
こんにちは、ハッサンです。
今回は、ZiiGaat AreteとArete2をFPS目線で比較していきます。
Areteは、海外YoutuberのFresh Reviewsさんコラボのイヤホンとして人気のあるモデルです。そしてArete2は、その後継機にあたるイヤホンです。
では、Arete2はAreteの完全上位互換なのか。
結論から言うと、単純な上位互換ではありません。
以前レビューした星評価だけを見ると、AreteとArete2はかなり近く見えます。ただし、これはArete2がAreteをそのまま上書きしたという意味ではありません。
同じ星でも、聞こえ方が違います。
この記事では、
- どちらが分かりやすいのか
- FPSでどう聞こえ方が違うのか
- AreteからArete2に買い替える意味はあるのか
- どんな人にどちらが向いているのか
このあたりを整理していきます。
動画版では、音の可視化ツールを使って、AreteとArete2の聞こえ方の違いも解説しています。
より詳細に文章でじっくり読みたい方はこの記事を、画面で違いを見たい方は動画版も参考にしてください。
今回比較しているイヤホンはこちら。
結論:Areteは安定型、Arete2は上振れ型

最初に結論をまとめると、AreteとArete2は次のように分けると分かりやすいです。
Areteは、芯と層で線を追う安定型。
Arete2は、層をさらに深く読む上振れ型。
Areteは、足音の中心線が見えやすく、近距離〜中距離の移動音をシンプルに追いやすいです。敵が右から左へ動く、手前から奥へ移動する、といった流れを、足音の芯で掴みやすいタイプです。
一方でArete2は、その中心線に加えて、足音・銃声・環境音の音種差やレイヤー差まで残りやすいです。
そのぶん情報量は増えますが、読める人にとっては、同じ方向で音が重なった場面でも、より細かく状況を把握しやすいと思います。
なので、かなり簡単に言うと、
分かりやすさはArete。
情報量や上振れはArete2。
この理解が一番近いです。
ただし、ここで注意があります。
Areteシリーズは、どちらも足音だけを高域で鋭く浮かせて、イヤホン側が分かりやすく整理してくれるタイプではありません。
足音・銃声・環境音の違いや、低域の支え、足音の芯、上側の輪郭がどう残るかを、人が聞き取って読むタイプです。
その中で、Areteは足音の芯や存在感が比較的分かりやすい安定型。Arete2は、さらに情報量とレイヤー感が濃く、人によっては上振れしやすい一方で、相性も出やすいタイプです。
ここで大事なのは、Arete2の方が全部上という話ではないことです。
Areteは、足音の存在感や方向感を比較的素直に掴みやすいです。Arete2は、足音だけを分かりやすく浮かせるというより、音が重なった中で、音種差やレイヤー差を読み取る方向に進化しています。
星評価だけでは差が分かりにくい
| 評価項目 | Arete | Arete2 |
|---|---|---|
| 足音の存在感 | ★★★★☆ / 芯認識型 | ★★★★☆ / レイヤー残存型 |
| 分離・音種判別 | ★★★★★ / 帯域分離型 | ★★★★★ / 帯域+レイヤー型 |
| 定位感・方向感 | ★★★★☆ / 中心線追従型 | ★★★★☆ / 流れ・層追従型 |
| 遠距離索敵 | ★★★☆☆ / 標準型 | ★★★☆☆ / 微音特化ではない型 |
| 距離感 | ★★★★☆ / 距離段階型 | ★★★★☆ / 動的距離変化型 |
この表のように、星の数だけで見ると同じです。
ただし、実際には同じ星4でも、星3寄りの星4なのか、星5寄りの星4なのかという細かい差はあります。完全に同じ評価という意味ではありません。
さらに重要なのは、星の数が同じでも、得意な聞こえ方が違うことです。
Areteは中心線や足音の存在が分かりやすく、自然なレイヤー感も持った方向です。
Arete2は、そのレイヤー感をさらに強めて、同じ音の中にある層や流れをより深く読み取る方向です。
なので、星の高さで上下を決めるというより、どの聞き方に合うかで選ぶのが大事です。
分布図で見るAreteシリーズの位置

