
こんにちは、ハッサンです。
今回はZiiGaatの「Arete」のレビューです。
海外YoutuberのFresh Reviewsさんとのコラボモデルということで、FPS向けとして気になっている方も多いかもしれません。
ただ、実際の音は「足音をバキバキに浮かせる競技特化!」というよりも、中域の芯と帯域の整理で音を落ち着いて掴むタイプでした。
個人的には、音楽用として価格なりの満足感を狙うというより、FPSで足音を線として追う感覚や、音のレイヤー感を活かしたい方向のゲーミングイヤホンという印象です。
動画では音の可視化ツールを見ながら、FPS向けの評価を中心に解説しています。この記事では、音楽用途での印象や帯域ごとの評価もあわせて補足します。
今回レビューしたイヤホンはこちら。
付属品
| カテゴリ | 内容物 |
|---|---|
| イヤホンケース | 小型スクエアキャリングケース |
| イヤーピース | シリコンイヤーピース S/M/L、フォームイヤーピース |
付属品はシンプルです。
ケーブルやイヤーピースにこだわりがある方だと、少し物足りなく感じるかもしれません。イヤホン本体の完成度に対して、付属品は「必要最低限」という印象です。
スペック
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 価格 | 42,000円 (Amazon 2026年6月15日時点) |
| ドライバー構成 | 1DD+4BA |
| DD | 10mm バイオセルロース振動板 |
| BA | Knowles 29689×2 / 31736×2 |
| インピーダンス | 9Ω |
| 感度 | 108dB/mW |
| コネクタ | 0.78mm 2Pin |
| プラグ | 3.5mm |
インピーダンスが低く、感度も高いため、音量はかなり取りやすいです。
PC直挿しや小型ドングルDACでも十分鳴らせます。ただし、この手の高感度IEMは環境によってホワイトノイズを拾いやすいことがあります。FPSで小さい音を聞きたい場合は、ノイズの少ないDACやオーディオインターフェースを使った方が安心です。
ビルドクオリティと装着感
筐体はレジン系のシェルで、フェイスプレートも綺麗です。ゲーミングイヤホンっぽい派手さはありますが、安っぽい感じはあまりありません。
ただし、装着感は少し人を選びます。
シェルに厚みがあり、耳の形によっては外側に出っ張る感じがあります。ノズルもやや奥に入れる前提の作りなので、合う人にはかなり安定しますが、合わない人には圧迫感が出やすいかもしれません。
長時間使うFPS用途では、ここは結構大事です。音が良くても、1時間で耳が痛くなると集中できません。購入後はまずイヤーピースを何種類か試して、自分の耳に無理なく収まる位置を探すのがおすすめです。
イヤホン属性プロファイル

見てみると、かなり穏やか寄りです。
ただし、単に眠い音というわけではありません。中域の芯はしっかりしていて、音の中心が見えやすいです。低域も測定上の量以上に聴感上の存在感が出るため、下側の支えは思ったよりあります。派手に押すというより、真ん中の安定感と下側の厚みで聴かせるタイプですね。
帯域バランス
フラット基調ながら、聴感上はやや低域が強めに感じやすい暖色寄りです。
低域と高域を強く持ち上げるタイプではなく、中域が音全体の骨格を作ります。いわゆる強いV字ではありません。どちらかというと、真ん中を中心にして、下側に柔らかい支えを足したようなバランスです。
低域の出だしに丸みがあり、中低域の残り方も強めです。その影響で、実際に聴くと低音がやや強めに感じられます。ベースや爆発音の底面が残りやすく、軽い低域というより、柔らかく厚みを持った低域として受け取りやすいです。
高域は控えめ。明るくシャキッと鳴らすより、刺さらず滑らかにまとめる方向です。
そのため、全体としては「低音ドカン、高音キラキラ」ではありませんが、低域は控えめと切り捨てるより、聴感上はやや強めの下支えがあるウォーム寄りバランスと考えると分かりやすいと思います。
