ページが見つかりませんでした | システムエンジニアによるゲームやお絵描きガジェットのレビューブログです https://hassanblog.com システムエンジニアによるゲームやお絵描きガジェットのレビューブログです Fri, 15 Mar 2024 10:38:14 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.7.11 https://hassanblog.com/wp-content/uploads/2021/11/cropped-ハッサン_ファビコン-32x32.jpg ページが見つかりませんでした | システムエンジニアによるゲームやお絵描きガジェットのレビューブログです https://hassanblog.com 32 32 【iOSアプリ開発】AppStoreConnectのデジタルサービス法対応について https://hassanblog.com/2024/03/15/post-19593/ https://hassanblog.com/2024/03/15/post-19593/#respond Fri, 15 Mar 2024 09:07:43 +0000 https://hassanblog.com/?p=19593 こんにちは、ハッサンです。

今回はiPhoneやiPadアプリ開発者向けの内容になります。アプリ開発者向けのAppStoreConnectで表示されたデジタルサービス法について現時点で調べたことを備忘録としてまとめておきます。

App Store Connectで表示されるアラート文

デジタルサービス法に基づいて、アカウントに関する情報を提供および確認しなければなりません。これを怠ると、特定の国または地域において、支払いに遅れが生じたり、コンテンツが配信から削除されたりする場合があります。

2024年3月14日頃から上記のアラート文がApp Store Connectで表示されるようになりました。

デジタルサービス法は『ヨーロッパ連合(EU)が提案している新しい法律です。この法律は、オンラインプラットフォームやデジタルサービスプロバイダーに対する規制を強化し、ユーザーの権利やデジタル空間の安全性を向上させることを目的としています。』とのことです。

要するにEU圏内で配信するには規制に従って以下の情報をAppStoreで公開しなさいとのことです。

法人
電話番号
メールアドレス

個人
住所または私書箱
電話番号
メールアドレス

ただしデジタルサービス法はトレーダーに該当する場合において適用されるようです。

トレーダーとは

トレーダーの定義は、『私企業か公企業かを問わず、自己の商取引、事業、技術または職業に関連する目的のために、自己の名において、または代理人を通じて行動する自然人、または法人』だそうです。

上記を自分なりに解釈するとアプリ配信者のほぼ全てがトレーダーに該当するように思えます。該当しないのは金銭のやり取りが無く、何らかの情報も配信しない個人向けアプリのみ?な気がします。このあたりは法律の解釈になるので素人には難しいところです。

EUで配信しているかどうか

AppStoreConnectのアプリ配信でメイン言語を英語にしている場合は全世界に配信されるのでEUも対象になっているはずです。

メイン言語を日本語にしている場合は、もしかすると今回のアラート文はAppStoreConnectに表示されないのかもしれません。

EUで配信しない設定に変更した場合どうなるかは現時点では不明です。

情報公開はEU圏だけ?

『EU圏内の消費者に向けて AppStore のプロダクトページでそれら情報が公開されます。』との文言があるので、EU圏のみ公開されるようです。

個人的にはEU圏のみとはいえ住所や電話番号を公開することにものすごく抵抗があります。結局日本からでも何らかの方法を使って調べることは可能だろうし、海外のSNSでさらされたりとリスクはつきまといます。このあたりの考え方はアプリの規模にもよると思います。

デジタルサービス法の対応について

住所または私書箱

これが最もやっかいな項目だと思いますが、個人開発者は私書箱を選択するのが良いと思います。

私書箱とは『日本で一般的に使用される用語で、郵便局などで貸し出される個別の受け取り箱のことを指します。これは、特定の個人や法人が郵便物を受け取るための専用の箱であり、他の人が中身を見ることができないようになっています。』とのことです。

私書箱は郵便局で登録できますが条件が厳しいため、私設私書箱を使うのが良いと思います。私設私書箱は企業が行う有料の私書箱になります。

私設私書箱は個人であれば1ヶ月あたり1500〜3000円程度で借りられます。クラウド上で郵便物の開封やスキャンなどのサービスもあるので色々便利そうです。

他にもバーチャルオフィスという方法もありそうです。月額1000円程度で郵便物の受け取りや電話対応などしてくれる仮想のオフィスを借りれるようです。

いろいろ書きましたが、私設私書箱やバーチャルオフィスがAppStoreConnectで登録可能かはまだ不明です。また、いづれの方法も犯罪目的で使用されないよう審査が必要な場合もあるようです。

電話番号

個人で使用しているスマホの番号ではなく新たに格安SIMで済ませるのが良いでしょう。1ヶ月あたり1000円程度で済みます。

もしバーチャルオフィスがAppStoreConnectで登録可能なら電話対応サービスを使用できるかもしれません。

メールアドレス

もともと開発者連絡用のメールアドレスで問題ないでしょう。

最後に

本記事は個人的に調べたもので確証はありませんし、実際にAppStoreConnectで試していないので推測で書いています。

個人開発者でも私書箱や格安SIMなど使えばなるべく個人情報を公開せずに済みそうですが、どなたかお試しになった方はコメントしていただければ幸いです。他にも間違っている部分があるかと思いますのでコメントにてご指摘いただければ幸いです。

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【Amazon ブラックフライデー】おすすめのセール製品を紹介します!! https://hassanblog.com/2023/11/25/post-19540/ https://hassanblog.com/2023/11/25/post-19540/#respond Fri, 24 Nov 2023 19:57:51 +0000 https://hassanblog.com/?p=19540 こんにちは、ハッサンです。

今回は2023年のAmazonブラックフライデーおすすめ製品を紹介します。Amazonブラックフライデーは2023年12月1日23時59分までです。

ポイントアップキャンペーンで最大12%のポイントも後日付与されるのでエントリーしておきましょう。

HUION Kamvas 13

価格24,735円
Amazonブラックフライデー 2023年11月25日時点

本ブログで何度も紹介したデジタルお絵描き入門用におすすめの液タブです。値下げ幅はいつものセール時と大きく変わりません。この製品は頻繁にセールしているのでこれが適正価格なのではないかとも思います。

HUION Kamvas Pro 16(2.5K)

価格57,279円
Amazonブラックフライデー 2023年11月25日時点

次世代液タブとして以前紹介したKamvas Pro 13(2.5K)の16インチ版です。OSDメニュー上での色空間(sRGB)指定可能だったりと「こんな機能(性能)が欲しかった!」をギューッと凝縮したような製品になっています。

この製品もいつものセール時と大きく変わらない値下げ幅ではありますが気になる方はお早めに。

HUION PW550S

価格7,199円
Amazonブラックフライデー 2023年11月25日時点

PW550Sペンは、Huion製品を使用中の方で「細いペンが欲しい」という方は迷わず買いです。値下げ幅はそこそこです。

XPPen Deco01V2

価格5,420円
Amazonブラックフライデー 2023年11月25日時点

コスパの良い板タブの筆頭がDeco01V2になります。こちらもセール常連組みで値下げ幅もいつもと変わりません。

EPOS H6Pro close

価格15,965円
Amazonブラックフライデー 2023年11月25日時点

現状、最強格のゲーミングヘッドセットです。同じシリーズでH6Pro openという開放型もあります。closeはその名の通り密閉型のヘッドセットですがApexlegendsなどで足音を聞く目的であればcloseの方がおすすめできます。

音楽もそれなりに聴くことができるし、オールラウンドで活躍できるヘッドセットです。

EPOS GSP600(2018年の旧モデル)

価格11,980円
Amazon 2023年11月25日時点

ブラックフライデーの値引きはされていませんが、旧モデルが安かったので紹介します。旧モデルとはいえ音質に差はないはずです。上記で紹介したH6Pro CloseがGSP600の後継機のような位置付けですが、ApexLegendsで足音を聞くことに特化したいならGSP600の方が良いです。H6Pro Closeは若干低音が強めなので、状況によってはGSP600の方が足音を聞き取りやすかったりします。

ロジクール MX ERGO

価格11,980円
Amazonブラックフライデー 2023年11月25日時点

昔はもっと安かったんですが、今はこの値段でも安いと感じてしまいます。

ロジクールのトラックボールマウスの中では唯一USBレシーバーとBluetooth接続の切り替えスイッチがマウス上部にある製品です。トラックボールマウスなので人を選びますが慣れればクセになる製品です。

パナソニック(Panasonic) ザ・タップX

価格1,045円
Amazon 2023年11月25日時点

この製品に関してはブラックフライデーで安くなっているわけではなく、いつもより少しだけ値引きされてたので紹介します。

スピーカーから電源をとるなら本製品がおすすめです。スピーカーの音質は電源タップの品質に左右される場合があり、粗悪な製品だと音が悪くなることがあります。タップXは電源タップ製品の中でも品質が良いうえに差し込み口に防水扉がついている優れものです。

昔ながらのデザインなため一つ一つの差し込み口が近かったりしますが、とくにこだわりがなければ電源タップは本製品がおすすめです。

Apple iPad (第9世代)

価格44,800円
Amazonブラックフライデー 2023年11月25日時点

無印iPadの2021年に発売された第9世代になります。2022年に発売された第10世代が最新になるのでひとつ古い世代になります。Apple Pencil第1世代のみ対応、USB-CではなくLightningコネクタですが価格を考慮すればコスパは抜群に良いです。もっとも発売時期はもっと安かったのですが・・・。

Apple Pencil (第1世代)

価格13,300円
Amazonブラックフライデー 2023年11月25日時点

Apple Pencil第1世代もセール中です(最新は第2世代になります)。無印iPadはApple Pencilを使えば液タブとしてお絵描きできるため汎用的に使用されたい方におすすめです。

Lightningアダプタが付属しているので第9世代iPadならこの製品が良いです。

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【ロジクール MX ERGO レビュー】親指トラックボールマウスMXTB1sを1年間使用した感想 https://hassanblog.com/2023/10/26/post-19355/ https://hassanblog.com/2023/10/26/post-19355/#respond Thu, 26 Oct 2023 11:21:49 +0000 https://hassanblog.com/?p=19355

こんにちは、ハッサンです。

今回は普段仕事で使っているマウスについて紹介します。プログラミング作業中にMX ERGOとM590というロジクールマウスを併用して作業しています。

今までトラックボールマウスを使用した経験がなく、購入してから1年ほど使用した感想になります。

ロジクール MX ERGOとは

ロジクール MX ERGOは親指でマウスカーソルを操作するトラックボールマウスです。

Point

•親指でカーソル操作するマウス

•USBデバイスとBluetoothデバイスで切り替え可能

•2種類の角度を選択できる

スペック

メーカーロジクール
価格14,509円
Amazon 2023年10月26日時点
モデル番号MXTB1s
ワイヤレス接続USBレシーバー + Bluetooth
充電ケーブルマイクロUSB
バッテリー充電式、最長4ヵ月
エゴノミック角度0度 20度
互換OSWindows + macOS + iPadOS (Androidも動作確認済み)

公式にAndroid対応は書かれていませんが、Galaxy Tab S8 ultraで動作確認しました。充電ケーブル端子はUSB-CではなくマイクロUSBになります。

発売が2017年ですが、後継機もないため現役機種といえます。

使用して最初の1週間

最初1週間程度MX ERGOだけを使用したところ、親指の付け根あたりにピリピリと痛みが走るようになりました。腱鞘炎っぽい症状が出た後1ヶ月程度は親指に変なピリピリ感がありました。トラックボールマウスを平気で使用している人もいるので個人差はあると思いますが、妙な感覚を覚えたらすぐに使用を控えた方が懸命です。

慣れるまでは連続使用は避けた方が良さそうです。今では通常のマウスと並行して使用しています。

ただ肩こりや手首への負担は軽減された感じがします。

慣れるまで練習あるのみ

普段仕事でプログラミングをしていますが、ソースコードの範囲選択が難しく一文字分ずれたりします。

頻繁にコピー&ペーストを繰り返すとかなり親指を酷使することになります。

かなり人を選ぶ製品

ネット上にはトラックボールマウスの熱狂的なファンがおられますが、個人的な感想としてはかなり人を選ぶ製品だと思います。特に親指で操作することに慣れるまでは誤操作が多く、仕事で使えるレベルではありませんでした。

1年ほど使用して慣れてきたこともありプログラミング作業でも使えるようになりましたが、それでも通常のマウスの方が使いやすいと感じます。

キーボードの右側に置いていますが、マウス自体が大きいためキーボードを打ち込む際には、手のひらを上に持ち上げて移動させています。少しぐらいなら良いですが、キーボードとマウス操作を頻繁に切り替える際にはやや面倒に感じています。

MX ERGOは比較的大きいマウスです。手のひら全体でマウスを覆う形になります。女性やお子さんでは大きすぎて使いにくい可能性があります。

まだ慣れきっていないこともありますが、今のところ作業効率で言えば通常のマウスの方が上です。

ボタン配置や使い勝手について

トラックボールマウスの中でMX ERGOを選んだ最大の理由はUSBレシーバーとBluetoothデバイスとの切り替えボタンがマウス上部にあることです。トラックボールマウスで切り替えボタンがマウス上部にある製品は限られるので最大の購入動機になっています。

また私の手では左端にある2つのボタンはやや押しにくい位置にあります。ただデバイス切り替えボタンは比較的押しやすい位置にあるため便利です。

ホイール左右のチルトボタンは硬すぎず押しやすいと感じます。デフォルトではブラウザのタブ切り替えに割り当てられています。マウスによってはチルトボタンが固すぎて使いにくい製品もありますが、MX ERGOはちょうど良い感じに調整されています。

ホイールの回転感覚も硬すぎず柔らかすぎないためちょうど良い感じです。ただロジクールの上位製品に搭載されている超高速スクロールには対応していません。

右クリックと左クリックは静音仕様ではなく普通にカチッと音が鳴ります。普段使用しているM590は静音仕様なのでやや気になるところではあります。M590はすでに生産終了しましたが、個人的にはかなり使い勝手が良くお気に入りのマウスでした。

トラックボールの右側にボタンがあります▼

発売当初このボタンはカスタマイズ設定できませんでしたが、今では任意の機能を割り当てることができます。

電源ボタンはマウス裏面にあります▼

1年使用したところ塗装は剥がれていません。結構手汗が出る方なので心配していましたが、今のところ大丈夫です。

角度調整

マウス裏面にマグネット式の板があります。この板を貼り替えることで角度を調整できます。

20度に傾けて使用していますが、ぐらつくこともなくしっかりしています。よほど変に力を入れない限り倒れることはないでしょう。

Logi Options +

Logi Options +というアプリケーションで6つのボタン設定やスクロール速度を変更できます。使用するアプリ毎(ChromeやXcodeなど)に設定を変えることができます。

Logi Optionsという古いバージョンのアプリもありますがこちらは不具合があるので、最新のLogi Options +を使用した方が良いです。

Kensington ケンジントン スリムブレードトラックボール

MX ERGOと同時に手のひらで操作するトラックボールマウスも購入してみました。

こちらはMX ERGO以上に人を選ぶ製品と感じます。人差し指や薬指などでトラックボールを転がすタイプですが、2、3日使っただけで薬指が腱鞘炎っぽい感じになりました。普段使っていない筋肉を使ったのが悪いのか私が極端に手が弱いのか分かりませんが、こちらは使用を断念しました。

M575とM575Sについて

M575とM575Sという下位バージョンのような位置付けの製品もあります。

MX ERGOとの大きな違いは「角度を変更できない」「USBデバイスとBluetoothデバイスの切り替えがボタンがマウス上側に無い」「ボタンが5つ(MX ERGOは8つ)」です。価格差がかなりあるので、今あげた3点が必要ない場合はM575かM575Sを検討した方が良いと思います。

M575とM575Sは保証期間と色が違うこと以外同じようです。

最後に

MX ERGOはロジクール製品では珍しくトラックボールマウスでマウス上側にデバイス切り替えボタンを有している製品です。

結構辛辣なことも書きましたが、何故今だに使っているかというとトラックボールをコロコロ回すのが心地良いためです。なにか本能的なもので丸いボールをころころ転がす感覚というのは癖になるようです。

また何度も使用することで上手くなる自分にも嬉しくなります。ApexLegendsなどのFPSゲームでは親指でエイム調整しますが、MX ERGOを使うことで少しは練習になっているかもしれません

1年使用程度ではまだ実用的ではありませんが、熱狂的なトラックボールファンの心も少しは理解できた気がします。

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https://hassanblog.com/2023/10/26/post-19355/feed/ 0
【Amazon プライムデー】気になったお得な製品を紹介します! https://hassanblog.com/2023/07/09/post-19314/ https://hassanblog.com/2023/07/09/post-19314/#respond Sun, 09 Jul 2023 04:21:57 +0000 https://hassanblog.com/?p=19314 こんにちは、ハッサンです。

2023年のAmazonプライムデー先行セールにて個人的なおすすめ製品を紹介します。

ユアユー P30

メーカーユアユー(uauu)
価格14,999円
Amazon 2023年7月9日時点

普段のセール時と価格は変わりませんが、Android12が使えて8インチ2.5Kではオンリーワンの機種です。

私も先月電子書籍用に1台購入したばかりの製品です。

SOUNDPEATS Capsule3 Pro

メーカーSOUNDPEATS
価格7,208円 (10% OFFクーポンがあります)
Amazon 2023年7月9日時点

最近有名になっている安価なLDAC対応のワイヤレスイヤホンです。クーポン適用で普段よりお得に購入できます。

Oladance ウェアラブルステレオ ワイヤレスイヤホン

メーカーOladance
価格26,225円 (30% OFFクーポンがあります)
Amazon 2023年7月9日時点

耳の上に掛けるながら聴きイヤホンの代表格的な製品です。オープンイヤー型は耳の形状によって合う合わないがありますが、ハマれば普通のイヤホンには戻れない快適さがあります。ホワイトノイズが気になる製品ではありますが、音質自体はオープンイヤー型の中で最高峰に位置すると思います。

クーポン適用すればそこそこお得かと思います。

Anker 523 Power Bank

メーカーAnker
価格3,390円
Amazon 2023年7月9日時点

一部界隈で有名(だった気がする)なバッテリーです。最大で22.5W出力です。そこそこお得な価格になっているので紹介しておきます。

SteelSeries GameDAC Gen 2

メーカーSteelSeries
価格14,509円
Amazon 2023年7月9日時点

FPSやTPSでお世話になるオーディオデバイスになります。ApexLegendsやVALORANTで足音を聞きやすくする用途で使われます。Gen2になって音質面と入出力ポートのアップグレートがなされています。

今までのセール価格と比較してもお得なので気になっていた方は検討の価値ありです。

HUION PW550S

メーカーHUION
価格7,199円
Amazon 2023年7月9日時点

以前にレビューしたHUIONの電子ペンです。PW517ペン相当の性能で、ペンが細くなった!』というこの一点だけにおいてもHuion液タブユーザーにとっては存在価値が高いです。

Huion製品を使用中の方で「細いペンが欲しい」という方は迷わず買いです。

HUION Kamvas Pro 16(2.5K)

メーカーHUION
価格71,599円 (25% OFFクーポンがあります)
Amazon 2023年7月9日時点

発売して1年以上経過しますが、『液タブ界における次世代機種』といえる存在です。Huionユーザーにとっては待望だった『OSDメニュー上での色空間(sRGB)指定』が搭載されています。

セール表記されていませんがクーポン券を使えば通常のセール時よりお得に購入できます。

サイズ違いのHUION Kamvas Pro 13(2.5K)レビュー記事はこちら▼

HUION Kamvas13

メーカーHUION
価格32,980円 (25% OFFクーポンがあります)
Amazon 2023年7月9日時点

もはや何回紹介したか覚えていないくらい当ブログでおすすめした製品です。価格と性能のバランスが良いので初心者向けの液タブとしておすすめです。

こちらもセール表記されていませんが、クーポンを使うことで通常よりお得に購入できます。

最後に

何か別におすすめできる製品があれば随時更新していきます。

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https://hassanblog.com/2023/07/09/post-19314/feed/ 0
【Monster Aria Free レビュー】安価なオープンイヤー(空気伝導)イヤホンでは当たりかも!?軽いし音質も良さげです! https://hassanblog.com/2023/07/02/post-19254/ https://hassanblog.com/2023/07/02/post-19254/#respond Sun, 02 Jul 2023 07:11:14 +0000 https://hassanblog.com/?p=19254

今回は『低価格帯のオープンイヤーイヤホン』のレビューです。

低価格帯の製品はほぼ海外製で『空気伝導』と称したものが殆どです。

「インターネットで『お勧めのオープンイヤーイヤホン』を探したけど、高い機種ばかりで購入できない」という方は、今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。

