【final E500 レビュー】格安でバイノーラル(ASMR)音源を楽しめる高品質イヤホンがおすすめです!
こんにちは佐崎司です( ´∀`)
今回は『final E500』というカナル型イヤホンについてレビューします。
ただ単にレビューだけするのも(書いてる本人が)面白くないので、まずは今回も適当に好き勝手な事を書きます。一見商品のレビュー記事として関係が無いものに見えますが「こういう価値観の人間から見たレビューなんだな」と感じて頂ければ参考度が増すかと思います。
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目次
final E500について
このイヤホンはネットでも有名で、Amazonでも人気の商品です。あと、ASMRやバイノーラルを安価に楽しめるイヤホンとしても有名です。
ただ私が言うのもなんですが、この価格帯の商品についてはネット通販でのレビューを参考にする際は注意が必要となります。比較対象を明言していない、単文で褒めているだけのレビューとかは特に当てになりません。
例を挙げると、既にネットに蔓延っている高評価をそのまま鵜呑みにしたような『ASMR用だ! スゲェ! 耳元で囁いてる!』みたいなレビューです。「いや、そりゃあカナル型でフラット系の音でちゃんと密閉出来てたら、もうそれだけでそれなりにASMR用として成立しちゃうんじゃね?」という気がしてなりません。むしろ、ASMR向きと強調されればされる程、「つまり中域はそこそこ出るけど、低域と高域が微妙って事?」と邪推をしてしまいました。一応、E500は公式としては「ゲームやVRコンテンツ向けの商品」として売り出しているものです。
スペック
メーカー | final |
価格 | 2,020円 (Amazon 2020年3月31日時点) |
ドライバー | 6.4mmΦダイナミック型 |
感度 | 98dB |
インピーダンス | 16Ω |
重量 | 15g |
ケーブル長 | 1.2m |
付属品 | イヤーピース |
音楽観賞について
結論を先に言うと『値段の割に高域も低域も良く出て十分に使える』です。
購入して開封直後はややカスカスな音になっているので、最低でも80時間以上のエージング(癖の少な目の音楽を使った慣らし運転)が必要です。適当な昔の音楽プレイヤーを充電しながら使って音楽を垂れ流しして放置しておきましょう。その上でも利用が無理そうであれば、もう20時間ほどやってみましょう。
ただ、最終的には公式HPにも記載されている通りとまではいかなくとも、最低でも100時間以上のエージングが必要です。100時間を超えた以降であれば、あとは使いながらエージングしていけば良いと思います。ただ、可能であれば公式でのエージング推奨時間の「200時間」を超えてから、このイヤホンの最終的な評価をすることをおススメします。
しかしこれだけ書くと「良いと言ってもどの程度よ?」と言われます。私の『音楽鑑賞用』としての基準については、以前のゲーミングヘッドフォンの記事の最初の方を見て頂くと良いかもです。
音楽鑑賞用という意味では、上記の記事のゲーミングヘッドフォン時の旧型A40TRよりも良いです。高音も刺さるような音が無く、長時間使用しても疲れにくいので、そういう意味でもFPSとは関係の無い一般的な意味でのゲーム用としても問題無く使えます。
バランス感のある絶妙な音質
音質の印象としては「絶妙に安っぽい音を残しつつも普通に使える」という印象です。
この「絶妙に安っぽい音を……」という点ですが、皆さんも安いイヤホンを使ったときの「不自然にスカスカなシャリシャリして、それでいて曇った音」を聴いたことがあると思います。確かにそういった音もこのイヤホンは少し出しています。あと、全体的に解像度も高くは無いので、繊細な音を求めてはいけません。
ただ、その安っぽい音が強調されておらず『このイヤホンの個性』というレベルにギリギリ収まり、フラット系の音質として成り立っています。原因はASMRやバイノーラルを意識した製品の為、中域の音もしっかりと出る作りになっているからだと思われます。更に言えば解像度の低さが逆に幸いして、程良く音の悪い点を誤魔化してくれています。
上記の結果として「モニター用途に全く向かない解像度の低性能にも関わらず、フラット系の音で普通に聴けるレべルイヤホン」という奇跡的な絶妙なバランスが成り立ってしまっています。(低性能って言っても価格を考えたらハイスペックですけどね!!)
