【ゼンハイザー GSP600 レビュー】高級ゲーミングヘッドセットはアンプなくても足音聞こえます!
こんにちはハッサンです^ – ^
先日 EPOS/ゼンハイザー GSP600を中古で購入しました。中古でイヤーパッドが破けている状態でしたが格安のお値段だったので即購入しました。
今更感満載ですが、プロゲーマーが好んで使うという高級ヘッドセットを体験したくなったのです。
イヤーパッドの交換方法と注意点についても併せて紹介します。
開放型のGSP500のレビューはこちら▼
EPOS H6PRO Closedのレビュー記事はこちら▼
価格別のヘッドセット定位比較はこちら▼
目次
GSP600について
GSP600は音響関連の老舗メーカー「ゼンハイザー」がプロゲーマー向けに製作したヘッドセットになります。
過去にSennheiserはDemantとの合併会社「Sennheiser Communications」としてゲーミング製品を販売してきました。この度Demantがゲーミング製品を引き継いだため、新しいゲーミングブランドとして「EPOS」が設立しました。現在販売しているGSP600の新モデルはEPOSのロゴに変更されていますが、性能は旧モデルと変わりません。レビューしているGSP600はゼンハイザーロゴの旧モデルになります。
足音に特化したチューニングが特徴でかなり遠くの敵の足音も聞こえます。定位感もよくMixAmpProTRを使用しなくてもある程度敵の位置が把握できるスグレモノです。
アンプとは音を増幅することで特定の音域(足音など)を強調したり、ぼかしたりできる音響機器のことです。ゲーム向けアンプではMixAmpProTRやGameDAC、Sound BlasterX G6などが有名で、対人FPSゲームで優位に立ち回れる機器になります。
GSP600は密閉型と呼ばれるヘッドセットタイプで、より足音を聴きやすい仕様になっています。同シリーズにGSP500というヘッドセットがありますが、こちらは開放型と呼ばれるタイプでGSP600より少しお安いお値段になっています。GSP500/600では開放型/密閉型の違いにより音の響き方や遮音性に違いがあります。
• 最強の性能と最高の値段
• コンデンサーマイク並のヘッドセットマイク
• 足音にチューニングされたサウンド
• MixAmpなしでも敵の位置が分かる
• 着脱式のイヤーパッドとイヤホンケーブル
スペック
メーカー | EPOS/ゼンハイザー |
価格 | 26,809円 (Amazon 2020年6月1日時点) |
ヘッドホンタイプ | 密閉型 |
重量 | 約400g(着脱式ケーブル無し) |
ケーブル長 | 1.3m (ゲーム機接続用の4極3.5mmミニピン) 3m (PC接続用の3極3.5mmミニピン×2) |
周波数特性 | 10Hz~30kHz |
インピーダンス | 28Ω |
出力音圧レベル | 112dB SPL |
スピーカードライバー | ダイナミック型 |
ボタン/スイッチ | ヘッドフォン出力音量調整, マイクミュート有効/無効 |
対応端末 | PlayStation4, Nintendo Switch, Xbox One, PC, Mac など |
限定白色モデルGSP601(性能はGSP600と同じ)はこちら▼
限定濃紺と茶モデルGSP602(性能はGSP600と同じ)はこちら▼
開封
- 箱
- 説明書と関連書類
- 1.3mの4極3.5mmミニピン
- 3mの3極3.5mmミニピン×2
ヘッドセットはこちらになります▼
イヤーカップにはダイヤル式の音量調整機能があります。プレイ中にすぐに音量変更できるのは大きいですね▼
マイクは上下に上げ下げするタイプで上に上げているとミュート状態になります▼
双方向性マイクでかつノイズキャンセリング機能がついているため、コンデンサーマイク並の性能があります。
双方向性マイクとは外側と内側で集音し、その他は集音しないマイクになります▼
ヘッドバンドは一般的な引っ張って伸び縮みする作りになっています
ヘッド部分ではヘッドセットの側圧を変えることができます▼
左右についている黒い部分をスライドさせることで側圧を調整できます。ちゃんと自分の頭の形にセットすると驚くほどフィットします。
ヘッドバンドの内側は布製のクッションになっています▼
所々穴が空いてるので通気性も良さそうです。
イヤーパッドはレザーレット製で肌に触れる部分は布製になっています▼
高級ヘッドセットだけあって良いメモリフォームを使っています。ただ後述しますが、耐久性に少し難があるようです。
