【SteelSeries Arctis Pro レビュー】PS5で使用した感想や音質、Astro A40TRとの比較など色々検証しました!
こんにちは、ハッサンです^_^
今回は「SteelSeries Arctis Pro + GameDAC」をレビューします。GameDAC単体に関しては以前レビュー記事を投稿したので、セット販売されている「Arctis Pro」を主に検証していきます。
GameDACのレビュー記事はこちら▼
オーディオテクニカ「ATH-GL3」のレビュー記事はこちら▼
目次
SteelSeries Arctis Pro について
SteelSeriesはデンマークのゲーミングブランドになります。ゲーミングヘッドセット、ゲーミングマウス、ゲーミングアンプなど様々な製品を開発・販売しています。
Arctis Proはゲーム用に最適化されたゲーミングヘッドセットです。同社が販売するGameDAC(ゲーミングアンプ)とセット販売されていることで有名です。
日本では「Astro A40TR + MixAmpProTR」が人気ですが、海外では「Arctis Pro + GameDAC」も人気製品となっています。
ゲーミング初のハイレゾ認証を取得した製品であり、より高音質な音を鳴らします。今回レビューしている「Arctis Pro」の色はホワイトになります。
• GameDACに最適化されたゲーミングヘッドセット
• ゲーミング初のハイレゾ認証を取得
• カラーバリエーションは、ブラックとホワイトの2色
スペック
メーカー | SteelSeries |
価格 | 17,282円 (Arctis Pro単体) 25,636円 (GameDACとのセット製品) Amazon 2021年4月11日時点 |
ネオディミウムドライバー | 40mm |
周波数特性 | 10~40,000Hz |
感度 | 102dB SPL |
インピーダンス | 32Ω |
全高調波歪み | < 1% |
マイク | タイプ:格納式ブーム 極性パターン:双方向性ノイズキャンセリング 周波数特性:100~10,000Hz 感度:-38dBV/Pa インピーダンス:2200Ω ノイズキャンセレーション:有 |
開封
▼レビューするのはホワイトバージョンになります。
- SteelSeries Arctis Pro ヘッドセット
- GameDAC
- メインヘッドセットケーブル
- 4極3.5mmアダプター
- マイクロフォンウィンドスクリーン
- USBケーブル (Type-A)
- 光デジタルケーブル
- 製品情報ガイド
▼イヤーパッドは布地の素材であり、肌触りがとても良いです。蒸れにくいため夏場でも快適に使用できます。
▼イヤーカップにはsteelseriesと印字されています。またマイクは左のイヤーカップに格納されています。
▼イヤーカップのカバーはマグネットなので簡単に取り外しできます。取り外すことでRGBイルミネーションを際立たせることができます。
▼左のイヤーカップにはマイクミュートボタンと音量調整ダイヤル、メインヘッドセット端子、AUX端子があります。
▼格納されているマイクを出すとこんな感じです。
▼ヘッドバンドも布地の素材です。
▼ヘッドバンド上側になります。マジックテープで固定されており、頭の大きさに合わせて調整できるようになっています。
▼メインヘッドセットケーブルと4極3.5mmアダプターを接続したものになります。Arctis ProとGameDACは特殊な端子で接続するので、ケーブルは失くさないようにしましょう。
▼ゲーミングアンプである「GameDAC」になります。「Arctis Pro」と接続することで高音質な音が楽しめます。
GameDACの3.5mmアダプター
注意点として「Arctis Pro + GameDAC」のセット製品では、GameDACの3.5mmアダプターが付属しません。もしGameDACを別のヘッドホンやイヤホンで使用したい場合は、別途3.5mmアダプターを購入する必要があります。
Amazonで販売されているサードパーティ製の3.5mmアダプターはこちら。
yahooショッピングで販売されている公式3.5mmアダプターはこちら。
使用した感想
着け心地はやや頭頂部に圧迫感がありますが、側圧はちょうど良い感じがします。ヘッドバンドは長さ調整できるので、頭の大きさに合わせて調整できます。ただ頭が大きい人には装着しづらいかもしれません。
