為、必ずしも正しいとは限りません。人によっては所々で「それはおかしい」と感じた方も居るでしょう。ただ、実際に両方を試した結果「どちらの方が索敵しやすかったか」「どちらの方がとっさに行動できたか」をゲーム毎に試してみることをおすすめします。例えプラシーボ効果であったとしても、その人にとって「こちらでプレイした方が勝率が上がった」「とっさに回避できた」とより感じた方が、その人にとっての正解になると思います。音の感じ方、感じた音に対しての対処の仕方は個人差が激しい為、個々のレベルで試して判断することをおすすめします

結局3Dオーディオ効果は利用すべきか?

これからFPSを積極的に楽しみたい方には、自然な音を保ちつつゲームの迫力が増す3Dオーディオはおすすめです。

ここまで『バーチャルオーディオ』という大枠で説明しましたが、その中でも3Dオーディオはバーチャルオーディオの利点を残しつつ過剰に音に味付けをしない良い機能だと思います。この機能はPS5で試すことが可能なので、是非一度はFPSで使ってみましょう。

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