音の硬さ
全体的にはソフト寄りです。
- 低域は出だしに丸みがあり、打感の角が立ちにくい
- 中域は芯が安定しているものの、入り方は自然で柔らかめ
- 高域はカチッとしたエッジより、少しふわっと消える感触
硬質でバキバキした音ではありません。
FPSでは銃声や足音の輪郭が尖りすぎないため、反応速度重視の方には少し丸く感じるかもしれません。一方で、長時間使っても耳が疲れにくいのは明確な良さです。
音楽では、角が取れた聴きやすさにつながっています。ただし、音楽鑑賞用として価格相応の満足感を強く狙うというより、あくまでFPS用途の副産物として聴きやすい方向ですね。
音の立ち上がり
立ち上がりはマイルドです。
音が鳴った瞬間に「カッ」と浮き上がるタイプではありません。低域から中域にかけて出だしが少し丸く、音が自然に始まる感じです。
高域も鋭く切り込むというより、少し柔らかく定着してから消えていきます。
FPSでは、足音や接触音の入口を瞬時に拾う用途では少し不利に感じる場面があります。反面、音の出方が自然なので、耳への負担は少なめ。音楽ではアタックが前に出すぎず、聴き疲れしにくいです。ただ、キレや躍動感を楽しむリスニング用途としては少し大人しいです。
実体感の強さ
実体感は普通寄りです。
低域の量だけで太く押してくるタイプではありません。ただ、低域の残り方と丸みがあるため、聴感上は下側の存在感が出やすいです。そこに中域の安定した芯が重なり、音の中心が崩れにくくなっています。
このバランスがAreteらしいところですね。
重厚感だけで押すのではなく、整った芯と下側の厚みで実体を作るタイプです。低域の丸みと残留があるので、音が細く切れすぎることはありません。
FPSでは足音の「重さ」だけでなく、低域の下支えと中域の芯で移動の流れを掴む方向。音楽ではボーカルやスネアの中心は見えやすいですが、価格を考えるとリスニング専用として強く推すタイプではありません。
音の抜け
音の抜けは、やや響き寄りです。
低域から中域にかけて少し余韻が残りやすく、音がスパッと消えるタイプではありません。高域も量が控えめなので、上方向へスッと抜ける爽快感はほどほどです。
とはいえ、嫌な響き方ではありません。
高域が強くないぶん、刺激を伴う残響ではなく、暖かみのある余韻として感じやすいです。音楽ではしっとり感につながりやすい一方、抜けの良さや鮮度を重視すると少し重く感じるかもしれません。FPSでは音が重なったときに背景が少し濃くなる場面があります。
音場
音場は普通からやや狭いくらいです。
広大に外へ広がるタイプではありません。極端に詰まるほどではないものの、聴感上は手前〜中距離にまとまりやすいです。
余韻が少し残るため、空間の余白が広く見えるというより、音が近い範囲にまとまって聴こえます。外へ広げる音場ではなく、音像を近めに置いて、層の違いを見せるような鳴り方ですね。
ボーカルや足音の中心は掴みやすいです。一方で、広いホールの奥行きや、大きく外へ広がる空気感を期待すると少し物足りないかもしれません。
声の聞き取りやすさ
声はやや前に出やすいです。
Areteの一番分かりやすい良さはここかもしれません。中域の芯が安定しているため、声の中心がブレにくいです。
ただし、子音を強く立てて声を目立たせるタイプではありません。サ行や輪郭を鋭く出すのではなく、声の芯そのものが自然に見えやすい感じです。
ボーカルは近め。FPSでもボイスチャットやキャラクターボイスが聞き取りやすく、音楽では歌のラインが追いやすいです。
耳への刺激
刺激はかなり少なめです。
高域の量が控えめなので、サ行の刺さりやチクッとした痛さは出にくいです。音の押し出しも強くないため、1音1音が耳に飛んでくる感覚も控えめ。
ただ、高域の消え方に少し不規則さはあります。量が少ないので目立ちにくいですが、完全にクリーンな高域というよりは、穏やかさでうまくまとめている印象です。
