【2021年】初心者におすすめの液タブ3選!パソコン不要な選び方と使い方【デジタルお絵描き】
こんにちは、佐崎司です。
今回は「パソコンは持っていないけど手軽に、できるだけお金を掛けずに液タブでデジタルお絵描きがしたい!」という方を主なターゲットとした説明をしていきます。
パソコンを使わずにデジタルのお絵描きをする方法はいくつかあります。
ただ、今回は絵を描いている多くの人が憧れている(憧れていた頃がある)であろう『液タブを使ってお絵描きをする』ということを目的として紹介していきます。
後半ではHUION製液タブでのみ使える、HUION公式お絵描きアプリの機能などについても紹介してきます。
今回は『現状パソコンを持っていない方が液タブを使う上で、どれを選んでどう使えば良いか』について、基本的な内容を網羅しているので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
2022年版のおすすめ製品として、改めて書いた記事はこちら▼
目次
おすすめする『液晶タブレット』について
『液タブ』は、『液晶タブレット』の略語です。液晶タブレットを使うと、専用のペンで画面上をタッチすることで筆圧を自由に調整して絵を描く事が可能になります。
ただ、市場に溢れる液タブの中から何の方向性も無しに理想の1台を選ぶことは非常に困難です。
その為、まずは今回おすすめする液タブの方向性を、液タブに本来ある欠点を考えながら決めていきます。
基本的には液晶タブレットだけでは絵が描けない、が……
液晶タブレットを使うためには、基本的にパソコンが必要です。
ですので、一番堅実な方法としては『液タブを接続するためのパソコンを購入する』ことです。
ただ、それでは身も蓋も無いですし、そもそも今回の内容の趣旨から外れます。
なので、今回はAndroidスマートフォンに接続して利用できる液タブに特化して説明をします。
そもそも液タブは高い?
ふた昔前のイメージですと「液タブは10万円でも当たり前」ぐらいの感覚でした。それから時代が進み、安価な製品が一気に市場に溢れ始めました。しかし今度は「昔より安いけれども性能は悪いし、パソコンはやっぱり必要」という状態でした。
結局大手メーカーの高い液タブ+パソコンを買うしかないという時代が続きました。
しかし今では『低価格かつ高性能』な液タブが一気に増え始めました。
今回はその中でも製品のバリエーションと性能の評判が良いHUION製の液タブに特化して説明をします。
ということで、今回はHUION製の数ある液タブの中から、使い方を考えつつおすすめな製品を紹介していきます。
本当はXP-PENという選択肢もあるのですが、「私自身がHUION製品が十分に高性能だと身をもって知っている」という点と「事前知識が無い状態で他社比較までしだすとキリがない&液タブはそもそも使ってみないと最終的な好みが判断できない」という観点から、今回はHUIONに特化した説明になります。
どうしてAndroidで使う液タブにHuion製?
今回HUION製を選ぶ理由として『最近になってHUION公式のAndroidお絵描きアプリが進化したため、HUION液タブのAndroidでの使い勝手が一気に向上した』ことも挙げられます。
以前から『Google Play ストア』には『Huion Sketch』という公式の無料お絵描きアプリが存在しました。
このアプリには「AndroidスマホにHuion液タブを接続しても、(パソコン接続時と同じように)サイドキーを設定して使える」という夢のような機能が備わっているのですが、一昔前はペンの描き味が壊滅的にダメでした。
「全然改善される兆しが無いなぁ……」とずっと諦めていたのですが、最近ふと何気なく使ってみるとペンの描き味が改善されていました!