数ある製品の中で個人的に『アリかな?』と思った製品の紹介と、実際に使用している『Monster Aria Free』についてもレビューします。

個人的にはしっくりこない『空気伝導イヤホン』という呼び名を使用しています。この手の製品は『空気伝導』という表現を全面に押し出している印象です。

『空気伝導イヤホン』の注意点

安価な空気伝導イヤホンを探す場合には注意点があります。

通常のメーカー製品の感覚で購入してしまうと「こんな筈じゃなかった……」という状況もありえるので注意しましょう。

安価な製品は自己責任で……

空気伝導イヤホンはコピー製品が多く存在します。今回紹介している製品も、『見た目似てるけど安い』というものが存在します。

果たしてそれと今回の製品のどちらが優秀なのかは私にはわかりませんが、興味がある場合は自己責任でチャレンジしてください。

製品の★評価はあてにならない

低価格で空気伝導なイヤホンを探す際には、馴染みのないメーカーの製品が多く表示されることがあります。

また、一般的なメーカー製品に比べて信頼性のあるレビューが少ない場合があります。さらに、製品ページ内の★評価はほぼ無意味と理解しておくことが重要です。

『サクラチェッカー』での判断は無意味

ネット通販で失敗しないための方法の一つに『サクラチェッカーを使って、製品の評価がどうなっているのか確認する』という方法がありますが、『安価な空気伝導イヤホン』の購入において、この手法は無意味です。

安価な空気伝導イヤホンには怪しいレビューが数多く存在します

購入前に複数の情報源を参考にし、情報を総合的に判断することが大切です。安価な空気伝導イヤホンを選ぶ際には、リスクや不確かな要素を理解した上で自己責任で判断することが必要です。

製品の定価はあてにならない

これも安価な空気伝導イヤホンでよくあることです。

安価な空気伝導イヤホンを探すと定価1万円を超える製品が大幅に値下げされていることがよくあります。

「2023年令和最新の製品が、定価1万円なのに4千円で売ってる!?」

などという事はよくあります。定価は完全に無視して、購入するために必要な最終的な価格だけを判断基準にしましょう。

例えば、100均一で売っているような見た目なのに定価1000円のボールペンが90%OFFだったとして、貴方は「1000円の製品が100円で購入出来てお得!」と思って購入するでしょうか? つまりそういう事です。

見た目が全く同じ製品が複数存在する場合は完全にギャンブル

今回の空気伝導イヤホンに限らず、安価な製品では『見た目が全く同じなのに価格が微妙に異なる他メーカー製品』がよくあります。これは完全にギャンブルなので、実際に買って比較してみないとわかりません。

高い方が良いという訳でも無く、『両方ともダメ』という結果や『どちらもハードウェア的には全く同じ製品(安い方が良かった)』という場合もあります。

海外通販サイトでは買わない

海外通販サイトではメーカーを偽った製品が当然のように販売されていたり、販売ページに記載されている製品と異なるものが届いたりします。そういった製品に限って★5評価で大量に販売されていたりします。

そういった製品を入手してしまっても泣き寝入りできるような寛容な心を持っていない方は、海外通販サイトは使用しない方が無難です。

サクラじゃないレビューにも注意

製品販売ページのレビューを眺めていると、明らかに「このレビューはサクラじゃなくてちゃんと普通の人が高評価してそう」というものがあります。

ただ、そういうプラスレビュー評価をされている人程「それほどオーディオデバイスに関心が無い」「空気振動イヤホンは初めて」という事が多いです。

今まさにレビューを書いている私が言うのもなんですが、やはり製品ページのレビューはあてになりません。

特に今回の『空気振動イヤホン』というジャンルについては、一定数の製品を使用した経験が無いと「このジャンルにおける判断基準」が評価する側で足りていない状態になります。

例えば、私が一年前に3千円ぐらいで初めて安い空気伝導イヤホンを購入したときは「安い割には空気伝導の中では良い音なのでは?」と思っていた製品がありますが、今ではその製品は「空気伝導基準でみても低音スッカスカで糞やん……」と思っていたりします。

やはりモノを評価する際には経験数がモノを言うのは鉄則です。

長期利用を考えるなら、高級製品も視野にいれよう

安価な空気伝導イヤホンを3つも4つも購入してしまうと、結局その予算に少し足すだけで有名な空気伝導(というかオープンイヤー)イヤホンを購入できてしまいます。

もし「やっぱり品質には拘りたいな」という方は、有名な製品を購入する方が最終的な満足度も高く、安心して利用できると思います。

ーーー

ここからはおススメの安価空気伝導イヤホンの紹介をします。

Monster Aria Free

メーカーMonster Cable(モンスターケーブル)
価格4,999円
Amazon 2023年7月2日時点

安価製品の中で『Monster』というメーカーは、「低価格帯としての知名度を保っている数少ないメーカー」の一つです。

もし「安価なものが欲しいけども、少しでも安心感が欲しい」という方は、他製品の場合でもこのメーカー名のものにすれば失敗する可能性は減るかもしれません。

■開封

箱はこんな感じ。

『ダイアモンドなんとか』なデザインなどと仰々しく書いていますが、なんかちょっと角切りっぽいデザインなだけです。プラスチックっぽい質感なのでその辺は察しましょう。

Amazonでよくある『2023年最新を謳う長ったらしい名前』系にしては、結構まともな外装だと思います。

中身はこんな感じ▼

真ん中の箱には充電用のケーブルが入っています▼

磁石で吸着する特殊な充電ケーブルになります。この充電ケーブルは他製品でも互換性がある場合があります。

箱の底に説明書関連が入っています▼

絵付きのクイックガイド(絵付き)は英語・中国語、通常の説明書は7か国語対応で日本語込みになっています。

図解で操作が理解できる点と、日本語マニュアルの日本語も露骨に変な翻訳はされていないため使い方は分り易いと思います。

本体にフィルム付いてます▼

質感はオモチャ感がありますが、奇抜さも無くシンプルなので外出時にも気軽に使用できます。

耳側に来るドライバ部▼

耳に当たる部分がゴム加工されているのはポイントが高いです。このゴム部の有無で装着感に差が出てくる人は結構居るはず。

「有象無象の安いだけの怪しい製品では無いかも?」と、この製品について考えさせられた一因です。

ただこのゴム部、強めに擦ってしまうと下の粘着部からズレて取れてしまいそうなので気をつけましょう。

最悪取れた場合は、両面テープなどで補強しても良いと思います。まぁ安価製品なので……。

スペック

製品名Monster Aria Free
ドライバーダイナミック型(φ15.4mm)
Bluetooth5.3
対応オーディオコーデックAAC、SBC
最大再生時間約8時間
充電時間約2時間
通話ノイズキャンセリング対応(ENCノイズキャンセリング)
防水レベルIPX5準拠
重量約17.5g
付属品充電ケーブルのみ(ACアダプタ無し)

ダイナミック型(φ15.4mm)ドライバ

15.4㎜ドライバ搭載ということで、ドライバサイズはそこそこ大きめです。

この手の製品はドライバサイズが16㎜前後という印象なので、大き目のドライバを搭載した製品といえるでしょう。

「ドライバが大きかろうが安価なら意味無い」と少し思っていたのですが、一応安価なりにもドライバサイズの恩恵を受けた低音は出てくれます(過剰な期待は禁物ですが……)

Bluetooth5.3対応で接続性能は良好!

Bluetoothの規格verと性能の相関については、使用されているチップにも依存するので一概には言えませんが、Bluetooth5.3に対応しているということで比較的製品の基本構成部品は新しめであるといえます。

また実際に使用した限りでは、今まで使用してきたあらゆるBluetooth製品と比較をしても、接続速度と安定感が段違いに良いです。

接続されたと通知音声が流れるまで2~3秒かかりますが、ペアリング端末の接続速度は電源ONの1~2秒後には完了しています。

接続後の通信も安定しています。他のBluetooth製品なら「家のこの辺りにいたら音が途切れる」という場所でも安定して音楽が再生し続けられました。

防水レベルIPX5準拠

IPX5準拠は『内径6.3mmの注水ノズルを使用し、約3mの距離から12.5L/分の水を最低3分間注水する条件であらゆる方向から噴流を当てても機器の機能が動作すること』という条件を満たした製品であることを意味します。

上記を鵜呑みにして積極的に水を当てるべき製品では無いですが、水に対しての安心感があるのは良いです。

軽い本体重量

この手の製品は良く『付けている事を忘れるような羽のような軽さ!』という胡散臭いフレーズを見聞きしますが、この製品も例外無く同様の売りを謳っています。

とはいえ実際に17.5gとなると「確かに空気伝導系の中でも結構軽い」のは確です。

この辺の軽さがバッテリーの保ちが並に留まっている理由かもしれません。

『操作が物理ボタンのみ』という便利さ

本製品の操作は全て右耳ドライバ部に備わっている2つの物理ボタンで行います

それぞれの物理ボタンで『2回押しで音量上げ下げ』、『短押しで再生/停止』、『2秒長押しで前曲/次曲』と、操作方法がシンプルで、物理ボタンも押しやすく誤操作にもならず快適です。

しかもこの一見小さなボタン、一見押しにくそうですが、ボタンの位置的に2回押しもし易く、過剰なカチカチ音がしない程度の押し心地もあるのでストレスフリーです。

また、最近の製品でありがちな「物理ボタンではなくタッチ操作方式(触れるだけで操作が可能)」という機能はありません。

タッチ操作系の製品の場合、ドライバ部の装着位置を変更する際に本体のタッチ操作部に手が当たって誤操作になりがちですが、この『Monster Aria Free』ではそういった誤操作の心配もありません。

バッテリーの保ち時間は並程度

最近の無線製品の中では最大再生時間が長いとまでは言えないものの、一般的なワイヤレスイヤホンのカテゴリとして考えると『約8時間再生可能』は平均的かつ実用的といえます。

ACアダプタが付属していないため充電時間については公式情報がありません。マニュアル上は5V1AのACアダプタの使用を推奨しているようです。

某通販サイト上の製品説明では『充電に必要な時間は約2時間』といった記載がありました。急速充電という感じでは無く充電速度についても『並』という印象です。この辺の性能は価格相応といえるでしょう。

音質がわりと良い

この価格帯の『空気伝導』を称して、製品名に『2023年最新』や長ったらしい『いかにも』な説明が書いているタイプは、音がスッカスカの印象しかなかったです。

しかし、この『Monster Aria Free』については良い意味で期待を裏切ってくれます。

「音質、意外と悪くないぞ!?」

音傾向は予想外なほどに堅実なフラット系です。

中音域の音が少々遠い位置で聴こえる印象はあるのですが、それ以外は概ね良好な『フラット系音質』といえます。下手な7~8000円級のゲーミングヘッドセットの音質などと比べると段違いに『音楽鑑賞にも向いている』といえる音質です。

この製品に限らず、最近の安価製品は『何かを許容すれば十分に有用』な製品が増えてきているので、他にもこういった製品があるかもしれませんね。

クラシック系もそれなりにこなす音質

音質が全体的に『フラット寄り』なため、楽器系の『音が空間に響くような表現』が結構上手いです。そのため、クラシック系の楽曲や、ゲームのサウンドトラック系の楽曲の表現が、製品の価格らしからぬ心地良い音を鳴らしてくれます音楽の解像度を楽しむのはさすがに難しいですが『音楽全体の雰囲気を楽しむ』点においては優秀な印象です。

音質が良い理由の一つとして『大型サイズのドライバ』が挙げられますが、むしろ重要な点はそのドライバを最大限生かすための製品構造にあります。それがドライバ部に存在する『音抜けの構造』であるベント(音抜けの穴)す。

この価格帯の製品にしては、見た目こそチープなものの結構大きめなベントが存在します▼

音楽を聴きながらこの部分を少しずつ指で塞いでいくとわかるのですが、塞げば塞ぐほど「そうそう、こんな音を予想していた」というようなスッカスカの音質に変化していきます。つまり逆を言えば、このベント穴が存在しているお陰で、音質が格段に向上(音の厚みが増)していることがわかります。

そのため、このベント部は本製品の生命線と言っても過言では無いぐらいに音質に貢献しています。

イコライザ・音響効果適性も高め

音質が全体的にフラット気味で、各音についても尖りが少なく滑らかで、ドライバ自体も大き目の為に各種イコライザや音響効果との相性が良いです。

音楽プレイヤーなどでのイコライザ調整についても、過度な変化をせず滑らかに音質が変わっていくような挙動をします。また、Dolbyなどの音響効果についても自然なエフェクトの掛かり方で空間表現を広げてくれます。

今まで様々なイヤホンで「音響効果って微妙だな」と思っていた人であっても、意外とこの製品で音響効果を使用すると印象が変わるかもしれません。

galaxy系のandroid端末の標準機能にあるものの、今まで全然使用する気にならなかった『コンサートホールの残響効果』といった音響効果関連も、この製品だと「これはこれでアリでは?」という感じで空間表現を広げてくれます▼

低域の音表現は良し

この価格での空気伝導系の中では低域表現は価格の割にかなり頑張ってると思います

さすがに『腹に響くような重低音』とまではいきませんが、『音の響きに必要な低域表現』をしっかりと出してくれている印象です。

そのため、音楽全体の聴き心地として、空気伝導系にありがちな『スカスカな音質』になることを防いでくれています。

ボーカルが若干遠めなのが弱点?

音質説明の最初の方で少し触れましたが、ボーカル(中音域近辺)が少々後ろに下がっているような音の鳴り方をします。

ただこれは音質が悪いというよりは『こういう音質の音なんだな』という、この製品の音質の特徴として捉えられる範囲です。

とはいえ、この特徴は『安っぽい音質あるある』な性質の一つともいえるので、価格相応な特徴ともいえますね。

音楽全体の雰囲気を楽しむ音質

音の解像度自体はお世辞にも高いとは言えないため、音楽鑑賞の際に音楽全体の雰囲気を楽しむ用途として使用するのが良いと思います。

ただ、低域が空気伝導にしては結構頑張ってくれるので『ソロ演出系(ピアノソロやボーカルソロなど…)』の表現力は豊かです。

同時に発生する音の種類が多くなってくると、短音辺りの解像度が下がりがちなのはダイナミックドライバの宿命と言えるでしょう。むしろこの低価格帯であれば十分な音質だと思います。

「ちょっと音質がこもりがちかな……」と感じた方は、イコライザで微調整すると良いです。

意外と曲がる形状(※要自己責任)

今回の『Monster Aria Free』ですが、思いのほか本体の各種部分が曲がります▼

『柔軟なので一時的に曲がる』のも確かなのですが、思い切って曲げてみると曲げた分の形状がそこそこ反映されたまま、通常時の湾曲具合も変わってくれます。

つまり耳に合わないと感じた際、各種部分の微調整が利くということです。

この手の『耳に掛ける系の製品』で、恐らくほぼ全ての方が悩んでいるであろうポイントは『耳に掛けた時の装着感』だと思います。

この装着感問題はかなり深刻で、『この手の製品は実際に購入して使用してみないとわからない』という面が強いです。そして、あまりにも自分の耳と耳掛け部分の形状が合わない場合「付けているとすぐに耳が痛くなる……」という理由で、高価な製品でも使用しなくなりがちです。

ただ、もちろんこの曲げる行為はかなり力技なので自己責任でお願いします。見た目が大丈夫であっても、内部での断線リスクや物理的に折れてしまう可能性が無いとは言えません。

幸い製品自体が比較的安いため「最悪ぶっ壊れてもいいや」ぐらいの気持ちで弄ってしまうのも良いと思います。そうしている内に音質の良さも相まって愛着がわいてきます。

『音漏れ精度』は、気にしだすと不毛

この機種のデメリットとして、上記で説明していたベント部から音漏れが発生していますが、「現状の音質を完全に捨ててまで、音漏れを軽減したいか?」と言われると、答えは「否」です。

そもそも論で「いわゆる空気伝導系の製品を使う際に、音漏れをどの程度気にするか」というのがポイントです。

音漏れが気になるような場所の代表例の一つは『電車内』だと思います。

ただ、電車内で音楽鑑賞用途で空気伝導イヤホンを使用しようとすると、周囲の騒音で音楽がかき消されてしまうため音量を上げる他ありません。

結果として『真横に座っている人に音がガッツリ漏れてしまう』可能性が高いです。そう考えると「多少の音漏れ精度に差はあれど、そもそも電車内で空気伝導系のイヤホンはまともに使えない」という結論になります。

また、電車内以外の場合は『周囲の音を聴き取りやすい音量にすると、結果的に音漏れが防げる』となりがちです。

そういう意味では、今回の『Monster Aria Free』は空気伝導という言葉を冠する製品の中では無難な性能といえます。

その他製品の紹介

今回レビューをした製品以外に、個人的に良さそうと思った製品を軽く紹介します。

SOUNDPEATS RunFree

メーカーSoundPEATS(サウンドピーツ)
価格6,680円
Amazon 2023年7月2日時点
製品名RunFree(ランフリー)
カラーブラック
ドライバダイナミック型(φ16.2mm振動板)
BluetoothプロファイルA2DP、AVCTP、AVDTP、AVRCP、HFP、HID
対応オーディオコーデックAAC、SBC
最大再生時間約14時間
充電時間約1.6時間
通話ノイズキャンセリング対応(ENC:環境ノイズキャンセリング)
防水レベルIPX7準拠(イヤホン本体、マイク部分はIPX4相当)
マイク計4基(片側2基)
重量約31g

上記でレビューをしたメーカーの『Monster』と同様に、この製品の『SOUNDPETS』というメーカーも「低価格帯としての知名度を保っている数少ないメーカー」のうちの一つです。もっとも、低価格と言うには少々価格が中堅よりかもしれませんが……。

空気振動系にしては低音が良いと評判な製品です。今回レビューをした『Monster Aria Free』と比較すると、実売価格は2000円前後高い製品になると思います。

他製品と比べて比較的ドライバ部のサイズが大きい、音抜けをさせる箇所に『ラムダ型音響空間』を採用しているためか、他の同価格帯の空気伝導系製品に比べて低音が強い傾向があるようです。

連続再生時間については14時間可能なため、使用時にバッテリーで困ることはまずないでしょう。

ゲームモード』という、いわゆる『低遅延モード』も備えているため、通常の安価なワイヤレス製品よりは遅延面でやや有利といえます。(もっとも、この手のタイプでも独自のドングルが付属したタイプでなければ、遅延面でリズムゲームは厳しい……というか、音質面で辛過ぎですが……)

ゲームモードについては、音質とのトレードオフも加味して使用するかを判断しましょう。

また、『RunFree 』は人によっては『内側にある凸部分が耳に当たって痛い』という感想もあるようです。この辺の付け心地については個人差がどうしても出てしまうため、なかなか評価が難しいのかもしれません。

現状の『空気伝導』系の製品で無難どころを選ぶ場合は、この『RunFree』と今回レビューをした『Monster Aria Free』の2強と考えて良いと思います。

Float Run

メーカーSONY
価格13,775円
Amazon 2023年7月2日時点
製品名Float Run
型式オープンエアダイナミック
ドライバーユニット16 mm
質量33 g
電源DC3.7V : 内蔵充電式リチウムイオン電池
充電時間約3時間(フル充電)
充電方法USB type-C
電池持続時間(連続音声再生時間)最大10時間
電池持続時間(連続通話時間)最大10時間
電池持続時間(待受時間)最大200時間
通信方式Version5.0
出力Bluetooth power class1
最大通信距離見通し 約10m
使用周波数帯域2.4GHz帯(2.4000GHz-2.4835GHz)
変調方式FHSS
対応BluetoothプロファイルA2DP, AVRCP, HFP, HSP
対応コーデックSBC, AAC

低価格帯のレビューと言いつつ、この製品は完全に中堅より上の製品になります。

メーカーは『SONY』なので、製品の出どころとしては問題はありません。

この『左右が繋がっている』空気伝導タイプとしては最上位系の機種と言って良い製品です。

この製品の一般的な訴求としては『運動時に装着していてもズレない』というものが見えがちですが、純粋に『クリアなサウンドが楽しめる空気伝導』タイプの製品として考えても音質は良好のようです。

ただ、構造(ドライバのサイズに対して、耳から離れたドライバの位置)上、他の製品に比べて『低音の迫力を楽しむ』という点においては不利といえます。

音楽鑑賞の観点では、どちらかというと『クリアな音質を楽しむ』ことを重視した製品であると考えましょう。

価格は他に比べて頭一つ抜けていますが、低遅延性能に関しての優位性は特に無いです。(もっとも、このタイプは低遅延な機種はなかなか無いので、耳を塞がない完全ワイヤレスイヤホンの『ARC2』のような、apt-X adaptive に対応した製品を選んだ方が良いかもしれません)。