長時間のFPSにはかなり向いています。作業用BGM程度なら問題ありませんが、音楽を積極的に楽しむ目的では少し大人しく感じるかもしれません。
帯域評価

低域
タイプ:やや強めの下支え型
低域は、測定上の量だけ見れば突出して多いタイプではありません。
ただ、実際の聴感ではやや強めに感じます。低域の出だしに丸みがあり、中低域の底面も残りやすいため、FR上の低域量を超えて低音の存在感が出るためです。
重低音がドンと押し込んでくる低域ではありませんが、ベースや爆発音の下側に柔らかい支えがあり、低域が軽く抜ける感じは少ないです。量というより、残り方と丸みで低音が一段濃く見えるタイプですね。
FPSでは、低域の存在感がありつつも、足音帯域を強く覆いにくいのが良いところ。爆発音や環境音に底面はありますが、足音の芯を塗りつぶすほどの低域ではありません。
低音の量感だけを最優先する人には物足りないと思います。逆に、低域の下支えを残しながら、足音の流れを追いたい方には扱いやすいですね。
中域
タイプ:芯重視型
中域はAreteの中心です。
600〜2000Hzあたりの骨格がしっかりしていて、声や楽器の中心が見えやすいです。音が鳴ってから消えていくまでの芯も安定しており、ボーカルやスネアの位置がぼやけにくい印象があります。
ただ、厚みで押す中域ではありません。
中低域の量は控えめなので、濃密で肉厚なボーカルというより、芯が整った見通しの良い中域です。出だしは少し柔らかく、鋭くエッジを立てるタイプではないですね。
FPSでは足音や音の方向の基準を作りやすく、移動音を線として追うときの支点になります。温かい濃厚ボーカルを期待すると少し薄く感じるかもしれませんが、音の中心を崩さない中域としてはかなり優秀です。
高域
タイプ:自然型・やや穏やか寄り
高域は控えめです。
明るくキラキラ鳴らすタイプではなく、刺さらないように滑らかにまとめています。シンバルの煌びやかさや空気の抜けを強く求めると、少し大人しく感じるはずです。
一方で、長時間聴いていてかなり楽です。
高域のキレは、鋭いエッジで見せる方向ではありません。余計な刺激を出さず、自然に収まるタイプです。高解像感で派手に魅せるより、耳当たりの良さを優先した高域ですね。
FPSでは高域の細い手がかりを強く浮かせるタイプではないため、遠距離の微音を高域で拾う用途では控えめです。音楽では刺さりにくい反面、価格を考えると高域の伸びや情報量で満足させるタイプではありません。
音質まとめ
Areteの音は、低域と高域で派手に見せるタイプではありません。
低域は測定上の量より聴感上の存在感が強めに出ます。丸みと残留で下側が支えられ、中域は芯が安定していて、声や足音の中心が見えやすい。高域は控えめで刺さらず、煌びやかさよりも滑らかさを優先しています。
全体としては、ウォーム寄りのフラット基調です。
強いV字や重低音で押すゲーミングサウンドを想像すると違います。むしろ、低域の下支え、中域の芯、音のレイヤー感で聞かせるタイプです。
分離感も鋭く切り分けるタイプではなく、帯域の住み分けと中域の芯で音の種類を判断しやすい方向。音場は普通からやや狭いくらいで、近〜中距離にまとまりやすく、足音の中心や移動の線を掴みやすいです。
FPSでの聞こえ方
FPS総合評価
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 足音の存在感 | ★★★★☆ |
| 分離・音種判別 | ★★★★★ |
| 定位感・方向感 | ★★★★☆ |
| 距離索敵 | ★★★★☆ |
Areteは、FPS向けイヤホンとしてかなり有名なモデルですが、実際の聞こえ方は「足音を高域でバキバキに浮かせるタイプ」とは少し違います。
一番分かりやすい強みは、分離・音種判別です。
足音、銃声、環境音が同時に鳴ったときに、それぞれの役割が見えやすく、音の種類を判断しやすい方向です。音を細かい点として分解するというより、低域・中域・高域の役割が分かれていて、必要な音を見失いにくい聞こえ方ですね。