使用した感想
ApexLegendsやフォートナイトをプレイしてみましたが、他のヘッドセット とは明らかに音の傾向が違います。
音質をクリアに保ちつつ高解像度であることを活用して、あらゆる音を丁寧に鳴らすことで、結果として足音なども聞き取りやすい印象でした。銃声に関しても高音や低音が抑えられているにかかかわらず、遠くでも聞こえるという摩訶不思議な感覚でした。
上下左右どこでも聞こえるので最初は戸惑うと思います。プレイ中に自分や味方の足音にビクビクしていました。
側圧は密閉型なのでやや強めですが、付け心地は悪くありません。またヘッド部分をスライドさせることで側圧を調整できるのもポイント高いです。
密閉型だと耳への負担が大きいですが、3時間プレイしても特に疲れることはありませんでした。
基本的にMixAmpProTRを使用していましたが、試しにPS4コントローラーに直接差し込んで聞いてもある程度遠くまで足音が聞こえました。定位感もあるしさすが足音に全てを捧げたヘッドセットだと感じました。
イヤーパッドとケーブルは着脱式になっており、破けたり断線しても交換できます。
またGSP600は音楽鑑賞にも使用できるレベルのヘッドホンです。通常ゲーミングヘッドセットはゲーム用にチューニングされているため、音楽鑑賞には向きません。極端に低音高音を強調していたり、ボーカルの声が聞こえづらいなど音楽を聴くには何かしら問題があります。これは用途が違うのでしかたのないことですが、GSP600に関してはそういったゲーミングヘッドセット特有の問題がありません。普段音ゲーばかりプレイするフレンドに使ってもらったところ、普通に使えるレベルで音ゲーができると絶賛していました。詳しくは以下のレビュー記事に書いていますので、是非ご覧ください▼
ここまで良い点だけ書きましたがもちろん悪い点もあります。まず1番気になるのは値段が高すぎることでしょう。確かに足音は聞こえやすいし、マイクも高性能ですが他のヘッドセットと値段分の差があるのかと言われると疑問です。
またデザインはメカメカしい感じでゲーマー感が出てます。もう少しシンプルな方が好みでしたね。ただし限定販売されている「白」と「濃紺と茶」モデルに関しては、めちゃくちゃ良いデザインに仕上がっています。デザインにこだわりがある方はGSP601/602がおすすめです(性能的にはGSP600と違いはありません)。
また個体差があると思いますが、イヤーパッドの耐久性と装着に難があります。詳しくは後述します。
MixAmp Pro TRやGameDACに接続して足音を聞いた感想
そもそもGSP600はMixAmpProTRを使用しなくても、足音自体に違和感の無いくっきりさと、ゲーム的表現というよりも、より自然な音質の足音の表現力を持っています。
相手の位置によって異なる繊細な音の差もしっかりと表現し、相手を『耳で追う』事が可能な素晴らしいヘッドセットです。
MixAmpProTRに接続してサラウンドを有効にすると、無効に比べややピンポイントさを柔らかくする分、少し広めの視野で『この方向にいるぞ』と耳へ訴えかけてくれます。
少し広めの視野といってもAstro A40TRなどワンランク以下のヘッドセットのサラウンド利用時と比較すると、明らかに精密な範囲を特定可能になります。
GSP600のヘッドセットの性質である『全体的に不自然に強調しすぎない』という利点が活かされ、『サラウンド無しの利点(ピンポイントの位置のわかりやすさ・足音自体の気付きやすさ)』を残しつつ、サラウンドのうまみである『大まかな場所の把握のしやすさ』も備えています。
アンプを使用すればGSP600が持つポテンシャルを十分以上に引き出してくれます。GSP600を使うならアンプも同時に使用することをおすすめします。
音楽鑑賞について
ハイレゾ音質の視聴も考慮してイコライザ系は完全に未使用で検証しました。試聴環境は以下の通りです。
・試聴機種;SHANLING Q1
・試聴音質:AAC-LC 320kbps, FLAC 96.0kHz/24bit, DSD(DSF)/5.6MHz/1bit
全体的にスッキリした音色になります。低域の音が隠れ気味になるため、音楽鑑賞時の第一印象はシャリ気味の音になりがちです。
ひたすら重低音がドスドス聴いたような音楽を聞きたいような人には不向きです。
中・高域の音の伸びは、音楽鑑賞でも十分満足できるレベルです。
音色の調整が出来ない状況においても、中域の鳴らし方の上手さが音楽全体の音の伸びの良さに貢献している印象です。