もっとも、この製品は実売価格が今回紹介した『Monster Aria Free』の3~4倍はする製品です。

予算を気にしないでクリアなサウンドを堪能したいのであればお勧めの一強ですので、価格と予算とで相談してみましょう。

まとめ

今回は比較的安価な製品をレビューしました。

安価空気伝導イヤホンは探し始めると種類が多すぎて、色々試そうとするとその予算で高級なものが1つ購入できてしまいます。

そのため、安価なものを購入する際には「どこまで妥協できるか」もポイントになってきます。

そもそも現状は高級な製品であっても通常のインイヤー系イヤホンのミドル帯の音質にも届かない印象ので、そういった点も加味して購入すると良いでしょう。

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https://hassanblog.com/2023/07/02/post-19254/feed/ 0
【Creative BT-W5 レビュー】BT-W4との比較や違い、注意点など書きました!! https://hassanblog.com/2023/05/13/post-19198/ https://hassanblog.com/2023/05/13/post-19198/#respond Sat, 13 May 2023 04:45:47 +0000 https://hassanblog.com/?p=19198

今回は、USB接続で使用可能なトランスミッターである『BT-W5』についてレビューします。

本製品を活用することで、様々な製品で『apt-X adaptiveが使用可能になる』というメリットがあります。

apt-X adaptive対応製品自体は以前から安価なものが多数存在しましたが、そういった製品を実際に使ってみるとadaptiveのモードが選択(固定)できなかったり音質自体が低品質だったりと、「実際に使ってみると不満点が多い」という状況です。

そういった状況下で、以前から同メーカーからも『BT-W4』を初めとする既存製品も存在していました。

そういった既存製品との差も考えつつレビューしております。

スペック

製品名BT-W5(レビュー機)BT-W4BT-W3XBT-W3
対応コーデックaptX Adaptive、aptX HD、aptX、SBCaptX Adaptive、aptX、SBCaptX HD、aptX、SBCaptX LL、aptX HD、aptX、SBC
USBオーディオ解像度最大24bit/96kHz最大24bit/96kHz最大24bit/96kHz最大16bit/48kHz
ワイヤレス オーディオ解像度最大24bit/96kHz最大24bit/48kHz最大24bit/48kHz最大16bit/48kHz
接続デバイス切り替え可能(最大4つまで)可能(最大4つまで)可能(最大4つまで)
対応プラットフォームPC、Mac、PS5、PS4(USB C-A変換アダプター利用)、Nintendo Switch ドック モード(USB C-A変換アダプター利用)/携帯モードPC、Mac、PS5/PS4、Nintendo Switch ドック モード/携帯モードPC、Mac、PS5、PS4(USB C-A変換アダプター利用)、Nintendo Switch ドック モード(USB C-A変換アダプター利用)/携帯モードPC、Mac、PS5/PS4、Nintendo Switch ドック モード/携帯モード
通信距離最大約50m最大約50m最大約50m最大約30m
Bluetooth バージョン5.35.25.35.2
コーデック表示LED、CreativeアプリLED、CreativeアプリLED、CreativeアプリLED
コーデック切り替え自動(最適コーデック)自動(最適コーデック)自動(最適コーデック)手動(ボタン切り替え)
アプリ対応Creative アプリ(Windows/Mac)Creative アプリ(Windows/Mac)Creative アプリ(Windows/Mac)
USB ポートUSB-CUSB-C(USB-A変換付属)USB-CUSB-C(USB-A変換付属)
アナログ マイク付属付属
メーカーCreative
価格6,800円
Creative公式サイト 2023年5月13日時点

今回のBT-W5』は、基本的に「『BT-W4』の上位互換」という認識で問題無いです。

アナログマイクやUSB-A変換が付属品から無くなった点は若干気になりますが、マイナーチェンジ程度にデバイス自体の機能が強化されています。

この後で詳しく説明はしていますが、「『BT-W4』所持者であれば、あえて買い足すレベルでは無い」程度の変更なので、現状で「apt-X adaptive対応の高品質トランスミッターを手頃な価格で欲しい」という方にはおススメです。下手に数千円安い怪しいメーカーのものよりも対応コーデックの詳細がしっかりしていて安定したクオリティ・安心感があります。

接続デバイスの切り替えはボタン操作で可能

ペアリングしたデバイスは最大4台まで記憶可能です。

本体の物理ボタンを押すことで、ペアリング済みのどのデバイスに接続をするか切り替えが可能になっています。

使い方に慣れるまではこの機能が逆に仇となって「以前ペアリングしたはずのデバイスに繋がらない!」と困る場合もあると思いますが、使い慣れてくると結構便利です。

付属品は無し

過去機種には標準で付属していた『アナログマイク』と『USB-A変換』が付属しません。

販売初期には『USB-A変換』はオマケとして付属しているようなので、付属キャンペーンが終わっていないか調べてみてください。

専用アプリに対応

『BT-W5』は、パソコンで利用可能な『creativeアプリ』に対応しています。

イコライザ機能は好きな名前を付けて保存が可能なため、使用するイヤホンやヘッドホンなど毎に設定を作成することも可能です。

ただ、このアプリで設定したイコライザや音響効果設定は、あくまで『パソコンでの使用時』のみに有効な点に注意しましょう。

本製品自体に記憶される設定は、後述している『apt-X adaptiveのモード設定』のみです。

apt-X adaptiveは2種類のモードに対応!

今回の『BT-W5』の最大のポイント……というか「この製品の存在価値そのもの」と言っても過言でも無い点がapt-X adaptiveの2種類のモード選択に対応していることです。

adaptiveを利用する際には、2種類のモードが機能として明確に分かれているという特徴は「今はこっちのモードで動いているのだな」という安心感に繋がります。

ちなみに旧製品である『BT-W4』の場合は、adaptiveに対応はしていましたが、どのようなモードで動作をしているのか、ユーザーが確認する手段がありませんでした。(ただ、非公式な情報によると、BT-W4はadaptive使用時には常に『ローレイテンシー(低遅延)モード』で動作していたようです)。

そもそも『apt-X adaptive』って何?

apt-X adaptiveについてこれから環境の導入を検討している場合、「そもそもadaptiveってどんな性能? モードって何? ぶっちゃけ音質とかどうなの?」と疑問点も多数あるかと思います。

そこで、2種類存在する『adaptiveのモード』について説明します。

apt-X adaptiveは、使用するモードや使用環境によって音質や遅延時間が可変する無線技術(bluetoothのコーデックのひとつ)です。

動作(と環境)次第では24bit/96kHzでのオーディオデータ、つまりハイレゾ品質を無線環境で実現可能だったり、音の遅延についても、動作次第では50msec(android上のシステムレイテンシーを含んだ遅延時間 )という低遅延での動作が可能になっています。

しばし比較対象として挙げられるapt-X LLが『16bit/44.1kHz,遅延40msec』が理論値であることからも、「遅延差が1/100秒違うだけで、ハイレゾにも完全対応しているなんてスゲェ!!」という全体的に優秀なスペックになっています。

という事で、現状のBluetoothを利用する際に、遅延を気にしつつ音質も気になるなら『apt-X adaptive』を使おう!という感じに理解していると無難でシンプルで良いです。

ただ、実際のところ上記で語ったようなシンプルな判断をし過ぎると「adaptive……こんなものだとは思っていなかった……」という状況になりかねない罠要素も存在します。

そこで、正しく便利にapt-X adaptiveを使用するためにも、以下の2つのモードを理解しておきましょう。

今回のモード説明では『BT-W5』の製品にて使用されている呼び名で説明します。

apt-X adaptive ローレイテンシーモード

apt-X adaptive』に対し世間一般が持っている『低遅延かつ高音質』のイメージはこのモードに相当します。

このモードは『24bit/48kHzで低遅延』 がウリです。

モードの名称通り、あくまで低遅延を重視しているモードのため、ハイレゾの規格を完全には満たしていません

とはいえ、規格上はapt-X LLよりも高音質かつ、理論値の遅延差も10msecほどしか無いため、全体的にバランスの良いモードといえます。

今回の『BT-W5』を使用する際には、この水色系色っぽい色(シアン点灯)していればOK(apt-X adaptiveのローレイテンシーモードで接続されている)だと考えて良いです。

apt-X adaptive ハイクオリティモード

今回のBT-W5』で使用可能な音質重視のモードです。『BT-W4』ではこのモードの音質はハードウェアのスペック的に見ても対応していません。

ハイクオリティモードは、24bit/96kHzのハイレゾ規格に対応した『低遅延より音質を重視』の動作をします。数ある無線技術の中でも最高品質レベルな音質を得られる代わりに、遅延性能がローレイテンシーモードより劣る挙動をします。

上記の説明の通り『音質重視』か『低遅延重視』か、用途に合わせてユーザーが仕様を理解し選択・活用する必要があります。

余談ですが、『BT-W5』の場合はLED部が紫点灯時が『音質重視(遅延が多い)』となりますが、『BT-W4』の場合は紫点灯が実質『低遅延重視』のモードになっているため、注意が必要です。

ぶっちゃけ……『ハイクオリティモード』、……コレ必要?

『BT-W4』に対する『BT-W5』の存在理由と言うべき『apt-X adaptive ハイクオリティモード』ですが、コーデックの仕様を理解し、実際に比較し、冷静に考えれば考えるほど……、こう考えてしまいます。

「ハイクオリティモード……、コレっていつ使うの?」

という疑問です。

確かに『ハイレゾにしっかり対応したモード!』なので、使用する選択肢が生まれたこと自体については喜ばしいことです。

が……いざ実際に使用できる状態になってみると、その取り扱いに戸惑い、そして正気に戻ります。

「コレって必要なのか?」と……。

『ハイクオリティモード』の恩恵を受ける為の敷居は……限りなく高い!

無線環境化でハイレゾ音質を視聴する」という行為は、想像以上に敷居が高く、効果を感じにくいです。

『BT-W5』で最高品質のハイレゾ音質を使用する場合、少なくとも以下3つの要素について検討する必要があります。

・24bit/96kHzの音源(最高品質の音楽データ)
・24bit/96kHzの音を正しく受信する装置(レシーバーや、無線イヤホン等)
・24bit/96kHzの音データを効果的に出力可能な音響機材(無線イヤホン・ヘッドホン・その他音響機器……)

大多数の方は1つ目の『24bit/96kHzの音源』の時点で脱落するはずです。

自発的にハイレゾ音源をハイレゾ音源専用のオンラインストアで購入していない限り、手元に『再生可能なハイレゾ品質の音楽データ』はほぼ存在しません。

最近はオンラインのストリーミングサービスでも、高品質な音質の提供が増加してきてはいます。

とはいえ、その殆どがCD(16bit/44.1kHz)音質やapt-X HD(24bit/48kHz)音質相当に留まっています。そういった現状を考えると、96kHzという対応スペックは多くの方にとって過剰になりがちです。

そして2つ目の『受信する装置』についてですが、これは正直私は明確に判断できる自信がありません。

まず、adaptive対応のレシーバーの内部上の詳細な動作を開示しているメーカー・製品が大変少ない点と、大抵のadaptive対象機器はローレイテンシーモード固定であることが殆どという印象です。

ただ、利用者目線で考えても『ローレイテンシーモード固定』の方が都合が良い場合が多いため、その点についてはこの後の説明で少し触れていきます。

そして3つめの『音データを出力可能な機器』ですが……これについては判断が微妙です。

そもそも「『一般的な人間の聴覚では明確に知覚できない(はず)の高域(20kHz以上)』の音にカタログスペック上対応している『A』というイヤホンよりも、ハイレゾには全然対応していない『B』というイヤホンの方が音楽の聴き心地が良かった」という状況はいくらでも発生します。

『出力可能な機器』かどうかについては、もう完全に「メーカーのスペックを鵜呑みにするしかない」レベルのため、「そんな『ハイレゾ対応しているか?』なんて気にする余裕があるのなら、もっと純粋に『自分の好みの音質か?』でイヤホンやヘッドホンを選べ」と言わざるをえません。

更に言うと、実際にハイレゾに相当する音が出力されていたとしても、その音の品質が悪ければ意味がありません。

そのような実情もあるため、例えば「5千円前後の『ハイレゾ対応!』と書かれた有名メーカーの最新製品か、同社が8年前ぐらいに2万円ぐらいで発売していた型落ちの実売価格の安い製品、どっちかあげるよ?」と言われたら、私は迷わず型落ちを選びます。

もし上の例を読んで「いや、5000円とはいえ最新機種でハイレゾ対応しているなら……、昔は高価でも8年も前でしかもハイレゾ対応してないような旧機種なんて要らないような……、うーん……」などと悩んだ人は『ハイレゾ対応』という言葉の暗示に掛かっています。早く目を覚ましましょう

『手頃価格なイヤホンのハイレゾ対応表示』ほど音質の判断基準として当てにならないものは、なかなかこの世に存在しません。

『ハイクオリティモード』の遅延は……

とはいえ「とりあえずハイレゾで音情報が多いなら、気分的にも『ハイクオリティモード』で使えたら幸せでは?」と思いたい気持ちはよくわかります。しかし、実際はそういう考える訳にもいかない致命的デメリットが存在します。

ハイクオリティモード』は遅延が相当激しいです。

apt-X adaptiveの遅延は公式スペック上ではおおよそ『50msec~80msec(androidOS自体のシステムレイテンシーも加味)』です。

「ということは『ハイクオリティモード』の場合は80msecぐらい? それでも1/10秒以下じゃん! スゲェ!」

と思いたいところですが、実際に使用して体感するとメチャクチャ遅延します。ヤバいぐらいに遅延します。あらゆるゲームをする気が失せるレベルで遅延します。

apt-X adaptive の『ハイクオリティモード』を使用してリズムゲームなどもっての他で、アクションゲームももちろん無理(攻撃ボタンを押して攻撃モーションが終わってから攻撃音が聴こえるレベル)、アドベンチャーゲームすら遅延が気になるレベルで、個人的には『とてもじゃないけど音楽鑑賞以外では使えないシロモノ』というのが率直な感想です。

『ローレイテンシーモード』が優等生過ぎて困る

なんだか割とボロカスに説明をした『ハイクオリティモード』ですが、そうなってしまった事にはちゃんとした理由があります。もう片方のローレイテンシーモード』が使い勝手が良過ぎで優秀過ぎる点にあります。

『CD以上ハイレゾ未満』の絶妙な音質

『ローレイテンシーモード』の場合の最大音質は『24bit/48kHz』です。つまり、スペック的には『ハイレゾ未対応』(『ハイレゾ対応』のロゴ使用が認められているスペックは『24bit/96kHz以上』)といえます。

とはいえ24bitにはしっかり対応してくれています。

実際のところ『ハイレゾ音源における体感が容易な要素』は24bitから生まれるの恩恵が絶大です。

24bit/48kHzの音楽データを『adaptive ローレイテンシー(24bit/48kHz)』と『通常のapt-X (24bit/44.1kHz)』で聴き比べると、明らかに音の聴こえ方が異なります。

この差は44.1kHzと48kHzの差では無く、16bitと24bitの差による『ダイナミックレンジ(簡単に言うと、綺麗な音として聞き取れる最大音量から最小音量の範囲)』の差によるところが大きいです。

24bitに対応した音楽データを24bitに対応した環境で再生すると、16bitまでの対応デバイスに比べて「細かな音がちゃんとクリアに聴こえる」という現象が発生します。

この現象はそこまで厳密に聴き比べるまでも無く、16bitに比べて24bit音源は『1枚薄いフィルターが取れた分、籠っていた音が鮮明になった』程度の明確な効果があります。

上記の効果は対応周波数の狭いタイプのイヤホンでも体感可能なため、24bitにしっかり対応している『ローレイテンシーモード』の時点で音質向上には効果絶大です。

低遅延なのでゲーム用途や動画鑑賞にも良い

『ローレイテンシーモード』は一般的なapt-X adaptive のイメージ通り『低遅延』な動作を実現しています。

そのため、アクションゲームや動画鑑賞において違和感が発生するような遅延が存在しません

また、リズムゲームでの使用においても「この程度の遅延なら、まぁアリかな?」と思えるレベルで使用可能です。

確かに厳密に有線と比べると、打鍵感に指の吸い付きが足りないというか……完全で無いことは確かです。しかし、バリバリにハイスコアを狙ったプレイをするようなガチ音ゲーマーでなければ、無線環境でリズムゲームを十分楽しめるレベルの遅延になっています。

コーデック関連の公式情報的にはapt-X LLよりも若干(10msec)遅延があるのですが、かなり反復して聴き比べをしなければわからないレベルです。というか、adaptive(ローレイテンシー)の遅延で満足できない方の場合、LLの遅延でも満足できないと思います。それぐらいには似た遅延感です。

また音質面についてもここまでの説明の通り、当然問題はありません。

『ハイクオリティモード』の存在価値が……少ない……

ここまで読んで「いやいや、自分はハイレゾ対応したハイクオリティモードを十分に活用できる音源と高価なオーディオ機器とかも持ってるぞ! ハイクオリティモードの音質最高だぞ!?」と反論したい方、居ると思います。

しかしそういうオーディオ系に強い方達の場合、そもそも既に良質のハイレゾ環境を持っているんですよね……。

わざわざ(オーディオマニアな人達からしたら)安価なBT-W5を使用してまで、音楽を聴く必要性がありません。

何より重要な点は『ハイクオリティモード』と『ローレイテンシーモード』を聴き比べても、一般的なユーザーの持つ環境では全く音質の差が分りません

音質の差が分らないという条件下で『遅延が激しいハイクオリティモード』と『低遅延でゲームもできるローレイテンシーモード』、果たしてどちらを使いますか?

……『ハイクオリティモード』、要らないのでは……

とはいえ、選択可能な機能はあるに越したことは無い

『BT-W5』は幸いなことに旧機種の『BT-W4』と比較をしても価格が殆ど変わりません(BT-W4にはアナログマイクやUSB変換の付属の差はありますが……)。

そのため、『せっかくadaptive対応のデバイスを購入するなら、最近出たBT-W5で良いかな』という軽いノリで選んでも良いと思います。実際の体感効果はともかく、『ハイクオリティモード』にもしっかり対応していると(実益はともかく……)何となく「新しい製品を買ったぞ!」という満足感と安心感も得られます。

またBluetoothのバージョンも5.3なため、LE Audio対応の機器との接続時の消費電力節約効果も(体感できるかはさておき)得られます。

モバイル系デバイスで接続して使用する際には、長期的な利用で考えて僅かですが気持ち的にお得感がある……かもしれません。

パソコン専用のアプリについて

今回の『BT-W5』は『creativeアプリ』に対応しています▼

『BT-W4』のレビューの際にも紹介しましたが、このアプリを使用することで、パソコンの音をイコライザや各種エフェクトによって自分の好みに設定することが可能です。

今回も主要な機能を簡単に紹介していきます。

音調整のツールとして一番一般的(なはず)なイコライザ機能です▼

イコライザでの音調整は可能な限り『もっとも強調したい音域を0の基準にし、残り音域をマイナス気味に調整する』方法が音質を保つ上では良い(はず)です。

そのため、イコライザの基本設定項目で一番高い音域で値を上げた分だけ、右の『プリアンプ』項目を下げることをお薦めします。

もっとも『プリアンプ』項目を下げると十分な音量を確保できない場合もあるため、状況によって工夫しましょう。右項目を『バス』『トレブル』は独立項目のように見えて、実は左側のイコライザの値と連動しています。

イコライザの設定に慣れていない方は『バス』『トレブル』値の調整の方が調整し易いかもしれません。

各種エフェクト系の設定も可能です▼

イコライザよりは『雰囲気』で調整し易いかもしれませんが、音域ごとの微調整まではできません。

そのため、細かい調整をしたい場合には、こちらのエフェクト系の設定とイコライザを、それぞれ弱めに設定して調整する方法もアリだと思います。

こちらは『再生』項目の設定▼

あまり詳細に調整する機会は無いかもしれませんが、テスト項目でちゃんと左右が無線接続できているか確認も可能です。

この項目にて、今回の『BT-W5』がUSBオーディオ性能として『24bit/96kHz』に対応していることもわかります。

ペアリング済のデバイスの状態を確認する画面はこんな感じ▼

ペアリング済デバイスの一覧や、接続関連の操作・管理が可能です。特に、複数のデバイスを持っている場合はこの画面で接続の確認や変更を行う機会が多いかもしれません。

『BT-W5』の場合はこの画面の下部にて『モード変更』が可能です。

注意点:モード変更にはパソコンが必要

『BT-W5』の注意点としては、『adaptiveの接続モード切替にはパソコン接続が必要』という点です▼

より厳密にモード切替が可能な条件を説明すると、「公式アプリをパソコンにインストールして起動し、そのパソコンにBT-W5を接続。そしてBT-W5経由でadaptiveでデバイスを接続した状態において、パソコンからの操作でadaptiveのモード切替が可能」になっています。

購入直後のモードについては、製品箱内の取り扱い説明書(英語)では『デフォルトでローレイテンシーモード』と記入があるにもかかわらず、公式ページで確認可能なマニュアル(日本語表記)では『ハイクオリティ』と記述があったりします。

今回レビューで実際に使用した際には開封時は『ローレイテンシーモード』だったような気がしますが、記憶が曖昧です。

もし使いたいモードに設定されていなくて手持ちのパソコンが無い場合には、パソコンを持っている人に頼んでモードを切り替えて貰うか、ネットカフェ等を活用してモードを切り替えるなどの工夫が必要になってきます。

「モード切替が出先で手軽に出来ないのは不便だなぁ……」

と一瞬思いましたが、これまでの内容の通り「そもそもローレイテンシーモードでも十分」の為、一度ローレイテンシーモードに設定さえできれば、後は特に困ることもなさそうで安心です!

