【2022年】液タブのおすすめ人気機種15選!液タブ選びのポイントも紹介!
こんちには、佐崎司です。
昨今は嬉しいことに、どんどんと新しい液タブ(液晶タブレット)が発売されています。一昔前は「もう大きな進化は当分無いのか?」と言いたいぐらいに目新しいものが出ない時期が続いたことからも、選択肢が増えることは非常に喜ばしいことです。
ただ製品が増えた分、これから液タブを購入する方にとっては「……どれが良いんだ?」と悩ましい状況であることも事実です。今回はそういった数ある液タブの中から自分に合ったものを選ぶ方法と、今おススメできる液タブをピックアップしていきます。
目次
改めて『液タブとは何か』を考えてみる
『液タブ』は購入してから「こんな製品だと思っていなかった」という話をよく耳にします。知っている人からすれば『当たり前』な事でも、初めて購入を検討している方には難しいことも多いです。そんな当たり前に関して記載していきます。
単体で使えない
液タブは単体では使えません。基本的にはパソコンに接続して使用することが大前提です。最近はAndroidスマホに接続して使用できる機種も増えてきていますが、その際にも『液タブに対応しているAndroidスマホ』が必要になります。
稀に質問で「この液タブにはクリスタ(お絵描きをするためのアプリ)を入れることはできますか?」を見ますが、液タブにはアプリを入れることはできません。あくまで液タブは『ペン付きの画面』です。画面に接続して使うための機械(対応パソコンor対応スマホ)が必要です。
厳密に言えば『パソコン内蔵の液タブ』というカテゴリの製品も僅かにありますが、一般向けとは言い難いレベルに高価&ほとんど普及していないイメージです。
画面を手で触って操作できないものが殆ど
液タブの多くは、指で画面を触っても操作ができません。極一部の高級製品では対応しているものもあります。
基本的には「タッチ操作は無理」と理解しましょう。
液タブ選びで最初に気を付けること
自分に合った製品を選ぶ際のポイント『カタログスペック表記に過剰に頼らない』ことです。
例えば、液タブを選ぶ過程で最終的に2択を迫られた場合「スペックを比較したらこっちの方が少しだけ良さそう」という感じの決定方法は極力避けましょう。
スペック上での僅かな差が利点として体感できるかは、実際に使ってみないとわかりません。特に別メーカー製品での比較ともなると、根本的に使い心地が異なってきます。例えば「こっちの製品の方がスペック上の色域が5%高いからこちらに決めよう」みたいな判断は避けましょう。体感できるかわからない5%よりも、もっと大事な判断基準が別にあるはずです。
私が液タブを選ぶポイント
私が液タブを選ぶ際の判断ポイントの優先順位は、大体は以下の流れです。
- ペン性能(描き味)
- 解像度
- 画面サイズ(配置スペース)
- 色域
- 価格
「まずは価格だろう」と思う方も多数いらっしゃると思います。
確かに、上記の優先順位で液タブを決定すると、最終的には「高いし購入はできないなぁ……」となるのですが、「この液タブ安いから買おうかな?」という判断基準は個人的にはおススメしません。
失敗しない液タブの選び方のコツとして「最初から価格を基準にして選ばない」ことを念頭に置いておきましょう。
まず、製品の詳細を知らない時点で『その価格が妥当であるのか?』を判断できません。
今まで知らなかった液タブ製品を見て『安い』と思ったとしても、性能を厳密に考慮してから改めて価格を見ると「あれ、実はこの製品、思ったよりお得感……無い……?」という事は良くあります。まずは製品を知りましょう。特に数千円レベルの価格差で「安いからこっち!」などと決めてしまうのは非常に危険です。
判断基準1:ペン性能(描き味)
ここで指す『ペン性能』というのは、製品のスペックに記載があるような『筆圧レベル』や『読取解像度』『ペン座標の精度』などの表記上の性能ではありません。
