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【Creative BT-W4 レビュー】低遅延かつ高音質なBluetooth トランスミッター!BT-W3との違いも検証しました!!

2023年5月13日

こんにちは、佐崎司です。

今回はCreative社のBluetoothトランスミッターである『BT-W4』についてレビューいたします。

「トランスミッター? なんじゃそれ?」

という方へ簡潔に説明すると「ゲーム機やスマホ・タブレット・パソコンで『無線イヤホンを高音質で使う』ための道具」、いわゆる「Bluetooth飛ばすアレ」です。

人によっては「え? わざわざ無線のイヤホン使うために、なんか買い足して挿すの?」と、馴染みが薄いかもしれません。

確かにスマホではBluetoothが標準搭載されているので、Bluetoothイヤホンを使用する際も何も気にせず利用されている方が大半だと思います。

そんな存在の『トランスミッター』ですが、用途を明確・適切に決めて導入すると格段に便利になったり高品質な音が得られるようになります。

中堅的な(安価ではないけど、ヘビーユーザー向けとまでもいかない中間性能)位置付けの製品である今回の『BT-W4』は、apt-x adaptiveの入門機としても最適です。

ぜひ今回の内容を参考にしていただければ幸いです。途中で『BT-W3』との比較も入っていることがあります。

上位機種のBT-W5はこちら▼

注意:今回のレビューにおける『Hi-Res(ハイレゾ)』関連の記述について

最初に注意点なのですが、今回のレビュー内容において『ハイレゾ』という言葉が多数使用されていますが、正確に言うとハイレゾではありません。

高性能なUSB-DACなどで見るハイレゾのロゴマークで皆さん(多分)お馴染みの『JAS(日本オーディオ協会)』の定めるハイレゾ(のロゴ使用のスペック)は

・アナログ処理:高周波数性能:40kHz以上
・デジタル処理:
 フォーマット:WAV、FLAC 96kHz/24bit以上
 入力IF、AD、DAなど:96kHz/24bit以上

と定められています。

そういう意味では今回レビューとして取り扱う『BT-W4』はハイレゾ対応とはいえません(実際、ハイレゾのロゴもありません)。

ただ、実際のユーザー向け音楽市場において「基本的な音質よりもう一歩上の音質」という意味合いで、イメージしやすい方法として「ハイレゾ」と表現しています。

その点は予めご理解、ご了承のほどよろしくお願いいたします。

開封

今回は細かな『開封の儀』的なものは省略です。

「開封」と言っても、まぁぶっちゃけUSBのドングルだけ入ってるようなもんですし……

スペック

メーカーCreative
価格7,350円
Amazon 2023年1月21日時点
BT-W4(レビュー対象)BT-W3(※比較用)
対応コーデックaptX Adaptive, aptX, SBCaptX Low Latency, aptX HD, aptX, SBC
USBオーディオ解像度最大24bit/96kHz最大16bit/48kHz
ワイヤレス オーディオ解像度最大24bit/48KHz最大16bit/48kHz
接続デバイス切替可能(最大4つまで)x
対応プラットフォームPC、Mac、PS5/PS4、Nintendo Switch(ドック/携帯モード)PC、Mac、PS5/PS4、Nintendo Switch(ドック/携帯モード)
通信距離最大約50m最大約30m
Bluetooth Version5.25
コーデック表示LED、CreativeアプリLED
コーデック切替自動(最適コーデック)手動(ボタン)
アプリ対応Creative アプリ(Windows)x
USB ポートUSB-C(USB-A変換付属)USB-C(USB-A変換付属)
アナログ マイク付属付属

今回の『BT-W4』との比較として『BT-W3』を載せています。

おそらく多くの方が、

「『BT-W4』と『BT-W3』、どっちが良いの?」
「『BT-W3(あるいはBT-W2)』は持ってるけど、『BT-W4』って買う価値あるの?」

という疑問を抱えているはずです。

『BT-W4』は機能の第一印象だけでは「なんか、有名メーカー製品という理由で無駄に高そう……。なら『BT-W3でも良いのでは?』」と感じている人も居そうに思います。