我ながら、良いのかそれで……。

結局BT-W4との違いは?

正直なところ「BT-W4を持っているなら、無理してBT-W5を買う必要は無いかな……」という程度の違いです。

以下の画像は『左がW4、右がW5』です。見た目があまりにも同じです▼

見た目が似ているとか、そういう次元ではなく、同じなんですね。裏側に印字されている製品情報まで全く同一だったりします。

よく見たら印字の線の太さに差があるかもしれませんが「この2つのうち、どちらかが別製品だ」というわれで、動作させずに見た目だけで判別することは不可能です。

それぐらい全く見た目が同一です。既に『BT-W4』を持っている方の場合、『BT‐W5』との見分け方は「昔から使ってて細かい傷がついている方がW4」とか、そういう状況になります。

『BT-W4』と『BT-W5』との仕様の違いは大きく以下4点です。

・Bluetoothのバージョン
・付属品の差(アナログマイク、USB-A変換機付属)
・apt-X adaptive(ハイクオリティモード)対応有無
apt-X HD対応有無

上記3点についてはこれまでの説明の通りですが、何気にBT-W5』はapt-X HDのコーデックにも対応しています。

apt-X系の中でもマイナーなapt-X HDですが、音質面ではadaptiveのローレイテンシーモードと同様に24bit/48kHzなため、音質面では良いコーデックの一つです。

欠点があるとすれば、対応する機器が絶妙なレベルであまり存在しない(全く無いわけでは無いのですが、意図的に意識しないと見つからない)コーデックになっています。

また、遅延においては特に優位性も無いため『adaptiveが使えるのならわざわざ使わない』程度のコーデックとも言えます。

既存でapt-X HDに対応したデバイスを所持している事が無ければ、今から積極的に環境を整える必要性は無いコーデックの為、このコーデックを目的に『BT-W5』を購入する可能性はほぼ無いでしょう。

上記の理由からも、「明確に特殊な事情が無い限り、BT-W4所持者がBT-W5を購入する意義は無い」と言えます。

実際に『BT-W4』と『BT-W5』の両方を使用してリズムゲームを試してみましたが、差を感じるかはかなり微妙なラインです。「もしかしたら僅かに『BT-W5』の方が遅延少な……い……?」という気がしなくもなかったのですが、思い込みかどうかを判断できる気がしなかったです……。

BT-W3XやBT-W3との違いは?

同じく最近発売された『BT-W3X』と旧機種『BT-W3』ですが、この2機種と『BT-W5』は明確に性能が異なります。

まず、apt-X LLを使用したい場合は、現状でも旧機種の『BT-W3』以外の選択肢がありません

そして、一見上位機種に見える『BT-W3X』ですが、BT-W3X』はapt-X LLにもapt-X adaptiveにも対応していません

辛うじてapt-X HDには対応していますが、USBデバイスを増設してまでapt-X HDを利用したいという層は、現状ではかなり希少だと思います。

手持ちのイヤホンやヘッドホンなどがapt-X LLに対応している場合のみ、旧機種の『BT-W3』が選択肢に入る可能性が高いので、その際は『BT-W3』もお薦めになりえます。

まとめ

『BT-W5』は旧機種の『BT-W4』と比べて大きな機能追加は無いものの、「お値段ほぼ一緒でマイナーチェンジされてるなら、まぁアリかな?」という感じの製品です。

モード切替の方法が限られている点についても「そもそもモード切替が必要無い」という方が大多数だと思いますので、問題にならないと思います。

まだ既に『BT-W4』をお持ちで無い方であれば十分にお勧めとなるため、『BT-W5』を検討してみるのも良いと思います。『BT-W3X』は……アプリ対応したとはいえ、価格に対して少々仕様がニッチ過ぎませんかねぇ……。

大多数の方には『BT-W5』をお薦めしたいところです。

執筆時点では公式サイトのみで販売しているようです。

Creative BT-W4はこちら▼

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【Huion PW550S レビュー】PW517との違いや使用感など評価しました!! https://hassanblog.com/2023/04/17/post-19145/ https://hassanblog.com/2023/04/17/post-19145/#respond Mon, 17 Apr 2023 06:17:36 +0000 https://hassanblog.com/?p=19145

今回はHuion社の液タブ・板タブで使用可能な新型ペンである『PW550S』についてレビューします。

液タブでも板タブでも無く、あくまで『ペン』が軸となるレビューです。

PW550Sペンは最近単体売りが開始された新しいペンで、まだユーザー側で明確な情報がはっきりしていない製品でもあります。

今回は実際に使用し、複数機種で動作を確かめていこうと思います。

「気になってはいるけど、まだ手を出していない……」という方も多い製品だと思いますので、今回の内容が参考になれば幸いです。

開封

ということで、開封しつつ内容や外観などをざっくりと紹介していきます。

箱には『PenTech 3.0+』の記載もあります。

内容一覧はこんな感じです。替え芯は長細い封筒(画像左にある封筒)に入っているので注意しましょう▼

付属のピンセット。ペンの芯外しの付属品としては、この形状は珍しいですね▼

ペンの形状比較です。上がPW517(恐らく最新版)、下がPW550Sです。全体的に細くなっていることが一目でわかります▼

正面から。こう見ると全然違いますね▼

上画像でもわかる通り、PW517ペンはグリップ部分にホコリが付きやすいですが、今回のPW550Sはホコリが付着しにくいです。

重さは実測で12.5g。他社の『Wacom pro pen slim』より0.3gほど軽いです。目隠しされて持つとどちらか分からないレベル▼

Wacomのスリムペンとの形状比較です。上がWacom pro pen slim、下がPW550Sです。サイズ感はかなり似ています。ボタンの位置も比較的近め▼

先端の細さ加減も似ていると思います▼

やはりPW550Sペンは細い! ペン先見える! 軽い!、これに尽きます。

Wacom系で初めてスリムペンを使った時の感動をまた味わえました。

正直なところ内部性能が完全にPW517同等だったとしても、これだけで価値はあります。

メーカーHuion
価格8,999円
Amazon 2023年4月17日時点

まだまだ謎が多い『PW550S』ペン

デジタイザーペンという製品の性質上、詳細なカタログスペックによる過去製品との比較ができません(デジタイザーペン関連のカタログスペックは、基本的に実際の使用感の参考にならない)。

そもそも、公式ホームページの製品ページの『仕様』項目は完全に空白になっています。

ですので、今回の『PW550S』ペンを検証するにあたっては、

・公式上での説明文
・実際に使用してみた結果(PW517との比較など)

この上記2点で性能・使用感を感覚的に判断する必要があります。

『Huion PenTech 3.0+』って、そもそも何?

今回のPW550S』ペンは、『Huion PenTech 3.0+』対応だそうです。これはペンに使用されている技術の名称です。

ちなみにPW517は『Huion PenTech 3.0』に対応しています。

公式情報では『Huion PenTech 3.0+』の説明として『より高いレベルの筆圧感度』と表現しています。

これがもし文面通りで、その性能がハードウェア的な電子処理の改善により実現しているのであれば、果たして『3.0+』という控えめな表現になるのでしょうか?

正直『4.0』とか、既存液タブなどとの互換性を意識したい場合でも『3.1』とか、そういった表現にしても良い気がします。

しかし実際は『3.0+』という、かなり控えめな表現になっています。

この表記をそのまま読み解くと「基盤的な基本性能は3.0と一緒だけど、ちょっとだけ製品全体の仕様を弄ってるよ」程度の可能性が高いと思います。

公式情報では『Huion PenTech 3.0+』の具体的な説明に「ペン先が細いので、絵の把握がしやすい(※意訳)」という記載があるので、ペン自体の物理的な形状変化が『+』の要素なのでは? とも考えています。

とはいえ、公式の解説動画では他にも『より細いグリップ、より高い感知精度、より高い読取精度』という表現も存在します。

液タブにおける『読取精度』は、ペン座標位置の精度に相当します。

『感知精度』は『傾き』なのか『筆圧レベル精度』なのか『on加重(=最低筆圧の低さ)』なのかは、判断に迷いますね……。

そのため公式の各種解説や動画を見た感じでは『感知精度=on加重や、筆圧精度の向上』っぽい印象は受けます。つまりハードウェア処理的にも性能が向上している……?

……

……と、こんな感じで妄想しだすとキリが無いので、結局は『実際に使ってみて、使い心地が良ければそれで良し!』という判断が良いでしょう。

公式の説明分は言葉遊び程度に思っておいた方が気楽かもしれません。

この後実際の検証も行い、結果についても考察しています。

『PW550S』対応機種について

公式情報上は『PW550S』に対応している機種は以下となっています。

· Inspiroy 2 S · Inspiroy 2 M · Inspiroy 2 L · Kamvas 22 · Kamvas 22 Plus · Kamvas 24 · Kamvas 24 Plus · Kamvas Pro 13 (2.5K) · Kamvas Pro 16 (2.5K) · Kamvas Pro 16 (4K) · Kamvas Pro 16 (4K) Plus · Kamvas Pro 24 (4K) · Inspiroy Dial 2 · Inspiroy Keydial · Inspiroy Giano

一見整合性が無いようにも見えるラインナップですが、一応ペン座標精度が一定の精度に上がった機種以降』という明確な線引きがあるようにも見えます。

ただ、既に各所でも、「PW550S対応機種以外でも、PW517ペン対応の機種なら使用できた」という報告は上がっています

幸い私の手元には、『PW550S対応機種』、『PW550S対応機種一覧に無いPW517対応機種』の両方があるので、この件についても検証していきます。

今回検証に使用する機種は以下の通りです。

PW550S対応機種 · Kamvas Pro 13 (2.5K) PW550S対応機種一覧に無いPW517対応機種 · Kamvas 13 · Kamvas 16 · Kamvas Pro 24 (2.5K)

特にKamvas 13はPW517ペン対応の最初期機種のため、「この機種で問題無く使用可能なら、もうPW550SペンはPW517ペン対応機種で使って問題無いのでは?」という結論に至れます。

これらの機種に対する検証についても、これから考察していきます。

実際に使用してみる

ということで、さっそく『PW550S』を実際に使用してみました。

ここでは検証機として『Kamvas 13』『Kamvas 16(2021)』『Kamvas pro 13(2.5k)』を軸に使用していきます。これらの機種は『比較的所持者が多い』『PW517ペン系の初代機種と最上位機種』という点においても検証面で丁度良いです▼

幸いな事に、手元には『PW517ペン対応の中でも最も古い機種』である『Kamvas 13』と、液タブ系では『PW550Sペン対応の最新系の機種』になる『Kamvas pro 13 (2.5k)』を所持しているため、この2種類での動作確認を中心に行います。

『Kamvas 13 』での動作確認

まずはPW517ペンに対応している機種の中では最も古い『Kamvas 13』でPW550Sが動作するかをテストしました。

『Kamvas 13』は公式情報ではPW550Sに対応していない機種です。

ぶっちゃけ、この機種で正常に動作すれば「PW550SペンはPW517ペンに対応している機種であれば使用可能」と判断して良いでしょう。

ということで実際に使ってみました。

ひとまずポインティング精度は問題無さそう▼

サラサラーっと試し描きをした限りでも、公式対象外機種での使用でも問題無く筆圧制御も行われています▼

『Kamvas 13』にて、『PW550s』と比較用に『PW517』のそれぞれを使用した結果、こんな感じになりました(傾き検知による筆圧制御はOFFにしています)▼

『Kamvas 13』での使用のため、通常芯のみでの検証をしています。

旧機種にPW550Sペンを使用しても『描き味は極めて良好でした。心なしかペンの入り抜きの制御もしやすくなった印象です。ペンの傾きに対してのペン座標の処理精度についても差は確認できませんでした。

フェルト芯ももちろん使用可能ですが、AGフィルム上でフェルト芯を使用する場合には摩擦によるフィルムへの影響が懸念されます。そのため、フェルト芯の使用には注意しましょう。

Kamvas 16(2021)でも同様に使用可能です▼

『Kamvas pro 13 (2.5k)』での動作確認

続いて公式として対応機種に指定されている『Kamvas pro 13 (2.5k)』での動作検証をしていきます。

『PW517』と『PW550S』のペンに、それぞれ『通常芯』『フェルト芯』を使った際の描き味を簡単に試してみました(傾き検知による筆圧制御はOFFにしています)▼

『Kamvas 13』の時と同様に、上画像での試し描きは「大体同じぐらいの筆圧はこのぐらいかな?」という感覚で描いてみました。

通常芯・フェルト芯に関わらず、PW517よりもPW550Sの方が「心なしか同じ程度の力加減でも描画時の筆圧レベルが軽めになった……かな?」という印象です。

同様に『Kamvas 16(2021)』でも検証してみましたが、結果に変化はありませんでした。

PW517ペンに対応している機種であれば、PW550Sペンも使用可能」という認識で問題無さそうです。

仮に「厳密には公式対応機種で使用する場合のみ、厳密な挙動が異なる」だったとしても、実際に使用した限りでは実感できるほどの大きな差が生まれなかったので、PW517ペン対応の液タブで、細いペンを使いたい!」という方には、所持機種を問わず大変おススメなペンであることは間違いないです。

もう少し細かめに検証してみる

公式アプリ内の『圧力テスト』項目を使用し、2種類のペンへの筆圧の掛かり具合を確認してみました。

結果、試し描きで得られた感覚と同様(大きな差は無いが、微妙に差はある)な筆圧レベルの反応をしていました。

あまり強く力を掛けれないような持ち方(指二本で持っているだけ)であっても、PW550Sにおいても垂直に立てた状態であれば筆圧レベル8191まではさほど苦労無く到達します▼

そのため「PW517よりも劇的に筆圧感度が変わったよ!」などという事は無いです。PW550Sに対して過剰な期待を持ちすぎてしまうと、実際に使用したときに肩透かしを食らってしまうと思います。

ペンのポインティング精度も体感上は変わらず

『Kamvas pro 13 (2.5k)』にてPW550SペンとPW517ペンを使用し、物理的に物差しを使って1本10秒ほどの時間を掛けて複数の線を引いてみました▼

拡大するとこんな感じに▼

どちらのペンが優秀かという事も無い印象です。

少なくとも私は、上画像の線が全て同一色の場合に「どの線をどっちのペンが描いたのか」の見分けは付きません。

PW550Sペンによる明白な進化は無いといえますが、逆を言えば「現状でも不安要素が少ないPW517の精度を維持している」ともいえるでしょう。その為、この検証結果については特に不満もありません。

同じ液タブに対してペンを変えてるいるだけなので、極端に描画性能が変化することが無い事は想定内でしたので……。

とはいえ、もうちょっとまともに描いてみる

「PW550Sの実際の性能や使い心地は、大体体感出来たっぽいかな?」と思いつつも、もう少しちゃんと描いて比較してみようと思います。

ということで、今度は普段から使用している『Kamvas Pro 24(2.5K)』を使って実際に描いて使用感を比較してみました。

主な使用環境

  • OS : Windows 11
  • CPU : Intel Core i7-8700K(3.7GHz)
  • RAM : 32GB (DDR4-2666)
  • GPU : GeForce RTX 3060 12GB
  • 液晶タブレット: Kamvas Pro 24(2.5K)

正直なところ『使用感』と言っても、「どちらが優秀か!?」という感じでは無いです。

そもそもPW517ペンの時点で使い心地に大きな問題は無く、ここまでの検証でもPW550Sも問題無く使用可能であることも確認できているため「同じような力加減と感覚で描いたら、こんな感じになるよ?」という事と「PW550Sペンの物理的な構造の差が、実際に絵を描いているとこんな感じに違うよ」が判断できればなぁ……程度の気持ちで比較していきます。

ということで、まず最初に適当にラフ絵を既存のペン(PW517)で描きます▼

この下描きを基に、ペン設定を一定に保ったままPW517ペンとPW550Sペンのそれぞれで清書(っぽいもの)をしていきます。

まずはPW517ペンから……▼

……いつも通りですね。特別大きな不便は無い印象です。そもそも不便があったなら、ずっとPW517ペン機種を使い続けていないですからね。

PW517ペン自体にも世代があり、過去世代のPW517ペンはペン先がもう少し太くなっていました。その頃と比較をしても、現状のPW517 ペンはかなり使いやすくなったと思います。

余談ですが、一時期『Wacom cintiq 16』か『Huion kamvas 13』かのどちらを使い続けるか悩んで交互に使っていた時期があったのですが、「諸々(デバイスのサイズ感・色域・ペン性能)を総合的に比較した結果、『Huion kamvas 13』を使い続けることになったという」経緯があります。

Huion系の液タブは昔から『超高性能!』とまではいかないものの「必要十分」の性能ボーダーをしっかり超えている点が良いですね。

お次はPW550Sペン▼

PW517ペンの場合と比較をすると、明らかに手元周辺の視界が広がります

上のそれぞれの画像を比較すると一目瞭然です。

そういった視覚的な効果と手で持っている感覚の差の為か、完全な別製品を触っているような感覚になります。

カーソル周辺の視界確保を究極的に求めると板タブに行きつきますが、「液タブは使いたいけど、手元も可能な限り見えた方が良い」と感じる方は多いと思いますので、この点は使いやすいと感じる方も多い筈です。

左が『PW517ペン』、右が『PW550S』ペンで描いたらこんな感じになりました▼

今回はそれぞれ標準芯で、Clip studio paint上ではペン設定は全く同一のものを使用し、描く時も「特にいつも通りの力加減で、いつも通り描く」という方法で検証しています。

一度描ききった後には線の強弱表現を追加で行ったりはせず、描き切った直後の状態を比較しています。

描いている時には「あ~……コレ、ほぼ同じ結果になるんじゃないかなぁ……?」と思ったりしていましたが、実際描きあがりを比較してみると全体的に全く異なっていることがわかります。

過去に行っていた『PW517ペンにおける通常芯とフェルト芯との描き味の比較』に近いような結果になっています。

PW550Sペンの方が本体自体が全体的に軽量で細いためか、ペンを持って筆圧を掛ける際の力の掛かり方が若干控えめになっているように感じました。

また、芯自体の太さがPW517よりもPW550Sの方が細いため、筆圧が掛かった際の力の掛かり方が芯の柔軟性で若干マイルドになっている印象です。

特にペンを普段比較的寝かせ気味で使用している方は筆圧感度の差を感覚的に感じやすいと思います。そのため、鉛筆のような感覚で描きたい方にはおススメです。

反面、ペンを垂直に立て気味に使用している方は、PW517ペンを使用時との筆圧レベルの差を感じにくいかもしれません。

サイドキーの使い勝手も向上?

これは完全に感覚的な個人差が強いと思います。

今回のPW550Sについて「既存のPW517ペンよりも、ペンのサイドキーを間違って押してしまう可能性が少ない」と感じる方も居るようです。

個人的には「元のPW517ペンでもサイドキーの位置や構造に不満は無かったので違いがわからない」というのが本音なのですが、PW517ペンのサイドキーを間違って押してしまうことが結構ある」という方も、PW550Sペンの購入を検討してみると良いかもしれません。

また、既存のPW517ペンで不満が無かった方の場合でも、サイドキーの操作感について戸惑うことは無いでしょう。

【注意】既存の芯は使用不可

PW550Sペンでは、既存のPW517ペン用の芯が使用できません

現時点(2023年4月時点)では替え芯の個別売りがまだ行われていない点には注意が必要です。もっとも、今後の主力ペンの一つな筈なので、そのうち取り扱いが始まると思います。

あと余談ですが、芯の太さ的にWacomのPropen2用の芯は入るらしいですが、一度挿してしまうと抜けなくなるようなので試さない方が良いです。また、非公式のWacom用ステンレスペンも使用可能らしいですが、この辺の使用は完全に自己責任で行いましょう

まとめ:細いペンを求めている人にはおススメ!