この公式アプリである『Huion Sketch』が存在することで、「スマホで直接描くよりも、スマホに液タブを繋いでお絵描きしたいなぁ」というライトユーザーの需要を以前より手軽に満たせるようになったと思います。
その他にも筆圧に対応した使い勝手の良いAndroidのお絵描きアプリは存在しますが、詳細については以前の記事を見て頂ければ幸いです。
▼Kamvas 13にAndroidスマホを繋ぎ、Androidアプリ『Layer Paint HD』を使ったもの
パソコンは不要だが、その代わりになるものは必要
ここから「パソコンを使わずに絵が描ける液タブ」のおすすめを紹介していきます。
パソコンでは無くスマートフォンに液タブを接続することで絵を描くことが可能なのですが、パソコンの代わりとなるスマートフォン側が液タブに対応している必要があります。
液タブに対応しているAndroid端末は以下のような機種です
Huawei製品のうちのTE Desktop機能に対応しているもの |
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P20 / P20 Pro / P20 RS |
P30 / P30 Pro |
P40 / P40 Pro / P40 Pro Plus |
Mate 10 / Mate 10 Pro |
Mate 20 / Mate 20 Pro / Mate 20 X |
Mate 30 / Mate 30 Pro |
など・・・ |
Samsung製品のうち DEX機能に対応しているもの |
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Galaxy Note 8 / 9 / 10 / 10+ / 10+5G |
Galaxy S8 / S8+ / S9 / S9+ |
Galaxy S10 / S10+ / S10e |
Galaxy S20 / S20+ /S20 Ultra |
Galaxy Fold / A90 5G |
など・・・ |
またはそれに類する機能を持つもの |
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具体的な機種名は不明 |
液タブを使う上で一番無難なのはGalaxy系です。
現状ですとGalaxy系の機種をお持ちの人はそれなりに居るのではないでしょうか?
また、もし所持していない場合で「そろそろスマホを買い替えようかな?」という方であれば、これを機会に対応機種に買い替えるのもアリだと思います。
Androidスマホ自体も高級ですが、少し奮発してお絵描き用途にも利用可能なスマホを買う方が、かえって安くすむかもしれません。
幸いgalaxy系の対応機種は、殆どがなんでもこなせるハイスペック仕様です。
絵を描く以外の普段使いや、3Dゲーム・リズムゲームなどをする方にとっても十分に満足出来る性能です。
特に筆圧ペン対応のGalaxy note系のスマホは、小さなスマホの画面でもラフ描きに手軽に使えたり、小さいスマホ画面だけでも性能上はCGが描けます。
なお、今回の『対応Android機種』条件は液タブに依存しているというよりは、Androidスマホ側での搭載機能の問題です。
『Android端末で使用できる液タブ』を使うためには、上記で紹介したような『液タブを利用できるAndroid端末』である必要があります。
この機種の条件は、液タブメーカー側が努力をしてどうにかなるものでありません。これは、HUION以外のAndroid対応液タブにもいえることです。
パソコンを使わない場合には上記の『対応Android機種』以外の選択肢は現状ほぼ無いといえます。
念の為に補足ですが、『液タブはiPhone・iPadに接続しても絵を描くことは出来ない』ことは認識しておきましょう。
Android端末に対応している液タブはどれ?
手持ちのスマートフォンが液タブに対応していたとして、次に悩むのが『どの液タブを買えばよいのか?』ということです。
最初に声を大にして注意しておきたいのは
「スマホでの利用を大前提にする場合は、パソコンで使用する場合の液タブ選びとは若干基準が異なる」ということです。
パソコンで液タブを使用する場合は「基本的には高性能かつ大画面であればある程良い」ですが、Androidの場合は一概にそうとはいえません。
奮発して高価な液タブを買っても、Android側のスペックの都合で活かしきれなかったりする恐れがあります。
まず最初に、HUION製の液タブのうちで現在販売されている主な製品の一覧を見てみましょう。
HUIONの主要液タブ一覧 |
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Kamvas 12 |
Kamvas 13 |
Kamvas 16 |
Kamvas 16 (2021) |
Kamvas 20 (2019) |
Kamvas 22 (2020) |
Kamvas 22 Plus |
Kamvas Pro 12 |
Kamvas Pro 13 |
Kamvas Pro 16 |
Kamvas Pro 16 Premium |