次に、音の分布図で見たときの違いです。この分布図は特定のパラメータに絞って音の傾向をマップ化したものです。
普段の単体レビューでは分かりやすさを優先して詳しく説明していませんが、Areteシリーズの違いを見るうえでは、この位置がかなり重要です。
まず、今まで紹介してきたFPS向けイヤホンを振り返ると、VR3000、EM6L、TITAN S2、IE200は、基本的に分布図では右上寄りに位置しています。
右方向は、音の前半がくっきりしている方向。
上方向は、音の後半で芯が聞きやすい、音が整理されやすい、余韻が空きやすい方向です。
つまり、一般的なFPS向けイヤホンは、足音を見つけやすく、背景も整理される方向に作られていることが多いです。
ただ、Areteシリーズはそこから少し外れています。
Areteは x:30、y:51。
Arete2は x:12、y:40。
どちらもかなり左寄りです。
特にArete2は、Areteよりさらに左側にあります。
普通に考えると、後継機なら音の入口をもっと鋭くして、背景整理も強めて、分布図では右上方向へ進みそうです。
でも実際には、Arete2はAreteよりさらに左寄りです。
これは、Arete2がAreteをより鋭く、より分かりやすくしたというより、音の層や移動の流れを読む方向にさらに寄せたと考えると分かりやすいです。
ちなみに、この分布図は右上にあるほど良くて、左下にあるほど悪いという評価表ではありません。
あくまで、イヤホンごとの音の捉え方の違いを見るための図です。
また、特定のパラメータに絞って傾向を見ているため、同じ位置にあるイヤホンでも、実際の聞こえ方が同じになるわけではありません。
この図は、優劣ではなく「聞こえ方の方向性」を見るための目安として使っています。
音の方向性の違い

まず音の方向性です。
Areteは、低域の丸みや残り方の影響で、下側の支えが少し強く感じられます。
そのため、近〜中距離の足音に軽い厚みが乗りやすいです。
一方でArete2は、よりフラット〜ニュートラル寄りです。
低音・中音・高音の量感が大きく崩れたイヤホンではなく、中域の芯が自然に前へ出やすいタイプです。
つまり、
Areteは、少し下支えがあって足音の存在を掴みやすい。
Arete2は、音全体をフラットに近い形で残しながら、音種や層の違いを見せる。
この違いがあります。
Areteは、ややウォーム寄りで、芯と下支えを使って足音を追う方向。
Arete2は、よりニュートラル寄りで、音の層や情報量を読む方向です。
足音の存在感の違い

足音の存在感は、Areteの方が少し分かりやすいと思います。
Areteは、中域の芯に加えて、低域の下支えがあります。
低域でドンと押し出すタイプではないですが、足音が軽くなりすぎません。
そのため、近距離〜中距離で敵が動いたときに、
「今ここで鳴っている」
という存在は掴みやすいです。
Arete2も足音の存在感はあります。
ただ、Arete2は足音だけが前に浮くタイプではありません。
足音、銃声、環境音が自然につながった中で、足音の層が残るタイプです。
この点はAreteにもありますが、Arete2の方がその層の見え方が強く、足音だけでなく周囲の音との重なりまで読みやすいです。
音の厚み・存在感は標準寄りで、足音や接触音は芯と余韻が自然につながったまとまりとして聞こえます。
なので、
足音の存在を単純に掴みやすいのはArete。
音の中から足音の層を読むならArete2。
ここは分けて考えた方が良いです。
分離・音種判別の違い

次に、分離・音種判別です。
ここはArete2の方が一段進んでいると思います。
ただし、Areteが弱いわけではありません。
Areteも帯域分離はかなり良いです。
低域、中域、高域の役割が分かれていて、足音、銃声、環境音が一つの塊になりにくいです。
さらにAreteは、低域の支えと中域の足音の芯が自然につながるので、足音を単発の点ではなく、線として追いやすいです。
この時点で、一般的なFPSイヤホンと比べると、Areteにもレイヤー感はしっかりあります。
Areteのレイヤー感は自然で、分かりやすさを崩さない範囲です。
低域は下支え。
中域は足音や声の芯。
高域は輪郭の補助。
この役割分担が見えたうえで、足音の流れが一枚に潰れにくい。
こういう分かれ方ですね。
一方でArete2は、そこにさらに強いレイヤー段差が加わります。
Arete2は、同じ方向にある音を、足音・銃声・環境音の音色や帯域差で聞き分けるタイプです。
足音はこの層。
銃声はその奥。
環境音は背景側。
というように、同じ方向にある音を層として読みやすいです。
ここがArete2の一番大きな進化だと思います。
定位・方向感の違い