足音の存在感もあります。
ただし、低域でドンと押し出す存在感ではありません。中域の芯が残りやすく、足音の中心が見えやすいため、近距離〜中距離では「今このあたりで動いている」という感覚を掴みやすいです。
定位感・方向感も、Areteの大きな特徴です。
音を細い点でピタッと固定するというより、足音の芯や流れを見ながら方向を掴むタイプ。単発の足音を一瞬で拾うより、移動音を追い続ける場面で良さが出やすいです。
遠距離索敵は、評価としては星4にしています。
ただし、遠くの小さい音を高域で細く浮かせるタイプではありません。どちらかというと、近〜中距離の距離差や、少し奥で鳴っている音の段階を掴みやすい方向です。
Areteは、遠くの微音を点で拾いにいくイヤホンというより、近〜中距離の足音を芯と流れで追いやすいイヤホンです。
足音の存在感:低域で押すより、芯で掴むタイプ
Areteの足音は、低域で大きく押し出すタイプではありません。
足音を太くして「敵がいる」と分かりやすく教えてくれるイヤホンではなく、音の中心が残ることで位置や動きを掴みやすくするタイプです。
近距離〜中距離では、この特徴がかなり効きます。
足音が鳴ったあと、中域の芯が残りやすく、中心線を頼りに「どのあたりで動いているか」を追いやすいです。音の入口だけで反応するというより、鳴った後の流れを見て判断する聞こえ方ですね。
低域にも少し特徴があります。
量そのものがすごく多いわけではありませんが、出だしに丸みがあり、下側に少し支えが残ります。そのため、実際に聞くと低域の存在感は測定上の量より少し強めに感じやすいです。
爆発音や銃声の下側も軽くなりすぎず、足音にも少し厚みが乗ります。
ただし、ここはメリットだけではありません。
足音の入口が鋭く飛び出すタイプではないため、反応速度を最優先する人には、少し丸く感じる可能性があります。
Areteは、足音を高域で浮かせるイヤホンではなく、中域の芯と下側の支えで足音を掴むイヤホンです。
分離・音種判別:Areteの一番分かりやすい強み
| 分離項目 | 説明 | 評価 |
|---|---|---|
| 空間 | 音像が小さくまとまるか | ★★★☆☆ |
| 時間 | 前の音が早く消えるか | ★★★☆☆ |
| 帯域 | 足音・銃声・環境音が帯域で分かれるか | ★★★★★ |
| 芯 | 重なった後も中心線が残るか | ★★★★☆ |
| 音量階層 | 大きい音の裏の小さい音が分かるか | ★★★☆☆ |
Areteの分離感は、全部の項目が強いタイプではありません。
得意なのは、帯域の分離と芯の分離です。
足音・銃声・環境音が同時に鳴ったときに、それぞれが同じ場所に密集しにくく、音の種類として判断しやすいです。低域は下支え、中域は足音や声の芯、高域は輪郭の補助という形で、役割が分かれやすいですね。
このため、分離・音種判別の総合評価は星5にしています。
ただし、空間分離や時間分離まで全部が星5という意味ではありません。
音像がものすごく小さくまとまるタイプではありませんし、前の音が一瞬で消えるタイプでもないです。背景がスパッと空くイヤホンを想像すると、少し違います。
Areteの分離は、余韻を完全に消して整理する方向ではなく、音の種類と中心線を残して判断しやすくする方向です。
派手に音をバラバラにするというより、重なった後でも「これは足音」「これは銃声」と見分けやすい聞こえ方。ここがAreteの強みです。
また、Areteはレイヤー感も出やすいタイプです。
ここでいうレイヤー感は、すべての音が上下に分かれて聞こえるという意味ではありません。低域の支え、中域の足音の芯、上側の輪郭が一枚に潰れず、少し層として残る感覚です。
Areteは、低域・中域・高域の役割分担が分かりやすく、足音の芯も中域に残りやすいため、音が重なったときに足音の流れを追いやすいです。
ただし、後継のArete2のように層の違いを強く見せるというより、あくまで自然な範囲でレイヤー感が出るタイプですね。
空間の分離:広く散らすより、中距離に芯を置く