その辺の事情も加味して紹介していきます。

『aptX Adaptive』対応

BT-W4』の存在意義と言っても過言ではない要素の一つが『aptX Adaptive』対応です。

すなわち、「aptXを使わないのであれば『BT-W4』を購入する意義がほぼ無くなる」ということです。

もっとも後述しますがWindowsパソコンで利用する場合』については、専用ソフトウェアの対応目当てでSBC,aptXでの接続用として購入するのも大いにアリです。

現在aptX adaptive対応の製品(イヤホンやヘッドホン)を持っていない場合は少なくとも「将来aptX adaptive対応のイヤホンやヘッドホンを購入しよう」という未来投資として考えると良いでしょう。

ワイヤレス オーディオ解像度 最大24bit/48KHz 対応

BT-W4』は無線環境での高音質形式(24bit/48KHz)に対応しています。

ただ、もちろんこのスペックを有効に活用するには、『適切なコーデックでの接続』や『ハイレゾ(に迫る)品質の音源』が必要です。

半面『BT-W3』はハイレゾに準ずる音源の再現には対応していません(最大16bit/48kHz)。コーデックの規格上はapt-x HDがハイレゾ(に迫る)品質なのですが、トランスミッター側の性能がコーデックに追い付いていません。そのため上記については注意しましょう。

4つのデバイスまで接続切り替え可能

『BT-W4』は4つまではペアリング情報を保持し、本体のボタンで接続の切り替えが可能です。

最初は使用法を戸惑うかもしれませんが、ボタン1タッチで切り替えが可能なので、使い慣れるとかなり便利なのでお勧めです。

PC、Mac、PS5/PS4、Nintendo Switch対応

上記については公式として明確に『対応』を謳っています。チャットに使うためのマイクなども付属しているため、ゲーム用途でも使い勝手の幅が広いです。

Nintendo Switchは以前に本体のファームウェア更新でBluetooth対応になっているものの、使用されるコーデックはSBC(『BT-W4』を使わずNintendo Switchと直接Bluetooth接続した場合)です。正直ゲームでの使用を考えると「攻撃モーションにワンテンポ遅れて攻撃音が鳴る」ぐらいの遅延が発生するため、致命的にキツ過ぎます。

『BT-W4』でaptX adaptive接続を使用することで、遅延に関する問題は解消するのでとてもお薦めしやすいです。

アプリ対応 Creative アプリ(Windows)

Windows環境で手軽に高音質を楽しみたい場合には『BT-W4』を強くお勧めしたくなる理由の一つがこの『Creativeアプリ対応』です。

この件については後述しています。

Android端末での使用も可能

対応プラットフォーム にAndroidが存在しませんが、一般的な『USB-DAC』として接続し利用が可能です。

ただし、メーカーとしての動作保障があるわけでは無い点には注意しましょう。

※iPhone,iPad利用はどうなの?

Android同様、公式な対応情報が無いですが、接続を適切に変換すればUSB-DAC扱いで問題無く接続される筈です。ただ、少し調べた限りでは「『BT-W3』は動いたけど『BT-W4』はiPhoneではうまく動作しない場合がある」ようです。

「Apple純正の変換アダプタだと電力供給不足で動作しない」といった情報も見つかったので、電源回りの出力の対応が若干怪しいのかもしれません。

この製品がというよりは「iPhoneやiPadなどにUSB-DACを接続して使用する際の一般的な接続相性の問題」という感じです。

この辺はアダプタを数種類試して頂くしかなさそうですね。

『BT-W4』が動作するアダプタさえ確保できれば、後は問題なく使えそうです。

こういう人には『BT-W4』がお薦め

今回の『BT-W4』、スペックを少し細かめに一見するとマニア向けなイメージが強いです。

しかし実際に製品を使い続けていると「思ったより万人に薦められるタイプかな」と感じました。

・ゲーム機で遅延を最小限に抑えて無線イヤホンなどを使いたい人
・色々な端末でapt-X adaptiveを使いたい人
・パソコンで無線環境を使って、高品質なイコライザや音響効果を掛けたい人

