ZiiGaat Arete2 レビュー|音の層と移動音を追いやすいFPS向け有線イヤホン

こんにちは、ハッサンです。

今回は、ZiiGaatとFresh Reviewsさんがコラボした第2弾モデル「Arete2」をレビューします。

足音を分かりやすく強調して、「ここに敵がいます」とイヤホン側が単純に教えてくれるタイプではありません。

どちらかというと、足音・銃声・環境音・スキル音などの情報を濃く残して、その中からプレイヤー側が音の種類や動きを読み取る方向です。

足音を点で拾うというより、足音がどの層をどう動いているかを追うイヤホン。

加えて、低音から中低音の量感を調整できるスイッチも搭載されています。本レビューでは基本的にスイッチOFFで検証しています。

ゲームや好みによって、低域の支えを少し足したり、逆にすっきり寄りで使ったりできるのは便利ですね。

動画では音の可視化ツールを見ながら、FPS向けの評価を中心に解説しています。この記事では、音楽用途での印象や帯域ごとの評価もあわせて補足します。

今回レビューしたイヤホンはこちら

付属品

カテゴリ内容物
イヤホンケースレザー製キャリングポーチ
イヤーピースシリコンイヤーピース、フォームタイプイヤーピース
ケーブル銀メッキOFCケーブル
その他交換用ノズルフィルター

付属品は、ゲーミング向けIEMとしてはしっかりしています

専用ケースは丈夫そうで、持ち運びや保管には十分使いやすい内容です。イヤーピースもシリコンタイプだけでなく、フォームタイプも付属しています。

イヤーピースで装着感や低音の出方は変わりやすいので、FPS用途で使う場合は最初にいくつか試した方が良いと思います。

ケーブルは銀メッキOFCケーブルです。

見た目にも高級感があり、付属ケーブルとしては悪くない内容ですね。

製品スペック

項目仕様詳細
価格46,200円 (Amazon 2026年6月18日時点)
ドライバー構成1DD(第2世代 10mmドライバー)+ 4BA
BA構成Knowles ED 29689×2、31736×2
インピーダンス24Ω @1K Hz
感度104dB /1mW (1KHz)
再生周波数帯域20 – 40,000 Hz

駆動のしやすさ

Arete2は、スマホ直挿しよりも、USB DACやDAPなどを組み合わせた方が扱いやすいタイプです。

仕様上は、インピーダンスが24Ω、感度が104dB/mWとなっており、極端に鳴らしにくいイヤホンではありません。

一般的な小型USB DACでも十分音量は取りやすいと思います。

ただし、1DD+4BAのハイブリッド構成で、BAにはKnowles ED 29689を2基、31736を2基搭載しています。

低域用の第2世代10mmダイナミックドライバーと、中高域用のBAを組み合わせた構成なので、出力の弱い環境では音の厚みやレイヤー感が少し平面的に感じる可能性があります。

特にArete2は、足音・銃声・環境音の層を読み取るタイプのイヤホンです。

そのため、単に音量が取れるかどうかだけでなく、低域の締まり、中域の芯、高域の輪郭が崩れにくい環境で使った方が、FPSでの良さは出やすいです。

ビルドクオリティと装着感

ビルドクオリティはかなり良いです。

フェイスプレートとシェルはフルCNCアルミニウムで作られており、耐久性を意識した作りになっています。樹脂シェルのイヤホンと比べると、手に取ったときの剛性感や質感は出やすいと思います。

軽量イヤホンというほどではありませんが、極端に重いわけでもありません。ほどよい重量感がありつつ、装着時の負担はある程度抑えられている印象です。

フィット感についても、激しいマウス操作中にズレにくい設計が意識されています。

FPS用途では、ここはかなり大事ですね。音が良くても、プレイ中にイヤホンが浮いたりズレたりすると、定位や低音の出方が変わってしまいます。

筐体上部には、フィルター付きのベント孔と音質調整用スイッチが配置されています。

音質調整スイッチがあるぶん、使い方の幅は広いです。ただし、スイッチの位置や筐体の厚みが耳に合うかどうかは、人によって差が出る可能性があります。

イヤホン属性プロファイル


帯域バランス

聴感上の聞こえ方:フラット基調、ニュートラル寄り。中域の芯が自然に前へ出やすいタイプ。

Arete2は、低音・中音・高音の量感が大きく崩れたイヤホンではありません。大きく低音へ寄るわけでも、高音で明るく押し出すわけでもなく、全体としてはフラット基調です。