イヤーパッドは柔らかく、長時間つけても痛くなりにくいと感じました。
密閉型なので遮音性もそこそこ高いです。
イヤーカップにマイクミュートボタンと音量調整ダイヤルがあるので、利便性も高いです。
マイク音質は価格にしては、物足りないかなーという印象です。ただフレンドとボイスチャットする程度であれば問題ありません。
音質について
音域を全体的にスッキリと聞こえる調整をしたうえで、中~中高域をやや上げたような印象を受けました。
FPS以外の用途にはやや好みが分かれそうな所ですが、過剰に音質を気にしない方であれば色々な用途に使うのも許容範囲だと思います。
解像度も決して高いとは言えないレベルなのですが、音の全体的な印象が控えめの為、色々な音が混ざった状態での聞き分けはしやすそうに感じました。音質という意味では評価が下がり気味になりますが、ゲーミング(FPS)向けという意味では合理的なチューニングがされているという印象です。
音楽鑑賞について
PCにGameDacを挿し、ハイレゾ音源を含む多数の楽曲を聴きました。またイコライザ調整有り無しでも聞こえ方を確認しました。
ハイレゾ基準である40000Hzの周波数帯域までに対応しているようなのですが、恩恵を感じる事は出来ませんでした。
また、ハイレゾの恩恵有無を考慮しないとしても、しっかりとした音楽鑑賞にはおすすめできない印象です。どうにも「全体的におとなしい音の出方」「おとなしい割にクリアさに欠ける籠った音」「イコライザでの調整でもカバーしきれない音圧や高域の伸び」というマイナス印象が目立ちます。FPS向けのチューニングと解像度の低さによる影響が強いです。
音楽プレイヤーなどで音楽を聴くというよりは、「TVの歌番組で聴く」ぐらいの軽い気持ちで聴くぐらいが限界という印象です。
イコライザで低域を上げても全体的に籠りがちになり、かといって下げ気味にしてしまうと、今度は当たり障りの無い音になります。高域を上げようとした場合も比較的早めに頭打ちになり、音がシャリシャリと割れていくラインが低めです。
多くのゲーミングヘッドセットで共通の事にはなりますが、高域の音の伸びは期待できません。ただ、ゲーミングヘッドセットというカテゴリだけで見ると、音全体の印象は音楽鑑賞用として極端な破綻はしていません。その為、イコライザ調整にて中域を下げ気味に調整していけばそれなりには聞くことが可能です。
もっとも「それなり」なので、過剰な期待は禁物です。普段から音質重視のヘッドセットやイヤホンを使っていない方であれば、イコライザの設定次第で許容できるレベルの音質だとは思います。また、音楽鑑賞時は楽曲内の個々の音は解像度の低さの割には意外と聞き取れました。この辺りの音の聞こえ方はFPSで良い効果が期待できます。
音ゲーについて
音が全体的にクリア、と書くと好印象なのですが、音が全体的にスッキリし過ぎてしまっている為、リズムゲームにはあまりおすすめはできません。
音全体としての破綻は感じにくいのですが、スッキリし過ぎている為にイマイチ「ノれない」という印象が強かったです。イコライザでの調整についても、音楽鑑賞と同様に限界がある為難しいところです。
ApexLegendsについて
PS5のApexLegendsで検証してみました。
コントローラ直挿し+3Dオーディオ無し】
ヘッドセットの音傾向の通り、全体的にスッキリめ音質という印象を受けました。
スナイパーライフル系の高音がやや刺さり気味な印象を受けましたが、音量調整で許容できる範囲だと思います。足音については極端な強調はされていませんが、自然な足音で輪郭も程よくあり、十分に聞き取りやすい印象を受けました。距離や方向に関する定位も違和感はありませんでした。この辺りは流石大手メーカーといったところでしょうか。
コントローラ直挿し+3Dオーディオ有り
3Dオーディオの効果で足音の音量(ボリューム)が増し、遠くの足音も堅実に聞き取りやすくなりました。過剰演出という印象も無く、前後の定位も分かりやすくなりました。ピンポイントな方向の定位がややぼやけてしまいますが、それはこのヘッドセットに限らず立体音響効果で共通する性質になります。「多少おおまかでも方向と距離を把握することが重要」なFPSにおいては全く問題ありません。
手軽に使うという意味ではこの使い方はおすすめです。