『apt-X adaptive』の恩恵が得られる利点

通常、この『BT-W4』購入動機の最大にして唯一の理由は、『apt-x adaptive』に対応している事です。

『apt-x adaptive』はここ数年でようやく普及しはじめてきたBluetoothのコーデック(接続の規格)の一つです。

apt-x adaptive』利点は「24bit,48KHz対応で高音質かつ、低遅延という点にあります。

ただ、『低遅延』という点においては、先行して普及が進んでいる『apt-x LL(Low Latency)』が若干優位になっています。

名前に『Low Latency(低遅延)』とあるように、『apt-x LL』は低遅延を活かしてゲームや動画視聴に便利なものとなっています。

音質だけど気にしだすと、更に音質が良い『apt-x HD』『LDAC』などが存在しますが、上記2点はapt-x adaptiveに比べて遅延が顕著だったり、屋外での利用時に音が途切れがちだったりというデメリットも存在します。

上記のように、多数あるBluetoothの規格の中でも結構良い音で遅延も少ないし、接続品質も悪くはない』という、『特化型じゃないけど、総合評価85~90点』ぐらいの位置づけのものが『apt-x adaptiveといえます。

PS4/PS5やNintendoSwitch向けに

最初の方も触れたように、『BT-W4』は、PS4,PS5,Nintendo Switchにも対応しています。

aptX adaptiveでの接続を使用することで、アクションゲームやFPS、シューティングなどでも遅延が気にならないレベルになります。

また、aptX adaptiveに対応しているレベルの無線イヤホンであれば、ヘタな有線イヤホン等よりもよっぽど高品質な音を提供してくれます。

WindowsPCの無線環境で手軽に音質向上

今回の『BT-W4』はWindowsPC環境での使用感も大変良いです。

その理由は、この機種がWindowsPC版のCreative App』に対応している点にあります▼

なお『BT-W3』の場合はこのアプリに対応していません

パソコンにはイコライザ関連のアプリが数多に存在します。しかし、そんな多数あるものと比較をしても『Creative App』の機能が優秀です。

パソコンでの使用においては、この『Creative App』の恩恵が得られることからapt-X adaptive以外の接続方法を使用している方の場合でも、十分な満足感を得られると思います。

手軽な音質改善の機能でお勧めなのが、この『Acoustic Engine』です▼

この機能、変に弄り過ぎると音の本質を変えてしまう点は注意ですが、正しく使うと『普段使っているちょっと微妙な無線イヤホン』の音質を、手軽に『そこそこ良い感じの音質』に調整ができます。

私は普段使用している無線の完全ワイヤレスイヤホンの一つとして『Victor HA-NP35T』を持っています。

この『HA-NP35T』は、「耳をふさがない完全ワイヤレスイヤホンにしては、音質が大変良い」ということで、結構人気な製品です。周囲の音も聞こえるため、作業時にはよく使用しています。

ただ、「耳をふさがないので低域がスカスカ。音量も小さめ」という声も多い機種です。

上記のような『ちょっと欠点があるワイヤレスイヤホン』の音質を、Acoustic Engine』を使用することで良い感じに低域の音を向上させたり、音を更にクリアにしたり、音の広がりを良くしたり調整が可能です

しかも、個人的な経験での評価になりますが、他の音質調整アプリに比べると音が歪みにくい印象です。

他のアプリに比べ、バスの調整で低域を強化した時の音の歪む傾向がかなり少ないと感じました。

私が使用している『HA-NP35T』は、コーデックがSBCにしか対応していないためか、音響効果やイコライザでの調整に対して音が歪みやすい傾向にあります。

きっとコーデックの情報量の限界や、ダイナミックレンジの狭さなども関連しているのではとも思います。

というか、「『HA-NP35T』を持っている人は、WindowsPCで使うために『BT-W4』を買おう!」ぐらいにお勧めしたいです。おそらく他の耳を塞がない無線イヤホンとも相性が抜群に良いと思います。ぜひお試しを!