ただ、比較群の中で見ると高域、とくに2kHz〜8kHzあたりは控えめ。代わりに600Hz〜2kHzあたりの中域が相対的に見えやすく、声や足音の中心が自然に残りやすいバランスです。

低域は量で押すタイプではありません。とはいえ薄いわけでもなく、出だしの丸みや余韻の残り方によって、下側の支えはしっかり感じられます。低音が多いというより、音全体を軽くしすぎない低音ですね。

実際の聴感ではニュートラル寄りです。高域が鋭く前へ出るわけではなく、中域の芯と余韻が自然につながるので、冷たい・硬いという印象は強くありません。軽く寒色ニュアンスを含んだフラット基調、と考えると分かりやすいです。

形状軸:フラット基調(V字感は比較群の中でもかなり少なく、端域の張り出しは控えめ)


音の硬さ

低域:ソフト。中域:ソフト寄り。高域:ソフト〜やや荒れ気味。

  • 低域: 125Hz付近から630Hzにかけて、出だしの角が丸くなりやすい傾向があります。キックや低い効果音は「ドン!」と硬く飛び出すより、少しタメを持って出てくる感じ
  • 中域: 芯は安定していますが、カチッと硬く立つタイプではありません。ゆっくり実体が見えてくるような出方で、硬質というより落ち着いた質感
  • 高域: エッジは強く立ちません。4kHz付近だけ少しザラつく可能性がありますが、高域量が控えめなので、刺激として前に出すぎる感じは少なめ

全体として、音の当たりはかなり丸めです。色味はニュートラル寄りですが、音の触り心地はやわらかい方向。冷たいのに硬い、というタイプではありません。


音の立ち上がり

低域:マイルド。中域:マイルド。高域:マイルド。

  • 低域: 低い音の出始めには少しタメがあります。ベースやキックが鋭く立つというより、自然にふくらんで出てくる感覚
  • 中域: 足音や声の出だしは、素早く点で飛んでくるタイプではありません。輪郭がじわっと見えてくる方向です
  • 高域: 高域も切れ味で勝負するタイプではなく、角を立てずに出てきます。シャープさより滑らかさが先に来ます

ここはArete2の分かりやすい特徴です。音の出始めは全体的にマイルド。FPSで一瞬の足音を点で拾うより、鳴った後の流れを追う方が得意なタイプです。


実体感の強さ

標準的な実体感。中域の安定した芯で音の中心を作るタイプ。

音の芯は長すぎず短すぎず、全体としては標準的です。強く太い実体感で押すわけではありませんが、中心が崩れにくいので、音の存在は意外と追いやすいです。

低域の量はやや控えめですが、中低域の丸みと余韻が下支えになります。そのため、軽すぎてスカスカになる感じは少なめ。

音楽では中域を中心にまとまりのある鳴り方。FPSでは、音の中心線が大きくブレにくいので、足音や接触音の流れを追う助けになります。ただし、芯だけが細く浮かぶというより、芯と余韻が自然につながって聞こえるタイプです。


音の抜け

低域:響き。中域:響き寄り。高域:響き〜普通。

  • 低域: 低い音の余韻は少し残ります。爆発音や環境低音のあとに、下側の空気がしばらく残るような聞こえ方
  • 中域: 中域もスパッと消えるより、自然につながる方向です。音の余韻が少し残るので、完全に無音背景へ戻るタイプではありません
  • 高域: 高域量は控えめで、シャリッとした抜け感は強くありません。ただ、10kHz以上の空気感が外周の広がりを少し補います

Arete2は、背景が真っ白に空くイヤホンではありません。音が自然に溶け合いながら残るタイプです。ただし、帯域の住み分けと背景のまとまりがあるため、単純に濁るというより、層が整ったまま余韻が残る聞こえ方に近いです。


