
こんにちは、ハッサンです。
今回はDove Audioのゲーミングイヤホン「SEEDS」です。
このイヤホンは、かなり分かりやすくFPS寄りです。低音の迫力で気持ちよく鳴らすタイプではなく、中域〜中高域の手がかりを使って、足音や接触音を見つけやすくする方向ですね。
本機は1基のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを搭載した、FPS用途をかなり意識したインイヤーモニターです。
最大の特徴は、本体に搭載された3つのスイッチです。組み合わせによって中高域の出方を最大8パターンで調整でき、足音や声、細かい接触音の見え方を自分の好みに寄せられます。1BAらしい中高域の見えやすさを土台にしつつ、イヤーピースとスイッチで距離感・刺激感・輪郭の出方が変わる、調整込みで使うタイプのイヤホンです。
今回は基本的にスイッチが全てOFFで検証しています。他パターンでもどのように音が変わるか、まとめて検証しています。
動画では、音の可視化ツールも使いながらFPSでの聞こえ方を中心に解説しています。
今回のイヤホンはこちら。
- 付属品
- スペック
- 音の傾向
- 帯域ごとの聞こえ方
- FPSでの聞こえ方
- FPS総合評価
- 足音の存在感:低音の重さではなく、中域〜中高域の芯から存在をつかむ
- 単発音の気づきやすさ:低域に埋もれにくく、新しい音を見つけやすい
- 分離・音種判別:低域の被りを減らし、必要な音を見つけやすくする
- 空間の分離:広い音場で散らすより、コンパクトに整理する
- 時間の分離:前の音の周りが整理され、次の音へ移りやすい
- 帯域の分離:3つの層を強く分けるより、中高域の情報を見えやすくする
- 低域マスキング:SEEDSの聞き取りやすさを支える大きな特徴
- 音の芯の分離:太く濃い芯は見えるが、細い線として分かれるわけではない
- 音量階層の分離:低音には埋もれにくいが、奥の微音を立体的に浮かせるタイプではない
- 定位感・方向感:一点定位より、太い芯の位置から方向をつかむ
- 距離感・遠距離音:音は見つけやすいが、奥行きを大きく描くタイプではない
- 移動音:一点を追うより、芯の方向変化をつないで読む
- スイッチで変わる聞こえ方
- SEEDSはどんなFPSで使いやすいのか
- FPSイヤホン最終結論
付属品
| カテゴリ | 内容物 |
|---|---|
| イヤーピース | 計4〜5種類付属(シリコン黒[しっかりめ]、薄い赤のシリコン[柔らかめ]、2段フリンジ、フォームなど) |
| ケーブル | 高純度単結晶銅・銀メッキケーブル |
| DAC | USB TYPE-Cで接続できる専用DAC付属 |
| その他 | イヤホン用スイッチ調整ピン 防水ダンピングフィルター(2種類、交換用) 補助用ピンセット イヤホン収納ポーチ 取扱説明書など |
イヤーピースは遮音性だけでなく、音像の近さにもかなり影響します。とくに2段フリンジは深く入るため、音が自分に近づいて聞こえやすく、距離感の印象も変わりやすいです。
スペック
| 項目 | 仕様詳細 |
|---|---|
| 参考価格 | 10,980円 (ふもっふのおみせ 2026年9月25日時点) |
| ドライバー構成 | 1BA |
| インピーダンス | 未確認 |
| 感度 | 124dB/Vmrs ~ 110dB/Vmrs(スイッチで調整可能) |
| 再生周波数帯域 | 20Hz ~ 20,000Hz |
スペック表だけ見ると普通の1BAイヤホンですが、実際にはスイッチとイヤーピースの影響がかなり大きいです。
「買ってそのまま固定で使う」というより、少し触って自分の耳に合わせる製品だと思います。
音量は少し取りにくいかも
1BA構成ながら、元の音量はやや取りにくい傾向があります。PC直挿しやスマホ直挿しでは、いつもより音量を上げる必要が出るかもしれません。
十分な音量と細部の見え方を出すなら、付属DACを使うか、ある程度出力のあるドングルDAC・ゲーミングアンプを挟む方が扱いやすいです。FPS用途では、音量が足りないと細い足音や接触音が見えにくくなります。ここは意外と大事なポイントです。
外装と装着感
外装の質感:
イヤホン本体は独特な形状をしたクリアデザインです。筐体は小さく実用寄り。パッケージはシンプルで、価格帯を考えると、外箱の高級感を楽しむタイプではありません。この辺はわりと割り切りですね。
FPS視点での装着感:
筐体が小型で、ノズル部分が耳の奥まで入りやすい耳栓に近い形状です。ケーブルの曲がりも耳のラインに沿いやすく、長時間のゲーミングでも耳への圧迫感は少なめ。
一方で、2段フリンジや小さめのイヤーピースを使う場合はかなり深く入ります。遮音性は高まりやすい反面、音像が近くなりやすく、遠近感の印象も変わります。SEEDSは、イヤーピース込みで音を合わせる機種と考えた方が良いと思います。
音の傾向
まずはざっくりした傾向です。スコアは良し悪しではなく、あくまで音の方向性を見るための目安になります。

帯域バランス:かなり中高域寄り
低域はかなり少なめです。その分、中域〜中高域が音の存在感を作りやすいバランスになっています。形状としては中域が端域より高めのかまぼこ型ですが、低音側の薄さがかなり目立つため、聴感上の重心はやや高音寄りに感じやすいでしょう。
低音の暖かさや厚みは控えめで、全体の色味はやや寒色寄り。乾いた方向へ傾きやすいですが、中域の密度が残るため、音が細くなりすぎるだけではありません。
- 聴感:やや高音感、やや寒色寄り
- 形状:かまぼこ型(低域が特に薄い)
- 低音の土台はかなり少なく、存在感は中域〜中高域が担いやすい
- スイッチ設定によって中高域の張り出しと刺激感が変わりやすい
音の硬さ:細かい音は見えるが、硬質一辺倒ではない
- 低域: 低域自体がかなり少なく、出だしの角も丸め。打感としての硬さはほとんど感じにくい
- 中域: 芯は長めに残りやすく、密度は高い。ただし安定性が少し崩れやすく、ガチッと硬いというより密度で存在を出す方向
- 高域: 輪郭のエネルギー集中度は低め。カチッと細く切るより、少し太めに広がりやすい
BAらしい細かい音の見えやすさはあります。ただ、輪郭が針のように細く切れるタイプではありません。中高域は前に出やすいものの、「硬質でバキッとした音」というより、見えやすいが少し面で広がる音です。
音の立ち上がり:入りは速いが、輪郭は少し広がる
- 低域: 出音に丸みあり。低音の量が少ないため目立ちにくいが、打ち込みのキックなどは鋭く弾けるより軽く入る
- 中域: 入りそのものはかなり速い。初動の品質も高めだが、輪郭が定着するまでに少し時間がかかる
- 高域: 入りは速いが、締まりきらないまま広がりやすい。細い点で刺すより、面で見える方向
音の入口は遅くありません。むしろ反応自体は速い方です。ただし、その後の形がピタッと締まるわけではないため、「速い→締まる」ではなく「速い→少し広がる」という聞こえ方になりやすいですね。
実体感:低音ではなく中域の芯で支えるタイプ
芯の密度が高く、中域に詰まりのある実体感があります。一方で、低域の土台がほぼないため、どっしりした重みや体積感は出にくいです。
FPSでは爆発音や環境音の重みは薄い代わりに、足音や声の核を中域で感じやすい場面があります。音楽では低音の量感を重視すると物足りませんが、ボーカルの骨格や中域の密度は感じやすいタイプです。
音の抜け:低域の詰まりは少ない
- 低域: 量がかなり少なく、低音の詰まりは出にくい。軽くスッキリした底感だが、下側の重みは弱い
- 中域: 余韻の消え方は速く滑らか。ただし特定の中域に音が残りやすく、「速く消えるが一部が引っかかる」印象
- 高域: 余韻は整理されやすいが、一部に残り方の癖あり。空気感はあまり広がらない
低域の圧迫感は少なく、足音帯域を覆いにくいです。ここはFPS用途ではかなり分かりやすい長所ですね。ただし、中域の一部残留と高域の局所的な荒れがあるため、完全にスパッと抜け切るタイプではありません。
音場:やや狭め〜普通
空間の広がりは大きくありません。広い場所をふわっと描くというより、近〜中距離の音をコンパクトにまとめるタイプです。
ただし、時間構造上の前後差の手がかりは比較的残ります。広い音場ではないものの、近くの音と少し離れた音の違いはある程度掴みやすいでしょう。
イヤーピース、とくに深く入るタイプでは音像がさらに近く感じられます。距離感は装着条件で変わりやすいので、FPSで使う場合は、イヤピ選びも含めて調整したいところです。