「普通」と思わせる事の凄さ
再度書きますが、この「普通に使える」という事は凄い事です。少なくとも私の中での「普通のイヤホン」は、10000円代のミドルクラス級の商品です。
ただ、このイヤホンは約2000円(2020年3月31日時点)にも関わらず「普通」に音楽を聞こえるでは無く「聴ける」レベルとして、私は使用できてしまいました。
個人的には他社がミドルクラスのイヤホンを発売したとして、その音がこのイヤホンと全く同じでも「ミドルクラスならこれぐらいかな?」と納得出来てしまうレベルです。
実際今ではこのイヤホンをいつも鞄に予備として常駐しています。なんらかの理由で普段使用しているイヤホンを忘れた時とか、手元に無線イヤホンしか無い状態で、有線のイヤホンを使いたくなった時とかの緊急用が主です。
ただ、偶に緊急でも無いのに定期的に「E500どんな感じの音だっけ? 脳内で美化されて無いかな?」等と思い、つい付けたくなります。で、その都度思う事は同じ、「やっぱり普通に音楽聴けるなぁ……」です。
そう『普通』って素晴らしい。寧ろこの価格でこの性能は普通じゃない。
なに? 褒めすぎ? でも、それぐらいは褒めても良いぐらいのコスパがあります。とはいえ、安い製品なのでイコライザで好きな音に調整することをオススメします。
多少キツめに調整をしても、不快な音割れはしにくく、しかもフラット寄りなのでこのイヤホンは音の調整が非常にしやすく、聴き疲れも非常にしづらいです。
欠点があるとすれば、極端なドンシャリ寄りの好みに調整をしても派手さに欠ける音、つまり「普通」寄りの音になる点です。ただ、この点はデメリットに感じる人は少ないと思います。女性ボーカルや管弦楽器系の高域もイコライザで調整すると「そこそこ心地良い」音を出してくれます。個人的にはこの時点で価格を遙かに越えているレベルです。
ただ、極端なドンシャリ好きは「音にパンチが足りない」「もっと音に透明感や厚みが欲しい」等という理由でこのイヤホンでは満足出来ないと思います。
ではそういう人はどうすれば良いのか? とりあえず人気メーカーの高級イヤホンを買ってください。それ以下の価格帯で我慢してしまえる程度の拘りなら、E500で問題無いです。
同社の上位価格帯の製品も気になりますね。今度買おうか悩みどころです。
ASMR(バイノーラル)向けとしては?
他所でべた褒めされているASMR(バイノーラル)向けとしても色々試してみました。
因みに主となる比較対照は、手持ちである名機『ER4-S』です。遮音性抜群のフラット系商品のため、同じくバイノーラルにも適していると言われています。日本で発売をしてから20年経過し、いまだに新品の取り扱いがあり、更に新品の実売価格差が20倍前後あるレジェンド的位置づけの名機です。この製品と比較するのもアレな感はありますが……。
結果として『評判通りそこそこ良い』と感じました。価格を考えるとASMR向けのベスト機と考えて間違いないです。流石にER4-Sと比較をすると明らかに劣るのは確かですが、これはあくまで『ER4-Sの音を知っていれば感じる不満』であって、E500とその他有象無象のイヤホンしか無い場合は、ASMRで重要な『如何に遮音性を保って耳の奥まで音源を突っ込むか』を満たす機種がE500のみのケースが多い筈です。その結果、他の高級イヤホンよりE500が「耳で音に触れる感覚が得られる良機」になりえます。
ASMRについての余談として、少々古い手持ちのイヤホンですが『ATH-IM04』(2020年3月31日時点での実売価格が3万~4万円)のとの比較の場合は、好みによってはE500の方が良いという人が出てくると思います。
ATH-IM04は確実に解像度が高く、繊細な音も鳴らすBAドライバー4機搭載で明らかに音は良いのです。しかし形状が耳の形を選ぶ為、人によっては耳の奥まで装着感が足りず「耳で音に触れる感覚」がE500に及ばないケースが出てきます。
ASMR向けのイヤホンとしては『耳元でクリアに繊細な音まで鳴らす』事より『多少おおざっぱな音でも、優しく耳に触れる感覚をどこまで味わえるか』の方が重要です。そういった意味ではあくまで主観ですが、ATH-IM04よりはE500をおススメします。