パソコンに接続して使用する液タブはほぼ筆圧レベルが8192です。なので「筆圧レベルは8192あって普通」という目線で考えましょう。稀に4048のものもありますが、そういった製品の場合でも実際に描いてみると余程のプロ志向の方であれば問題無いレベルです。
もっとも、4048などの8192未満の製品の場合は『そもそも筆圧レベル以外でも何かしら製品の欠点がある』と考えるべきでしょう。
今回ここで述べる『ペン性能』とは、実際に使用した際に「描いてみた場合の描き味が良いかどうか」を指します。
しかし、こう書いてしまうと「そもそも今回初めて液タブを買おうとして悩んでいるのに、製品を触れもしないし、触ってもすぐに決められない!」という方が殆どだと思います。
そういった場合には、手堅く『評判の良いペンを搭載している機種』にアタリを付けましょう。
液タブメーカーも数多くありますが、同じメーカーの製品であっても使用しているペンの種類(型番)が異なっている事があります。「○○のメーカーの液タブはおススメだよ!」という周囲の言葉だけを手探りに製品を購入してしまうと「いや、○○のメーカーの液タブでも、その型番のペンはちょっと微妙で……」という結果になってしまいます。
液タブ購入が2台目以降の方の場合は、現在使用中の製品を基準に、評判などで相対評価をして判断すると良いです。
判断基準2:解像度
最近の液タブ界隈では最もホットな項目です。
少し前まで、最高級機種以外は液タブの解像度はフルHD(1920*1080)のものが殆どでした。しかし最近になって2.5Kや4Kの解像度を備える製品が続々と増えてきています。
液タブの画面解像度が高くなるとお絵描きツールの表示が細かくなり、必然的に絵を描く作業領域も広くなります。またキャンバス内の表示も繊細になります。
もっとも、通常のお絵描き利用であればフルHDの解像度でも十分使えます。
フルHDを超える解像度の製品は一気に価格が跳ね上がる傾向にあるため、入門機としては選択しづらいです。また、2.5K以上になると『接続するパソコンが液タブの解像度に対応していなかった』ことがあるため、注意が必要です。
特に4Kについては意識的にパソコンのスペックとして4Kに対応している環境を整えていないと使用できないことが多いため、その点は特に注意しましょう。
個人的には2.5Kが『利用環境のハードルの低さ』『表示の繊細さ』『作業時の処理負荷の量』『価格』で総合判断をすると大変おススメです!
判断基準3:画面サイズ(配置スペース)
液タブの画面サイズは作業効率を上げるための重要な要素の1つです。半面、サイズが大きいと作業スペースが問題になってきます。
基本的に『絵を描く』という事だけを考えると画面サイズが大きいに越したことはないのですが、先に述べた『解像度』との兼ね合いを考えると、多少小さめのサイズの方が逆に作業がしやすくなる場合もあります。大画面は腕のストロークを多用するため、人によっては「大きすぎると疲れる」と感じます。
代表的な画面サイズは以下の通りです。
13inch | やや小さいものの、高品質な機種も多く、価格もリーズナブル。携帯性にも優れ、その気になれば本格的なCGや漫画原稿作成にも十分使える。お手軽液タブ入門にも最適。 |
16inch | 大きさもそこそこ、配置スペースも極端には使わない。ここ数年で製品が増えてきたサイズ。価格面でも手が出しやすくなってきた。 |
20inch以上 | 大画面でのびのび絵が描ける半面、物理的な配置スペースが致命的。価格は意外とピンキリ。「安いからこれにしよう!」で決めると一番失敗しやすいのがこのサイズ帯。 |
12inch以下 | 携帯性の重視。本当に『少しでもお金を節約しようとする』場合。省スペース重視。 |
ただ、サイズが大きい場合には自然と描画時の物理的なサイズが大きくなり、結果として液タブ使用時に発生するジッター(線を描いた時に多少波打つ減少)の影響を受けにくくなるメリットがあります。
12inch以下の製品も存在しますが、12inch以下のサイズの場合は、他の3タイプより明確な目的意識をもって選ぶと良いでしょう。