PW550Sペンは、Huion製品を使用中の方で細いペンが欲しい」という方は迷わず買いです。

ハードウェア面での進化具合は正直なところ体感が難しい点もありますが、PW517ペン相当の性能で、ペンが細くなった!』というこの一点だけにおいてもHuion液タブユーザーにとっては存在価値が高いです。

「ペンのサイズはPW517ペンでも良いけど、より高性能なペンが欲しい」という方は「過剰な期待をしなければアリ」だと思います。「明らかな筆圧レベルの向上」というものは体感できるかどうかは個人差が大きいよう(人によっては「PW517にくらべて、PW550Sで筆圧レベルが大幅に向上した」と感じるらしい……)なので、『実際に使ってみてのお楽しみ』ぐらいの感覚で使用するのが良いと思います。

ただ、『既存のPW517ペンよりは全体的に筆圧の掛かり方が柔らかめで、細かな描きこみもし易い』と感じました。

Huion液タブユーザーなら、とりあえず一本持っておいて損は無いです!

公式販売サイトはこちら

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【オープンイヤー(空気伝導)型イヤホン比較】Oladance、PurFree Buds、HA-NP35Tをレビューしました! https://hassanblog.com/2023/03/25/post-19086/ https://hassanblog.com/2023/03/25/post-19086/#respond Sat, 25 Mar 2023 09:35:15 +0000 https://hassanblog.com/?p=19086

こんにちは、佐崎司です。

今回は『オープンイヤー型』『耳を塞がない』『ながら聴き』と呼ばれる完全ワイヤレスイヤホン製品3機種の比較をしたいと思います。

一部では『空気伝導型』などという仰々しい表現もされていますが、恐らく骨伝導型に合わせて漢字っぽい表現をした結果だと思います。今回のレビュー内では『オープンイヤー型』という表現を使用しています。

そんな『オープンイヤー型』ですが、恐らく去年の半ば程度からじわじわと認知が進んできたジャンルだと思います。

世間では長らく在宅勤務やweb会議の機会が増加し、「ずっとイヤホン(ヘッドセット)を付けてるのは耳が辛い……」という方が増えた結果でしょう。

ただ、比較的新しいジャンルのため「どういう製品があるのかわからない。どの製品が人気なのかわからない」という方も多い筈です。

今回はそういった「オープンイヤー型」のイヤホンについて、個人的にお薦めな3製品を比較していこうと思います。

スペックが殆ど当てにならないオープンイヤー型

オープンイヤー型は製品の選択が難しいです。その理由は『スペック表記』『形状による音の変化』にあります。

詳細情報の少ないスペック表記

通常のイヤホンでもスペックは判断材料として難しいのですが、オープンイヤー型の場合は難解さに拍車が掛かります。

まず、『そもそも公開されているスペックが少なすぎて、他製品との比較ができない』点です。オープンイヤー型の製品はスペック表記内容が限られている製品が多く、性能差のイメージをしにくくさせています。

形状による音の変化

オープンイヤー型は形状が重要です。

極端な話、全く同じ音質のドライバの製品が2種類あったとしても、製品の形状……すなわちドライバ部から耳に対しての距離や角度、音出力部の位置などによって、実際に聴こえる音が全く別物のレベルにまで変化します。

より細かな事を言うと、全く同じ製品であっても耳の形状・装着位置によって音質が変化するため、選択が困難だといえます。

オープンイヤー型の選択は、体感する以外に無いが……

上記理由により、オープンイヤー型を選択する際は「とりあえず実際に使ってみる」という事が一番と言わざるをえません。

とはいえ、その『体感』がなかなか手軽にできないからこそ情報収集をするわけなので、今回はそんな『体感』を軸に置き、比較的有名な3機種を比較していきます。

1.音質重視ならコレ『Oladance ウェアラブルステレオ』

ネット上などでもかなり音質の評判が良い製品が『Oladance 』です。あまりに評判が良すぎて「なーんか胡散臭いなぁ……」という気がしていました。

しかし実際に使用してみると「こりゃ評判良くて当然だな!」という製品でした。

現行機種で音楽聴くならこれが最強?

もし現時点で当たり外れを気にせず音楽鑑賞を重視したオープンイヤー型が欲しい」という方は『Oladance 』が無難です。今回の3機種の中では唯一「なんの不便無く『音楽鑑賞が可能なレベル』である」といえます。

『Oladance 』はAndroidスマホ環境化や、一般的なBluetoothトランスミッターのみを持っている方の場合はSBC以外使用できません。トランスミッター性能としてAACに対応している製品は意外と少なく、結果としてAACはiPhoneやiPad系でしか使用環境が無い方が多いです。

そのため、必然的にSBCを使うことになるのですが、SBCも周囲の電波状況が悪くなければ結構良い音質を維持できます。

特に『Oladance』などの耳を塞がないイヤホンは電波が劣悪な環境で使用する機会が少ない(はずな)ため、SBCでもそこそこ良い音質で安定して聴けてしまいます。

そしてこの『Oladance』、一回聞けばすぐ分かりますがドライバ性能・音を鳴らすための基本性能が他の2機種に比べて明らかに良いです。詳細な比較すら無駄なぐらい圧倒的に良いです。音質を最重要として気にするなら素直に『Oladance』買ってください。

コーデックがどうとか、構造がどうとか、そういう細かい考察以前にパッと使ってみて瞬時にわかるぐらい、ドライバの性能が純粋に良いんです。

スピーカー部の構造とか、耳に当たる角度とか、そういうのも大事なのは確かなのですが、『Oladance』の場合は「あ~、これはそもそも構成する『部品(ドライバ)』が良いんだわ」という結論に至ります。

そりゃこのデバイス性能なら、バッテリー搭載ケースが別売りでもそこそこの価格になる、というものですよね。

イコライザ設定による音質調整が可能

『Oladance』は、iPhoneやAndroidに提供されている公式アプリを使用することで、イヤホン自体の音質を調整することが可能です。

最近の高級機種には増えてきている機能なのですが、本体の音質自体をイコライザを使用して調整するため、調整した音質を使って他のDAP(デジタルオーディオプレイヤー)やゲーム機などに接続をしても、イコライザ設定した音質を引き継いで使用可能です。

一般的なイコライザと比較すると調整範囲は限定的だと思います。ただ調整出来ない機種と比較すると利便性の高さは明らかです。

操作も快適!

イコライザと同様に、公式アプリを使用することでタッチ操作の変更が可能になっています。

完全無線イヤホン系でありがちな『手が当たるだけで操作してしまう』問題についても、通常の1回タッチ操作を無効にすれば発生しません

2回タッチやスライドタッチに音量上げ下げや再生関連の操作を設定すれば、操作関連でのストレスが無くなり、快適に使用可能だと思います。

なまじ高音質なだけに欲が出てしまう……

正直なところ、現状で「オープンイヤー型」は「ながら作業しながらのBGM用途」というイメージが強く、自然と音質についても妥協しがちでした。

しかし『Oladance』は、他のオープンイヤー型では体感できなかった音質で音楽鑑賞が可能です。

それ故に、知らず知らずの内に通常のカナル型完全ワイヤレスの音質と比較してしまう恐れがあります(というか私は無意識で比較し始めていました)。

『Oladance』を音楽鑑賞用に一定期間使っていてある時ふと思いました。「……いや、それほど音質良いわけでも無いのでは?」と。

その時無意識に私が比較していたのは『Noble Audio FALCON PRO』でした。

そりゃあ、apt-X adaptive対応の同価格な完全ワイヤレスのインイヤー型に比べると音質が圧倒的に劣るのは当たり前です。

『オープンイヤー型』というだけで、音質においては相当のハンデを背負っているため、純粋な音楽鑑賞用の他オーディオ機器に劣るのは確かなので、その点だけは注意しましょう。

『Oladance』は『オープンイヤー型』という特殊ジャンル製品において、音質が頭一つ突出している製品であることは確かです。

バッテリー内蔵ケースは別売り

『Oladance』の特徴的な仕様の一つに、『付属ケースにはバッテリーが内蔵していない』という点があります。通常、完全ワイヤレス系の製品はケース自体にバッテリーが搭載されているのですが、『Oladance』にはその機能がありません。ケース自体に充電機能が欲しい場合には、別途バッテリー搭載の充電ケースを購入する必要があります。

『Oladance』の標準ケースはあくまで「充電スタンドを兼ねたケース」というだけで、ケース自体に電源ケーブルを接続した状態になって初めて、中に入れているイヤホンが充電されます。

追加のケースを購入しないと持ち運びが不便かと思いきや、イヤホン単体でも公式情報で16時間使用可能ということなので全く問題無いです。あと、いざとなれば標準ケースを別途モバイルバッテリーと接続しても外で充電できます。

装着感は若干微妙かも……?

耳の上に載せているだけなので若干安定しない印象です。装着した状態で下を向いたり走ったりした場合に、ぽろっと落ちるという人がいそうに思えます。

ただフィット感の甘さは、裏を返せば『耳への負担が少ない』とも言えますので、この辺は完全に好みでしょう。特に動く状態ではない場合には耳への負担の少なさはメリット足りえます。またフィット感が欲しい人は付属もしくは別売りのシリコンカバーを装着すれば若干ましになります。

6時間ほど付けっぱなしで作業しましたがほとんど痛くならなかったので耳への負担は少ないと言えます。

ホワイトノイズ問題

Oladance』で良く指摘される問題の一つに「ホワイトノイズが気になる」というものがあります

ホワイトノイズとは、特に無音の時に良く聴こえる「サー……」とかそんな感じのあの音です。

このホワイトノイズ問題は、高級な有線イヤホンにおいてもインピーダンス(Ω)が低い機種では発生するため、『Oladance』のドライバ性能が悪いというわけではありません

有線イヤホンであれば、対策としてケーブルや再生機器からの出力に対し追加で抵抗(Ω)を挟む手法での対策も可能です。しかし完全ワイヤレスの場合はそういったホワイトノイズ対策ができません。そのため、ホワイトノイズが気になる方は『Oladance』については注意した方が良いです。

周りでPCの冷却ファンやエアコンなど何かしら音があると気にならない程度ではあります。ただし深夜の寝静まった他に音の無い環境では確実に聞こえます。オンラインゲームのボイチャで使う分にはゲーム音が鳴っているので問題ありませんが、動画鑑賞やリモートワークなどの静かな場面ではホワイトノイズが聞こえます。

2.短所を許容できれば高コスパの『HA-NP35T』

『HA-NP35T』は『Victor』の製品です。『Victor』と言えば懐かしの犬のロゴではないでしょうか?▼

何となくこのロゴは見ていると安心しますね……

音質は自体は価格を考えると抜群に良い

HA-NP35T』最大のポイントは『価格に似合わないクリアな音質にあります。

もちろん「低価格な製品にしては」という意味のため過度な期待は禁物ですが、「この価格にしては他社製品と比較して遥かに高音質」です。

もしオープンイヤー型として最初に『HA-NP35T』を使い始めた方が、「オープンイヤー型は、この価格でこれぐらいの音質なのかぁ」と理解してしまっていると、以降のステップアップには要注意です。

この『HA-NP35T』の音傾向(特に音のクリアさ)を好ましいと思った方の場合、より良い音質のものを求める場合は最低でも実売価格2万円以上の上位製品を入手しなければ満足できないと思います。というか私はまさにその状況になりました……。

『HA-NP35T』、製品の『クセ』さえ許容できれば本当にコスパが良いです。

価格に似合わぬ高域表現

本音を言うと、購入前は『オープンイヤー型でこの価格』となると、あくまで『作業BGM用』と割り切る程度の音質なんだろうなぁ、と思っていました。

しかし実際に使用してみると、思いのほか高域が綺麗にかつクリアに伸びてくれます確かに価格相応のドライバ性能から感じる安っぽさもあるのですが、現状のオープンイヤー型の製品事情を考えると、価格に似合わぬ高音質だと感じました。

低音量・重低音域の弱さに注意

この『HA-NP35T』において唯一にして最大の弱点」と言うべきところは「最大音量が小さい」という点にあります。

どのぐらい小さいかというと、スマホに接続した状態で音楽を聴くために音量を最大まで上げても「あれ? 音小さい?」と感じる程度には小さいです。

そのため、通常の使用方法ではもちろん電車の中ではほぼ聴こえない(周囲の音にかき消される)と思って良いです。もっとも電車内でオープンイヤー型で音楽を聴こうとするのが無茶なのですが、例えば「周囲に誰も電車に乗ってる人が居ないから、思い切ってもうちょっと音量上げちゃえ!」などと考えても『HA-NP35T』の場合は、純粋なスマホの音量設定だけでは上げることができません。

静かな場所で音楽を聴こうとした場合でも、「もうちょっと音量上げたいなぁ……」と感じる方は多いと思います。それぐらいにこの『HA-NP35T』は音量を確保しづらいです。

また、重低音域についてもかなり弱いです。そもそもオープンイヤー型の時点で重低音が苦手なのは明白なのですが、オープンイヤー型カテゴリ内においても重低音が弱めな機種と言えるでしょう。

ただ音が小さいといっても人それぞれで、普段あまり音楽を聴かない友人に使ってもらったところ部屋の中であれば最大音量の60%程度で十分とのことでした。なので過度に心配する必要はないです。

対策はイコライザやアンプ使用

個人的に低音量や重低音対策として最も推したいのは、パソコンでの使用時にイコライザなどで音量を底上げしてしまうことです。

そうすることで「そこそこ大きい音まで調整できたかも?」という状況になります。一般的な音量で聴く方であれば、この方法で問題無しです。『音楽鑑賞中に周囲から声を掛けられても殆ど聴き取れない』ぐらいの音量までには上げることが可能になります。

それでも大音量とまではいかないので、普段から相当な大音量で音楽を聴いていると自覚している方は不満が残るかもしれません。まぁ……『耳には優しいデバイス』と言うことで……

スマホでも音楽アプリでイコライザを設定したり、機種によってはスマホの標準機能でイコライザが搭載されているものもあります。そういったもので全体の音量を調整してみましょう。

イコライザで音量を無理に上げ過ぎると音が歪んでしまう(不自然に波打つような音になってしまう)ので、そこは実際に音楽を聴きながら設定を調整してみましょう。スマホのイコライザ系のアプリにも色々種類が存在し、音の歪み易さにも差があります。その点も加味して試してみると良いでしょう。

音量同様に、重低音の強さもイコライザで補強をすると良い感じに「あっさりとした丁寧な重低音」として楽しめます。完全な重低音好きは満足できないレベルですが、高域重視の方やフラット系で満足できる方であれば『丁寧な低域表現』として音楽鑑賞にも問題無いレベルで使用可能になります。

装着感と安定感も良い

『HA-NP35T』はオープンイヤー系の中でも装着感と安定感が優秀だと感じました。

個人的には眼鏡と併用しても、作業に没頭しだすと長時間つけていても気になりませんただ、作業後に外した際には耳が装着状態から解放されたような感覚にはなります。

『耳に掛かる箇所が多少の柔軟性をもっているものの、全体的に太い』というための特徴かと思います▼

また、デバイスのスピーカー部の位置が万遍ないためか、装着位置によって音質が極端に変化しないことも良い特徴の一つです。

オープンイヤー型は、どの製品も耳への装着位置(細かい角度や装着加減)によって音質が可変してしまうことが多い印象でしたが、『HA-NP35T』の場合はあまり装着に気を使わなくても音質が一定に保たれています。

作業BGMにも良し

通常の使用方法では音量が大きく取れない+低音域が弱くスッキリめの音質のため、作業BGM適性が高いです。

バッテリーの持ちについても、作業の合間の休憩や食事タイミングで充電をすれば丁度良い感じに使用できます。

価格を考慮しても『手頃な価格で作業BGM用のオープンイヤー型イヤホン』として大変優秀です。

3.作業のお供適正に全振り『PurFree Buds』

『PurFree Buds』は日本での発売タイミングとしては一番後発の製品です。

今回の3点の中では唯一『apt-X』に対応している機種でもあります。比較機種の中では『色々な意味での平均的な性能』というのが正直な感想です。

中間性能というか、平均的と言うか……普通過ぎるというか……うん、普通……。

音質は……普通……

率直な本音を言うと、音質の綺麗さ・透明感』については明白に『Oladance 』以下です。『音楽を純粋に楽しみたい』という場合には素直に『Oladance 』を購入しましょう。

また、『中高域(特に1k~4k周辺)の音が全体的に荒い』と感じました。なんというか、高域重視の音楽に没入させる気が無いような……。どれだけイコライザをはじめとする音響効果で色々調整をしても「ちょっとリッチなFMラジオ」の域を超えない印象です。

この機種の利点としては、低域については雑さや変なザラザラ感も少なく綺麗に鳴ってくれます。

もしかすると低域重視の方の場合は、音楽鑑賞においても『HA-NP35T』よりも満足度が高いかもしれません。

後述もしますが、なまじ音量は取れてしまうせいか、デバイス性能が音量に負けてしまって逆効果になっているように感じました。特に高域の音が割れが目立つ印象があり、音の伸びが心地良さに欠けます

そのため「開放型イヤホンを活かして、中高域の伸びのあるクリアな音質を耳を塞がずに堪能したい!」という方には正直向かないです。その場合はコスパ重視の『HA-NP35T』で割り切るか、『Oladance』級の性能のもの、それに類する価格・性能のものを選びましょう。

『HA-NP35T』の上位機種として『PurFree Buds』を入手してしまうと、その後で『Oladance』の音質を知ると絶望できます(私は絶望しました)。

音量はしっかりとれる

『PurFree Buds』の音量自体は『HA-NP35T』よりは各段に取りやすいです。「もう周囲の音聴く気、無いだろ……」というぐらい音量は上げれます。そのため、音量確保に困ることは無いです。

反面、音量が思うがままに調整可能なため、周囲への音漏れが発生している事は認識しておきましょう

『PurFree Buds』は構造(スピーカーの配置)上、結構音漏れがしやすい印象です。

また、音量調整が本体下部の物理ボタンで可能なため、完全ワイヤレス機種でありがちな音量上げ下げの誤動作率も少ない点は好感が持てます▼

低音域の表現もそこそこ

低音域についても『HA-NP35T』に比べると『PurFree Buds』の方が格段に取りやすいです。

高域を重視しない低音域好きの方であれば満足度が高いかもしれません。

ただ『濃厚な重低音!』とか、そういう音楽表現の豊かさまでには到達していない印象です。あくまで「低域もそこそこちゃんと音出てるよ」という程度だと認識しておきましょう。

音の全体的なクリアさは……普通……

上記でも少し触れましたが、『HA-NP35T』と比較をすると、音の透明感というかクリアさに少々がっかりしてしまうレベルです。

『HA-NP35T』は『PurFree Buds』と比べると低域が格段に弱い特徴の結果だとは思うのですが、『PurFree Buds』をイコライザでどれだけ音量調整をしても『HA-NP35T』のような聴き心地の良い『クリアなサウンド』に到達できませんでした。

ただ、念のため補足をしておくと、『クリアなサウンド』に到達していないとはいえ『普通』としてのクオリティは十分満たしています。

この『普通』というのも結構重要で、安価なオープンイヤー系では全くその『普通』すら満たせていないものばかりです。

その点『PurFree Buds』は『高水準な普通』としては頑張った性能ともいえます。『そこそこの音質』という意味では音全体のバランスに破綻が少ないです。

作業BGM適性はかなり高い

音質が『普通』であることが意外な形で恩恵として現れます。

作業用BGMとして丁度良いのです。

なまじ音質が良いと、作業時に音楽を流している時に思わず聴き入ってそちらに意識がもっていかれてしまうことがあります。特にヴォーカル曲になるとその可能性は顕著化しがちです。

しかしこの『PurFree Buds』の場合は音質が安定して『普通』のため、ヴォーカル系の音楽を聴きながらでも、なんとなくBGMとして聴き流して作業に集中できます。

『音楽鑑賞用途』として価格も考慮すると「完全にダメなのでは……?」という気がするのですが、オープンイヤー系に大勢の人が求めていそうな本来の用途を考えると「むしろこの『普通』の音質が適正なのか……?」と思えてきます。

またフィット感については3製品の中で一番良く、多少体を動かしても落ちることはなかったです。

apt-Xを活かした活用は可能か?

今回レビューしている他の機種との明確な利点と言えばPurFree Buds』はapt-Xに対応しているということです。

apt-Xの性質として「AACやSBCよりは遅延が少なく・音質も良く・接続の安定度も高め」という点にあります。

コーデックの音質については諸説あるのでここでは割愛します。

ただ、ここまでの内容の通り、正直なところ『PurFree Buds』はデバイス性能としての音質が特別良いとは言えません。

「apt-X対応、宝の持ち腐れでは……?」

そんな不安を解消しようと色々考えてみました。

『遅延性能』を活か……す?