- 音場の広がり:やや狭め〜普通
- 前後差の手がかり:比較的感じやすい
- 空気感による外周拡張:弱い
- イヤピによる近さの変化:大きめ
声の聞き取りやすさ:クリアだが強調型ではない
中域の量感は普通付近で、声の骨格を支える帯域は適度にあります。芯の減衰もある程度まとまっているため、声が途中で崩れずに聞こえやすい場面はあります。
低域に埋もれにくいので、ボイスチャットやボーカルはクリアに感じやすいです。ただし、声だけが強く前へ飛び出すというより、中域の芯が自然に残ることで聞き取りやすさを作るタイプ。女性ボーカルや軽めのポップスでは相性が出やすい一方、声を大きく強調するイヤホンではありません。
耳への刺激:基本は強すぎないが、設定次第
- 刺さり:中高域がやや前に出やすく、設定によっては少し刺さりを感じる可能性あり。ただし高域全体の量は比較群内でやや低め
- サ行・歯擦音:中高域の存在感から、サ行が少し立ちやすい。完全に滑らかとは言い切れない
- 押し出しの強さ:出だしの反応が速く、1音1音は比較的前に来やすい
- 高域の荒れ・ザラつき:8kHz付近に局所的な揺れがあり、サ行やシンバルでジャリつく可能性あり
- 長時間使用:装着感は軽めだが、スイッチ設定やイヤピによって中高域の刺激感が変わる
基本の刺激感は強すぎません。ただし、スイッチ設定で中高域を持ち上げると、細い金属音やサ行が少し前に出る場合があります。長時間使うなら、高域を上げすぎない組み合わせのほうが扱いやすいでしょう。
帯域ごとの聞こえ方

低域
タイプ:軽め(自然型)
比較群の中でもかなり少ない低域で、重低音の沈み込みもミッドベースの踏み込みも薄い設計です。特定方向の「深さ重視」「パンチ重視」ではなく、全体的に控えめな低域ですね。
低域〜中低域にわずかな引きの遅さはありますが、そもそもの量が少ないため影響は限定的。FPSでは爆発音や環境音の重みは出にくい一方、足音帯域を覆いにくいという利点があります。
音楽では低音の厚みや体温感を求めると物足りません。低音を楽しむイヤホンではなく、低域を整理して中域〜中高域の見通しを作るタイプです。
中域
タイプ:密度型の芯重視
中域はこのイヤホンの中心です。厚み帯域よりも芯の帯域が前に出やすく、音像の中心を感じやすい構成。芯の密度も高く、低域が薄いわりに音がスカスカになりにくいです。
一方で、芯の安定性は少し不規則な面があります。1kHz〜2kHz付近に音が残りやすい傾向があり、背景が完全に空き切らない場面もあります。
ボーカルや足音の骨格は見えやすいですが、混戦では特定の中域が少し引っかかることがあります。濃さはあるが、整理され切った中域ではありません。
高域
タイプ:エッジ型でやや穏やか寄り
中高域が前に出やすく、輪郭感や存在感の主軸は2〜5kHz付近にあります。足音や接触音、声の子音などを見つける手がかりになりやすい帯域です。
ただし、高域の絶対量は比較群内でやや低め。輪郭の集中度も強くないため、カチッと鋭く切るというより、前には出るが少し太めに広がる印象です。超高域の空気感も少なく、外側へ広がるような抜けは控えめ。
8kHz付近には局所的な揺れがあり、シンバルやサ行で少しザラつく可能性があります。スイッチ設定で中高域を上げる場合は、このあたりの刺激感も確認したいところです。
音質まとめ:低域を整理して中高域を見せる音
SEEDSは、低域の重みをかなり削り、中域の密度と中高域の存在感で音を組み立てるイヤホンです。低音で押すタイプではなく、低域を整理することで足音や声、細かい接触音を見えやすくする方向ですね。
中高域は見えやすいものの、輪郭が点で鋭く切れるわけではありません。速く入って、少し面で広がる。この聞こえ方が、FPSでは方向の手がかりや音種判別につながりやすい一方、音楽では低音の薄さや空気感の少なさとして出やすいです。
FPSでの聞こえ方

FPS総合評価
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 足音の存在感 | ★★★☆☆ |
| 単発音の気づきやすさ | ★★★★☆ |
| 分離・音種判別 | ★★★★☆ |
| 定位感 | ★★★☆☆ |
| 方向感 | ★★★★☆ |