ただ、ASMRで更に上位を目指すならER4-Sがオススメとなります。若しくはそれに類する「密閉型で耳奥まで差しやすいドンシャリ系ではないタイプ」が良いです。ASMRは極端なドンシャリ系(特にシャリが強いタイプ)のイヤホンは向きません。
もっとも『フラット寄りで密閉出来てたらバイノーラルそこそこいける』ので、耳に対するフィット感が人を選ばず非常に良いことがバイノーラル向けとしてE500の評価が高い一番の理由かと思います。あとは『聞き疲れしにくい音』というのも非常にバイノーラル向きです。
このイヤホンを手に入れた後は、ネットでバイノーラル系のサンプル音源を漁ってみると楽しいかと思います。
遮音性、装着感について
一見遮音性が非常に高いように見えますが、本体の素材や構造のせいか音漏れは多少あります。なので油断して近くに人がいる状態でバイノーラル音源を垂れ流しするような事は控えた方が良いです。音量自体を小さくして、その音量に耳を慣らしていくと音漏れも気にせず使えて良いです。この辺は、カナル型のイヤホン全体に言えることですね。
あと、形状が『ほぼ只の筒』なのが非常に良いです。装着感に耳の形やサイズに依存しにくいのと、付属のイヤーピースの形状もシンプルで耳栓のように装着感も良く、更に好みによって他メーカーのイヤーチップとの交換もしやすいのも利点です。やっぱりシンプルな形は無難なんだなと再認識させられました。
タッチノイズについて
ネット上でこのイヤホンが不評点の一つに「タッチノイズが酷い」というものがあります。タッチノイズというのは、イヤホンの線が服などに擦れた時に聞こえる音のことです。
この点はこの価格帯には流石に仕方がないと思います。ぶっちゃけタッチノイズの感じは20倍程の市場価格のER4-Sを標準のケーブルで利用している時と変わらないレベルです。
カナル型は遮音性が優れていればそれだけタッチノイズの発生が顕著になります。タッチノイズを気にした設計であれば、ケーブルの材質をもっと別のものに変えるべきですが、そこまではコストが回っていないのか、この点はどうしても諦めるしかないです。それでも少しでもタッチノイズを減らしたい方は『イヤホンの専用クリップ等でケーブルを固定して擦れを制御する』という方法が良いです。
ただタッチノイズの件はどうしても避けられないので、動きながら使う用途には向かないです。もっとも「遮音性の高いイヤホンは移動しながら使わない方が良い」というのが本音の所です。
良くも悪くも見た目が安っぽい
『約2000円(2020年3月31日時点)という値段は伊達じゃない』というべきか、流石に要所要所に安っぽさを感じます。
いかにも『「安価ですよ」と全身でアピールするようなシンプルすぎるデザイン』と、『断線対策をまるで考慮してる気がしない本体からの配線』、『ケーブル自体も100均売っているようなものと違いが判らないレベルの質感』です。
そして商品の箱もいっそ清々しいぐらいにシンプルです。「コストが下げれそうな箇所で可能な限りコストダウンを行う」という姿勢が露骨に現れています。
安いスマートフォンの付属品にある低品質イヤホンと混ぜて置いても違和感が無いレベルでチープです。
偶にありますよね? 『値眼が安いのに、無駄に商品の箱を豪華っぽくして、付属品とかも充実してる癖に、肝心の性能が壊滅的にダメで、結局無駄に場所を取る箱や使わない付属品がゴミになる商品』って。少なくともそういった商品とは真逆に位置する商品になっているのがこのイヤホンです。
主観になりますが、安い製品の場合はゴテゴテしたものよりもシンプルに最低限の付属品しか無い方が好感が持てます。
最後に
『この価格なら間違いなく買い』です。
高いイヤホンやヘッドホンを多数持っている人にも「今は安いイヤホンでもこれぐらいの性能のものがある」と体験して貰う為にも試して欲しい一品です。
あと『とりあえずコスパが良い無難なイヤホン』を探している人にもオススメ。基本的にはどんな用途でもそれなりにこなしてくれます。
E500の上位機種である「final VR3000」のレビュー記事はこちら▼
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