定位・方向感は、聞こえ方が違います。
Areteは、中域の芯を中心に方向を掴むタイプです。
足音が単発で消えるというより、芯が少し残るので、連続した足音を線として追いやすいです。
さらに、Areteは低域の支えと足音の芯が完全に一体化しすぎないので、足音の流れが背景に潰れにくいです。
この意味では、Areteも十分にレイヤー感のあるイヤホンです。
なので、Areteの定位・方向感は、
自然なレイヤーの中で中心線を保ちながら流れを追う
という感じです。
一方でArete2は、点で位置を固定するイヤホンではありません。
足音の位置だけを見るというより、
足音がどの層にあるか。
銃声と足音がどう重なっているか。
移動音がどの方向に流れているか。
このあたりをまとめて読むタイプです。
Areteにもレイヤー感はありますが、Arete2はその層がより濃く、足音の位置だけでなく、足音がどの層を動いているかまで読みやすいです。
なので、定位の分かりやすさはAreteの方が素直。
ただし、方向感や移動音の読み取りまで含めると、Arete2の方が上振れしやすいです。
距離感・遠距離音の違い

次に、距離感と遠距離音です。
まず遠距離微音ですが、どちらも遠距離特化ではありません。
AreteもArete2も、高域を強く出して遠くの足音を細く浮かせるタイプではないです。
特にArete2は、遠くの小さい音が背景からスッと浮くタイプではありません。
なので、遠距離の小さい足音を点で拾いたいなら、どちらも最適解ではありません。
ただし、距離感は少し違います。
Areteは、近〜中距離の距離段階が比較的分かりやすいです。
近い、少し離れている、奥にいる。
このあたりを中域の芯と下支えで掴みやすいです。
一方でArete2は、遠くまで広く見渡すような奥行き表現とは少し違います。
ただし、距離感が弱いという意味ではありません。
Arete2はレイヤー把握が強いので、同じ方向の中で手前にある音、奥にある音、動きながら距離が変わる音を読みやすいです。
つまり、Arete2の距離感は、広い空間を静止画のように描く距離感ではなく、動きの中で距離変化を読む距離感です。
なので、
Areteは距離の段階。
Arete2は移動中の距離変化と前後レイヤー。
という感じです。
初心者向けか、中級者向けか

初心者向けかどうかで言うと、Areteシリーズはどちらも、完全な初心者向けというより、音を読みながら使うタイプです。
足音だけを高域で浮かせて、
「ここにいる」
と分かりやすく教えてくれるイヤホンではありません。
足音、銃声、環境音の違い。
低域の支え、足音の芯、上側の輪郭の残り方。
こういった音種判別やレイヤー感を、人が聞き取って判断する必要があります。
なので、AreteもArete2も、ある程度の慣れは必要です。
ただ、その中ではAreteの方が扱いやすいと思います。
理由は、足音の芯と存在感が比較的分かりやすいからです。
中域の芯を追う。近〜中距離の足音を掴む。
この使い方がAreteの方が直感的です。
一方でArete2は、Areteよりもさらに音種差やレイヤー感を多く残します。
初めて聴いた際にパッと足音だけが浮くというより、聞き込むほど情報が見えてくるタイプです。
同じ方向にある音の中から、足音はこの層、銃声はその奥、環境音は背景側、というように読む必要があります。
そのため、音に慣れている人ほど恩恵を感じやすい一方で、人によっては最後までAreteの方が分かりやすく、安定して使いやすいと感じる可能性もあります。
まとめると以下です。
| ユーザー | おすすめ |
|---|---|
| 初心者 | Arete |
| 読み取り型の中で分かりやすい方がいい | Arete |
| 足音の存在感を掴みたい | Arete |
| 音種差をさらに聞き分けたい | Arete2 |
| レイヤー・移動を深く読みたい | Arete2 |
| 足音だけを前に出してほしい | 別方向のイヤホンも検討 |
| 遠距離微音特化が欲しい | どちらも最適ではない |
完全初心者にはAreteの方がすすめやすいです。
Arete2は、FPSに少し慣れてきて、足音だけでなく、銃声や環境音との重なりも聞き分けたい人に向いています。
リスニング用途での違い
ここで、FPS以外のリスニング用途についても少し触れておきます。
個人的には、リスニング用途ではArete2の方が向いていると思います。
Areteも音楽を聴けないわけではありません。
中域の芯が見えやすく、低域にも少し下支えがあるので、ボーカルや楽器の中心は掴みやすいです。
ただ、AreteはどちらかというとFPSで足音の芯や方向を追うためのイヤホンという印象が強いです。
音楽用として価格なりの満足感を狙うというより、FPS用途の延長で聴きやすい、という感じですね。
一方でArete2は、音のつながりが自然です。
低域、中域、高域が大きく分離してバラバラに聞こえるのではなく、全体がまとまりながら、その中に音の層が残ります。
このため、音楽ではArete2の方が自然に聴きやすいです。
特に、ボーカル、アコースティック、ジャズ、サウンドトラックのように、音の重なりや空気感を楽しむジャンルではArete2の方が合いやすいと思います。
さらにArete2は、スイッチをONにした場合、低域が補強されます。
FPSでは低域が増えすぎると足音帯域に被る可能性がありますが、リスニング用途では低域が少し増えた方が、音楽としての満足感が出やすいです。
なので、
FPSではスイッチOFFで、分離やレイヤー感を活かす。
音楽ではスイッチONで、低域を少し補強して聴く。
こういう使い分けができます。
この点は、Arete2のかなり良いところだと思います。
買い替え・選び方