| 遠距離索敵 | ★★★☆☆ |
| 距離感・奥行き | ★★★☆☆ |
SEEDSをFPSで使ったときに、まず分かりやすいのが足音や細かな動作音の聞き取りやすさです。
低域の量がかなり少なく、爆発音や環境音の低い成分が、足音や接触音を覆いにくくなっています。
さらに、中域〜中高域には太めの芯が残り、前の音の周りにある響きも比較的早く整理されます。
そのため、
- 足音
- リロード音
- 壁をよじ登る音
- 装備音
- 接触音
といった細かな音を見つけやすいです。
SEEDSは、低音・中音・高音を大きく分けて聞かせるイヤホンではありません。
むしろ、低域の被りをかなり減らすことで、必要な音を隠れにくくするタイプです。
音像そのものは針のような一点ではなく、芯には少し太さがあります。
そのため一点定位は突出しませんが、余韻が少なく、芯の位置が崩れにくいため、敵がどちら側にいるのかは比較的つかみやすいです。
足音の存在感:低音の重さではなく、中域〜中高域の芯から存在をつかむ
足音の存在感は星3です。
SEEDSは、低音を大きく鳴らして足音を太く見せるタイプではありません。
低域量はかなり少なく、低い成分の重さや迫力で敵の存在を知らせる方向ではないです。
一方、中域〜中高域には太めで濃い芯があります。
そのため足音は、
「ドン」とした重さではなく、音の中心部分から存在をつかむ
という聞こえ方になります。
近〜中距離では、この芯が薄くなりすぎないため、足音そのものの存在は十分追いやすいです。
ただし、芯は細い線というより少し面として広がります。
そのため、
「この一点に足音がある」
というより、
「この辺りにしっかりした音の中心がある」
という捉え方に近いです。
足音の存在感は星3。
低域の迫力で押すタイプではありませんが、中域〜中高域の芯を使って近〜中距離の存在をつかみやすいイヤホンです。
単発音の気づきやすさ:低域に埋もれにくく、新しい音を見つけやすい
単発音の気づきやすさは星4です。
SEEDSは、音の出だしが比較的速く、足音や接触音が入った瞬間の変化を見つけやすいです。
ただし、輪郭だけを針のように鋭く飛び出させるタイプではありません。
SEEDSで効いているのは、
- 低域の被りがかなり少ない
- 中域〜中高域の手がかりが見えやすい
- 音の周りの響きが比較的早く整理される
という組み合わせです。
そのため静かな場面では、
- 今、何か鳴った
- 敵が一歩動いた
- リロードした
- 何かに触れた
といった変化を比較的見つけやすいです。
新しい音だけを鋭いエッジで強調するというより、必要な音の周りを空けることで気づきやすくしていると考えると分かりやすいでしょう。
分離・音種判別:低域の被りを減らし、必要な音を見つけやすくする
| 分離項目 | 説明 | 評価 |
|---|---|---|
| 空間 | 音像同士に空間的な余白を作りやすいか | ★★★☆☆ |
| 時間 | 前の音が次の音を邪魔しにくいか | ★★★★☆ |
| 帯域 | 低・中・高を層として分けやすいか | ★★★☆☆ |
| 低域マスキング | 低音が足音などを覆いにくいか | ★★★★★ |
| 芯 | 重なった後も中心線を分けやすいか | ★★★☆☆ |
| 音量階層 | 大きい音の奥の小さい音を分けやすいか | ★★★☆☆ |
分離・音種判別は総合で星4です。
SEEDSは、すべての分離能力が高いタイプではありません。
空間の広さを使って大量の音を散らしたり、複数の音を細い線として最後まで分け続けたりする方向は中程度です。
一方で、低域が他の音を覆いにくいことと、前の音の周りが比較的整理されやすいことがかなり効いています。
さらに、中域〜中高域の芯も残るため、
純粋な分離感以上に、何の音が鳴ったのかを判断しやすい
というのがSEEDSの特徴です。
空間の分離:広い音場で散らすより、コンパクトに整理する
空間分離は星3です。
SEEDSは、音場そのものがかなり広いタイプではありません。
広い空間の中に小さな音像を並べていくというより、近〜中距離に音がまとまりやすいです。
また、音像そのものも極端に小さいわけではなく、少し面として広がります。
そのため、空間分離だけを見ると星3です。
