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【ロジクール G433 レビュー】軽量でゲームや音楽鑑賞にも使えるゲーミングヘッドセットを評価してみました!

2021年10月30日

こんにちは、ハッサンです^_^

今回はロングセラーのゲーミングヘッドセットである、ロジクール(Logicool)のG433をレビューしていきます。

2017年発売にも関わらず、今だに売れ続ける理由を色々検証してみました。

SteelSeries Arctis Pro レビュー記事はこちら▼

オーディオテクニカ「ATH-GL3」のレビュー記事はこちら▼

ロジクール G433について

ロジクールはPC周辺機器や音楽、ビデオなどを手がけるスイスのメーカーです。ロジクールは日本法人の名称であり、海外ではロジテックになります。

G433は2017年に発売されたゲーミングヘッドセットになります。発売から3年以上経過していますが、今だに多くのユーザーが使用しています。

重量は2021年の基準に照らし合わせても軽量であり、着け心地がとても良いことも特徴です。

Point

• 2017年から売れ続けるロングセラー製品

• ゲームだけでなく、音楽鑑賞の適性も高い

• ゲーミングアンプと相性抜群

• 約259gと軽量

スペック

メーカーロジクール(Logicool)
価格8,500円
(Amazon 2021年4月24日時点)
ドライバー40mmPRO-Gドライバー
タイプ密閉型
周波数特性20Hz~20kHz
インピーダンス32Ω
音圧レベル107dB@1kHz SPL 30mW/1cm
マイク方式:エレクトレット コンデンサ型
指向性:カーディオイド(単一指向性)
周波数特性:100Hz-10kHz
ケーブル長PC用:2.0m
モバイル用:1.5m
接続3.5mm 端子 (USB DAC付属)
重量約259g(ケーブル除く)

開封

▼G433になります。

▼内容物は以下の通りです。

  1. G433 ゲーミングヘッドセット
  2. PCケーブル
  3. PCスプリッター
  4. モバイルケーブル
  5. USB-DAC
  6. マイクロファイバー イヤーパッド
  7. ヘッドセット キャリーバッグ

▼イヤーパッドになります。メッシュ素材なので、肌触りが良く蒸れにくくなっています。マイクロファイバーのイヤーパッドも付属しており、付け替え可能です。

▼イヤーカップになります。

▼左イヤーカップの下にマイクの差込口とケーブル差込口があります。

▼マイクを装着するとこんな感じです。マイクはある程度折り曲げることが可能です。

▼ヘッドバンドの高さは一メモリずつ調整するタイプです。

▼ヘッドバンド内側になります。深さはそれほどありませんが、ヘッドセット自体が軽量なので頭頂部への圧迫感は少ないです。

▼ヘッドバンド上側になります。ロジクールのロゴがあります。

▼PCケーブルになります。4極3.5mmプラグなので、PS4/PS5コントローラー、ニンテンドースイッチに差し込んで使用できます。

▼PCケーブルには音量調整ダイヤルが付いています。

▼また、PCケーブルにはマイクミュートスイッチが付いています。

▼モバイル用のケーブルになります。

▼モバイルケーブルにはインラインマイクが付いています。

▼また、モバイルケーブルにはスマホ等で使えるコントロールボタンが付いています。

▼3.5mプラグをUSB Type-Aに変換するUSB-DACです。

使用した感想

259gと軽量なので着け心地が最高です。ヘッドバンドの厚さは深くありませんが、軽量なので頭頂部への負担も少なく長時間プレイが苦になりません。

メッシュ素材のイヤーパッドも快適で、角度も柔軟に変更できるためフィット感も良いです。

PCケーブルが2m、モバイルケーブルが1.5mと長いため使い勝手も抜群です。

デザインもシンプルでゲーマー感が無く、好印象です。

マイク音質も良好で、ボイスチャットに何も問題無いレベルです。

音質について

G433を使った時の第一印象は「無難な音を出すタイプだな」でした。良い意味で「この価格帯のゲーミングヘッドセットらしくない」フラット寄りな音質です。

『ゲーミング』と名の付くヘッドセットは特徴的な音質が多いですが、G433はゲーム用途以外でも使用可能なバランスの音質だと感じました。

G433がゲーミングヘッドセットである事を感じさせる要素は「音が全体的に控えめである」点です。少々表現に悩みますが、イコライザなどを使っていない場合は「クリア」な音質ではないです。