勿論、ボリュームの小さな低域も解像度自体は非常に高いです。そのため、シャリ寄りの音色で音楽を聴いているつもりの状態で、ふと自分では想定外な程の上質な低域の音に気付いた時の聴き心地は素晴らしいです。
具体的に言うと、女性ヴォーカル曲の落ちサビで良質な低音に気付かされた直後に、ラスサビで直前に気付いた低域+中高域の伸びが合わさった時など、一気に鳥肌が立つような現象が生まれます。
このヘッドフォンでの音楽鑑賞は、使えば使うほど病みつきになっていくタイプのものです。
スッキリとした音色の中・高域の伸びを気楽に楽しみつつ、低域の音の鳴り方に意識を集中するような感じでの音楽鑑賞方法がおすすめです。
GSP500との音質比較
同じGSPシリーズである密閉型のGSP500と比較してみました。500と600ではハウジング構造が開放型と密閉型で異なり、音の鳴り方や遮音性などに違いがあります。よく比較されがちな組み合わせなので、手厚く比較していきます。
最初に印象だったのは500の方が600より低音が出ていたことです。一般的に『開放型』は『密閉型』より低音が弱いと言われていますが、少なくとも500と600を実際に聞き比べると「500(開放型)」の方が低音が出ています。
「音楽鑑賞について」でも書きましたが、600は密閉型でありながらフラット寄りにスッキリとした音という印象です。高価なヘッドセット程、密閉型の欠点である「こもりが発生する」ことを意識した上での音作りがされています。
その結果として、必然的に「密閉では上げ過ぎるとこもってしまう低音」の出力を下げているのが600です。そういう意味では、600のチューニングは500よりも更に繊細にされていると推測できます。
極端に低音を重視しないのであれば、遮音性という意味でも600はおすすめです。600は迫力のある低音とは言えませんが、繊細かつ丁寧に鳴らせている低音を楽しむことができます。
長期間使用して耳が600の音質に慣れてくると、低音も十分に満足できるレベルです。
また、600は密閉型なので音漏れが少なく、上記でも説明しましたが周りの環境音を遮断してくれるメリットがあります。そのため足音そのものが500より聞こえやすいので、いち早く敵の接近に気づくことができます。
しかし密閉型は、いろんな音が同時に鳴ると音の逃げ場がないので混ざってしまうデメリットもあります。結果的に音がこもってしまい一つ一つの音を把握しずらくなります。ただ600は密閉型でありながら、音が混ざりにくいようにチューニングされており、開放型の500には及ばないものの他の密閉型ヘッドセットよりかなり優秀な音の分離感に仕上がっています。
対する500は開放型の利点である音の抜けを活用して、高音の伸びだけで無く引き締まった低音も鳴らしてくれます。
低音は600に比べても明らかに鮮明で、かつ迫力という面でも上です。
まさに『開放型の良いとこ取りをしたヘッドフォンがGSP500』と考えると良いと思います。
その他の高価な密閉型ヘッドフォンでも『少し音がこもっている』と感じるタイプのものがあります。
そういったヘッドフォンも密閉型のデメリットである『こもり』を意識して低音をフラット寄りにチューニングしているものが多いです。
GSP500 | 低音好きにおすすめ 音漏れ気にしない方用 周りの環境音が聞こえる より現実に近い自然な感覚で聴けるので定位感が良い 音の分離感が良く、同時に音がなっても個別に聞き取りやすい |
GSP600 | どちらかというと低音は少な目でも良い人向け 音漏れ気にする人用 遮音性が高いので足音が良く聞こえる |
GSP500のレビュー記事はこちら▼
どちらも超優秀なヘッドセットなので、遮音性や音漏れなど使用する環境を考慮して決めてください。
Astro A40TRとの音質比較
定番ヘッドセットとして名高いAstro A40TRとの音質比較をしました。
結論から言うとGSP600の方がゲーミングも音楽も万能に利用可能です。
A40TRとGSP600を比較すると、GSP600の方が音の鳴り方が自然で、聞き疲れもしにくいです。
GSP600の方が低域はやや弱め、高域はやや強め、中域も250Hz周辺まで出ています。
その為、全体的に癖が無く、MixAmpProTRやGameDACでのチューニングでより万能に利用可能になります。
価格差が大きいのである意味当然の結果かもしれませんが、音質面と足音の聞こえ方ではGSP600の方が優秀なヘッドセットです
イヤーパッドの交換方法と注意点