ただし、低域が大きく膨らんで空間全体を埋めるタイプではありません。
音場はコンパクトですが、低音の厚みで音同士が押し合う感じはかなり少ないです。
時間の分離:前の音の周りが整理され、次の音へ移りやすい
時間分離は星4です。
SEEDSは、前の音の周りにある響きが比較的早く整理されます。
銃声や爆発音のあとに低域の響きが長く残り、その後ろの足音を覆うような聞こえ方にはなりにくいです。
そのため、
前の音から次の音へ意識を移しやすい
という特徴があります。
ただし、連続する足音を一歩ずつ極端に細かく切り離すタイプではありません。
中域〜中高域の芯そのものには少し太さがあります。
SEEDSは、前の音の余分な響きを整理しながら、太めの芯を次の音へつないで聞くタイプです。
帯域の分離:3つの層を強く分けるより、中高域の情報を見えやすくする
帯域分離は星3です。
SEEDSの周波数バランスはかなり特徴的です。
低域には大きな山がほとんどなく、そこから中域へ上がり、そのまま中高域の大きな山へつながっています。
そのため、
低域、
中域、
高域、
がそれぞれ独立した大きな層として並ぶタイプではありません。
特に低域は、一つの強い層として存在するというよりかなり薄めです。
そのため、帯域分離そのものは星3です。
ただし、この低域の薄さが、SEEDSの音の聞き取りやすさにつながっています。
低域マスキング:SEEDSの聞き取りやすさを支える大きな特徴
低域マスキングの少なさは星5です。
SEEDSは低域量がかなり少なく、爆発音や環境音の低い成分が大きく膨らみにくいです。
そのため、
- 足音
- リロード音
- 壁をよじ登る音
- 装備音
- 接触音
といった中域〜中高域の情報が、低音の後ろに隠れにくくなっています。
SEEDSは、
低・中・高を大きく分けることで情報を整理するのではなく、低域を邪魔させないことで必要な音を見つけやすくする
イヤホンです。
この特徴が、FPSでの「聞き取りやすさ」にかなり強くつながっています。
音の芯の分離:太く濃い芯は見えるが、細い線として分かれるわけではない
音の芯の分離は星3です。
SEEDSは、中域〜中高域の芯が太く、濃く残ります。
そのため、低域がかなり少なくても、近〜中距離の足音や接触音が完全に薄くなるわけではありません。
一方で、この芯は細い一本線ではなく、少し面として広がります。
複数の音が重なったときに、それぞれを極細の線として切り分ける方向ではありません。
そのため、
一つひとつの音の中心は見つけやすいが、重なった後まで細い線として完全に分離するわけではない
という評価です。
音量階層の分離:低音には埋もれにくいが、奥の微音を立体的に浮かせるタイプではない
音量階層の分離は星3です。
SEEDSは低域の被りが少ないため、大きな爆発音の裏にある小さい音が、低音だけで完全に消える感じは少ないです。
一方で、遠くの小さい音を空間の奥へ立体的に浮かせるタイプではありません。
音場自体もそこまで広くなく、前後の距離差を大きく描く方向でもないです。
そのため、
小さい音を低域に埋もれにくくする力はあるものの、大きい音と小さい音を空間的に大きく離す方向ではない
という評価です。
定位感・方向感:一点定位より、太い芯の位置から方向をつかむ
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 定位感 | ★★★☆☆ |
| 方向感 | ★★★★☆ |
定位感は星3、方向感は星4です。
SEEDSは、音像を針のような一点へ固定するタイプではありません。
中域〜中高域の芯には少し太さがあり、
「ここ」
と一点を指すより、
「この辺りに音の中心がある」
と少し範囲を持って位置を捉える方向です。
そのため、一点定位は星3です。
一方、方向感はかなり使いやすいです。
低域の被りが少なく、周りの余韻も比較的早く整理されるため、太めの芯がどちら側にあるのかは分かりやすいです。
右か左か、
斜め方向か、
どちらへ動いたか、
といった変化は比較的つかみやすいです。
SEEDSは、
角度の真ん中一点を細かく刺すより、その周りにある芯の位置から敵の方向を素早くつかむ
タイプと考えると分かりやすいでしょう。
距離感・遠距離音:音は見つけやすいが、奥行きを大きく描くタイプではない