Kamvas Pro 16 (4K) |
Kamvas Pro 16 Plus (4K) |
Kamvas Pro 20 (2019) |
Kamvas Pro 22 (2019) |
Kamvas Pro 24 |
はい、上記の中から自分に合った適切な1つを選択する必要があります。
名前は似ているのに「実は無印よりProの方が過去機種でペン性能は悪い」だったり「一見同じ名前でも年代のナンバリングがある」など、罠要素が満載だったりします。
正直「これからスマホに繋いで液タブを初めて使うぞ~っ!」という方にとって「これだけ機種あるから、さぁ選べ」は無茶過ぎると思います。
偶に、液タブや板タブ選びの基準で筆圧レベルや、レポートレート、傾き検知といった個所で判断するようにとアドバイスする人がいます。
ただ、そういう時代はもう終わっています『上記機種は全て、IPS液晶、、レポートレート266、筆圧レベル8192、傾き検知±60°で共通』です。
『カタログスペックが高いのは当たり前』というのが昨今の液タブ事情です。
なお、同じ製品でも公式HPや通販サイト、マニュアル等でレポートレートの表記が『266』だったり『>220』だったりしますが、製品比較の際は「差は無し」と判断して良いです。
しかし、全ての液タブがAndroidに対応しているわけではありません。
なので、まずは『Androidに対応しているかどうか』でふるいを掛ける必要があります。
Android対応のHUION液タブ(2021/7/30時点) |
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Kamvas 12 |
Kamvas 13 |
Kamvas 16 (2021) |
Kamvas 22 (2020) |
Kamvas 22 Plus |
Kamvas Pro 16 (4K) |
Kamvas Pro 16 Plus (4K) |
Android対応という点だけでも、機種が絞られているのが判ります。
この時点でPro系が殆どごっそりと無くなっています。
『Android対応』という基準で選ぶことは、『自然と新しい機種を選定できる』という点ではメリットにもなっています。
Huionの液タブは、旧式を選択するとペンも旧式の507以前になってしまう可能性があります。
旧式の507ペンと最新式の517ペンには使い心地に雲泥の差がありますので、もしパソコンで使用する液タブを探している方は注意しましょう。
では、【ここからが液タブ選びの本番】です。
Androidに対応しているからといって、全ての液タブが操作性も同一というわけではありません。
注意すべきは『価格』『プレスキーの有無』『過剰スペック』
- Kamvas Pro 16 (4K)
- Kamvas Pro 16 Plus (4K)
スマホでの使用が主の場合には、この2機種は除外しましょう。
まず、4K系の機種は値段が他に比べて高いです。この機種1台で、他の機種が4~5台購入出来てしまう価格になっています。
また、解像度も3840 x 2160と非常に高性能なのですが、スマホからの画像出力で活かせそうにありません。
実はこの機種は、パソコン用途としては性能面で個人的に一番おすすめなのですが、今回の条件を考えると真っ先に除外して良いです。
もし、スマホしか持っていない方で上記2機種を検討しているのであれば、そのお金でお絵描き用のパソコンを買って下さい。その方が絶対良いです。
ということで、残るはこの5機種です。
- Kamvas 12
- Kamvas 13
- Kamvas 16 (2021)
- Kamvas 22 (2020)
- Kamvas 22 Plus
この5機種の内【Kamvas 22 Plus】だけ、特徴的な性能をもっています。
液タブの表面がフィルムでは無く『アンチグレアガラス』であることと、また『応答速度が14ms』『色域が140%』である点です。
簡潔に言ってしまうと、
「画像の色味が綺麗でペンを動かしたときの表示が早いのはKamvas 22 Plus」という事になります。
大画面で携帯性……というよりは室内での移動すら難しいレベルなので、どちらかと言えばパソコンで使う事が主な製品です。
また、後々使い方を紹介する『プレスキーが付いていない』事もやや問題になる場合があったり、実際に使っている人からは「画面の周辺の発色が黄ばんでいる」という評判もあるようです。
『それでも大画面で綺麗に描きたい!』という場合にはアリだと思います。
ただ、この液タブでAndroid端末を使って描く場合であれば、ぜひスマホ側の性能も限界まで良いものを用意したいというのが本音です。
あと【Kamvas 22 (2020)】ですが、この機種はKamvas 22 Plusの廉価版です。
画面の加工がフィルムの貼り付けに変更されているのと、色域が120%に抑えられている点以外は同一の性能になります。
Plus同様、Androidで使用するにしては大型なのと、プレスキーが無い為に今回は積極的におすすめがしにくい製品になっています。
しかし「安価かつ大きな画面で描きたい」という方には良いかもしれません。
Androidスマホで使えるおすすめの3機種はコレだ!