最初の方で「価格で製品を選ぶのは避ける!」と言っておいてなんですが、12inchの大きな魅力は『手を出しやすい価格』にあります。製品の性能と特徴をしっかりと把握した上での価格考慮ならアリだと思います。
12inchほどになると、鞄にも楽に入ります。Androidスマホに対応している液タブであれば『出先でスマホに繋いでお絵描き』や、『家の中で移動して布団やコタツに潜ってお絵描き』などが可能です。ただ、「絵を本格的に描き出したら、間違いなく大きなサイズが欲しくなる」という事だけは念頭に置いておきましょう。
特に『手ブレ補正は描画が遅延するのであんまり使いたくない』という方は可能な限り大画面にしましょう。逆に『手ブレ補正によって描画速度が遅延するのは特に気にならない』という方であれば、小型サイズを選んでも作業時のデメリットが少ないです。
判断基準4:色域
この色域が、液タブの判断において一番の『クセモノ』です。
まず、スペック上の評価観点となる規格が3種類(『sRGB』『Adobe RGB』『NTSC』)あります。
おおまかな目安として、『120%sRGB≒Adobe RGB92%』、『100%sRGB≒72%NTSC』という感じの認識で良いのですが、実際個々の規格は一概に相対評価ができないものです。
正直なところ、こだわり始めるとドツボにハマります。
また、**色域の%表示にしても『カバー率』と『比』**の2つの表記方法があり、しかも『この値が高いからといって、色表現が正確とは限らない』という点があります。基本的には「キャリブレーター使用前提で考えると、『カバー率』が高いものを色調整して使用するのが良い(はず)」ですが、カバー率表記がある製品は結構少ないです。大抵は数値上見栄えの良い『比』を使った表現になっています。
ただ、趣味で絵を描く方であれば、ぶっちゃけ『過剰に気にし過ぎるのもどうかな』というのが私個人の本音です。
気持ちとしてはsRGB表記で140%比程度欲しいところですが、よほど色表現に強いこだわりがある方でもなければ120%比でも問題無いでしょう。
ここの数値をこだわるだけでも価格がワンランク近く上がってくるので、その点にも注意が必要です。
また、メーカーや製品によって多少液晶の発色にクセがあります。設定などで調整することで改善できるケースが殆どですが、液タブについて詳しくなってから将来的に考慮するべき点として覚えておくと良いでしょう。
あと、色について特に注意すべき点があります。巷の感想で「今までよりも段違いに色表現が鮮やかで綺麗になった!」と簡潔に絶賛している製品は要注意です。
液タブにおいて「色表現がすごく鮮やかで綺麗!」というだけの誉め言葉は、つまり「その人が今まで使ってきたディスプレイに比べて全く別物の色表現になっている≒色がそれだけ異なる」という体験を語っている事に他なりません。むしろ製品の抱える『色表現の特殊性』を皮肉っているといえます。絵を描く側に必要な『万人に違和感無く見える色』を再現していない可能性が高いので、その点を考慮した対策や妥協点を見据えて運用・検討すると良いでしょう。
判断基準5:価格
買い物なので、やはりどうしても避けることのできない点が『価格』です。
1~4の判断基準を念頭に置いたうえで『自分にとって妥当な価格か?代替案に相当する製品は無いのか?』といった製品を見つめなおす大きな基準にもなります。
ただ、液タブを使っていると「多少高いとはいっても描き味と性能、サイズなど考えるとこの製品以外では見当たらない……」という結論に至ることは多いです。その為、場合によっては一定の許容が必要になってくると思います。
『迷う理由が値段なら買え。買う理由が値段ならやめとけ』という類の考え方は、頭ではわかっていてもなかなか難しいところです。ただ、変に「節約をしよう」という考えで低価格ありきの選択は避けた方が最終的に節約になるケースは多いと思います。
人によっては気になってくるポイント
ここから先は、『私個人的には優先度は低めな基準だけれども、人によっては最重要になり得る点』について触れていきます。
・Android対応の有無
・ペンの芯の種類
・ケーブルの取り回し