では、どちらを選べばいいのか。
まずAreteを選ぶべきなのは、読み取り型の中でも分かりやすさと安定感を重視したい人です。
近距離〜中距離で、
敵がいること。
どの方向に動いているか。
どれくらいの距離にいるか。
このあたりを、足音の芯と自然なレイヤー感で安定して掴みたいなら、Areteの方が素直です。
一方でArete2を選ぶべきなのは、音の情報量をさらに読み取りたい人です。
足音だけではなく、銃声、環境音、スキル音まで含めて、同じ方向の中にある音の層を読みたい人。
こういう人にはArete2が合いやすいです。
ただし、ここはかなり重要です。
Arete2は、Areteを単純に分かりやすくしたイヤホンではありません。
Areteでもある程度必要だった「音を読む感覚」が、Arete2ではさらに強く求められます。
音種判別やレイヤー感は、最終的には人が聞き取って判断する必要があります。
そのため、足音だけを分かりやすく前に出してほしい人や、考えずに方向を掴みたい人には、Arete2よりAreteの方が合う可能性があります。
さらに、Areteの時点で、
「もっと足音だけを前に出してほしい」
「音を読むより、もっと単純に敵の位置を知りたい」
と感じていた人には、Arete2より別方向のイヤホンの方が合う可能性もあります。
では、Areteを持っている人がArete2に買い替えるべきか。
これは、今のAreteに何を求めているかによります。
Areteの足音の分かりやすさや安定感が気に入っているなら、無理に買い替えなくてもいいと思います。
ただ、Areteを使っていて、
もう少し音の層を読みたい。
銃声や環境音が重なったときに、さらに情報を取りたい。
足音の流れだけでなく、前後のレイヤーまで読みたい。
こう感じているなら、Arete2はかなり面白い選択肢です。
まとめ

Areteシリーズは、どちらも足音を単純に浮かせるタイプではなく、音種判別やレイヤー感を使って音を読むイヤホンです。
そのため、誰でもすぐに分かりやすいタイプではなく、ある程度の慣れや相性はあります。
その中でAreteは、足音の芯と存在感を使って、近距離〜中距離の方向と距離を掴むイヤホンです。
中域の芯が見えやすく、足音を線として追いやすい。
分かりやすさと安定感があります。
一方でArete2は、Areteにもあった自然なレイヤー感をさらに強め、足音・銃声・環境音が重なった中で、音種差・帯域差・レイヤー差をより深く読み取るイヤホンです。
Areteより分かりやすいというより、情報量が濃く、聞き込むほど見えてくるタイプです。
なので、
分かりやすさはArete。
上振れと情報量はArete2。
Areteは、芯と層で線を追う安定型。
Arete2は、層をさらに深く読む上振れ型。
Arete2はAreteの完全上位互換というより、聞き方が変わる後継機です。
足音を分かりやすく掴みたいならArete。
音の層や流れまで読み取りたいならArete2。
この分け方で考えるのが良いと思います。
Arete2のレビュー本編、Arete単体のレビューも別で出しているので、気になる方はそちらも見ていただけると嬉しいです。
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