音場

音場は、普通〜ややコンパクト寄りです。

音が大きく外へ広がるというより、近〜中距離の範囲にまとまりやすい鳴り方です。

余韻も少し残るため、背景が完全に空ききるタイプではなく、空間に大きな隙間ができる感じは控えめです。

ただし、狭く詰まる印象ではありません。

外周には薄い空気感があり、音が耳元だけで完結する感じは少ないです。

そのため、音場の骨格だけを見ると広大というより普通寄りですが、実際の聴感ではレイヤー感や外側の抜けによって、広めに感じる人もいると思います。

広い空間に音を大きく散らすというより、近〜中距離の中に奥行きと層を作る鳴り方です。


声の聞き取りやすさ

やや際立ち。声の芯は安定して聞きやすいが、子音の立ちは穏やか。

声の中心になる帯域は見えやすいです。声が鳴り始めてから消えるまで軸が乱れにくく、ボーカルやゲーム内ボイスの中心が自然に残ります。

一方で、サ行や子音のエッジは控えめです。声が鋭く前に飛んでくるというより、芯が安定したまま自然に聞こえるタイプ。

長時間聴いても声の輪郭が刺さりにくく、ゲーム中のボイスや報告も疲れにくい方向です。強く目立つ声ではなく、聞き続けやすい声ですね。


耳への刺激

やや穏やか。刺さりは出にくいが、4kHz付近の質感には少し注意。

  • 刺さり: 高域量がかなり控えめで、チクッとした刺激は出にくいです
  • サ行・歯擦音: サ行は穏やか。鋭く前へ出るより、後ろへなじむ方向
  • 押し出しの強さ: 音の立ち上がりがマイルドなので、1音1音が強く飛んでくる感じは少なめ
  • 高域の荒れ・ザラつき: 4kHz付近だけ少しザラつく可能性があります。ただ、高域量そのものは控えめなので、大きな刺激にはなりにくいです
  • 長時間使用: 刺さりと押し出しが少なく、長時間でも使いやすい方向

聴き疲れはかなり抑えられています。鋭い音で集中力を上げるタイプではなく、穏やかに長く使えるタイプです。

帯域評価

低域

タイプ:自然型(丸みのある下支え)

低域は、量で押し出すタイプではありません。比較群の中ではやや控えめで、前にドンと張り出してくる低音ではないです。

ただし、出だしの丸みと余韻の残り方があり、音全体を下から支える感じはあります。低音が多いというより、低音が薄くなりすぎない構造ですね。

サブベースは絶対値では少し出ていますが、深い沈み込みを強く主張するほどではありません。インパクトは鋭くなく、出たあとに少し残るタイプ。FPSでは足音帯域を強く覆いにくい一方、爆発音や環境低音の後には少し下側の空気が残ります。


中域

タイプ:芯重視型

中域はArete2の中心です。600〜2000Hzあたりが比較的見えやすく、声や足音の骨格が自然に残ります。

芯の安定感もあり、音が鳴っている途中で中心が大きく崩れにくいです。声や楽器の位置がフワッと散るというより、落ち着いた軸を持って鳴る印象。

ただし、出だしは丸めです。芯はありますが、エッジが鋭く立つタイプではありません。太くギッシリ詰まった中域というより、安定した骨格を持つ中域ですね。


高域

タイプ:自然型、やや穏やか寄り

高域はかなり控えめです。輪郭や描き込みを強く前に出すタイプではなく、全体の刺激を抑えた穏やかな高域です。

5kHz〜8kHz帯は比較的安定しており、耳につく荒れは少なめ。ただし4kHz付近だけは少し質感が揺れる可能性があります。

10kHz以上の空気感はあり、外周の広がりを少し補います。高域が明るく多いイヤホンではありませんが、空気感によって見通しを少し支えるタイプです。


音質まとめ

低域は自然な下支え、中域は安定した芯、高域は穏やかな抜け。Arete2はこの3つで成り立つイヤホンです。

音の立ち上がりは全体的にマイルドで、余韻も少し残ります。EP321のように静かな背景へ一音ずつ浮かぶ透明感とは違いますが、音の層が整って見えるタイプの透明感があります。

音楽では、ゆったり聴けるまとまりの良さが魅力です。FPSでは、中域の芯とレイヤー差が、足音や環境音の判別を補助します。細い音をスパッと切り出すより、音の流れや層を追うタイプですね。