『足音を聞き取りやすいように全体の音を少し控え目にして、中域を気持ち上げてゲーミング用途にした』という印象があります。

音楽鑑賞の適正は高い

音楽鑑賞の観点で見ても使用は『アリ』です。検証はHidizs AP80PROやAndroidスマホにて行いました。

重低音が効いたような音や、思い切りの良い高音のあるドンシャリが好きな人には物足りない音に感じると思います。しかし、イコライザでの調整や各種音楽再生アプリでの音響効果で容易に音楽鑑賞向けの音質に変えることが可能です。

イコライザでの詳細な設定が苦手な場合には、比較的手軽な『treble(高域調整)』と『bass(低域調整)』の両方を調整するだけでも良いです。これだけでも音楽鑑賞用途としての品質はクリア出来ると思います。高域は思い切って上げても音割れはほとんどしません

ヘッドセット側のポテンシャル上、ドンシャリが極端に好みの方の趣向を満たすラインまでは上がりきりませんが、それでも未調整時に比べると音楽視聴に適した音に変わります。

高域は無理に上がりきらず、ヘッドセット側で音が破綻する前のレベルで抑止をされているような印象です。そういう意味では音質調整がしやすいと思います。

イコライザや各種の音響効果を使い慣れていない場合、調整が上手くいかずに高域が割れてしまう事が多いです。しかしG433ではそういった音割れの心配はありません。

また、低域や重低音についても未調整では控え目ですが、調整次第では十分出ます。低音重視の方にとっては、音質を未調整の状態ではやや音が『ポコポコ系』に感じたり、質量が足りないと感じると思います。ただ、この点もイコライザなどで調整が可能です。

実際に使ってみた感想として、低域の調整可能な幅は高域よりも自由度が高い印象でした。低域は高域に比べて、上げた分はしっかり音を出してくれます。

Androidの音楽鑑賞においては『高域』と『低域』、それぞれを調整する一番手っ取り早い方法としてjetAudio+アプリにある音響効果『Crystallizer』を使うことをおすすめします。

この音響効果を一つ設定するだけで、『treble(高域調整)』と『bass(低域調整)』のそれぞれを程良いバランスで調整し、さらに音を全体的にクリアにしてくれます

リズムゲーム(音ゲー)も、条件さえ満たせば良い

リズムゲーム向けとしても個人的にはおすすめです。

ただしリズムゲームで使用する場合は「イコライザが使用可能な環境であること」が条件です。正直、G433の音質を未調整のままでリズムゲームをすると、音の派手さが足りない点や全体的にこもった感じの音のせいで、リズムゲーム特有の爽快感に欠けます。

ただ、音楽鑑賞のときと同様に、イコライザで音質さえ弄ってしまえばリズムゲーム適正が一気に上がります

高域が音割れしにくい点も、リズムゲーム特有のタップ音が耳に刺さる事を防いでくれます。同時に、リズムゲームの長時間プレイでの聴き疲れもしにくいと感じました。それでいて、音質さえイコライザなどでしっかり調整すれば低域・中域・高域の出力も満足してプレイできるレベルでした。

音の好みが極端なドンシャリじゃない方であればリズムゲーム用途もおすすめです。同様の理由でリズムゲーム以外のゲーム全般にも良いと思います。

解像度は控え目

音のバランスの良さに比べ、音全体から感じる解像度はそれなりという印象です。評判の良さから高解像度を期待して使うと「なんか音がぼやけてこもっている」と感じると思います。