Areteの空間分離は普通くらいです。
音場は広大に外へ広がるタイプではありません。どちらかというと、手前〜中距離にまとまりやすいです。
音像も、かなり小さな点として固まるわけではありません。中心は見えますが、周りに少し厚みがあるため、ピンポイントで細く固定される感じは控えめです。
FPSでは、近距離〜中距離の音を掴みやすいです。
ただ、複数人の足音を小さな点として細かく分けたい場面では、もう少し音像がコンパクトなイヤホンの方が向いています。
Areteは、空間を広く見渡すイヤホンではなく、中距離に音の芯を置いて、その流れを見せるイヤホンです。
時間の分離:早消えではなく、流れが残る
時間の分離も普通くらいです。
Areteは、音が早く消えるタイプではありません。芯や低域側の余韻が少し残るため、前の音が消え切る前に次の音が入る場面では、背景が少し濃く感じることがあります。
ただし、これは単純に邪魔な残り方というより、音の中心線が続いて見える方向です。
連続した足音や移動音では、この残り方が流れとして働きます。足音が点で切れるのではなく、線としてつながるため、敵の移動を追いやすい場面があります。
一方で、前の音をスパッと消して、次の小さい音を点で拾う使い方では、もう少し鋭いイヤホンの方が分かりやすいでしょう。
Areteの時間方向は、短く切るというより、芯を残して流れを見せるタイプです。
音の芯の分離:重なった後も中心線が残りやすい
Areteで重要なのは、音の芯の見え方です。
足音や声の中心が崩れにくく、鳴った後も中域の軸が残りやすいです。そのため、近距離〜中距離では足音の流れを追いやすくなります。
ただし、これは「細い点でピンポイントに切る」という意味ではありません。
Areteは、音の芯が安定して残ることで、
- この音はこの方向に動いている
- 足音の中心が銃声の中に完全には溶けていない
- 複数の音が鳴っても、足音の流れが少し残る
このように判断しやすいタイプです。
複数の足音が重なったときも、完全にバラバラに分解するというより、中心線や流れが残りやすいです。
ここは、Areteの大きな強みですね。
音を点で切るイヤホンではなく、芯を使って足音の流れを追うイヤホンです。
帯域の分離:足音・銃声・環境音の役割が見えやすい
帯域の分離はかなり良いです。
Areteは、低域・中域・高域の役割が分かれやすく、音の種類を判断しやすい方向です。
低域は下支えとして残ります。中域は足音や声の芯を作り、高域は必要以上に刺さらず輪郭を補助します。
この役割分担が分かりやすいので、足音・銃声・環境音が同時に鳴ったときでも、音の種類を見分けやすい場面があります。
ただし、足音帯域だけを強く浮かせるタイプではありません。
ゲーミングイヤホンのように「足音だけが前に出る」聞こえ方を期待すると、少し違います。Areteは、音全体の役割を分けながら、足音の芯を残す方向です。
このため、音を細かく聞き分けたい人にはかなり扱いやすいですが、足音だけを強調してほしい人には少し地味に感じるかもしれません。
音量階層の分離:小さい音を強く浮かせるタイプではない
音量階層の分離は普通くらいです。
これは、近くで大きく鳴っている銃声や爆発音の裏にある、小さい足音や環境音をどれくらい拾えるかという話です。
Areteは、大きい音の裏にある小さい音を強く前へ出すタイプではありません。遠くの細かい音まで全部拾って整理するというより、音の中心や役割を頼りに聞き分ける方向です。
低域の支えや芯の残り方があるため、近〜中距離の足音は掴みやすいです。
一方で、遠距離の小さい音や、混戦の裏にある細い音を強く浮かせる用途では、もう少し背景が静かで高域の輪郭が出るイヤホンの方が分かりやすいと思います。
Areteは、音量階層を細かく分けるというより、目立つ音の中に残る芯と帯域差を読むタイプです。
定位感・方向感:点で固定するより、芯と流れで掴む
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 定位感 | ★★★★☆ |