・サイドスイッチ・ホイールなどの操作機能
・視差・応答速度
Android対応の有無
Androidスマホに接続して使用したい方には必須の項目です。
Androidスマホに接続して液タブを使用する場合には注意点やコツがあるため、以前紹介していたAndroidスマホで液タブを使用する場合のおススメなどを確認していただければ幸いです。最近の機種はAndroidスマホ対応の製品がかなり多くなっていますが、対応しているかは事前に調べておいた方が良いです。
ペンの芯の種類
人によっては致命的な項目になります。
少し前までは、WACOM製品以外ではペンの芯の種類が選べるものがありませんでした。ただ、昨今ではHuion製品でもフェルト芯が利用可能になりました。フェルト芯は液タブ使用者でも人気なため、液タブ選びにおいても重要な要素になります。
ケーブルの取り回し
私個人としては全く気にしない項目なのですが、人によっては重視するようです。
特に「パソコンとケーブル一本で接続できる!」というタイプの製品を望む方も一定数居ます。注意点があるとすれば「メーカー側が『PCとケーブル一本で接続できる』と謳っていても、手持ちのパソコンの仕様によっては不可能な場合がある」点です。
USBからの電力供給の相性などからも『対応機種でも最悪ケーブル一本で動かない場合もある』という心構えを持って挑んだ方が精神衛生上無難だと思います。
サイドスイッチ・ホイールなどの操作機能
液タブによって左側や両側に機能を割り当て可能なキーやホイール、ダイヤルなどが搭載されています。
『片手デバイスがあれば不要』という方も多いですが、『無いと絶対ダメ!』という方もいます。こればかりは完全に好み・作業スタイルで評価が変わってくる問題のためになんとも言えない問題です。
視差・応答速度
『視差』『応答速度』についても好みが分かれます。
どちらも『良いに越したことは無い』のは確かです。ただ、上記のスペック差で製品を切り捨てたり、決定の大きな要因にするには私個人としては微妙なところです。
まず『視差』は『ペン先の描画ポイントを斜めから見た場合の描画位置とのズレ』です。視差がある液タブの場合、少し斜めから描画領域を見た場合でもペン先が描画領域とズレて見えてしまいます。
昔はこれが割と『当たり前』なイメージだったので、昔から液タブを使用していた方の場合は『最悪視差があっても描き味が良ければ良し!』という方が多い印象です。
ただし、これから液タブを初めて使うような方や、既にスマホやタブレットでペンを使っている方の場合、この視差に違和感を感じる可能性があります。
視差が少ない製品には『フルラミネート加工(ダイレクトポイント加工)』といった技術が使われています。人によっては選ぶ際の重要なポイントの一つになりえます。
続いて『応答速度』は『液タブで表示されている表示の速さ』を指します。ゲームをしているコアなユーザーであれば、一般的な液晶ディスプレイのスペックでも用いられている単位『ms』で表示される応答速度については馴染み深いと思います。内容はそれと同じです。
画面の応答速度が速ければ早いほど、液タブ上で描いた入力結果の表示が素早く行われ、『実際に描いている感覚』が増します。この応答速度の好みも人それぞれですが、人気の液タブでも『応答速度:25ms』といったものは多いです。
液晶ディスプレイの基準で考えると『応答速度:25ms』というのは結構酷い性能なのですが、液タブ(お絵描き用途)となると話が変わってきます。25msでも特にストレスを感じたことはありません。
ただ、応答速度についても視差と同様に、既にスマホやタブレットで応答速度の低い製品でのお絵描きに慣れてしまっている場合には注意が必要かもしれません。
※余談ですが「描き味が良い!」と良く言われるAppleのiPad Pro+Apple pencilの組み合わせで、描画時の応答速度は9msのようです。
これだけは絶対確認するべきポイント
色々吟味し「これが良いな」と思ったとき、念のため最後に調べるべきポイントがあります。