ということで、消去法で自然と以下の3機種がおすすめとなります。
- Kamvas 16 (2021)
- Kamvas 13
- Kamvas 12
この3機種は全て『IPS、解像度:1920 x 1080、色域120%』など、スペックはほぼ共通です。
つまり、基本的ににはこの上記3機種のどれを選んでも満足できる性能になっています。
上記3機種については、最初からアンチグレアフィルム(光を完全には反射しないサラサラしたフィルム)が貼ってある点も特徴です。
自分で苦労してフィルムを貼る費用も手間が掛からず、万が一画面が傷付いてしまった際にも貼りかえれば問題無しです。
あとは『価格』『画面サイズ』『収納性』などで選ぶと良いです。
ではそれぞれ細かな特徴もピックアップしながら紹介していきます。
万能タイプ:『Kamvas 16 (2021)』
Kamvas16は非常に良い感じに「他社を含む液タブ製品の中で、あらゆる方向性で考えても中堅機種」といえる優等生的存在です。
15.6inchという液晶サイズは、絵を仕事として描いているプロが使う場合においても、
「このサイズならまぁ問題無いかな」という、一種のボーダーラインともいえるサイズです。
また、サイドキーの個数も10個あり、Androidでも特定のアプリでは便利に活用可能です。
Androidと接続するためのケーブルが最初から付属している点も利点といえます。
将来的にパソコンを購入する可能性が高い人、既にパソコンを持っている人にもおすすめです。
この製品を購入する際の最大の注意点は「ほぼ同価格で販売されている『Kamvas16』という旧機種が存在する」点です。
旧機種は画面の仕様は上位機種相当(アンチグレアガラス)なのですが、『Androidに対応していない』『旧式ペン(507)採用』という致命的な差があります。
絶対に間違って旧機種を購入しないで下さい。
詳細にレビューした記事はこちら▼
コストと性能の欲張り仕様:『Kamvas 13』
「Kamvas12はちょっと小さい気がするけど、Kamvas16を買うのはちょっと金額的に迷うなぁ」という方におすすめのモデルです。
今回おすすめしている3種の中では最も最初に発売された人気モデルの為、現時点で所持している方も多いと思います。
サイドキーの数はKamvas16から若干減ったものの 8つあり便利です。
サイズが程良く、ビジネスバッグにも丁度収まります。使用していないときの保管場所にも困らないです。
余談ですが、現状で私がパソコンと接続をして絵を描くときもメイン機はこの『Kamvas13』です。
欲を言えばKamvas16とか、最近出た上位機種が欲しいのですね。
コスパ最強の入門モデル:『Kamvas 12』
「Androidのみで手軽に液タブを使いたい!」という方にはもっとも手軽で良いです。
Kamvas最新シリーズの高性能さはそのままに、サイズを小さくした分価格面も抑えた製品です。
サイドキーの数もKamvas13と同様に8つあり便利です。
また、このKamvas12のみに存在する『日本限定版』が特におすすめしたいところです。
日本限定版は、
・最初からAndroidと液タブを繋ぐためのケーブルが付属している
・ACアダプタスタンドも付属している
という特徴があります。
特に『Androidと接続するためのケーブル』は、別途で購入するには割高感があります。
しかし、この限定版には最初からAndroidでの使用に必要なものが全て揃っている為、こういった製品を初めて購入する方も迷いことなく直ぐに使う事ができます。
Androidで使用する場合にはケーブルの買い足しが必要
Kamvas12の通常モデルや、Kamvas13を購入した場合、液タブをAndroidに接続する場合には別途ケーブルの購入が必要です。
その際には可能な限り公式のケーブルを購入する方が無難かつ安全です。
理由は下記の2点。
①ケーブルの規格がややこしい
液タブをAndroidと接続をして使用する場合、ケーブルのタイプとしては【USB 3.1 GEN1】の規格に対応しているものが必要となります。
その為、無作為に購入したケーブルを挿しても正常に動作をしない可能性があります。
②そもそもケーブルが液タブに挿さらない可能性が高い
液タブに存在するケーブルを挿す場所は、やや凹型になっている為、純正ケーブル以外の殆どを挿すことができません。
大抵の場合は、ケーブルの一部を削って細くする必要があります。
余談ですが、ケーブルがある場合においても説明書を確認しながら間違いないように接続しましょう。
「単にケーブルを挿したら良いだけでしょ?」という考えをしてしまうと、意外とここでトラブルが発生します。
何事も最初はマニュアルに愚直に従いましょう。その方が最終的には近道になる事は多いです。
最後に
今回ピックアップした3機種はHuion機種全体の中でもコストパフォーマンスが非常に高く、かつ高性能です。
3機種の性能は共通の為、こちらの記事も参考にして頂ければ幸いです。
2022年版のおすすめ製品として、改めて書いた記事はこちら▼
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