「遅延の差で明確に用途が増えるなら、それはこの機種の完全なアドバンテージになるはず!」ということです。

とはいえ、リズムゲーム(音ゲー)ではapt-Xでは遅延が酷過ぎなせいで、打鍵音ありでは全く役に立ちません

というわけで、試しにAndroidで原神を軽く動かしてみました。

なんというか……やっぱりapt-Xではアクションゲームもダメですね。

『攻撃モーションで斬撃が終わって、ワンテンポ後に斬撃効果音が鳴る』という感じで、アクションゲーム特有の爽快感も阻害してくるため、とてもこの状態でプレイしたくないです。

ただ、コマンド選択型のようなゲームであれば、まぁギリギリアリかと思います。とはいえ、そういうゲームだと今度は割り切ってプレイしてしまえばSBCなどでもできてしまうので、それはそれで微妙な利点と言えそうです。

せめてapt-X LLやadaptiveに対応していれば、明確な利点になったのですが……。

動画を見るにしても、「開放型のイヤホンで見れる空間であれば、いっそちゃんと遅延のないイヤホンで、周りを気にせず見たい」というのが本音ですね。

もっとも、このあたりの感覚は人によりけりなので、私と同じ考えに至らない人も居ると思います。

しかし少なくとも、私はこの製品に『apt-X程度の遅延性能』であることを活かした使用法が浮かびませんでした。

『接続の安定性』を活か……す場がない……

次にapt-Xの接続の安定性ですが、これを活かすということはすなわち『屋外(自宅以外)で使う』前提になるはずです。

……ぶっちゃけ活かす場が無いですねぇ……。

SBCよりは良いとはいえ、apt-Xもそこまで接続の安定性が強いというわけでもありません。

音質以外でapt-Xを活かせる場が無いが……

考えれば考えるほど『オープンイヤー型』というジャンルにおいて、apt-Xの優位性がなかなか無いです。

優位性の恩恵を確実に得るためには『それ相応のドライバを搭載した、それなりに高価で高音質な製品』である必要があります。

あるいはapt-X adaptive,apt-X LLなどに対応していれば、一気に利用の幅が広がったのですが、その点は残念なところです。

しかもapt-Xの音質に関する優位性についても……、使えば使うほど「この程度のドライバ性能なら、別にSBC接続でも良いかなぁ……」という気分になってきます。

例えば、最初はFireHD8で作業用音楽を垂れ流す時にapt-Xのトランスミッターを使用していた(FireHD8はapt-Xに対応していないため)のですが、次第に面倒臭くなってきてFireHD8の本体に直接SBC接続をして使うようになってきました。

バッテリー保ちの判断基準について

今回レビューしている製品のように、最近の完全ワイヤレスは公式情報ではバッテリーが7時間保つとのことです。

実際に以下のようなサイクルで使ってみてもバッテリー消費的に問題ありませんでした。

09:30~  使用開始(仕事中のBGMとして再生)
12:00~  使用停止(昼休憩中はケースで充電)
13:00~  使用再開(仕事中のBGMとして再生)
18:00~  使用停止(ケースで充電しながらケース自体も充電)
20:00~  使用再開(作業時のBGMとして再生)
25:00~  就寝(ケースで充電)

この製品に限らないですが、基本的に「仕事中・作業時は付けて、その他の時間は外す」というサイクルであれば、電池が切れてしまうストレスは無いです。

もし、一定期間以上愛用し続けてバッテリー寿命が怪しいと感じ始めた場合には、作業合間の小休止などに短時間充電をするのもアリだと思います。

音漏れにもご注意を……

オープンイヤー型は耳に直接差し込まない割には音漏れは少ないです。

ただ、あくまで『少ない』だけなので、音漏れ自体は存在することに注意しましょう。

音漏れ少ない:『HA-NP35T』
音漏れ多少ある:『Oladance』
油断すると音漏れヤバい:『PurFree Buds』

という印象です。

もっとも、どの機種も「音量を上げるとそれ相応に音は漏れる」という認識をしておくことが良いでしょう。

骨伝導タイプとの比較(Shokz OpenMove)

明らかに他の3つとは経路が異なりますが参考程度に……。

やはり音質は『骨伝導』ということで全体的に丸みを帯びてこもり気味です。それでもOpenMoveの音質は骨伝導系にしては全体的に音が安定していました。

『電波状況がすごく良いけど、音の籠ったAMラジオ』とでも言うべきでしょうか?完全に用途を割り切れば便利なアイテムだと思います。音質(特に音のクリアさと低域・高域の出力)は明らかに今回の他3種には劣りました。

この辺は骨伝導なので仕方が無いという感じですね。

骨伝導も使いどころや好みの差によって便利な製品なので、用途によって使い分けると良いでしょう。

ただ、骨伝導に音楽鑑賞の音質を求めるのはダメです。そこは『骨伝導だし』と割り切りが必要ですね。

まとめ

今回のレビュー内容をまとめると以下のような感じになります。

オールラウンドでコスパ重視(音量は要工夫):『HA-NP35T』
音楽鑑賞で最強(ホワイトノイズは鳴る):『Oladance』
音量が取れて作業BGMに良い(音漏れでかい):『PurFree Buds』

どれも状況や目的に合わせれば、値段相応・それ以上の働きをしてくれる製品だと思います。

音量問題が解決できる(or許容できる)方であれば、『HA-NP35T』はかなりお薦めしやすい製品です。

何も考えずに「とりあえず『ハズレ』を引きたくない」という方は、『Oladance』が無難です。コレを購入してハズレと感じた場合には「そもそも自分にとっては『オープンイヤー型』というカテゴリ自体がハズレだった」と捉えるべきでしょう。ただホワイトノイズが気になる人は注意が必要です。

周囲への騒音を最小限に留めつつ、耳への負担が少ないオープンイヤー型については、今後も良い製品が出ればと期待しています。

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【Galaxy Tab S8 Ultra レビュー】お絵描きや音ゲー、iPad Proとの比較など評価しました!! https://hassanblog.com/2023/02/25/post-18918/ https://hassanblog.com/2023/02/25/post-18918/#comments Sat, 25 Feb 2023 06:39:38 +0000 https://hassanblog.com/?p=18918

こんにちは、佐崎司です。

今回は『Galaxy Tab S8 Ultra』のレビューをします。

メジャーな製品なのでネット上にはレビュー記事であふれていますが、私目線で音ゲーやお絵描き適正など書いています。

コスパ最高のタブレット「Fire HD 8」のレビュー記事はこちら▼

タブレット置きに使用しているマウントトレーについてはこちら▼

Galaxy Tab S8 Ultraとは

Galaxy Tab S8 Ultraはサムスン電子から2022年6月23日に発売されたタブレットです。

有機ELディスプレイを搭載した14.6インチの大型ディスプレイであり、現状のAndroidタブレットとしては最高峰に位置付けられます。iPadシリーズで言うとiPad Proのような製品です。

またSペンが付属しており液晶タブレット用途として絵師にも人気があります。

スペック

メーカーサムスン電子
価格172,800円
Amazon 2023年2月25日時点
製品名Galaxy Tab S8 Ultra
SoCSnapdragon 8 Gen 1
ディスプレイのサイズ14.6″ (369.9mm)
ディスプレイの解像度2960 x 1848 (WQXGA+)
ディスプレイの種類Super AMOLED(有機EL)
ディスプレイの色数約1,600万色
リフレッシュレート最大120Hz
Sペン対応対応(ジェスチャー/リモート操作)
アウト (メイン) カメラ13.0 MP + 6.0 MP
イン(サブ)カメラ2.0 MP + 12.0 MP
外部ストレージ対応MicroSD (最大1TB)
ストレージ (GB)256GB
メモリ (GB)12GB
USBバージョンUSB 3.2 Gen 1
位置情報GPS, Glonass, Beidou, Galileo, QZSS
Wi-FiIEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax
Wi-Fi ダイレクト対応
BluetoothバージョンBluetooth v5.2
PCとの接続Smart Switch(PC版)
OSAndroid™ 12.0(verUP可能
センサー加速度センサー, 指紋センサー, ジャイロセンサー, 地磁気センサー, ホールセンサー, 照度センサー
サイズ(高さ x 幅 x 厚さ, 約mm)208.6 x 326.4 x 5.5
重量 (約g)726g
バッテリー容量 (mAh, 標準)11200mAh

大画面・高解像度・高画質

14.6inch、2960 x 1848、有機ELと、ディスプレイ品質については唯一無二と言って良い高性能です。

きっと思わず高画質な動画を見たくなると思います。

リフレッシュレート120に対応

近年の上位機種にチラホラ搭載されていますが、この機種も例に漏れずリフレッシュレート120に対応しています。

リフレッシュレートが高いと、ゲームだけにとどまらず普段使いにおいても(ブラウジング時のスクロールの際でも、文字が目で追いやすいなど)視認性が向上します。

後で別途触れていますが、リフレッシュレートの恩恵は一部のリズムゲーム(というかプロセカ)でも絶大なのでお薦めの要素です。

Sペン対応

この機種を購入する方の多くはコレが一番の目当てではないでしょうか。

SペンはWacom-EMR(電磁誘導方式)に対応した電池不要ペンに対応しています。

Sペン自体を充電して使用することも可能ですが、『Sペンで画面をタッチして絵を描いたり、サイドキーを使って操作する』ことに関しては、充電はしていなくても問題ありません。

Sペンを充電して得られる恩恵は『リモコン操作』のため、正直なところ充電をしなくても問題無いユーザーが殆どだと思います。

ペン自体の性能は4096レベルの筆圧に対応しています。

カタログスペックだけを見ると「一般的な液タブや板タブよりも低スペック?」と思うかと思います。

しかし動作プロトコルがWacom-EMRのため、ヘタな海外製液タブよりもよっぽど高性能で、ジッターも少ないのでお絵描き用途にも最適です。

初心者にも安心のマニュアル

一般的な安価なタブレットの場合、マニュアルが付属されていてもせいぜい見開き数ページ程度のため、操作方法や機能の使用法に戸惑うかもしれません。

しかし『Galaxy Tab S8 Ultra』は公式ホームページにて、機種専用の日本語マニュアルが存在します。しかも150ページ程度の大ボリュームで事細かに説明されています。

ベンチマーク結果について

ベンチマーク結果は、一般的なAndroiタブレットと比較すると格段に高性能です。

今回のベンチマークには『antutu v9.5.6』を使用しています。

現在は『Playストア』ではなく、公式ページから直接入手なベンチマークアプリですが、今でもかなり有名で代表的なベンチマークアプリナタメ、ご存じの方も多いと思います、

結果はこんな感じに▼

GPU性能が約39.5万でした。

iPad のM1系でGPU性能が60万前後、M2系で80万程と考えると、ハイエンド系機種に比べると控えめなスコアに見えてしまいますが、2023年1月時点で現存しているAndroidタブレットの中では最上位性能に位置します。

日本では発売されていない前世代である『Galaxy Tab S7』系のGPU性能が約23.5万であることを考えても、十分に進化していることがわかります。

3Dゲームの動作について

代表的な3Dゲームとしてお馴染みの『原神』で動作を確かめてみました。

『画質:カスタム』の状態から『FPS:60』『レンタリング精度:高』のみ変更してみました。

(※ちなみにGalaxy 自体の『グラフィックの質』設定は100%(最高解像度)にしています)

そしてマップ上の以下へワープし、高台から降下しながらカメラをぐるぐる回してみました▼

直立している場合でFPS60固定で、各種負荷はこんな感じに▼

FPSは61と出てますが、実質60FPS固定と考えて良いです。

高台から降下飛行しながらカメラをぐるぐる回すとこんな感じに▼

基本は60FPS固定です。「稀に59FPSが見えるかな」という感じでしょうか。基本的には滑らかに動作してくれます。

GPU使用率も100%まで頭打ちせずに、90%まで行くかどうかという状況でした。CPUについても50%少々。

戦闘中の激しいエフェクトなどで状況が異なる点もあるかもしれませんが、戦闘中はそこまで広範囲で緻密な物体が見えるアングルになる可能性はあまりないと思います。

そのため、原神プレイ環境としては十分のスペックだという印象です。

ただ長時間プレイ時の電池消費と熱が気になるので、人によっては特定の画面効果を削ってみたり、FPS設定を45などに変更してみたりするのも良いかもしれません。

そのため「最高スペックのタブレットを購入したのだから、きっと最高環境で動くに違いない」という考えは捨てた方が良いです。

何も気にせず最高画質で楽しめる』という領域には、この機種というよりAndroid環境自体がまだそこまで高性能になってないのかも……というのが本音なところです。
コメントにて指摘頂きましたが、他の高性能(8+gen1/gen2搭載など)なAndroidタブレットやスマホであれば最高画質で発熱を気にせず原神が遊べるようです。以降でGalaxy Tab S8 Ultraでの原神の動作について追加で検証してみました。

原神の動作について

「Galaxyは原神と相性が悪く、fpsが33前後しか出ない場合がある」という旨のコメントを頂きました。

元々私自身が以前はGalaxy note9 (スナドラ845)のスペックで結構遊んでいたので「そこまで酷かったっけ?」と思い、更にGalaxy Tab S8 Ultraで原神をプレイしてみました。

設定はこんな感じに▼

画質が『カスタム』になっていますが、一度最高設定にした後にフレームレートだけを60に変更した、本当の意味での『最高画質』の設定になっています。

「とりあえずボス系巡ってみれば良いのでは?」という発想で、フレームレートの表示を気にしつつボス巡りをしてみました。

1体目のボス戦▼

ボス戦闘中でも視覚的に極端にキツイフレーム落ちは発生した印象がありませんでした。チラチラFPSを確認しても、基本は60fpsで、エフェクトによって53ぐらいまでチラチラ落ちる程度です。正直「パソコン環境じゃないしなぁ」と割り切れば問題無い印象です。

2体目のボス戦▼

『ボスがエフェクト強め+周囲の背景も見える』ということで、フレーム落ちを期待(?)しましたが、予想外に快適な結果となりました。1戦目同様、プレイに支障をきたすような目立ったフレーム落ちは無い印象です。少なくともFPS50を切るような状況は無かったです。

途中で敵のいそうなマップ上を適当にうろうろしながら狩っても、瞬間的に57などに下がりますが大体は60安定でした。

3体目のボス戦▼

ボスの火攻撃系のエフェクトが負荷になっているのか、他ボスに比べてフレームレートが低下した印象です。とはいっても「安定して常に55ぐらい、攻撃エフェクトで50ぐらい」という状態で、プレイには違和感がありませんでした。

完全に最高画質の設定でこんな感じだったので、微妙に各種設定を調整してあげればFPS60でも遊べると思います。ただ、ここまで上げた画像でもわかるように、本体の熱はじわじわ上がってきているのも事実です。その辺りはベルチェ系の冷却ファンだけで十分安定さをカバーできると思います。

なので一度長時間プレイしてみて、高温からもし極端なフレーム落ちが発生するなら別途ベルチェ系で冷やすか、あるいはエフェクト系を一部切ったりして調整してみると良いと思います。

結果として私が試した限りでは、『FPS33前後』といった結果は出ませんでした。色々情報を探してみると、『FPS33ぐらいしか出ない』という報告を上げている方もおられましたが、少なくとも現状では本体の最新アップデートなどを行った状態では、搭載SoC性能とおおよそ近しい結果で動作しているので、原神動作についても問題無いという印象です。

原神の設定について

Android版の原神には、パソコンでお馴染みの『解像度』設定項目がありません。

そのため、初めて原神を動かした際に「……あれ? なんか画質汚くね?」という状態になります。

パソコンの場合にも同様の設定項目がありますが、「Androidの場合は『レンタリング精度』項目が表示の綺麗さに一番直結している」という点を覚えておきましょう▼

ただ、この『レンタリング精度』設定を、高まで上げたとしても、galaxy tab の画面サイズだと人によっては若干粗目に感じるかもしれません。

恐らく原神のアプリ自体が「Android上でのプレイにおいて、galaxy tab 8s ultra のような『高解像度・大画面』でのプレイを想定していない」のだと思います。

「画面がちょっと荒いなぁ……」と、どうしても気になってしまう場合は、思い切って画面表示自体をフルスクリーンではなくポップアップ表示で一回り小さめにしてしまうのもアリだと思います。

無線接続時の対応コーデックについて

今回の『Galaxy Tab S8 Ultra』においてBluetoothコーデックは、最新機種にしてはやや控えめという印象です。

もっとも、このコーデックの対応具合はこの機種固有というよりは、Samsung系機種共有の傾向といえます。

【(多分)対応コーデック一覧】
・SBC
・apt-X
・LDAC
・SSC

【非対応確定コーデック一覧(実機検証済み)】
・apt-X LL 
・apt-X adaptive

SSCはSamsung独自のコーデックなので、Samsung製のイヤホンを購入しない場合には関係無いと思って問題ありません

apt-Xについては、手持ちのイヤホンで試した限りでは『apt-X LL』『apt-X adaptive』のどちらにも対応していませんでした

そのため「遅延が少ない環境で無線接続のイヤホンやヘッドホンを利用したい場合には、USB接続のトランスミッターが必須」と考えるべきでしょう。

余談ですが、apt-X HDについては未検証ですが、Android端末のこの『開発者向けオプション』で表示されるコーデック一覧は、結構実際の対応状況と一致していない場合があるので注意が必要です▼

さすがにapt-X HDは利用できるとは思います……が……。

あと、以前に比べると表示内容も正確になってはきているはずです。

なお、昔からあるLDACは音質重視のコーデックとしては魅力的ですが、意外と対応している高級ワイヤレスイヤホン・ヘッドホンは少な目の印象です。その点も注意しましょう。

音ゲー(リズムゲーム)との相性は?

Android環境化においては最優秀と言えますが、やはり『Androidにしては』という評価の枠を超えることができません

逆をいえば、この環境で満足できない場合はAndroidでのプレイは素直に諦めるしかないです。

音ゲーガチ勢の方であれば素直にiPad Pro系を購入し、有線環境でプレイする方が無難でしょう。

実際にプレイしてみる(apt-X adaptive編)

ということで、『タイミング調整:0』設定下において、

・Bluetooth使用(BT-W4、Noble Falcom Proでのapt-X adaptive接続)

にて、皆様お馴染みの音ゲーである『プロセカ(プロジェクトセカイ)』をテストプレイしてみました。

現状での『個人的お気に入りな組み合わせ』です▼

プレイ結果はこんな感じ▼

自分的に「フルパフェ狙えるかな?」という難易度でも、どうしても全体の0.5%~1%ほどGREAT判定が混ざってしまう印象があります。

ただ、これまでもAndroidで音ゲーを楽しんできた方であれば、十分に満足できる性能とも言えます。

音ゲーと相性が悪いAndroid端末でプロセカをプレイした場合では、端末によってはGREAT判定を30%近く量産してしまうような機種もあります。そういった機種に比べるとGalaxy Tabは十分に快適です。

Android系の機種でたまにある「フリックが抜けやすい」といった感じの致命的な問題点もありませんでした。

正直なところ、人によっては「ほんのちょっと音がズレてるかも?」と感じるかもしれませんが、身もふたもないことを言うと「所詮はAndroid環境」なので、高品質な音質で楽しめるという意味では全然アリです。

実際にプレイしてみる(apt-X LL & 専用ドングル編)

今度はゲーミング系でお馴染みのメーカーである『EPOS』の『GTW270(専用ドングル&apt-X LL対応)』

でも動作を確かめてみました。

『GTW270』を専用ドングルで利用するとBluetoothの遅延を意識するのがほぼ不可能(Android起因の遅延については除く)なレベルになります、今回比較したapt-X adaptiveの接続方法よりも明らかに「ノーツを叩いた時に指が画面に吸い付いてる感じ」が強く、「これ、遅延あるのか?」と思えるレベルで違和感がありません(繰り返しますが『android環境として発生しうる遅延』は前提での話です)。

個人的な遅延の体感を『GTW270+専用ドングル』の場合を1として、数字を使ってまとめるとこんな感じになります。

■遅延の度合い(あくまで個人的な体感比率)

GTW270+専用ドングル:1
GTW270+apt-X LL:2
ーーーーここから上は、画面に指が吸い付いてる感覚があるーーーーーー
apt-X adaptive:5
ーーーーここから上は「ノーツと音が大体合ってる」と思えるレベルーーーー
apt-X :100
SBC:比較する気も失せる、論外

やはり音楽的な音質を犠牲にしているだけあって、「GTW270+専用ドングル」の組み合わせが一番遅延の体感がありませんでした。この組み合わせに慣れてしまっているとadaptiveの低遅延でも違和感があります。

とはいえ、通常のapt-Xの遅延の酷さと比べるとadaptiveでも十分遊べます。

Gamedac接続(有線)時の遅延も問題無し

USB-DACなどを利用した、イヤホンの有線接続時にも音の遅延についてはAndroidとしては』最高品質レベルに安定しているといえます。

上記の『BT-W4 + apt-X adaptive』接続でもゲームプレイ上は問題無かったのですが、やはり有線接続の方がノーツを叩く際に『指に吸い付く感じ』が体感できます。