それは『選んだ製品のメーカーで、後継機が既に発売されていないかどうか』です。
「良い製品だと思って発売日を調べてみたら3年前の製品で、更に後継機もいっぱい発売されていた!」という状況に後になって気付き、「数千円足すだけで最新機種が購入できたのなら、その方が良かった……」と思っても後の祭りです。
2022年におススメできる液タブ
以降でおすすめできる液タブを挙げていきます。
Wacom Cintiq Pro 16 (2021) (DTH167K1D)
メーカー | Wacom |
価格 | 168,000円 Amazon 2022年1月25日時点 |
価格を気にしないのであれば最強液タブの一角の機種、待望の2021年版です。過去機種のマイナーチェンジ的な存在ともいえるのですが、描き味は誰もが認めるといって過言ではないペン『Pro Pen2』を使用しているため、ペンの強弱表現から傾き表現までなんでも完璧にこなします。
他社製品の性能が上がってきたとはいえ、Wacomのペン『Pro Pen2』の入り抜き表現・フェザータッチ感を超えたというものは正直「まだ存在しない」というのが個人的な感想です。また解像度も4Kと最大スペックです。
一見無いように見えるサイドキーも、本体の側面に搭載されています。また、液タブの中では数少ない『タッチ機能(手で触って操作できる)』付き!16inchながらもVESA規格(ディスプレイアームが使える)にも対応しています。Wacomの『Proシリーズ』なので色表現も問題無し!「16inchでとにかく無難で良い製品が欲しい!」という方であれば、価格さえ問題無ければこれで良いです!
問題は価格……、本当にそこだけ……。
Wacom Cintiq Pro 24 (TDTK-2420/K0)
メーカー | Wacom |
価格 | 227,227円 Amazon 2022年1月25日時点 |
こちらはWacomの『Proシリーズ』の大画面(タッチ操作未対応)版です。
発売から既に3年が経過しているのが気持ち的に少々悩ましい気もしますが、液タブ界隈における同サイズ機種のなかでは、現状でも最強の一角です。『Pro Pen2』対応、4K、色表現も問題無しという時点で、もう他に何も語る必要は無いと思います。
やはり問題は価格……、発売から3年以上経過した今においても王者の風格のある高価さです……。
ちなみに同製品にはタッチ対応版もありますが、タッチ対応版は更に恐ろしく高いです……。
……ここまでは、液タブをおススメする上で「まずはとりあえず価格を無視してでも進めるならコレ!」という定番の紹介でした。
次はWacomの廉価版系製品です。
Wacom Cintiq 16 FHD(DTK1660K1D)
メーカー | Wacom |
価格 | 67,122円 Amazon 2022年1月25日時点 |
当時ワコムが初めて出した廉価版的位置付けな液タブです。
こちらも3年経過した製品という点が気になりますが、「他は妥協できても、描き味だけは妥協したくない!」という方におすすめです。
上記で紹介したWacomの『Proシリーズ』と同様に『Pro Pen2』対応のため、線の描き味だけについてはプロの世界の感覚を堪能できます。ただ廉価版の性質として『色表現』『視差』『応答速度』などについては人によっては不満が出るかもしれません。
描き味だけは最高!そんな機種です。解像度はフルHDのため最近の液タブ事情でみると平均的といえます。
悩むべきはやはり価格……。発売当時では「性能を考えると驚異的に安い!」と言えるレベルだったのですが、昨今は他社メーカーの製品が価格据え置きでどんどん進化していったため、相対的にお得感が減ってきています。
といっても、『Pro Pen2』対応というこの一点だけにおいても、一部の層には今でも十分刺さる製品であることは間違いないです。
ただ、昨今ではこの製品はおすすめしづらくなってきました。理由は、後で紹介をするHuion製品『Kamvas pro 16(2.5K)』の存在にあります。なんだかおススメ出来ない機種の説明になっていますね……。ただ、情報としては知っておくべきだと思います。