FPSでの聞こえ方

FPS総合評価

項目評価
足音の存在感★★★★☆
分離・音種判別★★★★★
定位感・方向感★★★★☆
距離索敵★★★★☆

Arete2は、FPS向けとしてかなり個性的です。

一番分かりやすい強みは、分離・音種判別です。足音・銃声・環境音が同時に鳴ったときに、音の種類が同じ高さに潰れにくく、どの音が何をしているのかを読み取りやすい方向です。

ただし、これは「音が全部別々の場所に浮く」という分離ではありません。Arete2は、同じ方向にある音を、音色差・帯域差・レイヤー差で聞き分けるタイプです。

足音の存在感もあります

低域で大きく押し出すわけではありませんが、中域の芯が残りやすく、近〜中距離の足音は追いやすいです。足音が点としてポンと出るというより、線や層としてつながって見える感覚ですね。

定位感・方向感は、点で固定するタイプではありません。方向の手がかりはありますが、斜め方向を細く切るより、足音の流れや中心線から方向を読むタイプです。

距離索敵は、遠距離の微音を高域で細く拾う用途では控えめです。近〜中距離の動きや音種差を読む方が得意だと思います。

Arete2は、遠くの細い音を拾いにいくイヤホンではなく、近〜中距離の足音を線とレイヤーで追うイヤホンです。

初代Areteは、Arete2ほどレイヤー感を強く読むタイプではありませんが、足音の芯と流れをシンプルに掴みやすいイヤホンです。

初代Areteについては、別記事で詳しくレビューしています


足音の存在感:低域で押すより、中域の芯と流れで掴むタイプ

Arete2の足音は、低域で大きく押し出すタイプではありません。

「敵がいる」と分かりやすく太く鳴らすイヤホンではなく、中域の芯が残ることで、足音の中心や移動の流れを掴みやすくするタイプです。

近距離〜中距離では、この特徴がかなり効きます。

足音が鳴ったあと、中心線が大きく崩れにくいため、「このあたりで動いている」「右から左へ流れている」といった動きが見えやすいです。音の入口だけで反応するというより、鳴った後の流れを見て判断する聞こえ方ですね。

低域にも少し支えがあります。

量そのものが多いわけではありませんが、出だしに丸みがあり、下側に少し空気が残ります。そのため、足音が細くなりすぎず、近〜中距離では存在に気づきやすいです。

ただし、ここはメリットだけではありません。

足音の入口が鋭く飛び出すタイプではないため、反応速度を最優先する人には、少し丸く感じる可能性があります。

Arete2は、足音を高域で浮かせるイヤホンではなく、中域の芯とレイヤーのつながりで足音を掴むイヤホンです。


分離・音種判別:Arete2の一番分かりやすい強み

分離項目説明評価
空間音像が小さくまとまるか★★☆☆☆
時間前の音が早く消えるか★★★☆☆
帯域足音・銃声・環境音が帯域で分かれるか★★★★★
重なった後も中心線が残るか★★★★☆
音量階層大きい音の裏の小さい音が分かるか★★★☆☆
レイヤー音の層や段差が見えるか★★★★★

Arete2の分離感は、全部の項目が強いタイプではありません。

得意なのは、帯域の分離レイヤーの分離です。

足音・銃声・環境音が同時に鳴ったときに、それぞれが完全に別々の位置へ分かれるわけではありません。ただ、音の種類として判断しやすいです。低域は下支え、中域は足音や声の芯、高域は輪郭と空気感の補助という形で、役割が分かれやすいですね。