音がくっきり聞こえるというタイプのヘッドセットではないですが、イコライザなどで音質調整をすることで一定の調整は可能です。

ASTRO’s PLAYROOM(アストロプレイルーム)をプレイした感想

PS5にプリインストールされているASTRO’s PLAYROOM(アストロプレイルーム)をプレイしてみました。

コントローラ 3Dオーディオ無し

周囲の音から感じる定位が分かりやすいです。キャラ自身の足音がややスッキリめの印象がありますが、音質自体は鮮明でした。それでいて、中域以外に低域の音も必要そうな効果音も違和感無く鳴っていると感じました。

コントローラ 3Dオーディオ有り

周囲の音から感じる定位が、3Dオーディオの影響でぼんやりとしてしまったように感じました。ただ、キャラ自身の足音は3Dオーディオによりクリアさが程良く抜けて自然さが増しました。

ただ逆に、3Dオーディオが無効だったときに質感が良く鳴っていた種類の効果音が、3Dオーディオの影響で柔らかめになってしまったように感じたものもありました。G433を使った3Dオーディオの使用有無については「個人の好みの差でどちらを使うか選ぶ範囲かな」という印象です。

有無でどちらの場合にも利点があったり、音の鳴り方に特色があります。実際にPS5でG433を使って通常のゲームで3Dオーディオを使うかどうかは、それぞれを試して自分の好みで決めるのが良いです。

ApexLegendsをプレイした感想

PS5でApexLegendsをプレイしてみました。

コントローラ 3Dオーディオ無し

G433で音楽を聴いたときの「こもった感じ」のイメージを打ち消すぐらいには、ぼやけずに輪郭のある聞き取りやすい足音が聞き取れました。前方と後方の定位についても並以上には良いという印象です。

極端に良いとまでは言えませんが、癖が無く堅実で自然な足音を聴かせてくれます。また、足音以外の発砲音については聞き取りやすく長期戦でも疲れない、それでいて違和感のない音が鳴っていました

コントローラ 3Dオーディオ有り

3Dオーディオ無しのときと同様に「それなりに足音は聴こえた」と感じました。前方と後方の定位は3Dオーディオの有りの方がやや感じやすいかな?と個人的には思いましたが、完全に好みの差のレベルだと思います。

3Dオーディオを有りにした場合には、その特色を生かした足音がちゃんと出てくれている印象です。ただ、足音以外の発砲音が3Dオーディオの効果で少々過剰に音が加工されているように感じました。

MixAmpProTR Dolby無し

コントローラー挿しのときに比べ、純粋に音質が上がった「上位互換」という印象です。コントローラ挿しのときに感じた定位の好印象さはそのままに、より鮮明で聞き取りやすくなっています。

足音以外の発砲音などについても同様で、MixAmpを使った場合にも聴き疲れをしにくいと感じました。「ゲーム音に余計な味付けをするのは好みでは無い」という方の場合は、細かな音質の変更や加工などをせず、このまま使ってみるのもおすすめです。

MixAmpProTR Dolby有り

音楽鑑賞時に想像していたよりもお風呂場感が控え目で、前方と後方の定位も分かりやすい高品質な音という印象です。またコントローラ挿しでの3Dオーディオ使用時に比べ、MixAmpを使ったDolby使用の場合は発砲音などの足音以外の音についても違和感が少なかったです。さらに、MixAmpの機能の一つであるイコライザも並行して利用することで、より違和感の少ない音に調整できたり、足音の聞き取りやすさの強化ができました。G433はMixAmpとの適正が良いと感じました。フラット寄りのヘッドセットは往々にしてアンプとの相性が良い印象ですね。

と、ここまでの内容で、「心なしかGSP600のときに抱いた感想と似ている」ことに気付きました。G433は「GSP600の解像度と鮮明さを下げて、高域の限界値も下げ、その代わりに低域を少し上げた製品を作ったらこんな感じになるかも」といった感想です。一見酷評しているようにも見えるかもしれませんがむしろ逆です。価格差を考えると、G433はゲーミング系としての奇策に走らずに堅実な音質で好印象といえます。