一般的なイコライザ機能も備えています▼

最初に左部位でイコライザの基本設定を弄った後に、右側の『プリアンプ』値で全体の音が歪まないように調整しつつ、『バス』『トレブル』のバーの上下調整で、イコライザ全体を微調整すると良い感じに設定しやすいです。

とはいえ、前述した『Acoustic Engine』と『イコライザ』を併用すると音の歪みが発生する可能性が大幅に上がることには注意しましょう。どちらか片方だけ使うものありだと思います。

個人的には『Acoustic Engine』だけを軽く掛けるのが一番音が破綻しにくく手軽かなという印象です。

イコライザの設定は苦手な方も多いと思うので、その辺の事情も踏まえて好みで調整していきましょう。

『24bit対応』ということが重要

BT-W3のような『USBに挿して使える』高音質な環境というと、『ハイレゾ(HI-Res)』という言葉が浮かぶと思います。

今回レビューしているBT-W4』は48kHzとはいえ24bitハイレゾに迫るの音質に対応しています。しかし以前に発売されているBT-W3』はハイレゾ級の音質には全く対応していません

上記の内容だけでは「そうなんだー」で終わる方も多いと思いますが、ワイヤレス事情に詳しい方によっては「えっ? BT-W3も実際はハイレゾ品質そこそこも対応してるんじゃね?」と思うかもしれません。BT-W3はハイレゾに全く対応していません。

「……あれ? BT-W3って24bit 48KHzのコーデック『apt-x HD』に対応してるよね?」と思った方には残念なお知らせがあります。上記の理由は「『BT-W3』は24bitに対応していないためです。

まれにネット上での情報で「apt-x adaptiveを使いたいなら『BT-W4』、apt-x LLかHDを使いたいなら『BT-W3』を買おう!」という情報を見ますが、その選択間違ってます。

もし『apt-x HD』を目的とする場合はW4、W3のどちらも買ってはいけないです。

『再生元となるデータが24bit』であることは前提になりますが、16bitと24bitの差はダイナミックレンジの差として音質に直結します特にイコライザなどで音を調整した際には音の歪みとして顕著化するため、24bitに対応したコーデックは、24bitに対応したトランスミッターを利用しましょう。

特に『apt-x HD』は低遅延というわけでも、極端に広帯域というわけでもないので、24bitでないHDは『接続の途切れやすいapt-x』ぐらいの残念感が強いです。

もっとも、室内利用で音質を重視する場合は、最も手軽で普及率も高く、最高音質なLDACがあります。音質を重視する場合は最上位クラスのハイレゾ音質なLDACに対応した無線イヤホンを購入すると良いです。

もし、『apt-x HD』を使うための環境を模索している方が居る場合には、余計なおせっかいかもしれませんが、HD環境を整えるぐらいなら、adaptive(低遅延・音質両立)かLDAC(遅延しまくりだけど音質特化)環境整える方が良いと個人的には思います。

WindowsPC環境でapt-x Adaptiveをちゃんと使える

BT-W4』は低遅延、高音質を活かして、パソコンでの動画視聴やゲーム用途にも親和性が高いです。

映画の視聴にも24bitから生まれるダイレクトレンジを活かした、迫力のある音で楽しむことが可能です。

音ゲー用途には『apt-x LL』『apt-x Adaptive』のどちらが良い?

これも多くの方が悩んでいる・疑問に感じていると思います。

「どちらも遅延が少ない点では評判が良いけど、総合的に判断するとどっちが良いの?」というわけですね。

先に私の結論を言ってしまうと「コーデックの括りではどちらでも良い。製品個体の性能次第」という感じです。

apt-x LLの遅延で問題無いと感じた人であれば、apt-x adaptiveでも全然イケます。

そもそもAndroidの場合は『Android自体が音ゲーで若干遅延する』ので、厳密性にはそこまで期待していないと思いますし……。

ただ、音ゲーを含めた各種ゲームにおいて、24bitハイレゾまで意識した音でそもそも作っていないため、音質については恩恵への過剰な期待はしない方が良いです。同じワイヤレスイヤホンで『apt-xで接続をしたとき』と『apt-x adaptiveで接続したとき』については、音の聴き分けができませんでした。なので、状況によっては『apt-x LLと音質変わんない』があり得ます。