このため、分離・音種判別の総合評価は星5にしています。

ただし、空間分離や時間分離まで全部が星5という意味ではありません。

音像がものすごく小さくまとまるタイプではありませんし、前の音が一瞬で消えるタイプでもないです。背景がスパッと空くイヤホンを想像すると、少し違います。

Arete2の分離は、余韻を完全に消して整理する方向ではなく、音の種類とレイヤー差を残して判断しやすくする方向です。

派手に音をバラバラにするというより、重なった後でも「これは足音」「これは銃声」「これは環境音」と見分けやすい聞こえ方。ここがArete2の強みです。


空間の分離:広く散らすより、同じ方向の中で音種差を読む

Arete2の空間分離は普通からやや大きいくらいです。

音場は広大に外へ広がるタイプではありません。どちらかというと、近〜中距離にまとまりやすいです。

音像も、かなり小さな点として固まるわけではありません。中心は見えますが、芯と余韻がつながるため、ピンポイントで細く固定される感じは控えめです。

FPSでは、同じ方向から複数の音が鳴ったときに、位置の違いだけで分けるというより、音種の違いで判断する聞こえ方になります。

複数人の足音を小さな点として細かく分けたい場面では、もう少し音像がコンパクトなイヤホンの方が向いています。

Arete2は、空間を広く見渡すイヤホンではなく、同じ方向にある音の中から、音色差とレイヤー差を読むイヤホンです。


時間の分離:早消えではなく、流れが残る

時間の分離は控えめです。

Arete2は、音が早く消えるタイプではありません。芯や余韻が少し残るため、前の音が消え切る前に次の音が入る場面では、背景が少し濃く感じることがあります。

ただし、これは単純に邪魔な残り方というより、音の中心線が続いて見える方向です。

連続した足音や移動音では、この残り方が流れとして働きます。足音が点で切れるのではなく、線としてつながるため、敵の移動を追いやすい場面があります。

一方で、前の音をスパッと消して、次の小さい音を点で拾う使い方では、もっと早消えのイヤホンの方が分かりやすいでしょう。

Arete2の時間方向は、短く切るというより、芯と余韻を残して流れを見せるタイプです。


音の芯の分離:重なった後も中心線が残りやすい

Arete2で重要なのは、音の芯の見え方です。

足音や声の中心が崩れにくく、鳴った後も中域の軸が残りやすいです。そのため、近距離〜中距離では足音の流れを追いやすくなります。

ただし、これは「細い点でピンポイントに切る」という意味ではありません。

Arete2は、音の芯が安定して残ることで、

  • 足音の中心が銃声の中に完全には溶けにくい
  • 同じ方向で複数音が鳴っても、音の種類を読みやすい
  • 連続した移動音の流れが途切れにくい

このように判断しやすいタイプです。

複数の足音が重なったときも、完全にバラバラに分解するというより、中心線や流れが残りやすいです。

Arete2は、音を点で切るイヤホンではなく、芯を使って足音の流れを追うイヤホンです。


帯域の分離:足音・銃声・環境音の役割が見えやすい

帯域の分離はかなり良いです。

Arete2は、低域・中域・高域の役割が分かれやすく、音の種類を判断しやすい方向です。

低域は下支えとして残ります。中域は足音や声の芯を作り、高域は必要以上に刺さらず輪郭と空気感を補助します。

この役割分担が分かりやすいので、足音・銃声・環境音が同時に鳴ったときでも、音の種類を見分けやすい場面があります。

ただし、足音帯域だけを強く浮かせるタイプではありません。

ゲーミングイヤホンのように「足音だけが前に出る」聞こえ方を期待すると、少し違います。Arete2は、音全体の役割を分けながら、足音の芯とレイヤー差を残す方向です。

このため、音を細かく聞き分けたい人にはかなり面白いですが、足音だけを分かりやすく強調してほしい人には少し地味に感じるかもしれません。


レイヤー感:Arete2らしさが出る部分

Arete2で一番面白いのは、レイヤー感です。

ここでいうレイヤー感は、音が上下や前後に大きく分かれるというより、足音・銃声・環境音が同じ方向にあっても、層として少し違う場所に残る感覚です。

たとえば、銃声が前に出ていても、その中に足音の芯が残る。環境音が鳴っていても、足音の動きが完全には溶けない。こういう聞こえ方です。

ただし、Arete2のレイヤー感は、誰でもすぐ分かるタイプではありません

音が自然につながっているため、ぼんやり聴くとまとまって聞こえます。集中して聴くと、同じまとまりの中に足音・銃声・環境音の違いが残っていることに気づく感じです。

Arete2は、音を分かりやすく分解して見せるというより、自然な音の中にレイヤー差を残すイヤホンです。


音量階層の分離:小さい音を強く浮かせるタイプではない

音量階層の分離は普通くらいです。

これは、近くで大きく鳴っている銃声や爆発音の裏にある、小さい足音や環境音をどれくらい拾えるかという話です。

Arete2は、大きい音の裏にある小さい音を強く前へ出すタイプではありません。遠くの細かい音まで全部拾って整理するというより、音の中心や役割を頼りに聞き分ける方向です。