流石に高級ゲーミングヘッドセットであるGSP600並みと言うのは誇大ですが、FPS用途に限定した場合、音の特性には近しいものを感じました。

G433のアンプ適正について

ここまでの内容でも触れていましたが、人によって『音が軽い』『こもる』『迫力に欠ける』と感じる場合があるかもしれません。これまでに低音や高音が強めなドンシャリ系のヘッドセットを使っていた方ほど、そう感じる可能性があります。

しかし、このヘッドセット以外の高級なゲーミングヘッドセットの場合にも、G433と似たような音傾向であることは理解していただきたいです。フラット寄りのゲーミングヘッドセットを使用する場合、アンプによるイコライザや音響効果を使用できるかどうかで評価が一気に変わってきます

G433はアンプによって音質が向上しやすく、イコライザによる音域調整も柔軟に対応してくれるため、ヘッドセットとしてのポテンシャルが高い印象を受けました

Razer Krakenとの比較

価格が近く同様に人気が高いRazer Krakenとの比較をしていきます。

Krakenについて

まずKrakenですが『典型的な中価格帯のゲーミングヘッドセット』といった、ドンシャリ+中域上げの音質です。

また、解像度は価格相応というべきか、高いとは言えないので音のクリアさには欠けます。音は全体的に派手さや華やかさが目立ち、銃声音のような高い音も耳に刺さりがちです。ゲーミングヘッドセットとして、強めのチューニングがされている印象を受けます。

全体的に荒削りで癖が強く感じる音質ですが、別途DACを使用したイコライザで上手く音を調整すれば音楽鑑賞用途としても使うことが可能です。調整をしてもドンシャリ系特有の耳に刺さる感じの音は残ってしまいますが、それは個々の好みのレベルで許容できる範囲だと思います。

Razer Krakenのレビュー記事はこちら▼

G433について

対するG433ですが、ここまでにも述べたようにフラット寄りの音質です。また、最初の方では『クリアでは無い』といった表記をしましたが、Krakenとの相対比較した場合には明らかにクリアといえます。ゲーミングヘッドセットを基準に考えると少々上品めな音質です。

音の傾向としては、どちらかというと高価格帯に見られるような丁寧な音の出し方をしています。Krakenを初めとする中価格帯のヘッドセットを主に使っている人には「インパクトに欠ける音だな」と思う可能性が高いです。

ただ、逆を言えば本来のゲームプレイで耳に刺さるような音もマイルドに調整してくれます。長時間プレイでも聴き疲れはしにくいでしょう。

また、基本の音質がフラット寄りかつ大人しめのため、イコライザでの音質調整が容易です。高域の伸びには限界がありますが、万人受けしやすい癖の無いクリアな音質に調整可能です。

比較まとめ

上記の内容から、

派手な音が好きな人→Kraken
派手な音が苦手な人→G433
ドンシャリは苦手な人→G433
イコライザ機能が使用できない人→Kraken
DACなどでイコライザ機能が使用できる人→G433

という印象を受けました。あくまで個人的な好みの判断なので、参考程度にしていただければ幸いです。ゲーミングヘッドセットとしてはどちらも評価が高い機種なので、その点は安心して良いと思います。

最後に

軽量なので着け心地が良いし、ケーブルも長いため使い勝手が抜群です。音の癖が比較的少ないヘッドセットなので、音楽鑑賞にも使える機種です。

ヘッドセット単体の音質はそれなりな印象でしたが、MixAmpProTRやGameDACなどとのアンプ適性が高いため、ポテンシャルが高いヘッドセットといえます。

G433の購入を検討されるのであれば、ゲーミングアンプの同時購入がおすすめです。

また、既にゲーミングヘッドセットを持っている方も、「手頃な価格で買える、疲れにくい音質のヘッドセット」としておすすめです。