【EPOS H3 レビュー】PS5やニンテンドースイッチでおすすめの高音質ヘッドセットです!
こんにちは、ハッサンです。
今回はEPOSさんの新作ゲーミングヘッドセット「H3」が発売されたのでレビューしていきます。外観が高級ゲーミングヘッドセット「GSP600」によく似ており、期待値がめちゃくちゃ高い製品です。
GSP600はFPSで足音を聞くには最強のヘッドセットだと個人的には思っていますが、GSP600と比較してH3がどれほどの性能か詳細に検証していきます。
EPOS/ゼンハイザー GSP500のレビュー記事はこちら▼
EPOS H6PRO Closedのレビュー記事はこちら▼
目次
EPOS H3について
EPOSは老舗音響機器メーカー「ゼンハイザー」のゲーミング製品を扱うブランドになります。これまでにもGSP300/500/600とゲーミングに特化したヘッドセットや、音響アンプであるGSXシリーズなど販売しています。
「H3」は2021年4月27日に発売されたゲーム向けのヘッドセットです。カラーバリエーションはブラックとホワイトの2色になります。既存のGSPシリーズとは異なりシンプルなデザインになっています。
約270gと軽量であることが特徴で、ゲームなどの長時間プレイに適しています。
• EPOSブランドの高品質オーディオ
• スタジオ品質のマイク性能
• 約270gと軽量
• クイックアップミュート機能
• ブラックとホワイトの2色
スペック
メーカー | EPOS |
価格 | 15,800円 (Amazon 2021年4月29日時点) |
ドライバー | 非公開 |
タイプ | 密閉型 |
周波数特性 | 10 – 30000 Hz |
インピーダンス | 20Ω |
音圧レベル | 124 dB SPL @ 1 kHz, 1V RMS |
マイク | 周波数特性:10 – 18.000 Hz 感度:-47 dBV/PA 極性パターン:双指向性、ノイズキャンセリング |
ケーブル長 | 3.5mmプラグのケーブル:約1.5m PC用ケーブル:約2.0m |
接続 | 3.5mm 端子、PC用ヘッドホン/マイク端子 |
重量 | 約270g(ケーブル含まない) 約322g(ケーブル含む) |
開封
▼今回購入したのは、ホワイトになります。
- H3 ヘッドセット
- 3.5mmプラグのケーブル
- PCケーブル
- 説明書など
▼イヤーパッドの肌に触れる部分はベロアのような素材になっています。柔らかく優しい感じがするため、着け心地良いです。
▼左イヤーカップにはマイクが付いています。跳ね上げるとミュートになる仕組みです。
▼マイクは双指向性でノイズキャンセリング機能があります。
▼左イヤーカップ下にはケーブルの差込口があります。
▼ケーブルを差し込むとこんな感じです。しっかり最後まで差し込まないと、正常に音が鳴らない場合があるので注意しましょう。
▼右イヤーカップには音量調整ダイヤルがあります。
▼ヘッドバンドの高さ調整は一メモリずつ調整するタイプになります。一メモリ毎の調整もしやすく、しっかりと変更できます。
▼ヘッドバンド内側は真ん中が少し凹んでおり、頭頂部への負担が左右に分散するようになっています。
▼ヘッドバンド上側になります。
▼ケーブルは3.5mmプラグなので、PS4/PS5、ニンテンドースイッチなどで使用できます。
▼PC用のケーブルも付属しています。
使用した感想
軽量なので長時間装着しても疲れにくく、着け心地はとても良いです。
イヤーカップを上下左右に少しだけ動かせるので、自分の顔にフィットさせることができます。
ヘッドバンド下側の真ん中付近が凹んでいるので、頭頂部への圧迫感が左右に分散されます。もともと軽量なので圧迫感は少なめですが、この仕様は個人的にかなり好印象です。
遮音性も高いため、かなり環境音を遮断してくれます。音漏れも少なく、周りに迷惑になるほどのことはありません。全く漏れないことはありませんが、気になるほどではありませんでした。
側圧も強すぎない程度に収まっており、GSPシリーズのような圧迫感はありません。メガネを装着して長時間プレイしても痛くなりませんでした。
マイク音質も良好です。高級ゲーミングヘッドセットであるGSP500やGSP600のマイクと比較しても、同程度か少し劣る程度の差しかありません。
私は大丈夫でしたが、イヤーパッドがやや小さいため、耳の大きい人は注意が必要です。またやや小さいことが影響して、多少蒸れやすいかもしれません。
GSPシリーズでも感じていましたが、ケーブルのタッチノイズが少しだけ気になります。
音質について
音質については、基本はフラットなんだけど『少しだけドンシャリ』といった感じです。やや低域と高域を上げて、音質の全体的な印象を良くしています。
フラット系特有の音質(全体的に音が出ている事による、音の輪郭が弱い感じ)はあります。しかし、それでいて重低域~低域の音は一定以上の存在感と響きがあります。そして、高域も純粋なフラット型に比べしっかりと音が出ており、音質の全体的な華やかさの演出に貢献しています。