低域の支えや芯の残り方があるため、近〜中距離の足音は掴みやすいです。

一方で、遠距離の小さい音や、混戦の裏にある細い音を強く浮かせる用途では、もう少し背景が静かで高域の輪郭が出るイヤホンの方が分かりやすいと思います。

Arete2は、音量階層を細かく分けるというより、目立つ音の中に残る芯と音種差を読むタイプです。


定位感・方向感:点で固定するより、芯と流れで掴む

項目評価
定位感★★★☆☆
方向感★★★★☆

定位感・方向感は、Arete2の聞き方を理解すると評価しやすい部分です。

競技特化イヤホンのように、音像を細い点としてピタッと固定するタイプではありません。

Arete2は、足音の芯や流れを見ながら方向を掴むタイプです。

右から来たのか。左から来たのか。近くで動いているのか。少し離れた場所で動いているのか。

このあたりの方向感は掴みやすいです。

特に連続した足音では、足音の中心がなめらかに動いていくため、移動方向を追いやすく感じます。

一方で、斜め前・斜め後ろの細かい角度差を、点で厳密に切る聞こえ方ではありません。ピンポイントの定位を最優先する人には、もう少し音像が小さく固まるイヤホンの方が合う可能性があります。

Arete2は、方向を鋭く切り取るより、芯の残り方と流れを頼りに方向の手がかりを掴むイヤホンです。


距離感・遠距離音:遠距離特化ではなく、近〜中距離の流れを読む

項目評価
遠距離の微音検出★★★☆☆
距離感★★★★☆

遠距離の微音検出は控えめです。

Arete2は、高域を強く出して遠くの足音を細く浮かせるタイプではありません。遠くの小さい音を点で拾う用途では、少し大人しく感じる場面があります。

距離感も、広い音場で遠くまで見渡すタイプではありません。

音場は近〜中距離にまとまりやすく、遠くと近くの差を大きく見せるより、音の流れをつなげて聞かせる方向です。

ただし、近距離〜中距離では足音の中心が残りやすく、移動の流れも追いやすいです。

  • 近くで動いている
  • 少し離れたところで足音が続いている
  • 銃声や環境音の中に足音の芯が残っている

このような判断には使いやすいと思います。

Arete2の距離感は、遠くの音を強く前に出す距離感ではなく、近〜中距離の移動と音種差を読みやすい距離感です。


移動音:点ではなく、線と層で追う

Arete2の移動音は、点でカチカチ追うタイプではありません。

足音が右から左へ動くときに、ひとつひとつの足音を細かく分解するというより、音の中心が線のようにつながって動いていく感覚です。

ここがArete2らしいところです。

足音の入口は少し丸く、鋭く飛び出すタイプではありません。その代わり、鳴った後の中域の芯が残りやすく、足音の軌道を追いやすいです。

近距離〜中距離で敵が走っている場面では、単発の足音よりも、連続した移動音として捉えやすい方向です。

この聞こえ方は、人によって好みが分かれると思います。

足音を点で拾って素早く反応したい人には、少し丸く感じる可能性があります。反対に、足音の流れや移動方向を落ち着いて追いたい人には、かなり扱いやすいです。

Arete2は、点で拾うイヤホンではなく、線と層で追うイヤホンです。


FPSイヤホン最終結論

項目評価
足音の存在感★★★★☆
分離・音種判別★★★★★
定位感・方向感★★★★☆
距離索敵★★★★☆

Arete2が向いているのは、近距離〜中距離の足音を、芯・流れ・レイヤー差で掴みたい人です。

FPS専用の分かりやすいイヤホンとは少し違います。足音を高域で強調して、細い輪郭を前に出すタイプではありません。

ただ、音の芯が残りやすく、低域・中域・高域の役割も分かれやすいです。そのため、足音・銃声・環境音が重なったときに、音の種類を判断しやすい方向です。

足音の存在感もあります。

低域で大きく押し出すわけではありませんが、中域の芯と少し残る低域の支えによって、近距離〜中距離の足音を掴みやすいです。

定位と方向感は、細い点として固定するというより、足音の芯や流れから方向の手がかりを掴むタイプ。移動音を追い続ける場面では、Arete2の良さが出やすいと思います。