USBトランスミッターを利用した低遅延(apt-X LLや、apt-X adaptive)な無線接続でのプレイでも問題なかったのですが、「よりリズムゲームの体感を良くしたい」という場合はUSB-DACを用いた有線接続をお薦めします。

以前レビューをした通り、Gamedacと音ゲーは大変相性が良いです。自分の好みの音質に調整して音ゲーができるという利点はかなり大きいと思います。

『120FPS+3DMV』プレイはまだ厳しい

昨今の音ゲー(というかプロセカ)的に「ノーツが120FPSで安定して落ちてくるかどうか」でゲームの快適度が明らかに変わってきます。

『Galaxy tab S8 ultra』のスペックであれば、基本3DMVを切ってプレイすれば『基本的には』120FPSで快適に遊べます。

ただ3DMVを付けた状態でのプレイでは、まだまだ目に見えるカクつきが頻繁に発生する状況です。

Galaxy機種公式のアプリを使用して、『プロセカ』起動時の解像度(グラフィックの質)を限界まで落とし、ゲーム内での3DMVの質を軽量設定にしても、3DMV再生時に安定した120FPSを得られませんでした▼

3DMVありでのプレイをすると、どうしても「一時的にFPSが100ぐらいまで落ちる」状況が頻出します。

これだけ書くと「FPS100? 60よりめっちゃフレームレート高いからチョー滑らかで快適じゃん!?」と思う方もいるかもしれません。しかしその考えは間違いです。

例えば秒間120フレーム時において、20フレーム丸々が一気に飛んだとしても、表現上は『秒間100フレーム』といえます。しかし、120フレーム中20フレームが一気に飛ぶような状況は、最大60FPS化での50FPSよりも見た目のカクつきが顕著になりがちです。

3DMVを出しながら安定したプレイをする方法の一つとして、『そもそも60FPSに固定する』という方法もあります。

Galaxy tab自体の設定にて『動きの滑らかさ』を120Hz(高)設定から60Hz(標準)設定に変更することで、ゲーム内のフレーム上限も60FPSに設定することが可能です▼

ただ、これをするともちろんゲーム全体が60FPS動作になります。そのため、当然ノーツの落下も60fpsに……。一度プロセカのノーツ落下120FPSを体感してしまうと、60FPSの落下は『直視できないほどガクガクで酷い』と感じること間違い無しです……。

Galaxy tab S8』系のスペックでは、まだ『プロセカを完全に快適プレイ』とまでは程遠いようです。もっとも、繰り返しますが「これより快適な音ゲー環境を探すと、後はもうiPad (主にPro系)」という感じでもあります。

そもそも『Androidの持病』は回避できていない……

ここまで幾度と『Android環境としては』という言葉を使用している通り、Androidで音ゲーをする際にどうしても回避できない(少なくとも過去に『回避できた』という報告を見たことが無い)欠点は、今回の『S8 Ultra』も備えているといえます。

そんな『Androidの持病』を以下に2点挙げていきます。

①.『ほぼ遅延が無い』と言っても、裏を返せば若干ある

常に少し遅延があるというよりは、『常にムラのある微弱な遅延が点在している』というところでしょうか。

そのため「フルパフェを取れている曲を何度やったとしても、どうしても0.5~1%前後のGREAT判定が出てしまう」という現象が発生します。

フルパフェ取れなきゃヤだぁーっ!!」という方は、素直にiPad系(Pro推奨)を購入しましょう

②.3DMWを切っていても、たまにカクつく

どれだけゲーム設定を軽くしたとしても、不特定の場所で、稀に数フレームカクついてる印象があります。

MV系の表示を切ると明らかに処理能力的には問題無いのですが、それでも稀に微妙なカクつきによる『抜け(押したのに反応してない)』が発生します

しかしこの『抜け』は、発生しないときは全然発生しないので完全に運だと思います。

ただ、この症状も「Androidで音ゲーするなら、まぁ仕方ないか」ぐらいの気持ちが必要です。そのぐらいに『Android音ゲーあるある』な症状です。

そのため「たまにでも『抜け』てフルコンボ逃すとかあり得ないぜぇ~っ!」という方は素直にiPadを(ry

プロセカの要求スペックは想像以上に高かった……

重要なことを述べておきますが、個人的にプロセカ』を真なる意味で快適にプレイするための要求スペックは『原神』より遥かに高いと思っています……

プロセカの3DMVの中でも特に異様に重い気がするのが『悔やむと書いてミライ』です。

表示キャラが5人とはいえ、後続で出ている3DMVよりも見た目のシンプルさに反してやたらと動作が重い印象があります。おそらく初期の3DMVのため、動作軽量化のノウハウが少ないく、光源からの広範囲処理で極端に負荷が掛かっているせいではないかと(勝手に)思っています。

とはいえ、上記の曲以外でも3DMVありの場合は頻繁に100FPSを割りかけるような状況が存在します。プレイできるにはできるのですが、純粋な音ゲーとして楽しむ場合にはノーツの落下の滑らかさは超重要なため、プレイ体験としてはあまり心地よくはありません。

しかし端末状況を大まかに観察した限りでは、上記曲プレイ中にGPU使用率が完全に100%まで張り付くというわけでは無く、CPU側の処理に至ってはかなり余裕があるように見えます。何か根柢の部分がボトルネックになっているのかは謎です。処理に活用できるCPUスレッド的に限界があるのかもしれませんね。

実際のところ『今後どの程度までAndroid端末が進化したら、プロセカが3DMVありで快適に120FPS動作するのかが想像できない』というのが本音です。

まだタブレット機種としては存在しない後継SoCの8 gen 2程度のSoCでも、正直まだ厳しそうな気がしますよね……。実際に試す機会を得てみたいものです。

リズムゲームエンジョイ勢なら全然あり

ここまでの説明ではダメ出しが多く、人(主に音ゲーガチ勢)にとっては「こんなものでゲームができるか!」と言いそうですが、エンジョイ勢の音ゲー楽しいぃ~っ!」ぐらいの気持ちの方々であれば、十分楽しめる機種です。

あと、実際にプレイ中には3DMVを切っている方が多い(ような気がする)ので、その際には120FPSの滑らかさで(Androidにしては)かなり快適にゲームが可能です。

というかこの機種で「音ゲー無理」とか言ってしまうと、世界中のAndroid端末の大多数に「音ゲー無理」と言うのと同義になってしまいます。

『キャラ音ゲー好きが大画面で気楽にキャラ愛でつつ音楽を楽しむ』という音ゲーの基本部分はしっかり押さえることができます。

また、大画面なのでノーツ間の距離が離れることになり高難易度譜面も見やすくなります。視認がしやすくなると、落下してくるノーツに対する対応思考猶予が増えます。そのお陰で「今まで苦手だった配置にも対応できるようになった!」というケースが生まれてくる可能性が高いです(私は体感できました)。

スピーカー性能はタブレット系では最強クラスでは?

個人的にはタブレットに一番期待しない部分がスピーカー性能です。

「まぁタブレット端末のスピーカーは『おまけ』だしなぁ……」という気持ちで期待していませんでした。

しかし、今回のGalaxy tab S8 ultra』のスピーカーはそこそこ良いです。

この『そこそこ良い』という表現、人によっては微妙な評価に思えるかもしれません。しかし自分の中では『タブレット端末のスピーカーに対しての最大の賛辞』と言っても間違いではありません。

タブレット端末らしからぬ音質

音質の検証として、あえて複数のハイレゾ音源を用いハイレゾ再生に対応したアプリを使用して試聴しました。

音を聴いて最初に感じた事は音の広がり方が良い点です。

ただ、これについては想定内でもありました。この端末はサイズが大画面な分、スピーカーの位置が必然的に左右に広がります。

そうすると良い感じに左右の耳に対するスピーカーの位置関係も良い感じに広がってくれます。

この『スピ―カーの左右の位置関係』は10inch程度の横の長さでは実現できません。

スピーカーから出る音自体の解像度も悪くない

スピーカーの位置関係だけでもそこそこ『人が聞き取った時の音質の印象』は変わってきます。

とはいえ、個々のスピーカーから鳴っている音自体が悪ければその効果が少ないのも事実です。

『Galaxy tab S8 ultra』のスピーカーは、スピーカーの一つに耳を当ててよく聴いてみても、『下手な安物の外付けスピーカーよりはよっぽど高音質で解像度が高い』事がわかりました。

スピーカーの音質は、ぶっちゃけ『Dolby Atmosにも対応している』とかそういう細かい御託はどうでも良いです。Dolby系に対応していようと音質が微妙なデバイスは吐いて捨てる程存在します。

スペック上の細かい機能対応がどうこうとか、そういう話はおいておいて良いです。

音質はそこそこ良い。実際に聴けばわかる』という事実が全てです。

その結果か、タブレット端末のスピーカーではほぼ確実と言って良い「なんだかんだでラジオっぽい音質」っぽさがかなり軽減されています。

個人的に「タブレット端末のスピーカーで動画鑑賞や音楽鑑賞」というのは、作業BGMぐらいの流し聞き以外は許せないのですが、「この端末の音質ならまぁアリかも?」と思えてしまいました。

とはいえ『タブレット端末のスピーカー』なので……

音質が『タブレット端末にしては良い』とはいえ、私がこのタブレットで動画をちゃんと楽しむ場合には、確実にイヤホンを使います。

ただ、3~4千円ぐらいの外付けスピーカーを使うぐらいなら、タブレットから直接音を出した方が自然でそこそこな音かも』ぐらいのクオリティであることは確かです。

普段からタブレットのスピーカーを活用している方であれば『音質が良すぎて感動するレベルだと思います。

まぁ私はその感動している人の横でUSBトランスミッターを使ってadaptive接続でイヤホン使いますけどねっ!

お絵描き適性について

ぶっちゃけGalaxy tab S8 ultra』はお絵描き用途での利用は大変お薦めできます。

高性能かつ描き味の良いSペン、高精度なパームリジェクション(ペンが画面に近づいているときに手が画面に当たっても誤動作しない機能)、高密度の解像度、大容量12GBのRAM、高性能SoC、と、持ち運び可能なデバイスにおけるお絵描き環境の最適解と言っても良いレベルです。

そのため、基本的には「予算が許すならこれを買え!」ぐらいの製品ともいえます。

そんな本機ですが、競合製品が存在します。それが『iPad Pro』です。

AndroidタブレットとiPad Pro、どっちが良いの?

最初に簡潔な回答をすれば、最新機種同士の性能を純粋に比較するとiPad Pro一択』になります。

正直なところ「とりあえず、なんか無難に快適に使えたら良い」という方はiPad Proが無難かもしれません。

Apple Pencil(というかiOS系の機種)は『細かなことを考えずに、なんとなく信頼して使用できる』という点では魅力的です。

タブレットに慣れてくるとAndroidが欲しくなる場合がある

「何も考えずに使うと考えるとiPad Proが無難」なのは確かなのですが、絵を描く環境について細かく拘りだすと話が変わってくる可能性が高いです。

というのもAndroidタブレット……というより今回の『Gatlaxy tab S8 ultra』は「持ち運び可能な絵を描く環境」としてはかなり使い勝手が良いです。

iPad Proに比べて分り易い優位性としては以下があります。

・大画面
・tabmate(clip studio paint専用片手デバイス)が利用可能
・ポップアップ表示で複数アプリを自由な場所に配置可能
ペン先がカツカツ音しない
ペーパーライクフィルムが無くても描き味が良い
・UIの表示サイズ調整が柔軟に可能

複数アプリの配置については、最新iPad系の一部機種でもDeXと似たような機能が実装されています。しかし、実際のところDexやポップアップ表示に比べ、iPadでの近似機能は配置場所や同時使用可能アプリ数に自由度が少ないです。本機能については「まだまだGalaxy tab が圧勝かな」というのが個人的な本音です。

「iPad系ではtabmateが使用できない」という点は知らない方が結構多いようなので、購入検討の際には注意が必要です。ipad proでclip studio paintを使用する場合は自然と使用可能な片手デバイスの選択肢がAndroidに比べて少なくなります。

視認性や耐久性を保ちつつ、描き味が良い

絵を描くうえでのSペンによる恩恵は多岐にわたります。

ペン自体の技術的な性能の良さはもちろん、もっとわかりやすい「手で感じる描き味」の良さも利点です。

Sペンのペン先はやや柔らかいような素材のため、ツルツルなガラス面に対してもしっとりとした程良い摩擦感で良い描き味になります。

そのため、有機ELの綺麗な表示を損なわせずにガラスフィルムを貼っても問題無くお絵描きが可能です。

また、標準付属のペン以外にも使用可能なペンはいくつか存在します▼

互換性があるペンの中でも一番有名なものは、上画像の下から2本目にある、鉛筆状の『hi-uni』ペンでしょう。このペンはサイドキーは無いとはいえ、描き味性能の評判が大変良いです。

また、全てのペンに共通して言えることは「ペンがApple Pencilのようにカツカツ音がしない」ということです。ペンを画面に当てたときの音は人によっては気になるようなので、そういった人にはぜひGalaxy tabをお薦めしたいですね。

余談ですが、ペンがホバー時のカーソル表示については以前はAndroidの特権でしたが、最新のiPad ProからはAndroid同様にホバー時のカーソル表示に対応しています。

Sペンの性能について

実際のSペンについて紹介していきます。

最初にペン良し悪しについて述べておくと『全く問題無いレベルに良いです。

そのことを前提にしつつも、まずは視差から。

視差についてはかなり斜めからペン先を確認して、この程度の視差です▼

「僅かに画面の厚み分の影響があるかな?」という程度なので、通常使用時に視差が気になることは無いです。

お次は筆圧感知に関して。

筆圧無調整で太さ55の場合の描き味はこんな感じになります▼

Wacom-EMRは全体的に高品質なのですが、無調整だと入り表現が苦手な印象はあります。

もちろん、ペンの筆圧との相性は個人差がありますが、Clip studio paintであれば筆圧設定を自分に合った形に調整してみると良いです▼

私の場合は調整後はこんな感じになりました▼

調整はいつでも何度でも可能なため、自分が違和感無く使えるまで色々試してみましょう。

お次はジッターに関して。

ジッターとは「直線を描いてるつもりなのに、なんか線がふにゃふにゃになる」というアレです。

線1本当たり10秒ほどで物差しを使用して引いてみました▼

拡大するとこんな感じになりました▼

確かに拡大すると「ちょっとブレがあるかな?」という結果となりましたが、Androidタブレットのカテゴリにおいてはぶっち切りに安定感がある精度です。

実際に絵を描いていると気にならない精度なので問題無いです。

UI部分の表示サイズの調整方法

『Galaxy tab S8 ultra』で表示をさせた場合の表示はこんな感じです▼

高解像度のため、これでも十分描画領域が確保されていますが、人によっては「もっとUIの表示を細かくしてでも描画領域を広くしたい」と考えるかもしれません。

Android端末共通の隠し機能である『開発者向けオプション』を使用することで、UIのサイズの調整が可能です。

(設定の『端末情報』⇒『ソフトウェア情報』⇒『ビルド番号』を7回以上連打で押すことで、『開発者オプション』設定が出現します。)

開発者オプション内にある『最小幅(dpi)』設定を変更することで、画面の表示サイズの変更が可能です▼

このdpi設定を大きくすると、その分全体のUI表示が細かくなります。

一気に数値を変更させてしまうと操作が困難になる場合があるため気を付けましょう。

上記の『最小値』設定を1000dpiほどにするとこんな感じになります▼

全体的に表示が細かくなっていることがわかります。

なお、このdpi値は『解像度を調整する機能』ではなく、『AndroidOS側が画面表示を行う際にレイアウトの目安に使う値』のようなものです。

稀に各種情報サイトなどで「開発者モードで解像度が変更可能!」などという紹介がありますが、あれは誤りです。

もし本当の意味で『画面解像度』を変更したい場合には、パソコンを利用した『adb shell wmコマンド』に関して調べてみてください。ただ、ご利用の際は自己責任でどうぞ。

『adb shell wm』コマンドは以前は低スペックAndroid端末でのゲームプレイ時には活躍した印象です。

しかし『Galaxy tab 8S ultra』の場合はスペックが十分に高い点と、samsungの公式アプリ(Game Plugins)で『グラフィックの質(%)』を変更することでゲーム起動中の解像度の調整が可能になっています。

そのため、現在は無理に『adb shell wm』を使用することは無いでしょう。

tabmateが使用可能

現状iPad Pro では使用できない片手デバイスである『tabmate』が、Androidタブレットでは完全に対応しています▼

『tabmate』は、パソコン環境でclip studio paintを使用している方によっては『これが無いと絵を描く気がしない!』というぐらいに重要なデバイスである可能性があります。

そういったデバイスをパソコン環境と同様に使用可能な点も大きなポイントといえます。

もちろん『tabmate』以外でも、一般的な各種キーボード系の入力装置を用いたショートカット操作も設定可能です。

最後に

Galaxy Tab S8 UltraはAndroidタブレットとして最高峰の性能であることは間違いありません。競合しているiPad Proが優秀すぎるという点もありますが、価格差や用途を考えれば検討しても良いと思います。

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【Creative BT-W4 レビュー】低遅延かつ高音質なBluetooth トランスミッター!BT-W3との違いも検証しました!! https://hassanblog.com/2023/01/22/post-18808/ https://hassanblog.com/2023/01/22/post-18808/#respond Sun, 22 Jan 2023 09:10:13 +0000 https://hassanblog.com/?p=18808

こんにちは、佐崎司です。

今回はCreative社のBluetoothトランスミッターである『BT-W4』についてレビューいたします。

「トランスミッター? なんじゃそれ?」

という方へ簡潔に説明すると「ゲーム機やスマホ・タブレット・パソコンで『無線イヤホンを高音質で使う』ための道具」、いわゆる「Bluetooth飛ばすアレ」です。

人によっては「え? わざわざ無線のイヤホン使うために、なんか買い足して挿すの?」と、馴染みが薄いかもしれません。

確かにスマホではBluetoothが標準搭載されているので、Bluetoothイヤホンを使用する際も何も気にせず利用されている方が大半だと思います。

そんな存在の『トランスミッター』ですが、用途を明確・適切に決めて導入すると格段に便利になったり高品質な音が得られるようになります。

中堅的な(安価ではないけど、ヘビーユーザー向けとまでもいかない中間性能)位置付けの製品である今回の『BT-W4』は、apt-x adaptiveの入門機としても最適です。

ぜひ今回の内容を参考にしていただければ幸いです。途中で『BT-W3』との比較も入っていることがあります。

上位機種のBT-W5はこちら▼

注意:今回のレビューにおける『Hi-Res(ハイレゾ)』関連の記述について

最初に注意点なのですが、今回のレビュー内容において『ハイレゾ』という言葉が多数使用されていますが、正確に言うとハイレゾではありません。

高性能なUSB-DACなどで見るハイレゾのロゴマークで皆さん(多分)お馴染みの『JAS(日本オーディオ協会)』の定めるハイレゾ(のロゴ使用のスペック)は

・アナログ処理:高周波数性能:40kHz以上
・デジタル処理:
 フォーマット:WAV、FLAC 96kHz/24bit以上
 入力IF、AD、DAなど:96kHz/24bit以上

と定められています。

そういう意味では今回レビューとして取り扱う『BT-W4』はハイレゾ対応とはいえません(実際、ハイレゾのロゴもありません)。

ただ、実際のユーザー向け音楽市場において「基本的な音質よりもう一歩上の音質」という意味合いで、イメージしやすい方法として「ハイレゾ」と表現しています。

その点は予めご理解、ご了承のほどよろしくお願いいたします。

開封

今回は細かな『開封の儀』的なものは省略です。

「開封」と言っても、まぁぶっちゃけUSBのドングルだけ入ってるようなもんですし……

スペック

メーカーCreative
価格7,350円
Amazon 2023年1月21日時点
BT-W4(レビュー対象)BT-W3(※比較用)
対応コーデックaptX Adaptive, aptX, SBCaptX Low Latency, aptX HD, aptX, SBC
USBオーディオ解像度最大24bit/96kHz最大16bit/48kHz
ワイヤレス オーディオ解像度最大24bit/48KHz最大16bit/48kHz
接続デバイス切替可能(最大4つまで)x
対応プラットフォームPC、Mac、PS5/PS4、Nintendo Switch(ドック/携帯モード)PC、Mac、PS5/PS4、Nintendo Switch(ドック/携帯モード)
通信距離最大約50m最大約30m
Bluetooth Version5.25
コーデック表示LED、CreativeアプリLED
コーデック切替自動(最適コーデック)手動(ボタン)
アプリ対応Creative アプリ(Windows)x
USB ポートUSB-C(USB-A変換付属)USB-C(USB-A変換付属)
アナログ マイク付属付属