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 遠距離の微音検出 | ★★★☆☆ |
| 距離感 | ★★★☆☆ |
遠距離の微音検出は星3です。
低域が少ないため、遠くの小さい足音や細かな音が低音に埋もれにくいという利点があります。
静かな場面では、
「遠くで何か鳴った」
という変化も比較的見つけやすいです。
ただし、広い音場や高域の抜けを使って、遠くの音を外側へ大きく浮かせるタイプではありません。
距離感も星3です。
SEEDSは、広い奥行きを大きく描くタイプではなく、全体として音が近めにまとまりやすいです。
近い音と少し離れた音の違いはありますが、
広い空間を何層にも細かく分けるより、コンパクトな範囲の中で遠近差を読む
方向です。
そのため、場面によっては実際より少し近く感じることもあります。
移動音:一点を追うより、芯の方向変化をつないで読む
移動音は星4です。
SEEDSは、音像を極端に細い点として固定しながら追うタイプではありません。
一方で、低域の被りが少なく、余韻も比較的整理されるため、太めの芯がどちらへ動いているかは追いやすいです。
敵が移動しているときは、
- 芯が左右のどちらへ動いたか
- 音の中心がどちら側へ移ったか
- 中域〜中高域の手がかりがどう変化したか
をつなげることで、
「右から左へ動いている」
「こちらへ近づいている」
といった流れを判断しやすいです。
SEEDSの移動音は、細い点を一歩ずつ追うというより、太めの芯の位置変化をつないで方向を読むと考えると分かりやすいです。
スイッチで変わる聞こえ方

SEEDSには3つの物理スイッチがあり、組み合わせによって8通りの設定を選べます。
今回は、すべての組み合わせを測定して比較しています。
設定によって、
- 音の重心
- 輪郭のまとまり方
- 芯の残り方
- 移動音の追いやすさ
まで変わります。
1番スイッチ:音の重心と、移動音の流れを変える
1番をONにすると、中高域に寄っていた重心が少し中央へ戻ります。
そのうえで、低域〜中域側の層を使って、移動音の変化を追いやすくなる傾向があります。
足音を一歩ずつ点として拾うというより、
敵がどちらへ動いているのかを流れとして追う
方向です。
100や110は、この特徴が比較的分かりやすい設定です。
2番スイッチ:輪郭を締め、音像を整理する
2番は、音量を単純に増やすというより、輪郭を締めて音像を整理する方向への変化が大きいです。
000から010では、少し柔らかかった輪郭が締まります。
100から110でも、音の厚みが少し減って、よりコンパクトにまとまります。
太めの音を面として見るより、少し細く整理して捉えたいときに変化が出やすいスイッチです。
3番スイッチ:芯と方向の手がかりを増やす
3番は、中域〜中高域の芯への影響が大きく出ます。
ONにすると音の中心部分が残りやすくなり、
音に気づいたあと、その方向を追うための手がかりが増える
傾向があります。
100から101では、移動音の流れを残しながら、芯と方向の手がかりが増えます。
110から111でも、細く整理されていた音に芯と存在感が戻ります。
2番+3番:輪郭を整えながら、内側に芯を作る
この3つのスイッチは、完全に独立しているわけではありません。
2番だけをONにすると、音は少し細く整理されます。
一方、2番と3番を一緒にONにすると、
- 2番で輪郭を整える
- 3番でその内側に芯を残す
という変化が出やすくなります。
010から011、
110から111、
では、輪郭を整理しながら音の存在感が戻ります。
SEEDSは、ONの数を増やすほど良くなるのではなく、何を手がかりにしたいかで設定を変えるイヤホンです。
8つの設定を簡単に分けると
| 設定 | 聞こえ方の方向 |
|---|---|
| 000 | 低域の被りを抑え、中域〜中高域の太い芯から音を読む基本設定 |
| 001 | 芯と方向の手がかりを強める |
| 010 | 輪郭を細く整理する |
| 011 | 輪郭を締めながら、芯と存在感も残す |
| 100 | レイヤーと移動音の流れを追いやすくする |
| 101 | 流れに加えて方向の手がかりも見えやすくする |