| 方向感 | ★★★★☆ |
定位感・方向感は、Areteの特徴が出やすい部分です。
ただし、競技特化イヤホンのように、音像を細い点としてピタッと固定するタイプではありません。
Areteは、足音の芯や流れを見ながら方向を掴むタイプです。
右から来たのか。左から来たのか。近くで動いているのか。少し離れた場所で動いているのか。
このあたりの方向感は掴みやすいです。
特に連続した足音では、足音の中心がなめらかに動いていくため、移動方向を追いやすく感じます。
また、Areteはこの足音の流れに、自然なレイヤー感も乗ります。
ここでいうレイヤー感は、すべての音が段差のように聞こえるという意味ではありません。
低域の支え、中域の足音の芯、上側の輪郭が一枚に潰れにくく、音が重なったときも足音の芯が流れとして残りやすい、という感覚です。
そのため、銃声や環境音が重なった場面でも、足音が完全に塊へ埋もれるというより、芯の位置や動きが少し追いやすく感じます。
一方で、斜め前・斜め後ろの細かい角度差を、点で厳密に切る聞こえ方ではありません。ピンポイントの定位を最優先する人には、もう少し音像が小さく固まるイヤホンの方が合う可能性があります。
Areteは、方向を鋭く切り取るより、芯の残り方を頼りに方向の手がかりを掴むイヤホンです。
距離感・遠距離音:遠距離特化ではなく、近〜中距離の段階を掴む
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 遠距離の微音検出 | ★★★☆☆ |
| 距離感 | ★★★★☆ |
遠距離の微音検出は普通くらいです。
Areteは、高域を強く出して遠くの足音を細く浮かせるタイプではありません。遠くの小さい音を点で拾う用途では、少し大人しく感じる場面があります。
ただし、距離感そのものは掴みやすいです。
広い音場で遠くまで見渡すタイプではありませんが、音の芯と帯域の役割が見えやすいため、近い音、少し離れた音、奥にある音の違いは判断しやすい方向です。
特に近距離〜中距離では、足音の中心が残りやすく、移動の流れも追いやすいです。
- すぐ近くで鳴っている
- 少し離れた場所で動いている
- 奥の方に別の音がある
このような距離の段階は、比較的掴みやすいと思います。
Areteの距離感は、遠くの音を強く前に出す距離感ではなく、近〜中距離の距離差と音の流れを掴みやすい距離感です。
移動音:Areteらしさが一番出る部分
Areteの移動音は、点でカチカチ追うタイプではありません。
足音が右から左へ動くときに、ひとつひとつの足音を細かく分解するというより、音の中心が線のようにつながって動いていく感覚です。
ここがAreteらしいところです。
足音の入口は少し丸く、鋭く飛び出すタイプではありません。その代わり、鳴った後の中域の芯が残りやすく、足音の軌道を追いやすいです。
近距離〜中距離で敵が走っている場面では、単発の足音よりも、連続した移動音として捉えやすい方向です。
この聞こえ方は、人によって好みが分かれると思います。
足音を点で拾って素早く反応したい人には、少し丸く感じる可能性があります。反対に、足音の流れや移動方向を落ち着いて追いたい人には、かなり扱いやすいです。
Areteは、点で拾うイヤホンではなく、線で追うイヤホンです。
FPSイヤホン最終結論

| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 足音の存在感 | ★★★★☆ |
| 分離・音種判別 | ★★★★★ |
| 定位感・方向感 | ★★★★☆ |
| 遠距離索敵 | ★★★★☆ |
Areteが向いているのは、近距離〜中距離の足音を、芯と流れで安定して掴みたい人です。
FPS専用の分かりやすいイヤホンとは少し違います。足音を高域で強調して、細い輪郭を前に出すタイプではありません。