H3は「一般的なゲーミングヘッドセットよりも音の鳴らし方が丁寧で、それでいてしっかりとゲームを楽しませようとしている」という印象を受けました。
非常に程よく、慎重なチューニングで低域と高域を調整して上げている事がわかります。FPS向けというより、良い意味で広く「ゲーム向け」という言葉がしっくりときます。『ゲーミング』という呼び名は、本来こういう音質のヘッドセットにこそあるべきだと思います。一聴した時に感じるクリアさや解像度については、「お値段相応か、それより少し良いぐらいかな?」という感想です。ただ、フラット系によくある、こもった音でも無く、かといってドンシャリ程の極端なチューニングをされているわけでもありません。
H3は『フラット寄り』という評判や、GSP600との比較をされます(後にGSP600とH3の比較も記述しています)が、GSP600とは方向性の異なる音の鳴り方という印象をもちました。
音楽鑑賞について
検証環境
・PC + GameDacを用いたハイレゾ音源試聴
・AP80pro +ハイレゾ音源試聴
音楽鑑賞用途にもかなりオススメできます。特に『ゲーミングヘッドセットで音楽も結構聴くけど、イコライザとか音質の調整はよくわからない』という方には最適です。
音質を未調整な場合でも、音楽の雰囲気を損ねない程度の重低音の厚みが出ています。全体的に解像度が高いとは言えませんが、この音質傾向での価格を考えると値段相応というイメージです。解像度が控え目な分、音が全体的に柔らかめになっている印象も受けます。
高域に関しては最も高い部分が抑えられています。この辺りのチューニングはゲーミングヘッドセット特有といえますね。その為、音楽用途専門の高級ヘッドセットなどには高域の音の透明感や伸びが劣りますが、中級品質の音楽用ヘッドセットと比較すると十分に音楽用途でも利用できる音質です。
もちろん、イコライザなどで音質を調整できると、より好みの音質にチューニングできます。基礎となっている音質のクセが余り無い分、音質調整も比較的しやすい印象です。
イコライザなどでの音質調整で多少の調整をするだけでも、音質のクリアさをもう一段アップさせることができます。
リズムゲーム(音楽ゲーム)との相性
リズムゲームとの相性も良いです。イコライザなどが使えない環境であっても、音楽ゲームとしても聴き心地の良い音質になっています。
耳に刺さるような音も非常に少なく、リズムゲーム系の音楽の傾向とも音質がマッチしているのか、ヘッドセットのスペック以上にゲームプレイ時に音のクリアさを感じました。
上記の音質から、リズムゲーム特有の感覚を損ねずに快適にプレイすることができます。イコライザが使用可能なDACがあれば、さらに自分の好みの音質に調整したプレイも可能です。
リズムゲームは基本的に問題無かったのですが、あえて少し気になったことを書いておきます。最近のリズムゲームでよくある『ゲームプレイ中の掛け合い』時にある女性のボイスについては、思っていたよりも音が少々スッキリして小さめに感じました。リズムゲームではドンシャリ系に合った楽曲(低域と高域が強めに出る曲)が多いです。そういった楽曲の中で、高域の演奏音が中~高域の女性ボイスをかき消すような場合がありました。男性ボイスはそこまでかき消されている感覚は無かったです。
ボイスが不自然に前に突出するよりはむしろ良いと個人的には感じたので、マイナス評価には加えていません。また、しばらく使っているとそういった音には慣れてきました。さらに、前述したイコライザが使用できる環境であれば、音質の全体的な調整で改善が可能です
PS5のApexLegendsについて
コントローラー直差し (3Dオーディオ無効)
「定位を自然な感覚で把握できる」タイプの音質です。現実的な定位の聴こえ方とも言えます。また、ゲーム中の効果音や発砲音なども自然に聞こえます。音割れも無いため聴き疲れもしないのも利点です
H3は極端なチューニングがされているタイプのヘッドセットではありません。その為「凄く明確なピンポイントの定位を知りたい」という感じの音質ではありません。
足音自体ははっきりと聞き取ることが可能ですが、定位についてはピンポイントというよりは範囲的に表現しているように聴こえます。また、全体的な音質が万遍なく一定以上のクオリティを保っている点と、低域の一部は十分に上げられているため、極端な強調ではなく自然な表現で足音を聞き取りやすくなっています。
コントローラー直差し (3Dオーディオ有効)
一聴すると「定位がぼやけている」と思ってしまいました。H3自体の音の解像度が高くないという点に、3Dオーディオの効果が加わり余計に音がぼやけてしまった印象があります。
足音自体の聴こえ方は良いので、足音を一歩ずつの音で捉えるのではなく『足音の集合体』という音の塊として、足音が鳴っている方向を判断する使い方はありだと思います。ただ、欲を言えば3Dオーディオを利用する場合には別途DACを活用して音質を向上させることをおススメします。
MixAmp Pro TR (Dolby無効)