| 110 | 音像をコンパクトにして、移動音を細く追いやすくする |
| 111 | 移動音の流れを残しながら、近〜中距離の芯と存在感も出す |
どれが一番良いというより、FPSで自分が何を手がかりにしているかで選ぶのが分かりやすいです。
SEEDSはどんなFPSで使いやすいのか
SEEDSは、低域の迫力や広大な音場を使うタイプではありません。
特徴は、
- 足音や動作音が低域に埋もれにくい
- 新しく入ってきた音を見つけやすい
- 中域〜中高域の芯が残る
- 太い芯の位置から方向をつかみやすい
- 余韻が比較的少なく、次の音へ意識を移しやすい
というところです。
VALORANTのようなタクティカル系では、静かな場面から入る足音やリロード、接触音を見つけやすく、方向も比較的判断しやすいです。
細かな角度を一点で固定するタイプではありませんが、
敵がどちら側にいるのかを早くつかみたい
という使い方とは相性が良いでしょう。
Apexのようなバトロワ系でも、近〜中距離での足音や細かな動作音はかなり見つけやすいです。
一方で、広い屋外で遠くの敵を何層もの奥行きとして読む用途は主な強みではありません。
SEEDSは、
遠距離を広く見渡すより、必要な音を聞き取り、その方向を早くつかむ
使い方の方が特徴を活かしやすいイヤホンです。
FPSイヤホン最終結論

| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 足音の存在感 | ★★★☆☆ |
| 単発音の気づきやすさ | ★★★★☆ |
| 分離・音種判別 | ★★★★☆ |
| 定位感 | ★★★☆☆ |
| 方向感 | ★★★★☆ |
| 遠距離索敵 | ★★★☆☆ |
| 距離感・奥行き | ★★★☆☆ |
Dove Audio SEEDSは、低域の被りをかなり抑え、FPSで必要な音を見つけやすくしたイヤホンです。
足音を低音で太く強調するタイプではありません。
その代わり、中域〜中高域にはしっかりした芯があり、足音やリロード、壁をよじ登る音などの細かな情報を見つけやすいです。
また、芯自体は少し太いため一点定位は星3ですが、周りの余韻が比較的少なく、芯の位置が崩れにくいため方向感は星4。
真ん中の一点を細かく刺すより、その周りにある芯の位置から敵の方向をつかむ
という聞こえ方です。
分離についても、広い音場や強い帯域分離だけで整理するタイプではありません。
一番効いているのは、低域マスキングの少なさと、前の音の周りが比較的早く整理されることです。
その結果、
分離感そのもの以上に、何の音が鳴ったのかを判断しやすい
イヤホンになっています。
一方で、
- 低域の厚みや迫力を重視する
- 広い音場で遠距離を見通したい
- 音像を極端に細い一点へ固定したい
- 前後方向を何層にも細かく分けたい
という用途とは方向性が異なります。
SEEDSは、音を楽しむための厚みより、FPSで必要な音の聞き取りやすさを重視したい人に分かりやすいイヤホンです。
向いている人
- 足音やリロードなどの細かな動作音を聞き取りやすくしたい人
- 爆発音や環境低音に足音が埋もれるのが苦手な人
- 近〜中距離での足音や動作音を重視する人
特に、「足音を大きくしてほしい」より、「必要な音が他の音に隠れにくくなってほしい」という人の方がSEEDSには合いやすいです。
向いていない人
- 低音の厚みや迫力で敵の存在を感じたい人
- 広大な音場を重視する人
- スイッチ調整をせず、最初から万能なバランスを求める人
SEEDSは、かなり方向性がはっきりしています。
低域を削って情報を見えやすくしているため、一般的なリスニングイヤホンのような量感を期待すると合わない可能性があります。
一方で、FPSで必要な細かな音の聞き取りやすさを優先するなら、この特殊なバランスがそのまま強みになります。
FPSでのまとめ
Dove Audio SEEDSは、低域の被りを減らし、FPSで必要な音を聞き取りやすくするイヤホンです。
SEEDSは、FPSで何を手がかりに音を読むかを自分で調整できる、聞き取り重視の個性的なイヤホンという評価が近いと思います。

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