Wacom Cintiq 22 FHD(DTK2260K1D)
メーカー | Wacom |
価格 | 108,900円 Amazon 2022年1月25日時点 |
上記廉価版の22インチ版です。『廉価版16inchの性能が22inchになった』という認識でおおむね問題ありません。
「大画面で安価に『Pro Pen2』対応の液タブを使いたい!」という方専用と言えるでしょう。こちらは2年半ほど前に発売している製品になります。
カタログスペックだけで比較してしまうと、同等(あるいはそれ以下)で他社製品の2倍ほどの価格である点が悩ましい点ですね。
また、昨今他社製品で優秀なものが発売されていることから、あまり積極的におススメするのは難しいというのが本音のところです。あくまで『Wacomの技術が安価に味わえる』という一点のみがおすすめ要素といえます。
以降からはWacom以外の他社製品中心となります。
Huion Kamvas Pro24 (4K)
メーカー | Huion |
価格 | 166,999円 Amazon 2022年1月25日時点 |
いまや超有名とも言えるメーカーHuionの大画面機種の最新『Proモデル』です。
圧倒的大画面(23.8inch)と解像度4K、ペンは同社で絶大な人気を誇る『PW517』を使用しています。液タブ自体にショートカットが設定できない代わりに片手デバイスも標準で付属しています。
この『PW517』ペンはWacomで『ProPen2』を長期間使用続けていたユーザーにまで「PW517なら全く問題ない」とまで言わせる実力のあるペンです。
HuionのProシリーズは若干「発色が鮮やか過ぎる」という声もありましたが、発色について気になった場合でも、非公式ではありますがネット上で調べると対策方法なども挙げられています。
Wacomの機種に比べるとかなり安めですが、さすがにハイスペックなだけあって価格は高くなっています。「ちょっとこれは高いな……」という場合には2.5K版の『Kamvas Pro 24』も存在しますが、通常の2.5K版は発売時期が1年以上以前である点にだけ注意してください。
Huion Kamvas 24 Plus
メーカー | Huion |
価格 | 109,999円 Amazon 2022年1月25日時点 |
『Kamvas Pro24(4K)』が高いと感じた方は、この製品か姉妹機種(Kamvas 24)が選択肢に上がると思います。
名前が似ていて若干ややこしいですが、発売時期だけを見ると『Kamvas Pro 24』よりもこちら(Kamvas 24 Plus)の方が新しいです。
また、Kamvas 24 PlusはPro系の機種に多い『アンチグレアガラス+フルラミネーション』仕様になっています。価格が少しだけ安いKamvas 24は『アンチグレアフィルム』になっている点は要注意です。
どちらもPW517ペンに対応しているため、2.5K機種としては描き味も安心しておススメできます。
XP-Pen Artist24 Pro
メーカー | XP-Pen |
価格 | 99,800円 Amazon 2022年1月25日時点 |
こちらも有名メーカーのXP-PENの発売している機種です。対応ペンが『PA2』というもので、同メーカーの最新世代のペンでは無い点には注意が必要ですが、こちらのペンについても「Wacomから乗り換えても違和感がなかった!」という方もいらっしゃるようです。ただ「やや描き味が固い」といった感想の方もいるようなので、好みのレベルの差だと思います。
23.8inchの大画面に2.5Kの解像度、発色も良好ということです。上記のKamvasの2.5K版と似たスペックのため、メーカーの好みによって選択が変わってくると思います。
XP-Pen Artist Pro 16
メーカー | XP-Pen |
価格 | 55,280円 Amazon 2022年1月25日時点 |
おそらく現状のXP-PENの主力機種と言って良い最新機種の1つです。