一方で、遠距離の微音を高域で細く拾うタイプではありません。音場も広大に広がるタイプではないので、広いマップ全体を見渡すような聞こえ方を求める人には、少し物足りない可能性があります。

Arete2は、遠くの細い音を拾いにいくイヤホンではなく、近〜中距離の足音の芯、音種判別、移動音の流れを掴むイヤホンです。

向いているプレイヤー層

Arete2は、完全初心者に足音を分かりやすく教えてくれるイヤホンというより、FPSに少し慣れてきた人が、音の種類や移動音を読むためのイヤホンです。

足音を点で拾うというより、足音・銃声・環境音の層を見ながら、敵の動きを追うタイプです。

そのため、近〜中距離の移動音を追いたい人、足音と銃声が重なった場面でも音種を聞き分けたい人、低音が邪魔しにくいイヤホンを探している人に向いています。

一方で、とにかく足音を分かりやすく強調してほしい完全初心者や、遠距離の小さい音を細く拾いたい人には、少し合わない可能性があります。

Arete2は、初心者卒業〜中級者以上で、音の層や流れを読める人ほど強みが出やすいタイプだと思います。


向いている人

  • 足音・銃声・環境音の聞き分けを重視する人
  • 近距離〜中距離の移動音を追いやすいイヤホンが欲しい人
  • 足音の芯を安定して掴みたい人
  • 足音を点で拾うより、線で追う感覚が合う人
  • 音のレイヤー感や音種差を読むのが好きな人
  • 高域が鋭すぎるイヤホンが苦手な人
  • 長時間でも扱いやすいFPS向けイヤホンを探している人
  • 競技特化の鋭さより、音の流れと音種判別を重視する人

向いていない人

  • 足音の入口を鋭く拾いたい人
  • 遠距離の微音を最優先で拾いたい人
  • 高域で足音を細く強調してほしい人
  • 定位をピンポイントで詰めたい人
  • 音場が広く、マップ全体を見渡すような聞こえ方が欲しい人
  • 背景がスパッと静かに空くイヤホンが好きな人
  • 低域の迫力や派手な音を求める人
  • 初聴で分かりやすい分離感を求める人

音楽用途

FPSでの線追い感が、音楽では自然なつながりとして出るタイプです。

Arete2は、音楽用途でも極端に派手なイヤホンではありません。

低域は量で押し切るタイプではありませんが、下側に少し支えがあり、音が軽くなりすぎません。キックやベースはタイトに切れるというより、少し丸みを持って入る方向です。

中域は、Arete2の良さが出やすい部分です。

声や楽器の中心が残りやすく、音の流れを追いやすいです。ボーカルを強く前に出すというより、音楽全体の中で芯が見えるような聞こえ方ですね。

高域は控えめです。

派手な煌びやかさや、細かい粒を強く見せるタイプではありません。その代わり、耳への刺激は少なく、長時間でも聴きやすい方向です。

ただし、EDMやロックのように切れ味やアタック感を重視するジャンルでは、出だしが少し物足りなく感じるかもしれません。速いテンポの曲では余韻が重なり、リズムのタイトさが少し薄れる場面もあります。

Arete2は、リスニングで派手に楽しませるイヤホンというより、音の芯と流れを自然に見せるイヤホンです。


FPSでのまとめ

Arete2は、初心者向けの分かりやすい足音強調イヤホンではありません

足音の入口を鋭く浮かせるタイプではなく、鳴った後の芯と流れを追うタイプです。そのため、最初は少し丸く感じる人もいると思います。

一方で、使っているうちに、足音・銃声・環境音の役割が見えやすく、近〜中距離の移動音を追いやすいことが分かってきます。

足音の芯を安定して掴みたい人、音種判別を重視する人、近〜中距離の移動音を線とレイヤーで追いたい人には、Arete2はかなり面白い選択肢だと思います。

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