中古(1-2年使用)で購入した際にイヤーパッドが破けていたので、純正のイヤーパッドに交換しました。この交換作業が予想外にめちゃくちゃ大変でした。
下の画像だと親指の下あたりにひっかける部分があります。1つのイヤーパッドに6個ありますが、このひっかけ周りの部分を外側に押すことで外れるようになっています。
外すとこんな感じです。汚かったのですぐに掃除しましたw
こんな感じのもので固定されています。
とここまでは順調だったのですが、いざイヤーパッドを装着しようとしても全然取り付けできない!これでも成人男性ですからある程度力を込めてみましたがびくともしませんでした。ちなみにもともと装着されていたイヤーパッドは簡単に取り付けできます。
ひっかけ部分の5個まではなんとかなりますが、最後の1つがはまらない。最後の1つをはめようとしても他の部分が外れてしまうという、無限ループに陥ってしまいました。
いろいろ調べましたが装着方法に問題はなく、Youtube動画でも簡単に取り付けしていました。
そこでもともと装着されていたイヤーパッドと新しいイヤーパッドの嵌め込む部分を見比べてみると、ほんの少しだけ大きさが異なることに気づきました。
返品も考えましたが、めんどくさいなーということでもうしばらく頑張ることに。
それから「力尽くで装着させるとイヤーパッドが破けるかもしれない」という恐怖に怯えながら万力の力を込めてなんとか装着させました。この装着作業だけで3時間以上悪戦苦闘しました。この交換作業は女性や子供には無理なレベルですね。
最終手段としてイヤーパッドのひっかけ部分の1つをヤスリで削ることも検討しましたが、音が変わるかもしれないのでやりませんでした。もしどうしても装着できない方は新しいイヤーパッドを捨てる覚悟で、検討してもいいかもしれません。
どうも純正のイヤーパッドといえど品質にはバラツキがあるようです。ただ純正イヤーパッドでないと音が変わるらしいので選択肢は限られています。使用方法によるのでしょうが、中古購入時は豪快に破けていたので耐久性にも期待しない方が良いのかもしれません。
正直これだけお高いヘッドセットなのでこういった部分もしっかりしてほしいですね。
もし同じように装着しにくいイヤーパッドだった場合、素直に返品交換できないか確認しましょう。無理やり装着しようとして破けたら、返品すらできなくなるのでご注意を。
あくまで私個人の体験です。おそらく大半の人はスムーズに付け外しできると思いますが、ご参考までに。
「ダブルかもいフック」がジャストフィット
ヘッドホンって結構大きいので置く場所に困ったりします。GSP600はお高いヘッドセットなので適当に置いておくのも怖い気がします。間違って踏んづけたりしたら号泣ものです。
そこでダイソーの「ダブルかもいフック」を購入したところ、GSP600にぴったり合いました。
画像から分かる通り、ヘッド部の空いている部分にちょうどはまります▼
下のフックにはコードを掛けることができるので、コンパクトにまとめることができます▼
ただこの「ダブルかもいフック」ですが、下のネジで止めているだけなので、耐久性はあまりないかもしれません。なのであまり高いところには設置しないようにした上で、可能ならガムテープなどで補強しておいた方が安全です。また、たまに下のネジが緩んでいないか確かめるのも良いでしょう。安い製品なので、使用するのであれば気をつけましょう。
最後に
個人的に苦労した部分もありましたが最高級のゲーミングヘッドセットであることは間違いありません。
他のヘッドセットと値段分の差があるのかは人によると思いますが、仮に音質に値段分の差が感じられなくても、実際のプレイではそのわずかな差が勝敗を分けるのだと思います。
最初は足音が聞こえすぎて戸惑いますが、慣れてくると手放せなくなるヘッドセットです。
音楽鑑賞にも使えるので、音楽用に別のヘッドセットを購入する必要がなく、かえって安く済むかもしれません。
ガチでFPSに取り組んでいる人かお金に余裕のある人にはおすすめできるヘッドセットです。また回り道していろんなヘッドセットを購入するくらいなら、思い切って購入しても良いと思います。
同じGSPシリーズの開放型ヘッドセットGSP500はこちら▼
限定白色モデルGSP601(性能はGSP600と同じ)はこちら▼
限定濃紺と茶モデルGSP602(性能はGSP600と同じ)はこちら▼
密閉型ゲーミングヘッドセットである「EPOS H3」のレビュー記事はこちら▼
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