まぁ原音がハイレゾじゃないとそんなもんですよね。

そもそも『LL』と『adaptive』の公正な比較が無理

ぶっちゃけ、『apt-x LL』と『apt-x adaptive』って、実際の利用ベースでの公正な比較検証がほぼ無理ですよね……。

理由は「apt-x LLとapt-x adaptiveとの両方対応した無線デバイスがなかなか無いので、公正な比較ができない」という点です。

例えばそれぞれのコーデックに対応したレシーバーを用意して、同一の優先イヤホンに接続したとしても、結局はレシーバーのチップ性能に音質が引っ張られてしまいます。

ただ、あくまでコーデックのカタログスペック的には、

・apt-x LL:現状遅延が一番少ない。ただしハイレゾに準する情報無し
・apt-x adaptive:遅延はLLの次ぐらいに少ない。ただしハイレゾに準ずる音の扱いも多少はいける(特に24bit)

と分り易いです。

とはいえ前述したように、実際に各メーカーから発売されている無線イヤホンの性能(遅延や音質)については、わずかな差がどうしても発生します。

特に遅延性能については、なまじadaptiveがそこそこ優秀なおかげで「ちょっと遅延性能が残念なA社製apt-x LL無線イヤホンと、品質が優秀なB社製apt-x adaptiveの遅延がほぼ同一」という現象がありえてしまいます。

更に言えば、音質についてもコーデックの差分をメーカーの(ハードウェア的な意味での)ドライバ性能で埋めてくるような状況も考えられます。

「お気に入りの音質のapt-x LL対応のイヤホンの方が、別のapt-x adaptive対応イヤホンより体感上の音質が良く聴こえる」というのは全然あり得る話だと思います。『安いハイレゾ対応イヤホンより、ハイレゾ非対応の高級イヤホンの方が音が良い』なんてことは、よくある話ですよね。

余談ですが、私の場合は手持ちのapt-x adaptive対応のイヤホンがNobel audio社の『FALCON PRO Black』(音質極振り他微妙の機種)、対するapt-x LL対応が『GTW-270』(低遅延最優先他微妙の機種)という両極端なものを所持しているため、私の環境だと「音質面は圧倒的にadaptive!!」みたいな評価になってしまいます。

余談ですが『Noble audio FALCON PRO』はapt-x adaptive対応機としては良いですよ!

イコライザの設定(音質傾向)をイヤホン内に保持できるので、自分だけの音質のワイヤレスイヤホンが手軽に持てます。ただし操作性とか接続し始めの癖の強さはなかなかです……。もし「価格そこそこで音質だけ良い完全ワイヤレスイヤホン欲しい」場合にはお勧めです!


実際にはapt-x LL対応でも高音質で有名な機種が多数存在するため、モノによると思います。

そのため「あくまでコーデックのカタログスペック上では優劣が付けやすいが、実際に使ってみないと使用感は判断しづらい」という点も念頭に置いておきましょう。 

……とはいえ『adaptive』が優秀なのは確か

実際に存在するそれぞれの対応機種で製品による差はあるといえど、最初に触れたように『音質の潜在能力の高さはadaptive』であることは確かです。

『高性能で音質も良さそうなadaptive対応ワイヤレスイヤホン』を見つけた場合には、多目的用途として試してみる価値は高いと思います。

あとは接続安定性もadaptiveの方が優位なため、外出時などの普段使いにも良いです。

……なんだかイヤホンのレビューみたいになってきてますね……。

※注意:『BT-W4』以外のトランスミッターについて

今回『BT-W4』をレビュー・お薦めする理由の大きな一つに、他社の安価製品が危険すぎるという点があります。

通販サイトを探していると他にも『aptX adaptive対応のトランスミッター』は存在します。しかも結構安かったりします。

「この安いのでも良いのでは……?」

と最初は思ったのですが、よくよく製品スペックの詳細や、使用者のレビューなどを見ているとそう甘い考えは通用しないようでした。

安いaptXadaptiveのトランスミッターの中では、どうにも『明確に24bitに対応している』というものが1つも見つかりませんでした。通販の製品ページにて、aptX adaptiveの規格の情報として24bitの記載はあれど、ハードウェア的に対応しているという記載が無いのです。

更に、そういった製品のレビューを見ていくと「16bitでしかUSB-DACとしてデバイス認識しない」という、スクショ付きの投稿があったりします。

「24bit対応してないなら、aptX adaptiveの意味ないやん……」という状態になりかねません。

そういった意味でも、『BT-W4』は「最低限24bit,48KHz接続が利用可能とわかっている」無難な製品といえます。

実際『BT-W4』の効果ってどんなもん?