15.4inch、解像度がフルHDという点からも、定番でおススメできる機種の1つといえるでしょう。フルHDにしては若干高価ですが、そこは最新ペンと色域の高さ分の価格となります。
対応ペンは同メーカー最新技術を搭載した『X3 Elite Plusスタイラスペン』です。ON荷重(ペン先にどの程度の力が加わると反応するのか)が3gまで減少され、検知能力が10倍にアップ、ペン先の沈み込みが0.6mmに減少、と同社の過去ペンから格段に進化しています。完全にWacomに対抗できるレベルになったといえます。
ただ、過去のHuionのPro系機種同様、色表現には「赤が強い」「発色が鮮やかめ」といった若干の違和感もあるようです。現状、WacomのPro系機種以外の液タブについてはどのメーカーにおいても同様に「赤が強い」「鮮やか過ぎる」という話を聞くため、一定の妥協や設定などによる調整は必要になると考えた方が良いでしょう。
もっとも、印刷用途などでなければそれほど気にしない方が多いのかもしれません。
Huion Kamvas 13
メーカー | Huion |
価格 | 29,999円 Amazon 2022年1月25日時点 |
これまで何度も紹介してきたPW517ペン機種の先駆者的なHuionでの有名機種です。
ハイコストパフォーマンスな13inchフルHD機種の定番のと言える存在です。
『価格も手ごろ』『サイズもそこそこ』『発色もそこそこ』『描き味は信頼と安心のPW517』といった風に、「最低限のコストで液タブにおける重要な要素はちゃんと備えている」という機種といえます。
「もう何買えば良いかわかんない。でもWacom買うのは高い」ときの『定番でおすすめな機種その1』です。
Huion Kamvas 16(2021)
メーカー | Huion |
価格 | 44,999円 Amazon 2022年1月25日時点 |
Kamvas13の利点をそのままに、純粋にサイズだけを大きくした機種です。
もはや多くを語るまでも無くおススメ。16inchのハイコストパフォーマンス機種といえます。
「もう何買えば良いかわかんない。でもWacom買うのは高い」ときの『定番でおすすめな機種その2』です。
XP-Pen Artist 22セカンド
メーカー | XP-Pen |
価格 | 52,980円 Amazon 2022年1月25日時点 |
XP-PENの廉価版21.5inchフルHDの液タブです。
発売時期が一年ほど前なのでペンはPA6となっており最新のものではないですが「手頃な価格でとりあえず大画面」という場合には良い選択肢といえます。
特筆すべき点は無いかもしれませんが、堅実に安価で大画面を使いたい方にはおススメできるでしょう。
XP-Pen Artist 12セカンド
メーカー | XP-Pen |
価格 | 31,980円 Amazon 2022年1月25日時点 |
こちらはXP-PENの現時点最新機種の1つです。
同社の最新ペン『X3 Elite Plusスタイラスペン』をコンパクトな12inch、フルHD環境で使用できます。
「XP-PENの最新技術を手軽に味わいたい、ついでに省スペースな液タブが欲しい」という方には最適です。純粋な入門機としても良いと思います。
Huion Kamvas12(日本限定豪華版)
メーカー | Huion |
価格 | 27,999円 Amazon 2022年1月25日時点 |
こちらもHuionの定番機種です。通常のKamvas12モデルをより豪華にした付属品強化版モデルです。Kamvas13やKamvas16と同性能の『PW517ペン、フルHD』の11.6inch版です。
この機種の最大の魅力の一つは「膨大な付属品により、ほとんどの環境で買い足しなく使用できる」点にあります。初めて液タブを購入して「自分の場合は付属品の内容だけで足りるのかな?」といった不安を解消できます。
価格も性能も申し分が無いので、初めての液タブや、コンパクトな液タブを検討している方におススメしやすいです。
コスパ最強の最新機種!