ただ、音の芯が残りやすく、低域・中域・高域の役割も分かれやすいです。そのため、足音・銃声・環境音が重なったときに、音の種類を判断しやすい方向です。
足音の存在感もあります。
低域で大きく押し出すわけではありませんが、中域の芯と少し残る低域の支えによって、近距離〜中距離の足音を掴みやすいです。
定位と方向感も良好です。
細い点として固定するというより、足音の芯や流れから方向の手がかりを掴むタイプ。移動音を追い続ける場面では、Areteの良さが出やすいと思います。
一方で、遠距離の微音を高域で細く拾うタイプではありません。音場も広大に広がるタイプではないので、広いマップ全体を見渡すような聞こえ方を求める人には、少し物足りない可能性があります。
Areteは、遠くの細い音を拾いにいくイヤホンではなく、近〜中距離の足音の芯、音種判別、移動音の流れを掴むイヤホンです。
レイヤー感もこの近〜中距離で活きやすく、足音が銃声や環境音に完全に埋もれるというより、芯や流れとして残りやすい聞こえ方です。
向いている人
- 足音・銃声・環境音の聞き分けを重視する人
- 近距離〜中距離の移動音を追いやすいイヤホンが欲しい人
- 足音を点で拾うより、線で追う感覚が合う人
- 高域が鋭すぎるイヤホンが苦手な人
- 長時間でも扱いやすいFPS向けイヤホンを探している人
向いていない人
- 足音の入口を鋭く拾いたい人
- 遠距離の微音を最優先で拾いたい人
- 高域で足音を細く強調してほしい人
- 定位をピンポイントで詰めたい人
- 音場が広く、マップ全体を見渡すような聞こえ方が欲しい人
- 背景がスパッと静かに空くイヤホンが好きな人
音種判別には少し慣れが必要
Areteは帯域分離が良く、足音・銃声・環境音の役割は分かれやすいです。
ただし、イヤホン側が音を強く整理して、足音だけを分かりやすく前に出してくれるタイプではありません。
音が重なった場合、足音の芯や、銃声・環境音との帯域差を聞く側が拾う必要があります。
そのため、最初は少し分かりにくく感じる人もいると思います。
何試合か使って、足音がどこに残るか、銃声や環境音とどう違うかに慣れてくると、Areteの音種判別の良さは掴みやすくなります。
一方で、足音を高域や鋭い輪郭で分かりやすく浮かせてほしい人には、少し合いにくい可能性があります。
音楽用途
FPSでの線追い感が、音楽では自然なつながりとして出るタイプ
Areteは、音楽用途でも極端に派手なイヤホンではありません。
低域は量で押し切るタイプではありませんが、下側に少し支えがあり、音が軽くなりすぎません。キックやベースはタイトに切れるというより、少し丸みを持って入る方向です。
中域は、Areteの良さが出やすい部分です。
声や楽器の中心が残りやすく、音の流れを追いやすいです。ボーカルを強く前に出すというより、音楽全体の中で芯が見えるような聞こえ方ですね。
高域は控えめです。
派手な煌びやかさや、細かい粒を強く見せるタイプではありません。その代わり、耳への刺激は少なく、長時間でも聴きやすい方向です。
ただし、音楽用途だけで考えると、価格に対して分かりやすい華やかさや低音の迫力を求める人には、少し地味に感じるかもしれません。
Areteは、リスニングで派手に楽しませるイヤホンというより、音の芯と流れを自然に見せるイヤホンです。
FPSでのまとめ
Areteは、初心者〜上級者まで使えるFPS向けイヤホンだと思います。
ただし、誰にでも分かりやすい競技特化型ではありません。
足音の入口を鋭く浮かせるタイプではなく、鳴った後の芯と流れを追うタイプです。そのため、最初は少し丸く感じる人もいると思います。
一方で、使っているうちに、足音・銃声・環境音の役割が見えやすく、近〜中距離の移動音を追いやすいことが分かってきます。
足音の芯を安定して掴みたい人、音種判別を重視する人、近〜中距離の移動音を線で追いたい人には、Areteはかなり扱いやすい選択肢だと思います。


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