ということで、今回は同一の無線イヤホン『Noble Falcon Pro』を利用して、『BT-W4(apt-x adaptive接続)』と『BT-W3(apt-x接続)』で、音楽視聴時の実際に聴こえる音質を検証してみました。

ハイレゾじゃない音源で聴き比べる

まず最初に注意事項ですが、ハイレゾではない音源に対して今回の『BT-W4』を使用したapt-x adaptiveを活用する際には、過度な期待は程々にしておきましょう

現状私が音楽鑑賞(というかBGMレベル)で使用しているAmazonMusicでは、音源の多くが『HD音質(16bit,44.1KHz)』です。他のストリーミング系の音楽サービスについても、現状での主要な音源は同程度だと思います。

上記が今回のレビューにどう関係あるかというと、「多くの方が使用している音楽配信サービスについて、ハイレゾ再生環境はオーバースペックになりがち」ということです。

ハイレゾでなければ、従来のapt-xでも音質は十分だといえます。

ということで、単純に考えれば「同じ音質」なはずです。

実際に聴き比べても、「ん~? 『BT-W4(adaptive)』経由の方がちょっともしかしたらクリアかな?」という感じです。正直ほとんどわからん。音の違いだと思っているところも、レシーバー自体のハードウェア依存によるところがあるかもしれませんし……。

ハイレゾ音源での効果は実感可能

ただ、AmazonMusic上での『ULTRA HD』カテゴリには公式なハイレゾ相当(24bit,96KHz)の音源も少なからず存在します。

そういった場合には「あー、これはさすがに違いがわかる……。BT-W4の方が音が鮮明で輪郭くっきりめだ」といった具合に認識可能です。

やはり16bitと24bitでのダイナミックレンジによる音質の差は大きいです。元の音源が24bitのものは、極力ハイレゾに対応した機器をそろえて視聴したいところですね。

試しに見た目がほぼ同じ『BT-W3』と『BT-W4』をどちらかわからない状態にして機器に差し込み、聴き比べを行っても聞き分けることが明確に可能でした。

ただ、注意があるとすれば「ちょっと耳へのイヤホンの挿入感が甘い時のハイレゾ級音質」と「完璧な状態で耳にイヤホンが挿入できている場合の非ハイレゾ音質」は、体感音質で逆転する可能性があります(というか、逆転します)。

やはり自分の耳に合ったイヤホンピース選びや、イヤホンの適切な挿入方法』というのは音楽鑑賞において超重要であることを再認識しました。

蛇足ですが、音質に拘る方はイヤホンやヘッドホンのポジショニングもしっかり調整・拘っていきましょう。

余談ですが、AmazonMusicの音源の中には『ULTRA HD』のカテゴリにある音源によっては『24bit,48KHz(CD以上ハイレゾ未満)』というものも存在します。こういう音源の場合もaptX adaptiveであれば24bitでの恩恵が強いです。

結局『BT-W4』は買い?

今回レビューをした『BT-W4』は、こんな人にお勧めです。

・音ゲー(リズムゲーム)を無線環境でプレイしたい(スコアガチ勢以外、aptX adaptive必須)
・安定した無線環境で、高品質・低遅延な音でゲームがしたい(aptX adaptive対応必須)
・パソコンで無線環境を構築したい

基本はaptX adaptive対応のイヤホン・ヘッドホンとセット運用、という感じです。ただしパソコン利用であれば、使用する接続方式に関わらず有用なのは良い点ですね。

まとめ

今回は『BT-W4』についてレビューしました。

『他の安価な詳細不明な他社機種』を購入するぐらいであれば、aptX adaptive入門機として『BT-W4』はかなりアリだと思います。

個人的にはパソコンの無線環境でも活躍してくれそうです。