GameDac(USB接続)+3Dオーディオ無し
純粋にコントローラ直挿しに比べて音質が向上しクリアになった分、足音の輪郭がよりハッキリし全体的に聞き取りやすくなります。
安定した高品質なゲーム体験ができるといって良いでしょう。音質に癖が少ない分、万人におすすめもしやすいと感じました。音響効果を使用してない2ch情報のため、前方と後方の判断には状況や聞こえてくる足音の変わり方で判断する必要がありますが、クリアな音質で方向、距離の把握はわかりやすいと感じました。
ゲーム全体の音質の自然さを残しつつ、定位も十分にわかる点は優秀だと思います。
GameDac(USB接続)+3Dオーディオ有り
純粋にコントローラ直挿しに比べて音質が向上しクリアになったという印象です。「とにかく遠くの音に少しでも早く気づきたい」という場合はこの組み合わせがベストです。
コントローラ直挿しに比べると若干ですが、くっきりさが増して方向も掴みやすくなっています。ただ、今回のArctis Proはどちらかといえば、『ピンポイントで相手の位置を知るというよりは、大きめの範囲で相手の方向と距離を掴む』という印象です。
GameDac(光端子接続)+DTS無し
光端子での入力ということで若干音のクリアさがUSBでの挿しこみに比べて増したような気がしましたが、正直なところ思い込みの域を超えない印象でした。少なくとも劇的に変わっているという感じではないです。
最大可聴距離での足音の聞こえ方も、USBでの接続との差は感じませんでした。
GameDac(光端子接続)+DTS有り
USB接続をしたGameDacでの3Dオーディオに比べて、DTSの方が音が全体的によりマイルドになったような印象を受けました。
音全体としてのバランスは若干室内感を感じる程度で不自然さは少ないです。全体的に音の出方がマイルドになった分、最大可聴距離での音の聞こえ方にはマイナスに影響してしまっています。純粋に「足音に少しでも早く気づきたい!」という場合には3Dオーディオを使う方が無難でしょう。
ただ、ゲーム全体での音の雰囲気としては好印象でした。上記の内容からも無理にHDMIから分離をして光入力を使用する必要は無いと感じました。
Astro A40TRとの比較
APEXで足音の総合的な空間定位という意味では、ArcticsProの方が感覚的に掴みやすい印象でした。ただ足音の輪郭を重視するのであれば、A40に軍配があがります。
A40の方が音の派手さが強いと思っていましたが、実際に使って比較をすると全く真逆の印象になりました。A40はスナイパー系の発砲音が耳に刺さるという事がArctis Proに比べて全くありませんでした。それでいて、砂場での足音の輪郭についてはArctisProよりもややくっきりと聞こえていました。
対して、足元が鉄板の場所についてはArctis Proの方が遠くまで聞き取りやすかったです。これは純粋に中高域寄りのチューニングがA40よりもArctis Proの方が強めにされている事が予想できます。
FPS用として考えるとArctis Proは足音を空間的に認識しやすいように特化したチューニングがされています。音がスッキリめの印象を受けるのも特徴です。ただ、高域の(発砲音の)刺さりについてはA40の方が感じられず快適でした。それでいてイコライザでの音質改善をすると、音楽用途ではむしろA40の方が高域の音の伸びや表現力が豊かで好感が持てました。
上記の内容から、Arctics ProとA40の選択の判断基準としては……
・とにかく少しでも早く足音を認識したい:Arctis Pro
・全体的にスッキリめの音の方が良い:Arctis Pro
・シャリシャリめの音は避けたい:A40
・音の刺さりは避けたい:A40
・FPS以外にも使いたい:A40
・迫力を重視したい:A40
Arctis Proはイコライザでのチューニングをしてもクリアさから現れるシャリシャリめの音が残りがちです。
最後に
スッキリめの音の方が良いという方にはおすすめかもしれません。ただ、高域は意外と刺さりがちな場合もある為、音量を程よく下げるか、あるいは別途イコライザでの調整したうえでの使用をおすすめします。
FPS用途で購入するなら、ヘッドセット単体ではなく、GameDACとのセット販売をおすすめします。
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