2022年1月にはHuionから最新機種が2種類発売しています。これまでの液タブ史上を見ても『ハイコストパフォーマンスの次世代機種』といえます。
もう価格で問題無かったら下記2機種の内のどちらかでも良いと思います。
Huion Kamvas Pro 13 (2.5K)
メーカー | Huion |
価格 | 45,999円 Amazon 2022年1月25日時点 |
『Huionの新製品その①』です。ペンはPW517、解像度2.5K(2560 x 1600 226PPI)に高級機種に多いアンディグレアガラス、色域はsRGB比145%、通常の設定以外にも『Adobe RGB』『sRGB』の色空間モード搭載という、液タブ界における『完全な次世代機種』となっています。
実はこの『13inchで2.5K』というものは液タブ史上でもほぼ初です。同サイズ帯のWacom oneにプラス1万円程度で、あらゆる面で上位となる性能になっています。
また、13inchという比較的小さめなサイズながらも画面比率が16:10というやや珍しい形の為、縦方向にも作業領域に余裕が生まれ、絵が描きやすいです。
『sRGB』や『adobe RGB』の色空間設定が使用可能なため、これまでの『やや赤色が強い』という問題を容易に解決可能になっています。デジタルコンテンツや印刷物作成を視野に入れた作業にも実用可能です。
比喩では無く『現時点(2022年1月時点)で全世界最強の13inch液タブ』と言っても問題が無い製品です。コンパクトな最強液タブが欲しい方、コレを買いましょう。これを買って満足できないのなら、きっと13inchのどの製品を買っても満足できません。それぐらい現状の13inch系での最強スペック製品です。
余談ですが、Wacomのpro系機種でも13inchの解像度はフルHDです。厳密に言うと『Wacom MobileStudio Pro13』という製品が過去では唯一の2.5Kです。ただこの製品、パソコンと一体型の機種でとても高価です。タッチ操作が使える利点もありますが、現時点であえて選択する製品ではないと思います。
Huion Kamvas Pro 16 (2.5K)
メーカー | Huion |
価格 | 67,999円 Amazon 2022年1月25日時点 |
『Huion製の新製品その②』ですKamvas Pro 13 (2.5K)とは完全な姉妹機といえます。
ペンはPW517、アンディグレアガラス、色域はsRGB比145%、『Adobe RGB』『sRGB』の色空間モード搭載、とここまでは全く同じで、解像度は2.5K(2560 x 1440(16:9)186PPI)と13inchとは画面比率が異なります。
この機種の最も注目すべき点は、ほぼ同価格の他社製品である『Wacom Cintiq 16 FHD』の完全上位互換になっている点です。
「4k製品は高いからとても手は出せない。でもフルHDは嫌だ。色表現もしっかりして欲しい」という、多くの液タブ使用者が願った「これぐらいの値段でこんな製品が出たら良いな」がほぼそのまま形になった『現時点の液タブ界のスタンダード』になるであろう製品です。16inch系は昨今4K製品もチラホラ出てきていますが、総合的な性能でみるとこのKamvas pro 16 (2.5K)が『現時点での液タブ16inchの決定版』と言っても良いでしょう。
最後に
今後も続々と新製品が発売されるため、嬉しい反面予算との兼ね合いで悩ましい時期が続いています。
ただ、今後はハイスペック系の機種が出続けそうな状況なため、新製品は現状のミドルクラスの機種に比べ価格が高い製品が多いという状況が続いています。
こういった状況であると更に『買い時』を悩んでしまいそうですが、「悩んで購入を遅らせる程、新しい液タブを使って絵を描く時間が消えていく」と考えると、現状でのベストな製品を探して購入してしまうのがおススメというのが本音です。
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