純粋に音質が向上した分、音のクリアさや足音の鮮明さも向上しました。とはいえ極端に音を強調して定位がはっきりとした音を出すタイプではなく、自然な音表現で足音を聞かせてくれる点は変わりません。ゲーム全体の音のバランスも良いと感じました。
MixAmp Pro TR (Dolby有効)
H3はややドンシャリ系の特性を持っているとはいえ、基本の性質はフラット系です。そのため、Dolbyを使用すると足音の定位については控え目になります。ただ、空間的な音表現は優秀です。「どの方向から足音が近づいてきているか」を足音の塊として判断はしやすいと思います。前後の定位感を良くする意味でもDolbyは優秀です。
Dolby特有のお風呂場感も比較的少なめの印象です。
Nintendo SwitchでのApexLegendsについて
ニンテンドースイッチに直接差し込んだ場合は、PS5コントローラーに接続した時と同じような音質になります。ただ、わずかにPS5でのプレイ時よりも音質が異なるような印象もありますが、大きな差は無いと考えてよいでしょう。
Sound Blaster G3使用時
ニンテンドースイッチにSound Blaster G3を差し込むだけでアンプとして使用できます。Switchでのプレイには非常におすすめです。手軽にイコライザを利用でき、いつでもイコライザ設定を手元のスマホで調整可能な為、少しでも手軽に足音を聴こえやすくしたい方には最適です。Switch直挿しでのプレイに比べると明らかに聴こえ方の改善が望めます。
ApexLegendsでの足音まとめ
APEXのプレイ全般で感じたことは、「空間的に広がって聞こえてくるような足音」という印象です。つまり聞き逃しにくく、定位の大まかな把握が容易なので、より現実に近い自然な感覚で使用できます。
また「極端に足音の定位を強調するようなタイプではない」です。そういった意味では、GSP600と足音の聴こえ方は似ているともいえます。
EPOS/ゼンハイザー GSP600との比較
同じEPOS/ゼンハイザー製品である密閉型ゲーミングヘッドセット「GSP600」と比較してみると、音の傾向が大きく異なっていました。
GSP600は『スッキリとした高解像度の音』を出すことを目的としている印象です。良い表現をすると『高解像度かつ自然で、しかも繊細で丁寧な音』といえます。そのままの音質でも高品質なのですが、別途DACやイコライザなどを使用して音質を調整することを推奨しているような、特徴の少ない音作りをしていると感じていました。人によっては「未調整では音がスッキリし過ぎて物足りない」と感じると思います。そういった意味では「イコライザありき」と感じる方もいると思います。
対するH3ですが、ゲーミングヘッドセットというよりは『エンターテイメントを手軽に楽しむためのヘッドセット』という印象をもちました。音が関わる一通りの娯楽に対して、このヘッドセット単体で全て高水準でこなせるのではないかと思います。
イコライザ無しの状態でも、万人受けしやすいチューニングがされています。DACを使ったイコライザなどを使えば、さらに音のクリアさを追求することも可能です。音質を突き詰めるとGSP600に軍配が上がるのは確かです。
ただ「DACを買って音質調整までするのはちょっと 」というライトユーザーが、一つのヘッドセットで全て済ませたいという場合にはH3がおすすめです。また、将来的に高品質なDACを購入した場合にも、H3の性能であれば恩恵をしっかりと受けることができます。
低域の出方については、全体的に評価するとややH3が強めという印象です。ドライバのサイズ差を考えるとGSP600の方が強いのかと予想していたのですが、実際に聞き比べをした限りでは、基本的にはH3の方がやや低域の出ている幅が広かったり、一部の楽曲では同程度だったりしました。あくまで私の体感ですが、低域の音情報がある音の幅(Hz帯)が広範囲にわたるほど、H3の方が低域の音が出ているように感じました。あと、もしかするとイヤーパッド内の空間の広さの差も、低域の感じ方に影響しているのかもしれません。
ヘッドセット | おすすめポイント |
---|---|
H3 | FPSで足音を聞きたい ゲーム全般、音楽鑑賞と「オールラウンダー」に使用したい 安い方が良い 軽い方が良い 側圧がちょうどいい感じ 音楽鑑賞ではイコライジングしなくても良さげ 低域は多少でも強めが良い |
GSP600 | FPSで足音を徹底的に聞きたい ゲーム全般、音楽鑑賞と「オールラウンダー」に使用したい 音楽鑑賞でイコライザを使って音質を突き詰めたい 高解像度が良い |
最後に
FPS、音ゲー、アクション、RPGなどゲーム全般に使える「オールラウンダー」なゲーミングヘッドセットです。音楽鑑賞にも十分以上に使える音質なので、様々な用途で使用できます。
FPS寄りと思われがちな『ゲーミングヘッドセット』というカテゴリに収めてしまうにはもったいない製品です。
全般的に高品質のサウンドを鳴らす「EPOS H3」は非常におすすめできます。
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