今回の『BT-W4』との比較として『BT-W3』を載せています。

おそらく多くの方が、

「『BT-W4』と『BT-W3』、どっちが良いの?」
「『BT-W3(あるいはBT-W2)』は持ってるけど、『BT-W4』って買う価値あるの?」

という疑問を抱えているはずです。

『BT-W4』は機能の第一印象だけでは「なんか、有名メーカー製品という理由で無駄に高そう……。なら『BT-W3でも良いのでは?』」と感じている人も居そうに思います。

その辺の事情も加味して紹介していきます。

『aptX Adaptive』対応

BT-W4』の存在意義と言っても過言ではない要素の一つが『aptX Adaptive』対応です。

すなわち、「aptXを使わないのであれば『BT-W4』を購入する意義がほぼ無くなる」ということです。

もっとも後述しますがWindowsパソコンで利用する場合』については、専用ソフトウェアの対応目当てでSBC,aptXでの接続用として購入するのも大いにアリです。

現在aptX adaptive対応の製品(イヤホンやヘッドホン)を持っていない場合は少なくとも「将来aptX adaptive対応のイヤホンやヘッドホンを購入しよう」という未来投資として考えると良いでしょう。

ワイヤレス オーディオ解像度 最大24bit/48KHz 対応

BT-W4』は無線環境での高音質形式(24bit/48KHz)に対応しています。

ただ、もちろんこのスペックを有効に活用するには、『適切なコーデックでの接続』や『ハイレゾ(に迫る)品質の音源』が必要です。

半面『BT-W3』はハイレゾに準ずる音源の再現には対応していません(最大16bit/48kHz)。コーデックの規格上はapt-x HDがハイレゾ(に迫る)品質なのですが、トランスミッター側の性能がコーデックに追い付いていません。そのため上記については注意しましょう。

4つのデバイスまで接続切り替え可能

『BT-W4』は4つまではペアリング情報を保持し、本体のボタンで接続の切り替えが可能です。

最初は使用法を戸惑うかもしれませんが、ボタン1タッチで切り替えが可能なので、使い慣れるとかなり便利なのでお勧めです。

PC、Mac、PS5/PS4、Nintendo Switch対応

上記については公式として明確に『対応』を謳っています。チャットに使うためのマイクなども付属しているため、ゲーム用途でも使い勝手の幅が広いです。

Nintendo Switchは以前に本体のファームウェア更新でBluetooth対応になっているものの、使用されるコーデックはSBC(『BT-W4』を使わずNintendo Switchと直接Bluetooth接続した場合)です。正直ゲームでの使用を考えると「攻撃モーションにワンテンポ遅れて攻撃音が鳴る」ぐらいの遅延が発生するため、致命的にキツ過ぎます。

『BT-W4』でaptX adaptive接続を使用することで、遅延に関する問題は解消するのでとてもお薦めしやすいです。

アプリ対応 Creative アプリ(Windows)

Windows環境で手軽に高音質を楽しみたい場合には『BT-W4』を強くお勧めしたくなる理由の一つがこの『Creativeアプリ対応』です。

この件については後述しています。

Android端末での使用も可能

対応プラットフォーム にAndroidが存在しませんが、一般的な『USB-DAC』として接続し利用が可能です。

ただし、メーカーとしての動作保障があるわけでは無い点には注意しましょう。

※iPhone,iPad利用はどうなの?

Android同様、公式な対応情報が無いですが、接続を適切に変換すればUSB-DAC扱いで問題無く接続される筈です。ただ、少し調べた限りでは「『BT-W3』は動いたけど『BT-W4』はiPhoneではうまく動作しない場合がある」ようです。

「Apple純正の変換アダプタだと電力供給不足で動作しない」といった情報も見つかったので、電源回りの出力の対応が若干怪しいのかもしれません。

この製品がというよりは「iPhoneやiPadなどにUSB-DACを接続して使用する際の一般的な接続相性の問題」という感じです。

この辺はアダプタを数種類試して頂くしかなさそうですね。

『BT-W4』が動作するアダプタさえ確保できれば、後は問題なく使えそうです。

こういう人には『BT-W4』がお薦め

今回の『BT-W4』、スペックを少し細かめに一見するとマニア向けなイメージが強いです。

しかし実際に製品を使い続けていると「思ったより万人に薦められるタイプかな」と感じました。

・ゲーム機で遅延を最小限に抑えて無線イヤホンなどを使いたい人
・色々な端末でapt-X adaptiveを使いたい人
・パソコンで無線環境を使って、高品質なイコライザや音響効果を掛けたい人

『apt-X adaptive』の恩恵が得られる利点

通常、この『BT-W4』購入動機の最大にして唯一の理由は、『apt-x adaptive』に対応している事です。

『apt-x adaptive』はここ数年でようやく普及しはじめてきたBluetoothのコーデック(接続の規格)の一つです。

apt-x adaptive』利点は「24bit,48KHz対応で高音質かつ、低遅延という点にあります。

ただ、『低遅延』という点においては、先行して普及が進んでいる『apt-x LL(Low Latency)』が若干優位になっています。

名前に『Low Latency(低遅延)』とあるように、『apt-x LL』は低遅延を活かしてゲームや動画視聴に便利なものとなっています。

音質だけど気にしだすと、更に音質が良い『apt-x HD』『LDAC』などが存在しますが、上記2点はapt-x adaptiveに比べて遅延が顕著だったり、屋外での利用時に音が途切れがちだったりというデメリットも存在します。

上記のように、多数あるBluetoothの規格の中でも結構良い音で遅延も少ないし、接続品質も悪くはない』という、『特化型じゃないけど、総合評価85~90点』ぐらいの位置づけのものが『apt-x adaptiveといえます。

PS4/PS5やNintendoSwitch向けに

最初の方も触れたように、『BT-W4』は、PS4,PS5,Nintendo Switchにも対応しています。

aptX adaptiveでの接続を使用することで、アクションゲームやFPS、シューティングなどでも遅延が気にならないレベルになります。

また、aptX adaptiveに対応しているレベルの無線イヤホンであれば、ヘタな有線イヤホン等よりもよっぽど高品質な音を提供してくれます。

WindowsPCの無線環境で手軽に音質向上

今回の『BT-W4』はWindowsPC環境での使用感も大変良いです。

その理由は、この機種がWindowsPC版のCreative App』に対応している点にあります▼

なお『BT-W3』の場合はこのアプリに対応していません

パソコンにはイコライザ関連のアプリが数多に存在します。しかし、そんな多数あるものと比較をしても『Creative App』の機能が優秀です。

パソコンでの使用においては、この『Creative App』の恩恵が得られることからapt-X adaptive以外の接続方法を使用している方の場合でも、十分な満足感を得られると思います。

手軽な音質改善の機能でお勧めなのが、この『Acoustic Engine』です▼

この機能、変に弄り過ぎると音の本質を変えてしまう点は注意ですが、正しく使うと『普段使っているちょっと微妙な無線イヤホン』の音質を、手軽に『そこそこ良い感じの音質』に調整ができます。

私は普段使用している無線の完全ワイヤレスイヤホンの一つとして『Victor HA-NP35T』を持っています。

この『HA-NP35T』は、「耳をふさがない完全ワイヤレスイヤホンにしては、音質が大変良い」ということで、結構人気な製品です。周囲の音も聞こえるため、作業時にはよく使用しています。

ただ、「耳をふさがないので低域がスカスカ。音量も小さめ」という声も多い機種です。

上記のような『ちょっと欠点があるワイヤレスイヤホン』の音質を、Acoustic Engine』を使用することで良い感じに低域の音を向上させたり、音を更にクリアにしたり、音の広がりを良くしたり調整が可能です

しかも、個人的な経験での評価になりますが、他の音質調整アプリに比べると音が歪みにくい印象です。

他のアプリに比べ、バスの調整で低域を強化した時の音の歪む傾向がかなり少ないと感じました。

私が使用している『HA-NP35T』は、コーデックがSBCにしか対応していないためか、音響効果やイコライザでの調整に対して音が歪みやすい傾向にあります。

きっとコーデックの情報量の限界や、ダイナミックレンジの狭さなども関連しているのではとも思います。

というか、「『HA-NP35T』を持っている人は、WindowsPCで使うために『BT-W4』を買おう!」ぐらいにお勧めしたいです。おそらく他の耳を塞がない無線イヤホンとも相性が抜群に良いと思います。ぜひお試しを!

一般的なイコライザ機能も備えています▼

最初に左部位でイコライザの基本設定を弄った後に、右側の『プリアンプ』値で全体の音が歪まないように調整しつつ、『バス』『トレブル』のバーの上下調整で、イコライザ全体を微調整すると良い感じに設定しやすいです。

とはいえ、前述した『Acoustic Engine』と『イコライザ』を併用すると音の歪みが発生する可能性が大幅に上がることには注意しましょう。どちらか片方だけ使うものありだと思います。

個人的には『Acoustic Engine』だけを軽く掛けるのが一番音が破綻しにくく手軽かなという印象です。

イコライザの設定は苦手な方も多いと思うので、その辺の事情も踏まえて好みで調整していきましょう。

『24bit対応』ということが重要

BT-W3のような『USBに挿して使える』高音質な環境というと、『ハイレゾ(HI-Res)』という言葉が浮かぶと思います。

今回レビューしているBT-W4』は48kHzとはいえ24bitハイレゾに迫るの音質に対応しています。しかし以前に発売されているBT-W3』はハイレゾ級の音質には全く対応していません

上記の内容だけでは「そうなんだー」で終わる方も多いと思いますが、ワイヤレス事情に詳しい方によっては「えっ? BT-W3も実際はハイレゾ品質そこそこも対応してるんじゃね?」と思うかもしれません。BT-W3はハイレゾに全く対応していません。

「……あれ? BT-W3って24bit 48KHzのコーデック『apt-x HD』に対応してるよね?」と思った方には残念なお知らせがあります。上記の理由は「『BT-W3』は24bitに対応していないためです。

まれにネット上での情報で「apt-x adaptiveを使いたいなら『BT-W4』、apt-x LLかHDを使いたいなら『BT-W3』を買おう!」という情報を見ますが、その選択間違ってます。

もし『apt-x HD』を目的とする場合はW4、W3のどちらも買ってはいけないです。

『再生元となるデータが24bit』であることは前提になりますが、16bitと24bitの差はダイナミックレンジの差として音質に直結します特にイコライザなどで音を調整した際には音の歪みとして顕著化するため、24bitに対応したコーデックは、24bitに対応したトランスミッターを利用しましょう。

特に『apt-x HD』は低遅延というわけでも、極端に広帯域というわけでもないので、24bitでないHDは『接続の途切れやすいapt-x』ぐらいの残念感が強いです。

もっとも、室内利用で音質を重視する場合は、最も手軽で普及率も高く、最高音質なLDACがあります。音質を重視する場合は最上位クラスのハイレゾ音質なLDACに対応した無線イヤホンを購入すると良いです。

もし、『apt-x HD』を使うための環境を模索している方が居る場合には、余計なおせっかいかもしれませんが、HD環境を整えるぐらいなら、adaptive(低遅延・音質両立)かLDAC(遅延しまくりだけど音質特化)環境整える方が良いと個人的には思います。

WindowsPC環境でapt-x Adaptiveをちゃんと使える

BT-W4』は低遅延、高音質を活かして、パソコンでの動画視聴やゲーム用途にも親和性が高いです。

映画の視聴にも24bitから生まれるダイレクトレンジを活かした、迫力のある音で楽しむことが可能です。

音ゲー用途には『apt-x LL』『apt-x Adaptive』のどちらが良い?

これも多くの方が悩んでいる・疑問に感じていると思います。

「どちらも遅延が少ない点では評判が良いけど、総合的に判断するとどっちが良いの?」というわけですね。

先に私の結論を言ってしまうと「コーデックの括りではどちらでも良い。製品個体の性能次第」という感じです。

apt-x LLの遅延で問題無いと感じた人であれば、apt-x adaptiveでも全然イケます。

そもそもAndroidの場合は『Android自体が音ゲーで若干遅延する』ので、厳密性にはそこまで期待していないと思いますし……。

ただ、音ゲーを含めた各種ゲームにおいて、24bitハイレゾまで意識した音でそもそも作っていないため、音質については恩恵への過剰な期待はしない方が良いです。同じワイヤレスイヤホンで『apt-xで接続をしたとき』と『apt-x adaptiveで接続したとき』については、音の聴き分けができませんでした。なので、状況によっては『apt-x LLと音質変わんない』があり得ます。

まぁ原音がハイレゾじゃないとそんなもんですよね。

そもそも『LL』と『adaptive』の公正な比較が無理

ぶっちゃけ、『apt-x LL』と『apt-x adaptive』って、実際の利用ベースでの公正な比較検証がほぼ無理ですよね……。

理由は「apt-x LLとapt-x adaptiveとの両方対応した無線デバイスがなかなか無いので、公正な比較ができない」という点です。

例えばそれぞれのコーデックに対応したレシーバーを用意して、同一の優先イヤホンに接続したとしても、結局はレシーバーのチップ性能に音質が引っ張られてしまいます。

ただ、あくまでコーデックのカタログスペック的には、

・apt-x LL:現状遅延が一番少ない。ただしハイレゾに準する情報無し
・apt-x adaptive:遅延はLLの次ぐらいに少ない。ただしハイレゾに準ずる音の扱いも多少はいける(特に24bit)

と分り易いです。

とはいえ前述したように、実際に各メーカーから発売されている無線イヤホンの性能(遅延や音質)については、わずかな差がどうしても発生します。

特に遅延性能については、なまじadaptiveがそこそこ優秀なおかげで「ちょっと遅延性能が残念なA社製apt-x LL無線イヤホンと、品質が優秀なB社製apt-x adaptiveの遅延がほぼ同一」という現象がありえてしまいます。

更に言えば、音質についてもコーデックの差分をメーカーの(ハードウェア的な意味での)ドライバ性能で埋めてくるような状況も考えられます。

「お気に入りの音質のapt-x LL対応のイヤホンの方が、別のapt-x adaptive対応イヤホンより体感上の音質が良く聴こえる」というのは全然あり得る話だと思います。『安いハイレゾ対応イヤホンより、ハイレゾ非対応の高級イヤホンの方が音が良い』なんてことは、よくある話ですよね。

余談ですが、私の場合は手持ちのapt-x adaptive対応のイヤホンがNobel audio社の『FALCON PRO Black』(音質極振り他微妙の機種)、対するapt-x LL対応が『GTW-270』(低遅延最優先他微妙の機種)という両極端なものを所持しているため、私の環境だと「音質面は圧倒的にadaptive!!」みたいな評価になってしまいます。

余談ですが『Noble audio FALCON PRO』はapt-x adaptive対応機としては良いですよ!

イコライザの設定(音質傾向)をイヤホン内に保持できるので、自分だけの音質のワイヤレスイヤホンが手軽に持てます。ただし操作性とか接続し始めの癖の強さはなかなかです……。もし「価格そこそこで音質だけ良い完全ワイヤレスイヤホン欲しい」場合にはお勧めです!


実際にはapt-x LL対応でも高音質で有名な機種が多数存在するため、モノによると思います。

そのため「あくまでコーデックのカタログスペック上では優劣が付けやすいが、実際に使ってみないと使用感は判断しづらい」という点も念頭に置いておきましょう。 

……とはいえ『adaptive』が優秀なのは確か

実際に存在するそれぞれの対応機種で製品による差はあるといえど、最初に触れたように『音質の潜在能力の高さはadaptive』であることは確かです。

『高性能で音質も良さそうなadaptive対応ワイヤレスイヤホン』を見つけた場合には、多目的用途として試してみる価値は高いと思います。

あとは接続安定性もadaptiveの方が優位なため、外出時などの普段使いにも良いです。

……なんだかイヤホンのレビューみたいになってきてますね……。

※注意:『BT-W4』以外のトランスミッターについて

今回『BT-W4』をレビュー・お薦めする理由の大きな一つに、他社の安価製品が危険すぎるという点があります。

通販サイトを探していると他にも『aptX adaptive対応のトランスミッター』は存在します。しかも結構安かったりします。

「この安いのでも良いのでは……?」

と最初は思ったのですが、よくよく製品スペックの詳細や、使用者のレビューなどを見ているとそう甘い考えは通用しないようでした。

安いaptXadaptiveのトランスミッターの中では、どうにも『明確に24bitに対応している』というものが1つも見つかりませんでした。通販の製品ページにて、aptX adaptiveの規格の情報として24bitの記載はあれど、ハードウェア的に対応しているという記載が無いのです。

更に、そういった製品のレビューを見ていくと「16bitでしかUSB-DACとしてデバイス認識しない」という、スクショ付きの投稿があったりします。

「24bit対応してないなら、aptX adaptiveの意味ないやん……」という状態になりかねません。

そういった意味でも、『BT-W4』は「最低限24bit,48KHz接続が利用可能とわかっている」無難な製品といえます。

実際『BT-W4』の効果ってどんなもん?

ということで、今回は同一の無線イヤホン『Noble Falcon Pro』を利用して、『BT-W4(apt-x adaptive接続)』と『BT-W3(apt-x接続)』で、音楽視聴時の実際に聴こえる音質を検証してみました。

ハイレゾじゃない音源で聴き比べる

まず最初に注意事項ですが、ハイレゾではない音源に対して今回の『BT-W4』を使用したapt-x adaptiveを活用する際には、過度な期待は程々にしておきましょう

現状私が音楽鑑賞(というかBGMレベル)で使用しているAmazonMusicでは、音源の多くが『HD音質(16bit,44.1KHz)』です。他のストリーミング系の音楽サービスについても、現状での主要な音源は同程度だと思います。

上記が今回のレビューにどう関係あるかというと、「多くの方が使用している音楽配信サービスについて、ハイレゾ再生環境はオーバースペックになりがち」ということです。

ハイレゾでなければ、従来のapt-xでも音質は十分だといえます。

ということで、単純に考えれば「同じ音質」なはずです。

実際に聴き比べても、「ん~? 『BT-W4(adaptive)』経由の方がちょっともしかしたらクリアかな?」という感じです。正直ほとんどわからん。音の違いだと思っているところも、レシーバー自体のハードウェア依存によるところがあるかもしれませんし……。

ハイレゾ音源での効果は実感可能

ただ、AmazonMusic上での『ULTRA HD』カテゴリには公式なハイレゾ相当(24bit,96KHz)の音源も少なからず存在します。

そういった場合には「あー、これはさすがに違いがわかる……。BT-W4の方が音が鮮明で輪郭くっきりめだ」といった具合に認識可能です。

やはり16bitと24bitでのダイナミックレンジによる音質の差は大きいです。元の音源が24bitのものは、極力ハイレゾに対応した機器をそろえて視聴したいところですね。

試しに見た目がほぼ同じ『BT-W3』と『BT-W4』をどちらかわからない状態にして機器に差し込み、聴き比べを行っても聞き分けることが明確に可能でした。

ただ、注意があるとすれば「ちょっと耳へのイヤホンの挿入感が甘い時のハイレゾ級音質」と「完璧な状態で耳にイヤホンが挿入できている場合の非ハイレゾ音質」は、体感音質で逆転する可能性があります(というか、逆転します)。

やはり自分の耳に合ったイヤホンピース選びや、イヤホンの適切な挿入方法』というのは音楽鑑賞において超重要であることを再認識しました。

蛇足ですが、音質に拘る方はイヤホンやヘッドホンのポジショニングもしっかり調整・拘っていきましょう。

余談ですが、AmazonMusicの音源の中には『ULTRA HD』のカテゴリにある音源によっては『24bit,48KHz(CD以上ハイレゾ未満)』というものも存在します。こういう音源の場合もaptX adaptiveであれば24bitでの恩恵が強いです。

結局『BT-W4』は買い?

今回レビューをした『BT-W4』は、こんな人にお勧めです。

・音ゲー(リズムゲーム)を無線環境でプレイしたい(スコアガチ勢以外、aptX adaptive必須)
・安定した無線環境で、高品質・低遅延な音でゲームがしたい(aptX adaptive対応必須)
・パソコンで無線環境を構築したい

基本はaptX adaptive対応のイヤホン・ヘッドホンとセット運用、という感じです。ただしパソコン利用であれば、使用する接続方式に関わらず有用なのは良い点ですね。

まとめ

今回は『BT-W4』についてレビューしました。

『他の安価な詳細不明な他社機種』を購入するぐらいであれば、aptX adaptive入門機として『BT-W4』はかなりアリだと思います。

個人的にはパソコンの無線環境でも活躍してくれそうです。

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